ダイハツ工業は、2016年9月7日、軽自動車の新モデル「ムーヴ キャンバス」を発表し、同日より全国で販売を開始した。ダイハツのラインアップとしては、2008年の「ムーヴ コンテ」や、2009年の「ミラ ココア」以来となる、久しぶりの女性をメインターゲットにしたモデルだ。その特徴をレポートしよう。
ダイハツから久しぶりに登場した女性向けの軽自動車「ムーヴ キャンバス」。女性の中でも未婚・独身の女性をターゲットにしたという
「ムーヴ キャンバス」は、内外のデザインとユーザビリティーに注力した軽自動車。未婚の女性をユーザーとして強く意識している。その特徴が現れているのは、バランスのよい丸型のシルエットだ。全高は1,655mmで、トール型ボディの代表的なモデルである「タント」の1,750mmより100mm近くも低い。これは、車内で子供の着替えをする必要がなく、結果としてデザインを優先できたということの現れだ。また、短いボンネットや丸みを帯びたデザインは、どことなくクラシカルで、アンティークな生活雑貨に通じる雰囲気がある
短いボンネットと丸いボディは、どことなくクラシカルな雰囲気
エクステリアにはメッキパーツが多用されており、クラシカルな雰囲気をさらに印象付けている
リアのハッチゲートは開口部が低く使いやすそうだ
短いボンネットや大きなガラス窓のおかげで、運転席からの視界は良好。こういう配慮も女性にはうれしいポイントだろう
やや低めな全高は、子供を立たせて車内で着替えさせる必要がない、未婚のユーザーをターゲットにしていることの現われ
エンジンはいずれのグレードも、水冷直列3気筒12バルブDOHCエンジンで、燃費は2WDモデルで28.6km/l、4WDモデルでは27.4km/lを実現している
ボディカラーは合計17種類。ツートンカラーが8種類、モノトーンが9種類という内訳だ。さらに、インテリアのカラーも、4種類が設定されている。また、インテリアでは、簡単に着脱でき自宅で洗濯も可能なシートクロスをオプションとして用意。クルマのシートは、汚れやすいが洗うのはなかなか大変だが、「ムーヴ キャンバス」なら常に清潔なシートを使うことができるだろう。こうした配慮も、清潔さにこだわる女性を意識したものと言えるだろう。
シンプルで明るいインテリア。カラーパネルの違いによって、写真のファインミントのほか、ミストピンク、マイルドモカ、ベージュの合計4種類が用意されている
ドアトリムも、豪華ではないが、飽きのこないデザイン
インテリアでは、後席の下にある左右2個の引き出し式収納スペース「置きラクボックス」(対応しないグレードもある)がユニークだ。耐荷重5kgまで対応するこのボックスは、床には置きたくないが、シートにおくには安定しない、食料品の詰め込まれたビニール袋、植木鉢、ピクニック用のバスケットなどの収納に活用できる。
2列目シート下に備わる「置きラクボックス」。床に置きたくはないが、シート上では不安定になる荷物を運ぶ場合に便利だ
ダッシュボードの運転席側に備わる収納スペース
ラゲッジスペースはこのクラスとしては標準的なもの。なお、床下収納も用意されている
自宅で洗えるシートカバーがオプションで用意される。ストライプやチェック柄のほか、写真のようなシンデレラや、ミッキーマウスの柄も選ぶことができる
ミッキーマウスがモチーフのフロアマットも別売りで選ぶことができる
機能面では、G“SA II”およびG“メイクアップSA II”の上位グレードには、ステアリングに連動してヘッドランプの光源が左右に動く「AFS」が軽自動車として初めて採用されている(ダイハツ調べ)。また、「パノラマモニター」もダイハツとして初めて採用され、ボディの前後やドアミラーの合計4か所に取り付けられたカメラにより、クルマを上から見下ろしたような映像をナビ画面に表示できる。また、運転支援システム「スマアシII」も用意される。
「ムーヴ キャンバス」のような箱型のクルマは、左右や後方の見通しがネックとなりやすい。だが、こうした数々の機能があれば、不慣れな場所での駐車もスムーズに行いやすいだろう。
G“SA II”およびG“メイクアップSA II”には、ステアリング連動ヘッドランプ「AFS」が装備される
フロントガラスには一眼のカメラが備わり運転支援システム「スマアシII」で活用する。衝突回避支援ブレーキ、衝突警報、車線逸脱警報、誤発進抑制制御、先行車発進お知らせの各機能が利用可能だ
なお、用意されるグレードは、エントリーグレードのLから、最上位のG“メイクアップ SA II”まで合計9種類で、それぞれに2WDと4WDが設定されている。本体価格は、1,188,000〜1,668,600円となっている。