有機ELディスプレイを搭載した「グロー・ハイパー・プロ」の5色目となる新色「パープルサファイア」(写真左)と、LEDライト付きの新スタンダードモデル「グロー・ハイパー」(写真右)
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(以下、BAT)が展開する加熱式タバコデバイス「グロー・ハイパー」シリーズに、2024年8月6日、新スタンダードモデル「グロー・ハイパー(glo HYPER)」(以下、新「グロー・ハイパー」)が登場。ここでは、それと同時に登場した「グロー・ハイパー・プロ」の新色もあわせて紹介しつつ、同時に発表された、「スティック・シール」テクノロジーを採用した新「ラッキー・ストライク」を使って使用レビューする。
BATの加熱式タバコデバイスは、今まで以下のラインアップで展開されていた。
【太いスティック】
●フラグシップモデル
「グロー・ハイパー・プロ(glo hyper pro)」
●スタンダードモデル
「グロー・ハイパー・X2(glo hyper X2)」
●「X2」のスマートモデル
「グロー・ハイパー・エア(glo hyper air)」
●旧スタンダードモデル
「グロー・ハイパー(glo hyper)」※今回の新製品とは別物
「グロー・ハイパー・プラス(glo hyper+)」
【細いスティック】
●スタンダードモデル
「グロー・プロ(glo pro)」
●スマートモデル
「グロー・プロ・スリム(glo pro slim)」
今回、新モデルの追加をきっかけに、このラインアップは今後整理されていくという。
たとえば、細いスリムスティックが特徴の元祖「グロー」シリーズである「グロー・プロ」と「グロー・プロ・スリム」は終売済み。また、太いスティックを使用する「グロー・ハイパー」シリーズでは、「X2」と「エア」はおそらく終売に向かうと予想できる。
つまり、2023年末に発売されたフラグシップモデル「グロー・ハイパー・プロ」と、2024年8月6日に発売された新スタンダードモデルである新「グロー・ハイパー」の2モデルが、「新ハイパー・レンジ」としてBATの加熱式タバコデバイスのラインアップになるというわけだ。
【太いスティック】
●フラグシップモデル
「グロー・ハイパー・プロ(glo hyper pro)」
●スタンダードモデル
新「グロー・ハイパー(glo hyper)」
フラグシップモデルの「グロー・ハイパー・プロ」については以下の記事を参考にしてほしい。
2023年12月に発売された「グロー・ハイパー・プロ」の新色「パープルサファイア」。タバコデバイスでは珍しいポップなバイカラーだ
「グロー・ハイパー・プロ」では有機ELディスプレイが搭載されているが、それがシンプルなLEDライトに置き換わった新「グロー・ハイパー」
新「グロー・ハイパー」は、加熱温度を約300度に高めた「HEATBOOSTテクノロジー」を搭載して2023年末に発売されたフラグシップモデル「グロー・ハイパー・プロ」の廉価版。
「グロー・ハイパー・プロ」との大きな違いは、加熱モードや操作指示を表示するカラー有機ELディスプレイ「EASYVIEWスクリーン」がシンプルなLEDライトに置き換わっている点。逆に言えば、それ以外の以下のような特徴は踏襲される。
・最大加熱温度300度を実現した加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」を採用
・好みの加熱モードを選べる「TASTE SELECT ダイヤル」の搭載
・加熱時間、使用時間、充電時間、使用回数
価格は、「グロー・ハイパー・プロ」の3,980円(税込)に対し、新「グロー・ハイパー」は2,480円(税込)。要は、有機ELディスプレイをLEDライトに変更し、価格を1,500円下げたスタンダードモデルが新「グロー・ハイパー」というわけだ。
【サイズ/重量】
「グロー・ハイパー・プロ」(写真左):約37(幅)×21(奥行)×97(高さ)mm/約90g
新「グロー・ハイパー」(写真右):約36.4(幅)×21(奥行)×95.4(高さ)mm/約86.7g
サイズと重量の差はほぼ誤差レベル。「スタンダードモード」が20秒、「ブーストモード」が15秒という起動時間や、約90分のフル充電で20 回使用できるところも変更なし
ダイヤルで加熱モードを切り替え。使用後は、ニオイがもれないようにシャッターが閉じれる機構も同じ
もはや直感で操作できるほどシンプルな構造を採用している新「グロー・ハイパー」。天面に搭載されたダイヤルで加熱モードを選び、スティックを差し込んで、細長いLEDライトを長押しすると起動する。
「ブーストモード」は喫味が強くなるが、あっという間の3分間で喫煙タイムは終わってしまう。よそ見をしているスキに終了してしまうので、“ながら吸い”には向いていない。のんびり吸いたいなら、4分半吸える「スタンダードモード」一択である(それでも「アイコス イルマ アイ」の6分間には及ばないが……)。
「グロー・ハイパー・プロ」から踏襲された加熱技術「HEATBOOSTテクノロジー」は、確実にいぶり感を低減し、おいしく味わえるようになった。今回は同時発表された「スティック・シール」テクノロジー採用の「ラッキー・ストライク」を味わってみたのだが、驚いた。
というのも、「ラッキー・ストライク」シリーズはパンチが強いのはいいが、とにかくニオイがきつかったからだ。それがスティックの先端を閉じる「スティック・シール」テクノロジーにより、喫煙中のいぶったニオイが半減していたのである。これは吸いやすい!
