ここ数年ガンプラばかりに気を取られていましたが、実は“食玩ホビー”がとんでもないことになっていました。なんとメーカー希望小売価格8,250円(税込)の食玩があると噂に聞き、恐る恐る大手スーパーのお菓子売り場を探してみると……。ありましたよ、とんでもないやつが! レジの方がバーコードを通した瞬間の驚愕の表情は忘れられません。
今回ご紹介するのはそんな高額食玩のプラモデル、「SMP ALTERNATIVE DESTINY 『トップをねらえ!』 ガンバスター」であります!
食玩とは思えない高級感漂うパッケージ。マット地に銀箔でのロゴ表記がかっこいいです
しかもなんとスリーブ仕様! インナーパッケージも黒マットの段ボールになっています
「SMP(Shokugan Modeling Project)」は、「“S”cene(シーン再現)」「“M”otion(可動)」「“P”roportion(造形)」を徹底追及した大人向けの食玩プラキットブランド。なかでも、スタイリッシュなアレンジと、3D造形でデザインする手法を採用した“究極”のブランドが「SMP ALTERNATIVE DESTINY」です。その第1弾として登場したのが今回の「ガンバスター」。「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明氏が1988年に初監督を務めたOVA作品「トップをねらえ!」に登場する、全長240mの超巨大ロボットです。
最近はキャラクター菓子のほかに、プラモデルの食玩が販売されているのは知っていましたが、せいぜい高くて2,000円前後。それでも食玩としては高いなと感じてましたが、今回の「ガンバスター」はもはや高級プラモデルと同等の価格。高額商品なので、お菓子売り場ならどこでも販売しているわけではなく、ホビーショップや通販での扱いがメインだったようですが、それにしてもビックリですよね。お菓子売り場で一万円札を使うことになるとは……。
前置きが長くなりましたが、開封して作っていきます。ガンプラ同様、パーツがランナー状態になって収納されていますが、その数が尋常ではありません。小さなランナーが25枚! ガンプラでいうところのマスターグレードモデルよりも多い数です。ランナー1枚あたりのパーツ数は少ないのですが、組み立てる際にいろいろなランナーからパーツをかき集める必要があり、これがなかなか大変でした。正直、ここ1年間で作ったどのガンプラよりも大変でしたよ。
小さなランナーが大量に入っていました
これが食玩であることの証! ソーダ味のガムが1個付属しています。バンダイ系の食玩に付いている、かみ心地がいいもののあまり味が長続きしないアレです
そして驚いたのはパーツの塗り分けです。ガンプラでは、数枚のパーツを組み合わせて塗り分けを再現するのですが、この「ガンバスター」は、最初からパーツに塗装が施されており、しかもかなりキレイ。これはガンプラでもあまり見たことがありません。マットでメタリックな塗装パーツもあって、とても高級感があります。
驚愕の塗り分けが各パーツに施されております。シルバーやレッドのメタリック感が非常にキレイ
組み立ては接着剤を使わないスナップキット。サイズも「ガンバスター」らしく大きく、全高は約24cmと、ガンプラのマスターグレードモデルよりも大きなサイズになります。
大きくてボリューム感のあるボディになっています。脚や腕の太さもスーパーロボット感がありますね
先述の通り、いろいろなランナーからパーツを集めて組み立てるため、パーツを探すのに結構な時間を取られて、素組みで7時間近くかかってしまいました。パーツはアンダーゲートが多く、ゲート跡が目立ちにくい構造になっていますが、小さなパーツのアンダーゲートをニッパーで処理するのがちょっと面倒で、デザインナイフでの処理が必須でした。これも時間がかかった理由のひとつですね。
巨大なショルダーアーマーが印象的ですが、バランスもよくしっかり自立します。ショルダーアーマーはシルバーメタリックパーツが使われており、かなり重厚感がありますね
顔は、巨大なアンテナの下に小さくメタリックピンクのモノアイが見えます
関節部分にポリキャップを使わない構造ですが、驚くほど柔軟な可動域を持っており、いかついスーパーロボットの巨体なのに人間のようなポージングができます。股間のパーツを差し替えることで、アクションベースのようなスタンドにも対応。より動きのあるポージングが可能になります。
肘は二重関節。平手パーツは手首部分が可動。胴体も左右にスイング可動します
膝も二重関節。股関節は水平に180°まで開きます。足首も可動するのでポージングが自在ですね
首も上方向に大きく動くので、上方に向いた飛行ポーズも再現可能
ショルダーアーマーも可動。腕の動きに干渉することなくファイティングポーズがとれます。腕を水平に伸ばすときはショルダーアーマーの羽根の間を通すことができますよ
かなり柔軟で、このサイズのものがここまで動くと感動です
必殺技「イナズマキック」も再現可能! 上体のひねりや足首の可動のおかげでキレイに再現できます
付属品は、交換用の平手パーツと腕組み用パーツ。劇中で登場した際の腕組みポーズが再現可能になっています。今回のキットにはいわゆる武装パーツは付属していません。なお、プレミアムバンダイ限定で「バスターシールド」や「ダブルバスターコレダー」などが再現できる武装パーツが別途販売されています。
付属パーツです。腕組みポーズにする場合は、両腕の肘部分から先を取り外し、写真中央のパーツに換装させます
腕を組んだ際の手先も専用パーツなので、キレイな腕組みが再現できています
食玩でこのサイズ感、そしてこの値段で販売するという、何もかもスケールのでかい商品でしたが、実際に組み上げて動かしてみると、最新技術の詰まった驚くべきプラモデルであることがわかりました。ガンダムのようなリアルロボットとは異なり、手足が太く、よりアニメ的なスーパーロボットのスタイルと存在感を存分に楽しめるキットとなっています。パーツの塗り分けとディテールもほかのキットとは一線を画す完成度になっているので、実物を見るとかなり驚くと思いますよ。
この食玩プラモデルのスーパーミニプラシリーズは、「ガンバスター」をはじめ、昭和の懐かしいスーパーロボットがシリーズで発売されています。2022年も「無敵鋼人ダイターン3」や「SPTレイズナー」など、40代以上の男性をターゲットとした商品が続々と発売される予定なので、もしお菓子売り場で見かけたらチェックしてみてください。
「ガンバスター」のあまりのかっこよさに、動画配信サイトで「トップをねらえ!」を一気見してしまいました
趣味も仕事もゲーム漬けだった人生から脱却を図り模索中。ホビーや生活雑貨記事などを書かせていただきます。