レビュー

意識高い系ニコチン0スティック「アムール(AMOOUR)」でニコ断ち!

「アイコス」専用タバコスティックの代わりに使用することができ、茶葉を使用することでニコチンをカットした茶葉スティックが人気を集めている。先頭を切った「ニコレス」は、長い間ネット上で品薄を招いていたくらいだ。さらにこの10月のタバコスティックの値上げを機に、改めて健康を考えて禁煙方向へシフトしたい人も注目しているという。そんな加熱式タバコ互換ノンニコスティック界に現れた新星、天然無農薬茶葉使用の「アムール」4種類を、ヘビースモーカーの筆者が吸ってみた。

マルマンH&Bによるノンニコスティック「アムール」。フレーバーは4種類。写真左から「レギュラー」「ミント」「メンソール」「オレンジ」。各20本入りで418円(税込)

ヘルシーに紅茶の茶葉を「アイコス」で吸うという新習慣

タバコ葉以外のだいたいの葉は、燃やして吸ってうまいことはない。そのため、紙巻きタバコの代わりに紅茶の葉をそのまま燃やしても、焚き火の味の煙がでるだけだ。

しかし、タバコ葉に蒸気を生み出すグリセリン類などを含んでいる「アイコス」などの加熱式タバコは、ノンニコチンの茶葉でも風味を寄せていくことが可能なようだ。その第一成功例がメンソール味の「ニコレス」で、後半の酸味が出る前までは、かなりアイコス味に肉薄。そのおかげでヒットを記録し、今、「ノンニコスティック」という一大ジャンルが確立し始めている。

今回紹介するのは、福建省の自社畑で栽培・生産したという良質の無農薬茶葉と天然由来原料のみを使用した、健康意識高めな「アムール」である。10月の値上げ後は、「マールボロ・ヒートスティック」は550円(税込)、「ヒーツ」は500円(税込)になるということで、「アムール」の418円(税込)はコスパもいい。ただ、ニコチンなしのためタバコ税がかからないことを考えると、もう少し安くてもいいのではとも思う。

写真左が「アムール」、右がアイコス。「アムール」のほうが、フィルター部分が長い

写真左が「アムール」、右がアイコス。「アムール」のほうが、フィルター部分が長い

茶葉をこぼさないためのフィルター付きで、スティック自体が長め

ほとんどのノンニコスティックはまったくの同サイズで互換性をアピールしているが、「アムール」はフィルター部分が長い。分解して中を見たところ、「アイコス」
のようなタバコ葉を練り上げたものではなく、パラパラとした茶葉が詰まっていた。

フィルター部分は、「アイコス」用スティックにはフィルターの間に蒸気を冷却する樹脂製パイプを装着してあるが、「アムール」には何もない。

この違いがどのような変化を生むのか、吸いながら検証してみたい。

中に入っている茶葉はギチギチではない

中に入っている茶葉はギチギチではない

先端にフィルターがあるのは、茶葉をこぼさないためだろう

先端にフィルターがあるのは、茶葉をこぼさないためだろう

わずかな紅茶風味で薄味仕上げ「アムール レギュラー」

ノンニコでレギュラー味とは非常に珍しいので、期待値が上がる。香りはうっすらとしたダージリン系の香りがした。「アイコス」に装着する時は、スコッとはまる。これは嫌な予感だ。スティック内部に葉がぎっしり詰まっていない証拠だからだ。

実際に吸ってみると、やはりスカスカ感がある。隙間の分、熱が十分に回りきっていない印象だ。味はわずかな紅茶風味で、蒸気は少ない。個体差があるのかと思い、3本くらい試してみたが、やはり薄味仕上げらしい。

タール値にしたら1mgくらいの感覚で、軽い。口の中に蒸気を溜めるMTL方式ではらちが明かないと感じたので、途中から肺に一気に入れるDL方式で吸ってみたが、蒸気は増えるものの、味はあまり変化がなかった。「マールボロ・ヒートスティック・レギュラー」と比べると、1/10以下の喫味。のどへのキック感もほぼなし。

