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新型「GRヤリス」が世界初公開!大幅改良で300馬力超え、新開発の8速ATを搭載

トヨタは、「GRヤリス」のハイパフォーマンスグレード「RZ“High performance”」の大幅改良モデル(トヨタでは“進化”と表現)を、「東京オートサロン2024」において世界初公開した。

大幅改良が施されたトヨタ「GRヤリス」(RZ“High performance”)が、「東京オートサロン2024」にて世界初公開された

大幅改良が施されたトヨタ「GRヤリス」(RZ“High performance”)が、「東京オートサロン2024」にて世界初公開された

発売日は、2024年の春ごろが予定されている。詳細なラインアップや価格については未発表だが、スペックや特徴については公表されているので、以下にお伝えしたい。

■トヨタ「GRヤリス」RZ“High performance”
全長×全幅×全高:3,995×1,805×1,455mm
ホイールベース:2,560mm
トレッド:1,535mm(フロント)/1,565mm(リヤ)
乗車定員:4人
車両重量:1,280kg(「GR-DAT」搭載モデルは1,300kg)
エンジン:1.6L直列3気筒インタークーラーターボ(G16E-GTS)
最高出力:224kW[304PS]/6,500rpm
最大トルク:400N・m[40.8kgf・m]/3,250〜4,600rpm
トランスミッション:iMT(6速マニュアルトランスミッション)or GR-DAT(8速オートマチックトランスミッション)
駆動方式:スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式)
差動装置(フロント、リヤ共に):トルセンLSD
サスペンション:マクファーソンストラット式(フロント)/ダブルウィッシュボーン式(リヤ)
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク・18インチアルミ対向4ポットキャリパー(フロント)/ベンチレーテッドディスク・16インチアルミ対向2ポットキャリパー(リヤ)
ホイール:BBS製 鍛造アルミホイール 8J インセット45mm
タイヤ(フロント、リヤ共に):225/40ZR18 ミシュラン Pilot Sport 4S
燃料タンク容量:50L

「GRヤリス」(RZ“High performance”)のフロントイメージ。ロアグリルには薄型、軽量化と強度を両立するスチールメッシュを、バンパーロアサイドには分割構造が新たに採用されている

「GRヤリス」(RZ“High performance”)のフロントイメージ。ロアグリルには薄型、軽量化と強度を両立するスチールメッシュを、バンパーロアサイドには分割構造が新たに採用されている

サイドロアグリルは、開口部の大きい形状へと変更され冷却性能を確保。さらに、バンパーサイドにエアアウトレットを設けることで、サブラジエーターおよびATFクーラーの熱を効果的に排出する

サイドロアグリルは、開口部の大きい形状へと変更され冷却性能を確保。さらに、バンパーサイドにエアアウトレットを設けることで、サブラジエーターおよびATFクーラーの熱を効果的に排出する

リヤランプは、モータースポーツにおける損傷回避や視認性を考慮して、上下のランプ類が中央へと集約されている。また、ハイマウントストップランプとリヤスポイラーを分けることによってリヤスポイラーのカスタマイズ性が拡張されているほか、一体感のある一文字のテールランプによって後方の存在感が増している

リヤランプは、モータースポーツにおける損傷回避や視認性を考慮して、上下のランプ類が中央へと集約されている。また、ハイマウントストップランプとリヤスポイラーを分けることによってリヤスポイラーのカスタマイズ性が拡張されているほか、一体感のある一文字のテールランプによって後方の存在感が増している

新型「GRヤリス」における大きな特徴としては、新開発の8速AT「GR-DAT」が新たに搭載されたことと、エンジンの出力、トルクが大きく向上していることだ。

まず、従来型のトランスミッションは、「iMT」と呼ばれる6速マニュアルトランスミッション(RZグレード)、もしくはCVT(RSグレード)の2種類だったのだが、新型では8速AT(以降、「GR-DAT」)が新たに追加採用されている。

「GR-DAT」は、クロスレシオ化によってパワーバンドを生かした走りが可能となっており、AT制御ソフトウエアの改良などによって世界トップレベルの変速スピードを実現しているという

「GR-DAT」は、クロスレシオ化によってパワーバンドを生かした走りが可能となっており、AT制御ソフトウエアの改良などによって世界トップレベルの変速スピードを実現しているという

