現在、初めての子育てに奮闘している筆者。6か月になる我が子が最近、寝返りをうつようになってきたので、乳幼児突然死症候群(SIDS)に注意しているのですが、先日、お昼寝中にうつぶせ寝をしており、その夜は、何度も起きて子どもを確認したほど心配になりました。そんな話を知り合いの先輩ママにしたところ、うってつけの見守りアイテムがある! と紹介されたのが、hisense社の「ベビーセンス5s」とSNUZA International社の「スヌーザ・ヒーロー SNH-01」(以下、スヌーザ・ヒーロー)です。その先輩ママが実際に使用していたものを貸してくれたので、約2か月間使ってみました!
ベビーセンス5sは、センサーが搭載されたパッドと本体(警報装置)がセットになった乳幼児用呼吸モニターです。敷き布団やマットの下に入れたパッドが赤ちゃんの呼吸による動きを検知し、赤ちゃんの動きが20秒間止まる、または1分間に10回以下になるとアラーム音と光で知らせてくれるという仕組み。海外製ですが、日本国内の産院でも使われている評判の高い製品で、現に、筆者にすすめてくれた先輩ママも産院で実物を見て購入したほどです。
警告音を鳴らす本体(左)と、赤ちゃんの動きを検知するセンサーを搭載したパッドが2枚同梱されています。パッドの直径は216mm
パッドの裏にはセンサーの感度を調整するダイヤルがあります。数字が大きくなるほど感度が高くなるそうですが、今回は取扱説明書で推奨されている「3」に設定
パッドから出ているコードを本体に接続して使用します。なお、使用時には単3形乾電池4個が必要
操作部はとてもシンプルで、ボタンがひとつあるのみ。このボタンを押すと、電源が入り、見張り機能が作動します
いきなり赤ちゃんで試すのは不安だったので、パッドに手を置き、どのように反応するのかを確認。下の動画のように、手を置いている間は何も起こりませんが、手を離し、動きが検知できなくなると20秒後に「カチカチ」とカウントが始まり、5回カウントされた後に警告音が鳴り響きました。アラーム音は思ったよりも激しくありませんが、たとえ就寝中であっても、この音なら筆者も目が覚めそう。
いよいよ、実際に赤ちゃんの寝具でベビーセンス5sを使ってみます。さまざまなケースを想定し、きちんと反応するのかを調査してみました。なお、パッドは2枚付属していますが、説明書によるとハイハイ前は1枚、ハイハイ後は動く範囲が増えるので2枚セットするのがいいそう。筆者の子どもは、まだハイハイ前なのでパッド1枚で試します。
センサーの精度に不安があったので、シーツの下にセットして使用しました
今回は撮影の都合上、本体を床に置いていますが、付属のアタッチメントを使い、ベビーベッドなどに引っかけることもできます
まずは、前述のテストと同様のことを赤ちゃんで行ってみました。熟睡している赤ちゃんを、途中で抱っこして連れ出すことで、動きがない状況を作り出し、センサーが正しく反応するのかをチェックします(下の動画参照)。ちなみに、シートの下にパッドを入れたので、パッドの厚み(10mm)で段差になった寝具を赤ちゃんがイヤがるかと思ったのですが、我が子はまったく気にならないようで、熟睡していました(笑)。
結果は、先に行ったテストと同じ! 赤ちゃんが寝ている時はアラーム音が鳴らず、赤ちゃんを寝具から連れ出し、赤ちゃんの存在を感じ取れなくなるとアラーム音が鳴りました。余談ですが、アラーム音が実環境で使うと思ったよりも大きく、集合住宅に住む筆者は隣に聞こえるのでは……と焦りましたが、万が一に気付けることが重要なので、このくらいの音を鳴らさないとダメなんでしょうね。
ただ、ここまでの検証では、パッドの上に何か載っていればアラーム音が鳴らないのでは? という不安も残ります。そこで、きちんと動き(呼吸)を検知しているのか確かめるために、赤ちゃんの代わりに人形を載せて試してみました。
