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マツダ「CX-60」の価格が安い! 直4ガソリンで299万円、直6ディーゼルは323万円から

2022年4月に、マツダ 新型「CX-60」の日本仕様が初公開された。エンジンは、3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンと、同ディーゼルエンジンをベースにした48Vマイルドハイブリッド。そして、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンと、同ガソリンエンジンをベースにしたPHEV(プラグインハイブリッド)の4種類がラインアップされている。

マツダ「CX-60」のグレードラインアップや価格が判明したので、ライバル車との比較などを交えてお伝えしたい

マツダ「CX-60」のグレードラインアップや価格が判明したので、ライバル車との比較などを交えてお伝えしたい

CX-60 2022年モデルの製品画像
マツダ
3.57
(レビュー55人・クチコミ1642件)
新車価格:299〜626万円 (中古車:531〜598万円

CX-60は、プラットフォームが刷新されており、駆動方式は後輪駆動の2WDと、それをベースに開発された4WDが用意される。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンには、それぞれ2WDと4WDが設定されており、48VマイルドハイブリッドとPHEVには、4WDのみがラインアップされる。今回、独自調査でCX-60のグレードや価格が判明したので、グレード間の価格差の詳細やライバル車との比較などを、発売スケジュールも交えてお伝えしたい。まず、最も気になる価格については、以下のとおりだ。

■マツダ「CX-60」のグレードラインアップと価格
※価格はすべて税込

- 2.5L直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.5) -
25S・Sパッケージ:2,992,000円[2WD]
25S・Lパッケージ:3,415,500円[2WD]
25S・エクスクルーシブモード:3,844,500円[2WD]

- 3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジン(SKYACTIV-D 3.3) -
XD:3,239,500円[2WD]
XD・Sパッケージ:3,580,500円[2WD]
XD・Lパッケージ:4,004,000円[2WD]
XD・エクスクルーシブモード:4,433,000円[2WD]

※上記グレードには4WDもラインアップされるが、今回判明した価格は2WDのみ

- 3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジン+48Vマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D) -
エクスクルーシブモード・スポーツ:5,054,500円[4WD]
エクスクルーシブモード・モダン:5,054,500円[4WD]
エクスクルーシブ・プレミアムスポーツ:5,472,500円[4WD]
エクスクルーシブ・プレミアムモダン:5,472,500円[4WD]

- 2.5L直列4気筒ガソリンエンジン+プラグインハイブリッド(e-SKYACTIV PHEV) -
Sパッケージ:5,390,000円[4WD]
エクスクルーシブ・スポーツ:5,846,500円[4WD]
エクスクルーシブ・モダン:5,846,500円[4WD]
エクスクルーシブ・プレミアムスポーツ:6,264,500円[4WD]
エクスクルーシブ・プレミアムモダン:6,264,500円[4WD]

従来のマツダのSUVは、すべて前輪駆動であり、CX-60のように新たに後輪駆動のプラットフォームを作ることは、今日の車両開発ではかなり思い切った取り組みと言えるだろう。

CX-60へ後輪駆動を採用した理由を開発者に尋ねると、以下のような返答があった。「後輪駆動にした理由は、2つある。ひとつ目は、エンジンを縦置きに配置するとハイブリッドを開発しやすいこと。エンジンとトランスミッションの間にモーターを挟むと、マイルドハイブリッドからプラグインハイブリッドまで、さまざまなハイブリッドシステムに対応できる。2つ目の理由は、今は海外を中心にLサイズのSUVが求められており、後輪駆動をベースに4WDを開発すると、走りのバランスがよくなること。後輪駆動は、前輪駆動に比べて車内が狭くなるが、ボディの大きなSUVならば不都合は生じない」。

今後のCX-60の発売スケジュールについて、販売店は以下のように説明する。「CX-60の発売は2022年9月中旬以降で、試乗車もその後に配車されるが、予約受注は2022年4月25日に前倒しして開始する。これに先立ち、価格を明らかにした」。

