こんにちはべっぷおんせんです。最近、燻製(くんせい)料理を出すお店が増えていると感じませんか? あの独特の味わいにハマってしまい、家でも作れないかと調べてみたのですが、どうやら大きな道具が必要で、煙も大量に出るらしく、室内では厳しいのかも…。
しかし先日、室内用の燻製器が売られているのを偶然発見! 飛びつくように買ってみました。
ベルモント(Belmont) 鉄製燻製鍋27cm
燻製器の素材は鉄、ステンレス、アルミなどの金属製のほか、陶器などで作られたタイプなどさまざま。筆者が買ったのは鉄製の燻製鍋です。鍋というだけあって、あまり大きくないので場所をとりません。
この鉄製の燻製鍋を選んだ理由は以下の3つ。
★ほぼ密閉されるので煙がほとんど出ない。
★割れない! (陶器などと違い割れないので野外でも活躍してくれそう)
★もしかしたら鉄分を摂取できるかもしれない。(最近貧血気味なので、かすかな希望を託しました)
燻製作りには80度以上の高温で燻(いぶ)すベーシックな「熱燻」、大型スモーカーを使い50度前後でじっくり仕上げる「温燻」、20度以下の温度で長時間燻す「低燻」の3つの方法があるのですが、この商品は「熱燻」用の燻製鍋です。
燻製作りには欠かせないチップと温度計
燻製作りにはチップやウッドと呼ばれる燻煙材を使うのですが、熱燻にはチップを使います。チップの素材はさまざまですが、今回は最もポピュラーで、肉との相性がよいとされる「サクラ」と、いろいろな食材との相性がよい「ヒッコリー」を買いました。温度計は適正温度がひと目でわかる燻製専用のものを用意。
まずは定番のベビーチーズの燻製を作りたいと思います
燻製は食材を乾燥させることが大切です。下準備として、チーズは30分ほど常温にさらし表面を自然乾燥させました。乾燥させることで、チーズが溶けて網から落ちるのを防ぐ効果もあるようです。
鍋の上に付属の鉄皿を置き、その上にヒッコリーのチップを置きます(10g)
チップの量は食材の種類や大きさ、燻す時間により異なります。
いよいよ火を付け強火にします! 熱源はカセットコンロを使いました(ちなみに、IHヒーターや最新の空焚(からだ)き防止機能付きの家庭用コンロでは使えませんのでご注意を)。
煙が出てきたら付属の網の上にチーズを並べます
このときはあらかじめ網の上にチーズを並べてから鍋に置きました。熱いのでそのほうがいいかもしれません。フタを開けている間はもちろん煙が出てしまいますので、換気扇をガンガン回しましょう!
フタをして弱火にします
温度計を挿し込む穴が付いています
温度が100度を超えないように注意して10分ほど燻します。
とろ火です
弱火だと100度をすぐに超えてしまうので、とろ火をキープしましょう。煙は予想どおりほとんど出ません!
10分後! 完成〜
予想以上の仕上がり! 超おいしそう
カマンベールとプレーンチーズが1つずつ溶けてつぶれてしまいましたが、これは想定内。チーズは溶けやすいので下にアルミホイルを敷いて作る人も多いようですが、筆者は全体をしっかり燻したかったので、あえてそのまま網に載せました。もしかしたら全滅するかもしれないと思っていたのでよかったです!
冷蔵庫で数時間、味を落ち着かせてからいただきました。
味のほうは最高でしたよ! 普通のベビーチーズとは別モノ。チーズ表面が膜を張っているような食感に変わり、口の中で燻製の香ばしい香りが広がります。ベビーチーズ本来の味や塩気と、燻製のスモーキーな香りとの相性が抜群にいい。これはお酒のおつまみに最高の一品です! ちなみに燻製後にすぐ食べると、チップの煙の味や香りが強すぎてチーズの味が消されてしまっている気がしました。冷蔵庫で落ち着かせることでまろやかで濃厚なおいしさになるのだと思います。
チーズがうまくいったので、次にゆで卵の燻製に挑戦! いわゆる「くんたま」というやつを作ってみます。
ゆで卵〜(ゆで卵の作り方は省略)
漬け液にひと晩漬けておきます
漬け液のレシピは、しょうゆ200t、みりん100t、お酒100t、砂糖大さじ2杯です。
真っ白だったゆで卵がこんな色に染まりました〜
※ここまでの工程が面倒な方は市販の煮卵を買ってもOK。
冷蔵庫にラップをかけずに入れて1時間、表面を乾燥させます。
あとはチーズと同じです。
今回も約10分燻しました(温度100度前後)
お〜〜〜恐竜の卵みたい!
何かすごくカッコいい模様ができていてビックリしました。1個500円で売りたくなる出来栄えです!?