吸い殻もまた、ニオイ半減。1箱430円(税込)という抜群のコスパ銘柄だけに、積極的に吸っていきたいと思っていた「ラッキー・ストライク」のこの進化はとてもうれしい。
フィット感上々で、「グロー・ハイパー・プロ」より何となく軽く感じるが、実質3.3gしか軽くない
シンプルな操作感で、直感的に使えるのがいい。面倒を嫌う紙巻きユーザーからの乗り換え組にも間違いなく向いている
喫煙時間は4段階で青いLEDライトが教えてくれる(充電状況は白いLEDライトで表示)
新生「ラッキー・ストライク」は、レギュラー3種類、メンソール2種類、フレーバーメンソール4種類の計9種類展開
BATいわく、「新ハイパー・レンジ」の2モデルは、新たにマスターブレンドされたタバコ葉や、先端を閉じてタバコ葉を落ちないようにした「スティック・シール」スティックを使用することで、その真価を発揮するという。
確かに吸い比べてみると、先端の葉がむき出しの旧「ラッキー・ストライク」は、味自体にいぶり感がある。明らかに新「ラッキー・ストライク」のほうが洗練された味わいだ。ワイルドな風合いは残しながら、雑味が抑えられており、本来のタバコ葉の旨味が前面に出てくるのがいい。
ちなみに、すでに「ネオ」シリーズも「スティック・シール」化が済んでいるので、「新ハイパー・レンジ」の2モデルで吸えるスティックの中では、「ケント」のみ先端加工なしという状況である(2024年8月6日時点)。
タバコ葉がこぼれない分、メンテナンスがフリーになるとのことだが、ニコチン入り蒸気はやはり内部に多少なりとも残るので、よりおいしく吸いたい場合は、ウェットタイプの細い綿棒などで1箱に1回程度は底部のキャップをずらして清掃するのがおすすめだ。
左が従来の「ラッキー・ストライク」。右が「スティック・シール」化された新「ラッキー・ストライク」
スティックを切り裂いてみると、右の新「ラッキー・ストライク」は、通気性のあるアセテート製のタバコフィルターのような素材で先端がキャップされている
吸い殻からも従来のような凶暴なニオイを放たなくなった
ランニングコストを考えたときの各社の1箱の最低価格は、フィリップ・モリス「アイコス イルマ アイ」シリーズの専用スティック「センティア」が530円、JT「プルーム・エックス・アドバンスド」用「メビウス」と「キャメル」が500円。その点、新「グロー・ハイパー」用の新「ラッキー・ストライク」なら430円という破格だ。1カートンで考えると、700〜1,000円の差が付いてしまうのだから大きい。
そして、今回の新「グロー・ハイパー」の登場で、デバイス価格もお手頃になった。今後も無理なく吸い続けたいスモーカーにとっては非常に魅力的な選択肢である。
従来のワイルドすぎる味わいや吸い殻のニオイから、「グロー・ハイパー」の選択を避けていた人にとって、新「グロー・ハイパー」+新「ラッキー・ストライク」の組み合わせは、今一度試してみる価値があるはずだ。
「スティック・シール」により、わずかにエアフローが重たくなったと思うときは、メンテナンス用の底部のキャップをずらすと吸いやすくなる
近年のデバイスは密閉タイプが多いが、「グロー・ハイパー」は底部のキャップをずらすと向こう側が見える突き抜け構造なので、エアフローのよさが魅力だ
新「グロー・ハイパー」のカラバリは「グラファイト・ブラック」「マラカイト・ティール」「ローズ・ゴールド」の3種で展開