VR市場の最先端を行くトッププレイヤー達が集結!

VRがもたらす未来とは? 国内最大級のVRカンファレンス「Japan VR Summit 2」注目セッションレポート

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グリーと一般社団法人VRコンソーシアムは2016年11月16日、東京・日本橋にあるロイヤルパークホテルにて、国内最大級のVRカンファレンス「Japan VR Summit 2」を開催。さまざまなテーマに沿った5つのセッションが行われた。今回はその中から、Oculus、HTC、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、GoogleといったVR市場を牽引するトッププレイヤー達が集結したセッション「VRトッププレイヤーが描く2020年のビジョン」の模様をレポートする。

イベントの冒頭では、主催者を代表してグリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏が開会のあいさつを行った。田中氏は、2007年のiPhone登場から約10年でプラットフォームからPCからスマートフォンに移り、スマートフォンでしかできないさまざまなサービスが立ちあがったことを挙げ、「VRもこれからさまざまなコンテンツが生まれ、スマートフォンで起こったパラダイムシフトが、VRでも起こっていく。VRはモバイルに次ぐプラットフォームになる大きなパラダイムシフトになってくる」と語った

Oculus、HTC、SIE、GoogleといったVRトッププレイヤー達が登場したセッション1。彼らが描くVRの未来とは?

セッション1は、OculusからJason Holtman氏、HTCからJoel Breton氏、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から高橋泰生氏、GoogleからNoah Falstein氏をパネリストとして迎え、「VRトッププレイヤーが描く2020年のビジョン」というテーマでパネルディスカッションが行われた。モデレーターは、ファミ通編集長などを務めたカドカワの浜村弘一氏が務めた。

セッション1「VRトッププレイヤーが描く2020年のビジョン」の模様

セッション1「VRトッププレイヤーが描く2020年のビジョン」の模様

VR元年と呼ばれる2016年を振り返って

まずは「2016年を振り返って」というテーマで、パネルディスカッションは始まった。「VRは欧米で先に火が付き、日本ではややおとなしい動きだったが、お台場にVR体験施設ができたあたりで一気に過熱し、まさにVR元年と呼ぶにふさわしい年だった」とモデレーターの浜村氏が見解を示すと、パネリスト4名もその見解で一致した。

モデレーターを務めたカドカワの浜村弘一氏

モデレーターを務めたカドカワの浜村弘一氏

パネリストの中でトップバッターを務めたOculusのJason Holtman氏は、登壇したパネリストの所属するすべての企業が製品を投入できたことを挙げ、「各社が取り組んできたことがここで大きく前進した。近い将来、あのジャンル(のサービス)は2016年に始まったと振り返ることになるだろう」コメント。HTCのJoel Breton氏も、20年前まで軍事用で150万ドルしたVRシステムが、今では1500ドルで購入できるようになったことを紹介し、「VRをより多くの人に提供できるようになった。2016年はVR市場にとって大きな転機となる年になるだろう」と続いた。

OculusのJason Holtman氏

OculusのJason Holtman氏

SIEの高橋氏は、2014年に「Project Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)」として発表され、今年10月についに発売となった「PlayStation VR」について振り返り、「ようやくハードとコンテンツをそろえることができた。ハイクオリティなVRを家庭でも楽しめるようになり、VRを開発環境も整ってきてきた。今後、コンテンツがさらに広がっていくことが楽しみ」と、今後の展開について大きな期待を寄せていた。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントの高橋泰生氏

ソニー・インタラクティブエンタテインメントの高橋泰生氏

スマートフォンを使ったモバイルVRに注力するGoogleのNoah Falstein氏も、簡易VRゴーグル「Cardboard」を500万台出荷できたことを挙げ、「VR体験を多くの人に提供することができた」と振り返っていた。

GoogleのNoah Falstein氏

GoogleのNoah Falstein氏

2020年までの各社の取り組み

「Oculus Rift」「HTC Vive」「PlayStation VR」「Daydream」と、パネリストの所属する企業が手掛けるVRデバイスがいよいよ出そろった2016年。VR市場を牽引するトッププレイヤー達は、今後どのような展開を検討しているのか。続いては、「2020年までの各社の展開」をテーマに、各社の取り組みや展望が語られた。