「CX-60」の価格は、2.5L直列4気筒ガソリンエンジン搭載車が割安に抑えられていることに注目したい

「CX-60」の価格は、2.5L直列4気筒ガソリンエンジン搭載車が割安に抑えられていることに注目したい

価格で注目なのは、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する最も安価な25S・Sパッケージ(2WD)が2,992,000円と安価に設定されていることだ。グレードごとの細かな装備内容は現時点では不明だが、衝突被害軽減ブレーキを始めとする安全装備や、車間距離を制御できる運転支援機能などは全車に標準装備されている。それらを考慮すると、300万円を下回る価格は割安だろう。

たとえば、人気のSUV「CX-5」で最も安価な20S・プロアクティブ(2WD)は、2L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載して、価格は2,909,500円になる。CX-60は、エンジンが2.5Lと排気量がアップしており、ボディサイズは全長が4,740mmなので、CX-5に比べて約170mm長い。さらに、プラットフォームは新開発のものが採用されており、駆動方式は後輪駆動へと変更されている。CX-60は、これらの付加価値を加えながら、価格はCX-5と同等に抑えられている。

CX-60では、2.5L直列4気筒エンジン搭載車の価格を戦略的に安く抑え、割安感を強調しているものと考えられる。そのため、数あるSUVの中でも、CX-60は注目に値する買い得なSUVと言えそうだ。

いっぽう、3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジン搭載車の価格は、最も安いXD(2WD)が3,239,500円になる。また、売れ筋となるであろうXD・Sパッケージ(2WD)は3,580,500円だ。後者の価格は、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する25S・Sパッケージ(2WD)に比べると、588,500円高くなる。また、CX-5に2.2L直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンを搭載するXD・プロアクティブ(2WD)は3,228,500円なので、CX-60のXD・Sパッケージ(2WD)のほうが352,000円上回る。

2.5L直列4気筒ガソリンエンジンの価格がCX-5と同等だったのに比べると、CX-60の3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンは割高に思える。だが、CX-5のディーゼルは直列4気筒だが、CX-60は直列6気筒になり、排気量は2.2Lから3.3Lへと増える。それらの付加価値を含めると、CX-60の3.3Lクリーンディーゼルターボエンジンの価格が2.5L直列4気筒ガソリンエンジンより588,500円高くても、許容範囲に収まるだろう。

「CX-60」の48VマイルドハイブリッドやPHEVは、直4ガソリンエンジンや直6ディーゼルエンジンに比べると、やや割高に感じられる

「CX-60」の48VマイルドハイブリッドやPHEVは、直4ガソリンエンジンや直6ディーゼルエンジンに比べると、やや割高に感じられる

また、3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンに、48Vマイルドハイブリッドを加えた仕様は、冒頭で述べたとおり4WDのみが設定されている。さらに、グレードは上級のエクスクルーシブ系のみとなっている。そのため、48Vマイルドハイブリッドのエクスクルーシブモード・スポーツ、モダン(4WD)の価格は、5,054,500円に達する。3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンのXD・エクスクルーシブモード(2WD)の価格は4,433,000円なので、48Vマイルドハイブリッドは62万円高い。4WDの価格が仮に22万円として、これを差し引いても48Vマイルドハイブリッドの価格は約40万円高くなる。

3.3Lクリーンディーゼルターボエンジンの動力性能は、最高出力が231PS(4,000〜4,200rpm)、最大トルクは51kg-m(1,500〜3,000rpm)で、48Vマイルドハイブリッドが加わると、254PS(3,750rpm)・56kg-m(1,500〜2,400rpm)にアップする。CX-60の48Vマイルドハイブリッドは、軽自動車などに使われるマイルドハイブリッドに比べると動力性能のアップ分は大きいものの、それでも価格を40万円も上げると、少々割高感が生じてしまう。

PHEV(プラグインハイブリッド)は、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンに、モーターや制御システム、総電力量が17.8kWhのリチウムイオン電池などが搭載されている。駆動方式は4WDのみで、最も価格の安いSパッケージは5,390,000円。エクスクルーシブ・スポーツ、モダンは5,846,500円になる。PHEVを搭載しない2.5Lガソリンエンジンの25S・エクスクルーシブモード(2WD)は3,844,500円なので、PHEVは約200万円高く、4WDシステムの価格換算分の約22万円を差し引いても、約178万円だ。経済産業省による補助金は、電源コンセントなどの給電機能を装着した場合で55万円だから、実質差額は123万円になる。

