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イタリアンデザインが美しい、アルファロメオ初のハイブリッドSUV「トナーレ」

ステランティスジャパンは、アルファロメオ初の48Vマイルドハイブリッドシステムを採用したミドルサイズSUV「トナーレ」を、2023年2月18日に発売すると発表した。

2022年2月に世界初公開された、アルファロメオの新型SUV「トナーレ」が、2023年2月18日に日本で発売される。「トナーレ」で注目なのは、美しいイタリアンデザインの外観に加えて、同ブランドでは初のハイブリッドシステムが搭載されていることなどだ。ちなみに、「トナーレ」という車名はイタリア北部の「トナーレ峠」が由来となっている

2022年2月に世界初公開された、アルファロメオの新型SUV「トナーレ」が、2023年2月18日に日本で発売される。「トナーレ」で注目なのは、美しいイタリアンデザインの外観に加えて、同ブランドでは初のハイブリッドシステムが搭載されていることなどだ。ちなみに、「トナーレ」という車名はイタリア北部の「トナーレ峠」が由来となっている

トナーレの製品画像
アルファロメオ
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(レビュー-人・クチコミ2件)
新車価格:524〜589万円 (中古車:応談

販売されるグレードは、まずはベースグレードの「Ti」と特別仕様車の「エディツィオーネ スペチアーレ」の2グレードが導入され、後にカタロググレードとして「ヴェローチェ」もラインアップされる予定となっている。さらに、2023年後半にはPHEVモデルも登場する予定だ。価格については、以下のとおり。

■アルファロメオ「トナーレ」のグレードラインアップと価格(2023年2月18日時点)
Tonale “Ti”:5,240,000円
Tonale “Edizione Speciale”:5,780,000円

まず、「トナーレ」のボディサイズ(全長×全幅×全高)は4,530×1,835×1,600mmで、ホイールベースは2,635mm。輸入車におけるCセグメントのプレミアムSUVとしては、全長は最も長いものの、車幅は1,850mmを切っているので取り回しはしやすそうだ。

「トナーレ」のフロントエクステリアとリアエクステリア

「トナーレ」のフロントエクステリアとリアエクステリア

プラットフォームは、「スモールワイドプラットフォーム」と呼ばれる、「ジープコンパス」と共通のものが採用されている。そして、同プラットフォームをベースに、アルファロメオ特有のクイックなハンドリングやコーナーリング時のリニアな応答性を実現するため、「トナーレ」はワイドトレッド化されている。また、サスペンションは前後ストラット式が採用されているほか、シャシーの剛性強化なども施された。さらに、エンジンフードにアルミニウムが使われていることなども、アルファロメオならではだ。

「トナーレ」のデザインは、アルファロメオの代名詞ともいえるスクデット(盾)がフロントグリルの中央に配され、シャープなヘッドライトで新しいアルファロメオの顔が演出されている。サイドのドアショルダーに見られるきれいな曲線美や、一際目を引くテールランプなどが、独特なデザインを纏っている。

3連のU字型デイタイムランニングライト(上)は、往年の「SZ」をヒントにデザインされており、リアにも3連のLEDコンビネーションランプ(下)が採用されている

3連のU字型デイタイムランニングライト(上)は、往年の「SZ」をヒントにデザインされており、リアにも3連のLEDコンビネーションランプ(下)が採用されている

「トナーレ」のサイドイメージ

「トナーレ」のサイドイメージ

SUVならば、ラゲッジ容量も注目したい点のひとつだろう。「トナーレ」は、「Q3」の530Lには及ばないものの、それに近い500Lが確保されている。

「トナーレ」のラゲッジルーム

「トナーレ」のラゲッジルーム

ハイブリッドシステムの搭載によって燃費も良好

「トナーレ」のハイブリッドモデルのパワートレインは、フロントに2つの電動モーターが搭載された、マイルドハイブリッドシステムが採用されている。ひとつは、ベルト・スターター・ジェネレーター(BSG)で、もうひとつはゲトラグ製湿式タイプの7速デュアルクラッチトランスミッション(7速DCT)内にモーターが内蔵されている。

「トナーレ」のパワートレインは、160PSの新開発1.5L直列4気筒直噴ターボエンジンに、20PSの48V電気モーターが組み合わされる

「トナーレ」のパワートレインは、160PSの新開発1.5L直列4気筒直噴ターボエンジンに、20PSの48V電気モーターが組み合わされる

このハイブリッドシステムの大きな特徴は、時速15〜20km程度まではトランスミッション内蔵のモーターがエンジンとトランスミッションをクラッチで切り離し、電動モーターで走行可能なところだ。つまり、発進時などはEV走行でスタートできるので、燃費に大きく影響を及ぼすことになる。結果として、WLTCモード燃費で16.7km/Lを達成。たとえば、同じ48Vマイルドハイブリッドのボルボ「XC40」(Plus B3)は14.8km/Lなので、それを上回っている。

