喫味は「アイコス」と「プルーム・テック」のちょうど中間くらい

「glo(グロー)」は「アイコス」の欠点を解消できる? 第3の加熱式タバコをいち早く体験した

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紙巻タバコに比べて、副流煙が少なめでニオイも気になりにくく、有害物質も9割ほど低減できるという加熱式タバコ。その代表格である「iQOS(アイコス)」(フィリップ モリス ジャパン)は、2016年を代表するヒット商品のひとつになった。いまだに品薄状態を続ける「アイコス」だが、その後には日本たばこ産業(JT)から「Ploom TECH(プルーム・テック)」が発売され、予約受付停止になるほどのヒットを記録。そして今回紹介する「glo(グロー)」が、宮城県仙台市限定という変則的な形でのテスト的販売ではあるものの、2016年12月12日に発売された。どれも入手困難な状況であるが、タバコの未来を担う製品であることは間違いないだろう。発売を前に、「グロー」をじっくり体験する機会を得たので、ここではその所感と、「アイコス」や「プルーム・テック」との違いをレポートしたい。

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<目次>
・「アイコス」に似た加熱方式
・デザインはApple製品みたいでおしゃれ
・フレーバーは3種類
・喫味は「プルーム・テック」以上「アイコス」未満
・「アイコス」の欠点解消で乗り換えもアリ!

タバコ葉を加熱するバッテリー一体型の加熱式タバコ

「グロー」の発売元は、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)。進駐軍時代からアメリカ・タバコの代名詞のひとつとして人気の高い「ラッキーストライク」や、よくも悪くも中庸な喫味を持つ「ケント」、メンソールの中ではタバコ感が強いことで人気の「クール」といったブランドを持つ名門だ。

ニコチン入りの蒸気を発生させる方法は「アイコス」と同じで、タバコ葉をヒーターで加熱するというもの。ただし、「アイコス」が加熱ブレードをカートリッジ(ヒートスティック)の中心に刺すのに対し、「グロー」はカートリッジ(ネオスティック)の周囲から加熱して蒸散させる方式を採用している。加熱しやすいように、カートリッジ(ネオスティック)が細身になっているのが特徴だ。ちなみに、「プルーム・テック」は蒸気をタバコ葉の入ったカプセル(たばこカプセル)を通して吸引する方式をとっている。

「グロー」は、本体とバッテリーが一体になっている。「アイコス」は1本吸うたびにバッテリーケースに本体を差し込んで充電をするというややこしい手順を踏むが、「グロー」はバッテリーそのものが本体を兼ねている。これは、世間で「VAPE」と呼ばれてひそかなブームを呼んでいる電子タバコの主流機種と同じ方式だ。

アップル製品のようにスタイリッシュ。重さはあるが、持ちやすい

「アイコス」や「プルーム・テック」同様、「グロー」を使用するには「グロー スターターキット」を購入する。さらに、カートリッジにあたる「ネオスティック」も必要だ。ただ購入できるのは現在宮城県仙台市のみ。ネット通販でも仙台在住者のみ購入可能という徹底ぶりだ。

「グロースターターキット」は通常価格8,000円(税込)で、当初はキャンペーン価格の4,000円で販売される模様

キットの内容は、「グロー・タバコヒーター」(本体)と、ACアダプター、充電用USBケーブルとクリーニング用スティックだ。製品自体は中国製だが、バッテリーはパナソニック製のものが採用されている

本体は100g程度で、ズシッと重い。「アイコス」本体をバッテリーケースに収めた時よりも少し軽い程度だ。質感は、「MacBook Air」のようなアルミ削り出しのクールなデザインで、アップルファンがよろこびそう。起動ボタンが本体の中央上部に配置されている。フル充電には2〜4時間かかるが、1本につき約3分使用した場合、約20本分も連続して吸うことができる。1本ごとに充電が必要な「アイコス」ユーザーには夢のような仕様だ。