ライバル車のトヨタ「RAV4」は、2Lガソリンエンジンの価格がG(4WD)で3,440,000円、2.5LプラグインハイブリッドのPHV・G(4WD)は4,690,000円だ。したがって、RAV4はPHVを選ぶと125万円の上乗せになり、補助金額を差し引くと70万円に収まる。それを考えると、CX-60の約178万円(補助金額を差し引いて123万円)は、価格アップ分としては大きい。

その代わり、CX-60のPHEVは動力性能が高い。2.5Lガソリンエンジンの最高出力は188PS(6,000rpm)、最大トルクは25kg-m(3,000rpm)だが、PHEVは323PS(6,000rpm)、51kg-m(4,000rpm)に達する。モーター駆動を併用することで、PHEVの最高出力はガソリンエンジンの1.7倍、最大トルクは2倍にまで増強されている。なお、PHEVは1回の充電によって、61〜63kmを走行できる(WLTCモード値)。

ちなみに、PHEVで人気の高い三菱「アウトランダーPHEV」は、本革シートなどを標準装備する最上級のPが5,320,700円だ(補助金額を差し引くと4,770,700円)。ベーシックなMは4,621,000円(同4,071,000円)に収まる。アウトランダーPHEVも、動力性能の高い4WD車で、20kWhのリチウムイオン電池を搭載することによって、WLTCモードで85〜87kmを走行できる。この点を踏まえると、CX-60のPHEVは動力性能がすぐれている代わりに、価格も高い。

以上を考慮すると、CX-60のベストグレードは、3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンを搭載する、XD・Sパッケージ(2WD、3,580,500円)になる。上級SUVで高い人気を誇る「ハリアーハイブリッド」のG(2WD、4,000,000円)を下回り、マツダ車の走りのよさを味わえる走行性能と、価格の割安感を両立させている。

また、価格をもう少し抑えたいのなら、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する25S・Sパッケージ(2WD、2,992,000円)か、あるいは25S・Lパッケージ(2WD、3,415,500円)を推奨したい。これらのグレードは、ハリアーに2L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載するS(2WD、2,990,000円)、G(2WD、3,410,000円)とほぼ同額だ。

このように、CX-60の2.5L直列4気筒ガソリンエンジンと、3.3L直列6気筒クリーンディーゼルターボエンジンの価格は、CX-5やハリアーなどを意識してか、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの価格が割安に抑えられている。今後、販売台数を増加させるために、新開発のプラットフォームを採用しながら価格は抑えられている。

いっぽう、48VマイルドハイブリッドやPHEVは、マツダのブランドイメージがどちらかというとディーゼルエンジン寄りであることを考えても、好調に売れるか否かはわかりにくい。価格も、電動機能を備えていない買い得なガソリンエンジンやディーゼルエンジンに比べると割高になる。

最後に、受注方法にも触れておきたい。以前のマツダは、受注や生産を効率化するために、発売の数か月前から予約受注を開始していた。その結果、ユーザーだけでなく、販売店も実車が見られない状態で商談することを強いられていた。試乗した後で契約すると、納車待ちが長くなるために、「乗らずに契約するか、試乗して納得して買う代わりに納期が長くなるか」といった選択となっていた。

この販売方法は、ユーザーや販売店、さらにはマツダ内部からも不満が生じていたため、マイルドハイブリッドとEVの「MX-30」では予約受注の前倒しを行わなかった。受注と発売はほぼ同時に行われ、マツダ内部の話では「今後は、著しい受注の前倒しはしない」という声が聞かれた。

ところが、CX-60は前述のとおり、発売は2022年9月中旬以降なのだが、予約受注は2022年4月25日に開始される。販売店からは、「CX-60は、6気筒エンジンや後輪駆動が採用されており、従来のマツダ車とはクルマの作りが異なる。そのような車種を試乗できない状態で商談するというのは、正直とてもつらい」というディーラーからの声も聞かれる。

人馬一体を掲げ、人間中心でクルマとの一体感を大事にした、すばらしいクルマ作りを行っているマツダ。にもかかわらず、販売面でユーザーや販売店がのぞむような、納得して購入したい、商談したいという切実な思いが反映されない、顧客不在の売り方は、早期に改善されることを望みたい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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CX-60 2022年モデルの製品画像
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3.57
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新車価格:299〜626万円 (中古車:531〜598万円
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