2016年は各社のVRデバイスが出そろった

2016年は各社のVRデバイスが出そろった

パネリストの所属する4社の中で、いち早く市場に製品を導入したOculusは、すでに「Oculus Touch」と呼ばれる専用コントローラーを12月に投入することをアナウンスしている。Jason Holtman氏は、「これまではいかにVRの世界に没入するかをテーマにしてきたが、今後はOculus Touchを皮切りに、手を使ったインプットに注力していく。2020年には、さらに実用的になっているだろう」と展望を語った。

HTCのJoel Breton氏は、製品リリース後にユーザーからケーブルレスの要望が多く寄せられていることを紹介。すでに開発が進んでおり、2017年の第一四半期には提供できる見通しであることを明らかにした。また、「HTC Vive」はルームスケールVRをウリにしていることもあり、全身トラッキングできないかという要望も寄せられているという。こちらについては「2020年までには実用化したい」とコメントした。

HTCのJoel Breton氏

HTCのJoel Breton氏

SIEの高橋泰生氏は,東京オリンピックのタイミングでカラーテレビが売れたことを紹介し、「東京オリンピックがあてはまるかどうかわからないが、VRの普及にもキラーコンテンツが必要。PSプラットフォームでは、ハイクオリティなコンテンツを用意するという方向で戦略を進めている」とコメント。また、VRを多くの人に受け入れられるようにするためには、コンテンツのクオリティと幅を広げることも重要という見解を示し、「ゲーム以外にも、旅行体験コンテンツなど、VRを毎日使いたいと思わせるようなコンテンツを用意していきたい」と今後の意気込みを語った。このほか、VRにとってのインタラクションの重要性についても触れ、「現在開発中のシューティングコントローラー以外にも、必要に応じて新たなコントローラーを導入する可能性がある」とコメントした。

GoogleのNoah Falstein氏は、進化の激しいスマートフォンを使うモバイルVR分野の場合、2020年までにどうなっているかというのはなかなか想像できないと前置きをしつつ、オーディオVRの可能性について語ってくれた。音は人それぞれ感じ方が異なり、現時点では課題はまだまだ多いそうだが、現在さまざまな研究を進めており、2020年までには色々な可能性を示せるだろうということだ。

VRで今後世界がどのように変わるか?

パネルディスカッションの最後は、「VRで今後世界がどのように変わるか?」をテーマに語られた。

パネルディスカッションの最後のテーマは「VRで今後世界がどのように変わるか?」

パネルディスカッションの最後のテーマは「VRで今後世界がどのように変わるか?」

OculusのJason Holtman氏は、エンターテイメント分野だけでなく、まったく新しい分野にVRが活用されていくだろうと予想。生活や仕事でも活用され、これまで以上に生産性が上がっていく可能性があるという見解を示した。HTCのJoel Breton氏は、「VRによってこれまでの価値観を覆すような破壊的な改革が起きるだろう」とコメント。飛行機の座席のレイアウトの確認といった工業デザイン分野での活用をはじめ、医療分野や教育分野、トレーニング分野などでも利用されていくだろうと述べた。

SIEの高橋泰生氏は、ショッピング分野での活用に注目しているといい、「バーチャル空間なら好きな商品を配置できる。VRなら実際のスケール(大きさ)を確認できるし、アバターをつかって試着するなど、面白い取り組みが増えてくると楽しいのではないか」と、この分野での展開に期待を寄せていた。GoogleのNoah Falstein氏は、HTCのJoel Breton氏も挙げた医療分野での応用に期待しているという。すでにPTSDの治療などに応用されており、「人々を健康にしたり、トラウマなど抱えている課題を克服するなど、VRが今後大きく役立ってくれることだろう」と期待を示し、パネルディスカッションは幕を閉じた。

パネルディスカッション終了後には囲み取材も行われた

パネルディスカッション終了後には囲み取材も行われた

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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2017.5.26 更新
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