起動ボタンのLEDが「Mac Book Air」の背面ロゴのようにぼんやりと光るところも似ている

起動ボタンのLEDが「Mac Book Air」の背面ロゴのようにぼんやりと光るところも似ている

本体を上から見ると、ネオスティックを差し込む穴が見える。底には清掃時に使用する開閉ラッチと、充電ケーブルをつなぐためのmicroUSBポートがある

ネオスティックのフレーバーは3種類

カートリッジに相当するネオスティックは、ノーマルなタバコテイストのレギュラータイプ「ブライト・タバコ」、標準的メンソールタイプ「フレッシュ・ミックス」、目が醒めるような強いメンソール「インテンスリー・フレッシュ」の3種類が用意される。いずれも人気銘柄「ケント」をベースにしたものだ。1箱20本入りで、価格は420円(税込)。

「ケント・ネオスティック・ブライト・タバコ」はタバコテイストとはいえ、その喫味は紙巻きタバコとは明らかに違い、「アイコス」同様にポップコーン臭が香り立つ(左)。「ケント・ネオスティック・フレッシュ・ミックス」は標準的メンソールで、ポップコーン臭を打ち消す効果があり、吸いやすい(中央)。「ケント・ネオスティック・インテンスリー・フレッシュ」は強メンソール。フレッシュ・ミックスとは方向性の違う冷涼感が特徴(右)

ネオスティックは驚くほど細い。そして、キングサイズばりに長い。中に仕込まれているのは、「アイコス」と同様に蒸気発生用のグリセリンなどを染み込ませたタバコ葉だ。「アイコス」と方式が同じで、葉を燃やさないため有害物質を90%低減しているという利点も同じ。ただ、ヒーター温度は「グロー」のほうが低いようだ。

中高年喫煙者なら、往年ブームを呼んだ女性向け洋タバコ「MORE」を思い出すルックス。ネオスティックだけを見ると、何となく女性向けの印象がある

「アイコス」のヒートスティック(上)と「プルーム・テック」のたばこカプセル(下)にはさまれると、ネオスティック(中央)の細さが際立つ

ネオスティックはフィルターの次に空洞があり、そこにタバコ葉が詰められている

ネオスティックはフィルターの次に空洞があり、そこにタバコ葉が詰められている

喫味は「アイコス」より軽めで、ライトなタバコのよう

それではいよいよ、「グロー」を体験してみる。準備は、充電した本体上部の穴にネオスティックを差し込み、起動ボタンを押すだけだ。「アイコス」の場合は、加熱ブレードがヒートスティック中央に刺さるようにやや慎重に入れる必要があるのに対し、「グロー」のネオスティックは、穴にスッと入れるだけなので、失敗が少ない。吸うことのできる時間は約3分間。「アイコス」の1回の使用可能時間は約6分間なので、およそ半分程度の喫煙時間となる。

ネオスティックのフィルターの部分に線があり、それが隠れない程度に挿し込むのが目安とあるが、するっと隠れるところまで入っていってしまうのはどうなのだろう……

本体前面上部のボタンを長押しすると起動する

本体前面上部のボタンを長押しすると起動する

起動するとバイブレーションが「ブブッ」と来て、円マークの1/4ずつLEDが点灯していき、全点灯で使用可能に。この時も本体が振動する

突き出したネオスティックをくわえて、そのまま吸い込む。あまり早く吸いすぎると加熱が追いつかない。比較的ゆっくりと吸い込むことで蒸気が多くなる

ニコチン入りのタバコを吸った時の喉を蹴るような感覚を「スロートキック」というのだが、「グロー」も「アイコス」より弱めながらしっかり「スロートキック」はある。ただ、きつめのタバコを吸っている人間にとっては、明らかに軽すぎると感じるレベル。タール値でいうと3〜4mg程度のライトなタバコの喫味だ。メンソールの場合、多少吸い心地は改善されるが、それでも軽い。

