あれこれ通信
「アイコス3 」「アイコス3マルチ」発売直前に秘密拝見!

スイスの「アイコス」工場に潜入。ヒートスティックのうまさの秘密が今、明かされる!

世間が待望の新型加熱式タバコ、「アイコス3 」「アイコス3マルチ」(フィリップ モリス)発表で盛り上がる直前、筆者は飛行機で約12時間をかけてスイスに向かっていた。アイコスの工場とラボ(研究所)の見学許可が下りたからである。普段から加熱式タバコ3種類、VAPEにヴェポライザー、紙巻きタバコには少々ご無沙汰だが、立派なヘビースモーカーの筆者としては、以前からアイコスの内部構造に興味があったので、ワクワクする。

スイス西部の湖畔の街ヌーシャテル郊外にあるのが、フィリップ モリス インターナショナル(以下、PMI)のアイコス本体及びヒートスティックの工場。一応、細いながらも工場らしく2本の煙突が見える

チューリッヒ空港から電車で2時間ほど移動し、ヌーシャテルの街からトラム(路面電車)に乗り換えて10分ほど行くと現れるのが、PMIのロゴ。ここが工場で、本体の開発を担う研究棟「キューブ」が道を挟んで隣接している。

トラムの駅は基本的に無人。ホームには少なからずポイ捨ての吸い殻がある

トラムの駅は基本的に無人。ホームには少なからずポイ捨ての吸い殻がある

もともとドイツにあった工場が移転して、研究棟「キューブ」とともにスイスの地へ来たそうだ

もともとドイツにあった工場が移転して、研究棟「キューブ」とともにスイスの地へ来たそうだ

この工場と研究棟が同じ地に存在するというのが、実はすごく意味があるという。なぜかというと、開発した新製品(ヒートスティックを含めて)を、いち早く製造してみることができるから。なので、ここでは「マールボロ」などの紙巻きタバコ、アイコスのヒートスティックや各種プロトタイプが日夜製造されているのだ。製造されているヒートスティックの一部は、日本向けに出荷される。

キューブと工場の眼前に広がるのはヌーシャテル湖。こんな風光明媚な土地柄で、アイコスは作られているのだ

キューブと工場の眼前に広がるのはヌーシャテル湖。こんな風光明媚な土地柄で、アイコスは作られているのだ

これが研究棟であり、各国から集まった科学者たちが日夜アイコス研究にいそしんでいるキューブ。アイコスを吸える場所は多いが、紙巻きタバコは指定の場所しか吸えない

技術機密を守るため、厳重警戒されたキューブで受付。社内にも監視カメラが随所にあり、多くの警備員が巡回しているという徹底ぶりだ。勤務する社員も、自分と関係のないフロアをうろつくとチェックされてしまうんだとか。PMIの内部を赤裸々に撮影しようと一眼レフカメラ持参で行ったが、社内は一切撮影禁止。工場も同様のため、本記事内の社内及び工場の写真はPMIより提供を受けたもので構成する。

キューブ内部では、コロンビア、韓国など世界8カ国から集まった40名ほどの集団で、アイコスの安全性について講義を受け、予備知識をたっぷりと学ぶ。ブレードの改良点などの講義を受けたが、それはすでに「アイコス2.4Plus」で実装されているものなので、目新しいものではない。ただそこまでの情熱を傾ける理由がわかった気がする(理由は後述)。

技術+イノベーション=「テクノベーション」を旗印にした安全性の講義などもためになったが、会場内が一気に盛り上がったのはやはり新製品「アイコス3」「アイコス3マルチ」の発表。2機種同時発売というのには驚いたが、連続10本使用可能で重さ50gという「アイコス3マルチ」を触って、度肝を抜かれた。

「アイコス3」(左)はともかく、「アイコス3 マルチ」(右)には食いついてしまった

「アイコス3」(左)はともかく、「アイコス3 マルチ」(右)には食いついてしまった

<関連記事>【使ってみた】新型アイコスは、「コンパクト」「連続10本吸い可能」の2機種!

キューブの内部。左右にオフィスが振り分けられており、中央部分は吹き抜け。この吹き抜け部では、基本的にアイコスを吸ってOK。構造的には3分割されており、スイスでは屋内禁煙が基本だが、「渡り廊下でつながれた、屋根はあるけれど屋外空間」という少々アクロバットな理由づけで喫煙可能空間として行政に認めてもらったという。内部のあちこちにはタバコ葉が植えられていて緑豊か

いよいよアイコス工場内に潜入。ヒートスティックの秘密が今、明かされる!

日を変えて、いよいよ工場見学。ここでは、本体やホルダー、ヒートスティックのプロトタイプをおもに製造しているが、紙巻きタバコや日本向けヒートスティックの一部も製造されているという。ちなみに、関係者以外の人間が工場の内部に入るのは、非常に珍しいことだという。

工場の外観

工場の外観

中に入ると、生のタバコ葉特有の芳醇な香りに包まれる。アイコスのブレンドはブラジルやイタリアなどで収穫された葉がほとんどで、バーリー種、オリエンタル種、バージニア種の3つを中心に、紙巻きタバコでは通常使用しない葉をブレンドしているという。実際に葉の匂いを嗅がせてもらうと、確かにヒートスティックを構成する香りだ! それを刻んで乾燥させ、紙で巻いてフィルターを取り付ければ紙巻きタバコの完成だが、もちろんアイコスのヒートスティックはそうはいかない。