「プルーム・エス」のマイルドな喫味が好きな人ならまだいいのかもしれないが、この「アムール レギュラー」は「アイコス」互換なので、「プルーム・エス」では使えない。なんとも不思議な存在感だ。

ノンニコチンはいいけれど、とにかく物足りない

ノンニコチンはいいけれど、とにかく物足りない

DL方式で一気に肺までたっぷり吸い込んで、やっとこのレベルの蒸気

DL方式で一気に肺までたっぷり吸い込んで、やっとこのレベルの蒸気

これは「アイコス」の味「アムール ミント」

「アムール レギュラー」にはしてやられたが、「アムール ミント」はどうか。さりげない清涼感が漂うスティックを、スコッと差す。やはり蒸気は少なめだ。しかし味わいはミントのパワーでかなり改善されている。

軽めの清涼感と茶葉のあいまった味わいはそれなりにおいしい。これでニコチンが入っていないのだから驚く。これは「アイコス」の味だ。ミント感は弱く、タバコ感も弱いが、「アイコス」の90%カットされたタールの、残り10%の味がする。

3本に1本、「アイコス」専用スティックの間に挟んでもいいレベルだと思う。

茶葉の不自然さをほどよく抑え込んでおいしく味わえる

茶葉の不自然さをほどよく抑え込んでおいしく味わえる

のどへのキック感もあって普通においしい「アムール メンソール」

加熱式タバコの世界では通常、ミントよりも刺激が強いのが、メンソールだ。実際に吸うとペパーミント系の清涼感がきっちり味わえ、「アイコス」的なおいしさがある。

結論から言うと、「アムール メンソール」の完成度は高い。相変わらず蒸気が少ないのは物足りないが、アイコス味に、6〜7割は近づいている印象だ。メンソールのおかげでのどへのキック感もあり、普通においしい。2本に1本OKレベルの完成度だと思う。

「ヒーツ」をもっと軽くしたような喫味だが、おいしい

「ヒーツ」をもっと軽くしたような喫味だが、おいしい

「アムール オレンジ」は物足りず拍子抜け

どちらかというとレギュラー好きの筆者が気になったのが、「アムール オレンジ」だ。「オレンジメンソール」ならありそうだが、これはレギュラータイプなのだろうか。

スティックを嗅ぐと、オレンジティーにミントの葉をのせたような香りがした。やはりスコッとアイコスホルダーに差して、吸ってみる。オレンジがどこかへ行った。わずかなミント感も消えた。茶葉の香りを消すような役割で、拍子抜けである。

レギュラーよりは茶葉っぽさが消えて吸いやすいが、キックもほぼなく、軽い。蒸気も少ない。期待していただけに残念だ。

もっとオレンジ味を濃くしてほしかった

もっとオレンジ味を濃くしてほしかった

「軽め」を覚悟して吸うなら半切り替えも可能か

明日から、「アイコス」専用スティックからこの「アムール」に、全面切り替え可能か。ヘビースモーカーの立場から言えば、無理だ。一番の問題は吸い応えの軽さ。「アイコス」ユーザーはそもそも喫味強めを求めている人の割合が多いと思うので、そこが厳しいのではないか。

いろいろ考えた末、メーカーは決して推奨しないだろうが、手前側のフィルターをようじで刺して引っこ抜いてみた。するとあんなに軽かった「アムール レギュラー」が大変身! 紅茶のいい香りが漂って、蒸気も増えて、喫味も上がった。

なかでも「アムール メンソール」はのどへのキックも高まり、アイコス専用スティックに8割近付いた印象で、とてもおいしい。反則だけれど、参考までに。試す人はあくまで自己責任でお願いしたい。

ただ、ヘビースモーカー的にも「アムール メンソール」なら(できればフィルター抜きで)、2本に1本程度なら切り替えられると思った。

「アイコス」がキツいと感じる人にならよいのかも

「アイコス」がキツいと感じる人にならよいのかも

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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