このあと冷蔵庫で数時間、味を落ち着かせてからおいしくいただきました。
とても香ばしい、何ともいえない味わい!
次はどうしても作ってみたかった牡蠣(かき)の燻製!
チップの上にアルミホイルを置いて燻製します
この頃には筆者は学習し、お皿が汚れるのが面倒なのでアルミホイルを敷いてからチップを置くようになりました。
さらに今回は、牡蠣に含まれる水分が下に落ちることを想定して、チップの上にもアルミホイルをかぶせます。
牡蠣の下にもアルミホイルを敷きました
網目が広いのでそのままだと牡蠣が落ちてしまいます。筆者はつまようじで穴を何か所か開けたアルミホイルを敷きました。(目の細かい焼き網があるといいかもしれません)
牡蠣は冷凍牡蠣を解凍し、解凍後30分ほど冷蔵庫で表面を乾燥させます。
そして今回は温度100度で燻し時間は30分。(チップの量は15gに増やしました)
これは見事に失敗に終わりました…
下ごしらえの牡蠣の乾燥が十分ではなかったのか、燻製鍋内が牡蠣の水分から出た蒸気で満たされ、蒸し焼きになってしまいました。慌てていて写真を撮るのを忘れてしまったのですが、フタも下に敷いたアルミホイルもビショビショになりフタからこぼれた液でやけどしそうになりました。危ない危ない。水分を多く含む食材は途中でフタを開けて水分をこまめに拭き取るなどしないとダメなようですね。勉強になりました。
一応こちらも冷蔵庫で冷やしてから食べてみると…アレ? うまい! ちょっと燻し過ぎの蒸し過ぎでどうかと思ったのですが、よい意味で牡蠣の匂いなどが消えてまろやかな別モノの牡蠣料理に生まれ変わっていました。
でも、もしかしたら筆者が味音痴なのかもしれません。また、今度挑戦したいと思っています。
最後にクリスマスにピッタリの料理! 燻製ローストビーフに挑戦! ローストビーフなんて家で作ったことがないので上級者向けなのではとやや不安ですが、燻製鍋があれば簡単にできるというのでやってみます。
食材は牛もも肉
近所のスーパーで500g1,000円のオーストラリア産の激安牛肉を買いました。
下ごしらえは超カンタンです。塩、コショウを全体に強めに振りかけて冷蔵庫で30分ほど放置し、表面を乾燥させるだけです。
煙が出始めたら肉を置きフタを閉めて100度で22分!
今回は肉と相性のいいサクラのチップ(15g)を使いました。
おおおお! めちゃくちゃおいしそうな感じです。
熱いまますぐにアルミホイルで全体を包み、常温で温度が下がるのを待ちます(約1時間)
温度が下がったらキッチンペーパーで包みラップをして冷蔵庫で1日置きます。
翌日、ちょっとドキドキしながらカット。
おおおお! 見た目最高級!!!
味も、燻製の風味が軽い感じで絡まり本当に超絶おいしい。筆者が過去食べたローストビーフの中で間違いなく一番おいしく感じました。安いお肉がこんなにおいしくなるとは感激です! クリスマスに絶対にもう一度作ろう。ちなみに燻製に使う牛肉は、霜降りなどの高級肉だと脂が落ちてしまうので赤身肉がおすすめ。(高級肉でジャーキーを作るとそれはそれでとってもおいしいですが)
そんなわけで多少の失敗はありましたが、室内でお手軽に燻製を堪能できて感動しました! 燻製って大きな器具、かつアウトドアでモクモクと作るイメージがあったので、自宅のキッチンで簡単に作れてうれしいです。筆者のような燻製初心者にはぴったりだと思います。
参考までに、最後に煙の出具合がわかる動画を撮ってみました。
換気扇を回しておけば問題ないくらいの煙の量です
最後に気になった点をいくつか。
★煙はほとんど出ないのですが、換気扇を強にしても匂いが出るのは避けられないので、部屋の窓は開けたほうがよいかもしれません。
★燻製鍋はシリコン樹脂で塗装されていますが、あくまで「使用開始までのサビ止めが目的」なので、塗装はハゲます。塗装がハゲた後も、水分を残さないようにしっかりお手入れすればサビを予防しつつ末永く使えると思いますよ(お手入れ方法は説明書に詳しく載っていたので初心者でも安心)。
これからもこの燻製鍋でいろいろな燻製を作りたいと思います。特に燻製ローストビーフなどは、お店で食べようとすると数千円はかかりますが、それがたったの1,000円で作れてコスパも抜群だと感じました! ベーコンやサーモンなんかもおいしそうですね〜。簡単なので、みなさんもぜひ挑戦してみてください(くれぐれも換気は忘れずに)!