搭載エンジンは、1.5リッター直列4気筒直噴ターボエンジンで、スペックは最高出力が117kW(160ps)/5,750rpm、最大トルクは24.5kgm(240Nm)/1,500rpm。気筒内の緻密な燃焼制御が図られており、350気圧で作動する高圧燃料噴射システム、12.5対1の高い圧縮比、吸気ポートの改良、可変ジオメトリーターボ、ミラーサイクルなどの採用によって熱効率を上げているのも大きなポイントだ。

競争力のある装備

さて、近年重要視されてきているコネクティビティについても、「トナーレ」は必要にして十分な装備が搭載されている。

スマホ専用アプリの「My Alfa Connect」を利用すると、ガソリン残量などの車両コンディションをはじめ、カーナビの目的地設定や自車位置情報のほか、リモートコントロールで開錠施錠も行える。また、「ラストマイルナビゲーション」と呼ばれる機能があり、車両停止位置から最終目的地までの距離が1マイル以内の場合、アプリ上で最終目的地までの徒歩経路を案内してくれる。もうひとつ、「トナーレ」はNFT(非代替性トークン)証明書を搭載する史上初の自動車になる。これは、「My Alfa Connect」によって走行距離などを改ざん不可能なデータとして記録するものだ。

「トナーレ」のインテリアはブラック基調で、上質なコックピットへと仕上げられている

「トナーレ」のインテリアはブラック基調で、上質なコックピットへと仕上げられている

「トナーレ」の日本仕様には、カーナビが標準装備されているのがうれしい

「トナーレ」の日本仕様には、カーナビが標準装備されているのがうれしい

そのほか、デジタルメータークラスターやマトリクスLEDヘッドライト、360度カメラやレーンキーピングアシスト(センタリング機能付き)、さらには日本市場専用としてアイシン製のカーナビが全車に標準装備されていることなどから、524万円からという価格設定はかなり戦略的な値付けであることがわかる。

競合多数のCセグメントSUVで強みを生かす

昨年、2022年の輸入車販売台数は約24万台だったが、その中でもCセグメントは28%を占めており、さらにその中でもSUV市場は多くの競合車がひしめいている。そこへ、新型車である「トナーレ」を導入するからには、緻密な調査が必要となる。

ステランティスジャパン アルファロメオ プロダクトマネージャーの田村明広さんによると、プレミアムブランドのSUVを購入しているユーザーは大きく2つに分かれるという。ひとつは、Cセグメントハッチバックからのアップサイジング。そしてもうひとつは、Dセグメントからのダウンサイジングで、「この2つの流れが交差する中で、お客様のさまざまな思考、バックグラウンドに幅広くマッチした商品が、同セグメントで求められている」と言う。そのようなユーザーの購入理由は、「上位に来るのが、デザインです。そして、コンパクトなサイズ」とし、「これらは、トナーレが合わせ持つ強みでもあります」とコメントする。競争力のある価格とともに、自信をもって市場に投入する1台となっていることが窺えた。

さらに、もうひとつ大きな情報がある。アルファロメオ自体の店舗数は、正直少ないと言わざるを得ない。しかし、8ブランドを構えるステランティスジャパンは、2022年末時点で日本国内では349拠点を展開している。

登壇しているのは、ステランティスジャパン 代表取締役社長の打越晋氏

登壇しているのは、ステランティスジャパン 代表取締役社長の打越晋氏

新たに、ステランティスジャパン 代表取締役社長に就任した打越晋氏は、「お客様の満足度を向上させるために、新車、中古車、サービス部門が一体となって、お客様の要望を的確に理解し、迅速に対応する。それが重要なことだが、まだまだ我々のネットワークは不十分と言わざるを得ない」と現状を語る。そして、「平均で10〜15kmもかけてお店までご足労いただいており、これは早急に対応しなければいけない」とし、「その鍵となるのが、クロスインベストメントだ」と言う。これは、「たとえば現在、ジープを展開している販売店に、アルファロメオもお願いする。また、複数のブランドを取り扱うことができる店舗を拡大し、より利便性の高いネットワークにしていくなどのフレキシブな対応も可能になる。これこそが、ステランティスだからこそできる、新たな価値だと考えている。さらには、お客様により満足いただくために、ブランド間でベストプラクティスを共有して、どのステランティスの店舗にいらっしゃっても、最高のおもてなしをご提供する。そういった活動も進めていく」と意気込みを語っていた。

もし、この戦略がうまくいったとしたら、現在のアルファロメオをはじめとしたステランティスグループのユーザーは、非常に大きな恩恵を受けることになるし、かつ、購入を検討している人たちにとってはショッピングリストに入れやすくなることは間違いない。なぜなら、「あのクルマ、どこで買えるんだろう。どこで修理すればいいんだろう」といった悩みが解決する方向になるからだ。

最後に、アルファロメオの今後について。「ジュリア」と「ステルヴィオ」は、本国でマイナーチェンジが実施されており、近々日本にも導入される見込みだ。そして、期待の「トナーレ」のPHEVモデルは、2023年後半にラインアップに加わる予定なので、こちらも期待して待ちたい。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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新車価格:524〜589万円 (中古車:応談
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