外部から余計な物質を持ち込まれるのを防ぐため、工場の中に入るためには着替えが必要。近代的な工場なのだが、同時に見学した他国の通訳の人が「無理!」と帰ってしまったくらい強烈な生タバコ葉の香りだ。ヴェポライザーでシャグ(手巻き用刻みタバコ)に慣れた筆者には天国のような香りなのだけど。ちなみに、奥で青緑のランプを光らせているのが自動走行ロボット。各マシンには愛称が付けられており、「この子とこの子は恋人同士」などの擬人化設定もあるそうな……

床の各所にラインが引かれており、そこから先には入れない

床の各所にラインが引かれており、そこから先には入れない

ヒートスティックを作るには、まず、タバコ葉をブレンドするためによく混ぜて、刻むのではなくグラインダーで粉砕してしまうという。コーヒー豆をエスプレッソ用並みに細かく挽くイメージで粒状にしてしまうのだ。それにグリセリンや水を混ぜて攪拌、ドロドロにした後にシート状に成形する。できあがったシートは表裏ともにしっかりと乾燥させる。

シート状にされたタバコ葉。牛乳でいうところの脂肪分が分離しないように細かく粉砕するホモジナイズ(均質化)工程を経ることにより、製品によるバラツキを防ぎ、安定した喫味を生み出せるということか

さらにその後、シート同士が密着してしまわないように、シート表面にレリーフのような波型加工がなされる。その波型がないと、隙間なくシートが密着してアイコスホルダーの内部にある加熱ブレードが刺さらなくなってしまうからだ。

表面の波型加工より、シート同士が密着してくっついてしまうのを防ぐ

表面の波型加工より、シート同士が密着してくっついてしまうのを防ぐ

最後に折りたたみ加工をし、それをカットして紙で巻いてフィルターを取り付ける。「さあ完成だ」と言いたいところだが、さらにフィルターとヒートスティック葉の間に空洞区間を作るのがキモ。中央が空洞となった空間を通すことで、熱い蒸気をそのままフィルターに送り込んで、喫煙者が「アチっ」となることを防ぎ、喫味も安定させるというわけだ。

ちなみに、この空洞状の空間を作り出しているのは、トウモロコシ由来の繊維なのだという。アイコスを初めて吸った時に「ポップコーンの香りがする!」と思ったのは、間違いではないとわかり、うれしくなった。

上は通常の紙巻きタバコ内部。下は以前ヒートスティックを分解した時に見た、特有の形状。おいしさへのこだわりとユーザーへの細やかな心づかいが、この形状に現れているのだ

アイコスは、"喫味の安定"のために異常なまでの努力をしていることがわかった!

ほかにもキューブ内の研究棟も見学したが、すべてを通してわかったのは、PMIはアイコスの喫味を安定させるために異常なまでの努力をしているということ。タバコ葉を粉々にして均質に混ぜ合わせ、ブレードを刺しやすくするために波状加工をするという一連のヒートスティック加工の理由もよく理解できた。また「アイコス2.4プラス」発売時にブレードを折れにくく改良し、今回の「アイコス3」でさらに堅牢性を高めたのも、すべては紙巻きタバコと遜色のない使い勝手を実現させるためだったのである。

確かに、アイコスでヒートスティックがうまく刺さらずに失敗することはあっても、紙巻きタバコで火をつけるのに失敗して吸えないということはほとんどない。講義でも連呼されていた「pleasureはそのままに、有害性を減少させる」というフレーズの通り、いつでも火をつければ安定しておいしく楽しめるという紙巻きタバコの特徴を、そのままアイコスユーザーにもたらすことができるように、かなりの努力行っているのだ。

もうひとつ痛切に感じたのは、アイコスが日本に定着したのは、狭い国土ゆえではないかということ。よく「PMIは日本人を使って人体実験をしているんだ」とうそぶく人もいるが、そもそも日本にはアイコスをはじめとする加熱式タバコが流行る土壌があったからなのではないだろうか。

このスイス同様、ヨーロッパは原則屋内禁煙。しかし一歩外に出たらスモークフリー。どこでもプカプカしている。しかし環境的に広々しているので、煙が他人に迷惑をかけること自体が少ない。ところが日本は狭いがゆえに屋内も屋外も禁煙に、という風潮だ。しかも他人に迷惑をかけることを潔しとしない文化。つまりスモークフリー(煙のない)をもっとも求める環境にあるのが今の日本なのである。筆者のような依然としてスモーカーであるユーザーのために、PMIにはがんばってもらいたいものだ。

ヌーシャテルの街並み。自分たち以外はアジア人を全く見かけなかった。ちなみにフランス語圏

ヌーシャテルの街並み。自分たち以外はアジア人を全く見かけなかった。ちなみにフランス語圏

アイコスのヒートスティックはスイスだとキヨスク店頭で手に入るが、現地では紙巻きタバコが主流

アイコスのヒートスティックはスイスだとキヨスク店頭で手に入るが、現地では紙巻きタバコが主流

【関連リンク】
・【新旧比較】新型アイコス「アイコス 2.4 Plus」はどこが変わった? どう変わった?
・ヘビースモーカーが話題の加熱式タバコ「アイコス 2.4 Plus(アイコス)」に2週間完全移行してわかったこと
・メーカーに聞いた! アイコスの本当に正しい掃除の仕方&新製品速報
・「プルーム・テック」と「アイコス」を徹底比較! 話題の新方式タバコどっちがいいの?
・「glo(グロー)」は「アイコス」の欠点を解消できる? 第3の加熱式タバコをいち早く体験した

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る