レビュー

ダンロップ「スポーツマックス ラックス」圧倒的に滑らかな乗り心地をGLCとEクラスで体感!

ダンロップは「SPORT MAXX(スポーツマックス)」シリーズに、コンフォートタイヤの新たなフラッグシップ「SPORT MAXX LUX(以下、ラックス)」を2025年2月に追加した。今回は、「ラックス」装着車の試乗レポートをお届けしたい。

ダンロップ「SPORT MAXX LUX」は、操縦安定性と静粛性を高次元で両立したプレミアムコンフォートタイヤだ

ダンロップ「SPORT MAXX LUX」は、操縦安定性と静粛性を高次元で両立したプレミアムコンフォートタイヤだ

新コンフォートタイヤはスポーツブランドとしてラインアップ

ダンロップは、これまで同社のプレミアムコンフォートタイヤを担ってきた「VEURO(ビューロ)」から商品コンセプトを一新。新たに「SPORT MAXX」シリーズとしてデビューしたのが「ラックス」だ。

住友ゴムは先般、欧米豪のダンロップの商標権を買収。これを機に、「SPORT MAXX」シリーズを新生ダンロップのプレミアム商品としてグローバルに展開していく。

ラグジュアリーなコンフォートタイヤを、スポーツブランドである「SPORT MAXX」シリーズに加えてよいのかという議論もあったと言う。しかし、すぐれた静粛性や乗り心地を備えながら、シリーズの名にふさわしい高い操縦性能を両立させる新技術が完成したことで、この戦略が実現した。

きれいな路面を走り続けているようにスムーズな乗り心地

では、さっそくテスト試乗へと移ろう。今回、乗ったのはメルセデス・ベンツ「GLC 220d(タイヤサイズ:235/60R18)」と、先代のメルセデス・ベンツ「E200(同245/45R18)」の2台だ。

まずは、「GLC 220d」で走り始めよう。第一印象は静粛性の高さだ。ロードノイズやパターンノイズがきれいに消されている。印象的だったのは、ふと隣のレーンを走る大型トラックがやけにうるさく感じられたことだ。そこではたと、「ラックス」のタイヤノイズがほとんど車内に侵入してきていないことに気づかされた。コンフォートタイヤの中には、路面状況によっては急にタイヤノイズが大きくなるものもある。だが、「ラックス」は路面が変化しても違和感なく、タイヤ音の大きさも自然でストレスなく運転できる。

「SPORT MAXX LUX」を装着したメルセデス・ベンツ「GLC 220d」を試乗

「SPORT MAXX LUX」を装着したメルセデス・ベンツ「GLC 220d」を試乗

さらに、普段走り慣れた路面が滑らかになったかのような感覚を覚えた。従来のタイヤが「ゆず肌(凹凸のある質感)」だったと思えるほど、しっかりとグリップしながらも「ラックス」のタイヤの表面がまるで「すべすべ」であるかのようなスムーズさなのだ。

いっぽうで気になったのは、街中におけるステアリングフィールだ。車線変更や右左折時など、ステアリングを切り始めた際のセンター付近が少々甘く感じられ、そこからさらに切り増すと一気に舵が入る。これは慣れてしまえば問題ないのだが、最初は少し気を使った。

この傾向は、「E200」でも共通していた。静粛性やスムーズさは「GLC」と同様に非常に高いのだが、ステアリングの印象も同様だ。また、車重が「GLC」より軽いせいか、マンホールなどの突起を乗り越えた際のアタリは「E200」のほうがやや伝わりやすかった。とはいえ、車重が軽いからと言ってコーナーリング中の段差で跳ねたり、タイヤがよれたりするようなことは一切なかったことも付け加えておきたい。

「SPORT MAXX LUX」を装着したメルセデス・ベンツ「E200」を試乗

「SPORT MAXX LUX」を装着したメルセデス・ベンツ「E200」を試乗

「すべすべ」の秘密は接地形状にあり

最も好印象だった「すべすべ感」に大きく影響しているのは、シリーズ共通の「マックス・ドライバビリティ・テクノロジー」による効果が大きそうだ。 通常のタイヤは正面(トレッドパターンが見える方向)から見ると全体的に丸みを帯びているが、「ラックス」は接地面をフラットに設計することで接地面積を拡大している。これによりタイヤと路面の接地圧を均一化し、微細な振動の入力を低減しているのだ。

さらに、「ラックス」では新技術「サイレントウェーブテクノロジー」を投入することでタイヤノイズを低減。具体的に、タイヤのパターンノイズに関しては、ダンロップは耳につきやすい周波数に注目。タイヤのブロックと溝を途切れない「シームレスグルーブ」デザインにすることでパターンノイズを抑えている。たとえるなら、従来のタイヤが「ベタ足」ならば、ラックスは「抜き足」のようなスムーズな足運びのイメージだ。また、路面とタイヤ溝が接地した際、タイヤ溝内の空気が振動することによって発生するノイズを、「デュアルスロープ」という段差を溝の中に設置することで低減させている。

「ラックス」には、センター付近をフラット形状にすることで接地面積を増加させる専用プロファイルが採用されている

「ラックス」には、センター付近をフラット形状にすることで接地面積を増加させる専用プロファイルが採用されている

さらに、タイヤ内部の空気振動によっても音が反響することでノイズが発生するのだが、「ラックス」は特殊吸音スポンジ「サイレントコア」の採用によって共鳴音を吸収させている。これらの技術を採用することによって、「ラックス」は静粛性を大幅に向上させている。

タイヤ内に映っているのが、特殊吸音スポンジ「サイレントコア」だ

タイヤ内に映っているのが、特殊吸音スポンジ「サイレントコア」だ

EV時代を見据えた新基準タイヤ

今回の試乗で、「ラックス」がコンフォートタイヤとしてきわめて優秀な実力を持っていることが明確になった。特に、静粛性の高さや滑らかなフィードバックは図抜けており、均一な接地面が乗り心地の質に対して重要であることを認識させられた。

また、「SPORT MAXX」シリーズでありながらスポーティーな方向のみに振らず、コンフォート性とうまくバランスが取られているあたりは、今回の新商品の方向性が明確に走りにも表れていると感じられた。

また、最近のタイヤの傾向と同じく、「ラックス」も車重の重いクルマとの相性がよい。その背景には、BEV(電気自動車)をターゲットに据えていることがある。ダンロップは、BEVの新車装着タイヤ開発で培った経験をもとに、「EV Suitable」という独自の基準を策定。その基準をクリアしたタイヤのみに付与されるのだが、「ラックス」はその第一号モデルなのだ。

しなやかな乗り心地を保ちつつ、剛性感(腰砕けのなさ)もしっかりと確保されている。そして、時には「SPORT MAXX」シリーズであることからキビキビと走りたい。車重の重いクルマで快適に走りたいというユーザーに、自信を持っておすすめできるタイヤが「ラックス」だ。

内田俊一
Writer
内田俊一
1966年生まれ。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も行いあらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。
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桜庭智之(編集部)
Editor
桜庭智之(編集部)
自動車専門メディアで編集者として10年間勤務した後「価格.comマガジン」へ。これまで、国産を中心とした数百の新型車に試乗しており、自動車のほかカーナビやドラレコ、タイヤなどのカー用品関連も担当する。
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