具体的には、AT制御ソフトウェアをスポーツ走行用に最適化。「GR-DAT」では、従来のATのように減速Gや速度などの車両挙動を感知して変速させるだけでなく、ブレーキの踏み込み方や抜き方、アクセル操作に至るまで細かに感知することによって、車両挙動の変化が起こる前に変速が必要な場面を先読み。ドライバーの意思を汲み取るかのような、まるでプロドライバーによるシフト操作と同じようなギヤ変速を実現しているという。

「GR-DAT」を採用した意図としては、モリゾウ(豊田章男 代表取締役会長)氏による「より多くの方に走る楽しさを提供し、モータースポーツの裾野を広げたい」という思いのもと、「1.6L直列3気筒ターボエンジン×4輪駆動」を楽しみつくすために新開発されたとのことだ。

■「GRヤリス」RZグレードのエンジンスペックを従来型と比較
※搭載エンジンは1.6L直列3気筒インタークーラーターボ「G16E-GTS」
-最高出力-
新型:224kW[304PS]/6,500rpm
従来型:200kW[272PS]/6,500rpm

-最大トルク-
新型:400N・m[40.8kgf・m]/3,250〜4,600rpm
従来型:370N・m[37.7kgf・m]/3,000〜4,600rpm

-パワーウェイトレシオ-
新型:5.7kg/kW(6速MT)/5.8kg/kW(8速AT)
従来型:6.4kg/kW(6速MT)

新型「GRヤリス」のRZグレードには、モータースポーツにおける戦闘力の向上を目指して、「GRカローラ」のモリゾウエディションと同スペックのエンジンが新たに搭載されている。従来型とのスペック比較は上記の通りで、最高出力が32PS、最大トルクが3.1kgf・m向上している。

「GRヤリス」(RZ“High performance”)のエンジンルーム

「GRヤリス」(RZ“High performance”)のエンジンルーム

注目したいのが、新型「GRヤリス」には多彩なドライブモードが設定されていることだ。新追加された「ドライブモードセレクト」では、「SPORT」「NORMAL」「ECO」の3つのモードが選択可能となっている。それぞれのモードを選ぶことで、アクセルレスポンスや電動パワステの手ごたえが変わるほか、「GR-DAT」搭載モデルでは変速タイミングや変速フィールなども変化する。

また、上記の「ドライブモードセレクト」とは別に、「サーキットモード」も設定されている。GPSによってサーキットへ入ったと判断されると、速度リミッターの上限が引き上げられ、ターボラグ低減を制御するアンチラグなどの機能が使用可能となる。さらに、エンジン水温の冷却のためにクーリングファンの出力が最大化され、メーターにはシフトタイミングインジケーターが点灯するようになる。ちなみに、「サーキットモード」はT-Connectサービスの有料オプションだ。

「GRヤリス」(RZ“High performance”)には、12.3インチフルカラーTFTメーターが採用されている。画像は、「サーキットモード」時のメーター表示

「GRヤリス」(RZ“High performance”)には、12.3インチフルカラーTFTメーターが採用されている。画像は、「サーキットモード」時のメーター表示

新型「GRヤリス」では、ドライビングポジションも最適化されている。ドライバーファーストなコックピットを追求するため、インパネ中央の操作パネルやディスプレイはドライバー側に15度傾けられており、ドライビングポジションは25mm下げられ、ステアリング位置も改善されている。また、センタークラスターの上端が50mm下げられることによって、前方視界も向上している。

スーパー耐久シリーズ参戦車や全日本ラリー選手権参戦車をモチーフに、操作パネルとディスプレイがドライバー側へ15度傾けられている

スーパー耐久シリーズ参戦車や全日本ラリー選手権参戦車をモチーフに、操作パネルとディスプレイがドライバー側へ15度傾けられている

シフトレバーによる「Mモード」での変速操作の向きを、従来型から反転。車両の挙動に合わせて、レーシングカーのシーケンシャルトランスミッションのように引き操作でシフトアップ(加速)、押し操作でシフトダウン(減速)するように変更されている

シフトレバーによる「Mモード」での変速操作の向きを、従来型から反転。車両の挙動に合わせて、レーシングカーのシーケンシャルトランスミッションのように引き操作でシフトアップ(加速)、押し操作でシフトダウン(減速)するように変更されている

なお、今回の大幅改良に合わせて、「GRMNヤリス」の最高出力を新型「GRヤリス」と同等に引き上げるためのアップグレードサービスなども、今後実施される予定だ。

(写真:島村栄二、トヨタ自動車)

桜庭智之(編集部)
Writer / Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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