吐く蒸気も「アイコス」に比べると控えめだ

吐く蒸気も「アイコス」に比べると控えめだ

喫煙可能時間の終わりが近づくと、再び「ブブッ」と本体が振動して知らせてくれる。終わってLEDが消灯したら、ネオスティックをスッと引き抜いて捨てる。燃やしたわけではないので、蒸気は出ているが、ゴミ箱にそのまま捨てても火事の原因になる心配はない。

燃やさないので、ネオスティックは吸い終わっても長いまま。一般的な携帯灰皿に入れようとしても、折らないと入らない

本体内の掃除や、ネオスティックが詰まった際に、下部の開閉ラッチから挿入するクリーニングブラシも付属している。20本吸うごとに1回のクリーニングが推奨されているが、本体内はシンプルな構造(円柱型の空洞)なので、汚れは溜まりにくいと感じた

「アイコス」の欠点解消で、乗り換えも検討の余地アリ

実際に吸ってみてわかったことは、やはりバッテリーの持ちのよさが想像以上に快適ということ。複数本連続して吸えることもあり、1本約3分という喫煙時間の短さも、それほど気にならなかった。味わいはいわゆる「アイコス」系で特筆すべき点はなく、ポップコーン臭もあるのだが、ネオスティック自体が細く加熱温度も低いため、「アイコス」特有のツンとするようなニオイは少なめだ。また、ネオスティックの本体への挿入や、本体内のクリーニングが容易な点もうれしい。「アイコス」ユーザーで、より軽めのタバコでも満足できそうなら、乗り換えも十分検討の余地があると思う。

では、「プルーム・テック」と比べては、どうか。ニオイの点では、ほぼ無臭に近いところに到達している「プルーム・テック」が圧勝。ところが、タバコらしい味わいとなると、「アイコス」ほどがっつりタバコ的な感覚は薄いものの、直接葉を熱している分、「グロー」のほうがタバコ感はある。

喫味、本体価格などで「グロー」は「アイコス」と「プルーム・テック」の中間に位置づけられる

喫味、本体価格などで「グロー」は「アイコス」と「プルーム・テック」の中間に位置づけられる

したがって、タバコ感を強く求めるなら「アイコス」。普段から軽い紙巻たばこを吸っている人が移行するなら「グロー」、それら2つを経て、さらに限りなく無臭の域まで挑戦したくなったら、改めて「プルーム・テック」という流れが一番自然だと思う。

コスト面では、初期費用が最安なのはスターターキットがキャンペーンで定価4,000円(税込)のところ、2,000円(税込)まで下がる「プルーム・テック」で、最高値は初回割引を適用しても6,980円(税込)の「アイコス」となる。キャンペーン価格で4,000円程度となる「グロー」は、またしてもその中間に位置する。ランニングコストの面でも、1箱460円の「アイコス」は高いし、「プルーム・テック」は本体は安くても、たばこカプセルは1箱460円とやや割高だ。その点では「グロー」の1箱420円は有利。ただ、短く回数を吸う人にとっては、中断しても喫煙を再開することができる「プルーム・テック」が最強だ。「アイコス」も「グロー」も一度吸い始めたら、中断はできないので、そこが違う。

とはいえ、何だかんだ言って、「グロー」は2016年12月現在、仙台市限定発売なので、全国的には切り替えられる人は圧倒的少数というのが現状だ。「アイコス」はいまだに品薄で入手困難だが全国発売はしているし、現状予約ストップ中の「プルーム・テック」も、2017年の早いうちに大都市圏での全国発売を目指している。「グロー」もまた、とりあえずネット販売だけでも全国展開してくれないと比べる土俵にまで到達していないのだ。とはいえ、嫌煙運動が世の中を席巻している現状で、加熱式タバコのブランドが増えていくのはうれしいこと。早めの全国展開を望みたい。

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清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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2017.2.22 更新
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