ダイハツ工業は、軽自動車の新モデル「キャスト」を本日2015年9月9日より順次発売する。製品の技術的な特徴とともに、クロスオーバー風の「アクティバ」、ベーシックな「スタイル」、スポーツ仕様の「スポーツ」という3種類のバリエーションについて、フォトレポートをお届けしよう。
一挙に3スタイルのボディが発表されたキャスト。その概要をお届けしよう
今回発表されたキャストは、一見デザイン優先の軽自動車に見える。だが、技術的にはかなりユニークな点が見られる。何より設計プロセスがユニークだ。最初にデザインのストックを用意しておき、製品コンセプトにあったものを選んで最適化するという新しい方式を採用することで、最近の軽自動車の標準的な設計期間である12か月を下回る10か月という短期間で完成している。これは、製品のライフサイクルが短くなっている軽自動車の今後を左右する重要なキーポイントになると言えるだろう。
もうひとつの特徴は、樹脂パーツを多用することで、設計やデザインに今まで以上に幅を持たせている点だ。樹脂パーツは、トランクリッド表面、フロントフェンダー、Cピラーなどに使われているほか、キャストのデザイン上の特徴である天井だけ塗り分けられたツートンカラーにも使われている。今までのツートンカラー塗装は手間がかかり高価だったが、キャストでは、天井部分だけ樹脂製のシートを張り替えるだけで、ツートンカラーが実現できる。これに、3種類のボディや、豊富な内装バリエーションを組み合わせれば、今まで以上に外装のカスタマイズが可能になるのだ。
あらかじめ用意されたデザインからコンセプトにあったものを選ぶ、という設計プロセスを採用し、企画立案から10か月という短期間での製品化を実現している
天井のツートンカラーは塗装ではなく、樹脂製シートを貼り付けることで実現している。高価だったツートンカラーが手軽に選べるようになる
アクティバは、クロスオーバーテイストのデザインが特徴。アグレッシブなデザインでなかなか力強い印象だ
30mm上げられた車高に、大口径のタイヤを組み合わせており、雪道でも高い走破性を備えている
雪道対策として、タイヤの空転時の制動力を確保するグリップサポート制御や、急な下り坂や雪道で、前進時・後退時とも車速を約5km/hに保つDAC制御を搭載している
シルバーとスエード長のブラックの2色を組み合わせたファブリックシートを組み合わせている。アクティブなイメージとマッチしたデザインだ
写真は「アクティブ G “SA-II”」の標準インテリア。このほか、ブルー、オレンジ、ブラックの3色がオプション設定されている
標準型のキャスト スタイル。丸み持たされたボディの端々に配置されるメッキパーツが都会的な気品を感じさせる
キャストシリーズの外装に使われる樹脂パーツは、デザイン面に与える影響が大きい。トランクリッドの複雑な面構成は樹脂ならでは
サイドモールにメッキパーツが使われており、高級感がある
グリル周辺やスポイラーなどにメッキパーツが使われている
写真の内装は標準設定のシルバー。シートの一部にスエード調の新素材が使われている。オプション設定でバーガンディ、ライトブラウン、ホワイト、ブラックも選ぶことができる
スポーツの発売は10月下旬の予定。2WD モデルは、硬めにチューニングされた「スポーティサスペンション」を搭載している
専用デザインの16インチホイールを履く。扁平率の低いタイヤとの組み合わせで精悍なイメージが強い
ドアミラーは赤く塗装されている。こちらも樹脂製シートを使っている
グリルも専用にデザインされたもの。赤いエンブレムが雰囲気を盛り上げる
天井には炭素素材風の表面処理がなされたシートが張られていた
ハンドルの後ろに備わるパドルシフト。これもスポーツだけに設定されている装備