人形を寝かせた状態では、数十秒後にアラームが鳴り響きました。重みだけでなく、赤ちゃんの動きを検知しているのは間違いないようです
このほか、寝返りをうってパッド外に移動してしまった際は、赤ちゃんが布団やセンサーに多少でも触れているとアラーム音は鳴らず。完全に外れるとセンサーが反応して異常を知らせてくれました
評判の高い製品だけあって、ここまでの検証では不満はまったくありません。しかし、筆者には気になっていることがあります。ベビーセンス5sは海外製品であるがゆえベビーベッドでの使用を前提としており、筆者宅のように床に布団を敷いた状態でよくある光景「添い寝」をすると、パッドの上に親が載っていなくても心拍などを拾ってしまわないのでしょうか。また、赤ちゃんが寝ている寝具の周囲を大人が歩いた際の振動も、赤ちゃんの動きとして誤認されそうな気も……。不安なままでは使用できないので、テストしてみることにしました。
無呼吸になった赤ちゃんという設定で人形をパッドの上に置き、パッドに触れないように添い寝してみました。結果、パッドに触れていないにもかかわらず、アラーム音は鳴らず。添い寝する親の動き(呼吸)などを拾ってしまうようです
続いて、寝具の周囲を歩いた振動をセンサーが拾ってしまわないのか試したところ、こちらはアラーム音が鳴り響きました。寝具に触れないようにさえすれば、誤認は防げそうです
パッドのセンサー感度はかなりのもので、当初は不安でシーツの下にパッドを入れていましたが、敷き布団の下にセットしてもきちんと反応してくれました。
敷き布団の下に入れても問題なく使えます。これなら、赤ちゃんの寝心地を妨げることもありません
続いて、もうひとつの見守りアイテム「スヌーザ・ヒーロー」を紹介しましょう。スヌーザ・ヒーローもベビーセンス5sと目的は同じで、赤ちゃんの呼吸を見張る体動センサー。寝具にセットするベビーセンス5sに対し、スヌーザ・ヒーローは赤ちゃんのおむつに装着し、呼吸で上下する腹部の動きをモニタリングし、異常が続くとアラーム音で知らせてくれます。赤ちゃん自身に装着しているので、寝返りで布団から出てしまっても問題なし。また、医療機器(クラスT、一般医療機器)である点も信頼がおけるポイントです。
サイズは45(幅)×70(長さ)×25(厚み)mmで、重量は約31g(電池含む)
本体上部のセンサーが赤ちゃんの腹部の動きを検知します
まずは、どのように反応するのかを試してみましょう。下の動画のように指でセンサー部を押している時は緑色のランプが点灯していますが、手を放して動きのない状態にすると、15秒後に本体がブルブルと振動し始めました。これは、赤ちゃんに呼びかけるための振動なのだそう。この振動で赤ちゃんが動きを再開したら、再び監視モードに切り替わりますが、振動の後も赤ちゃんの反応がない場合は警告音が鳴り響きます。
基本的な使い方や精度は理解できたので、さっそく我が子に装着! おむつにクリップで固定するだけなので装着はカンタンなのですが、直接お腹に当たるため、イヤがる赤ちゃんはいるかもしれません。
センサー部がお腹に当たるように装着するのがポイントです
装着中は、下の動画のようになります。先に行ったテストほどセンサー部が強く圧迫されなくても、赤ちゃんの腹部の動きだけで、異常なしと判断されているようですね。
ベビーセンス5sでうまくいかなかった、添い寝も試してみましょう。赤ちゃんの呼吸が止まっていても、横で寝ている親の呼吸や振動を赤ちゃんの動きと誤認しないかを確認すべく、人形にスヌーザ・ヒーローを装着して添い寝してみました。
結果は、赤ちゃんが呼吸をしていないと判断され、アラーム音が鳴りました。添い寝しても赤ちゃんの体動しか拾わないようですが、添い寝時の使用は推奨されていません
今回は幸いにもアラーム音が鳴るような事態にはなりませんでしたが、我が子の万が一にすぐ気がつける安心材料があるのは、昼間、ひとりで子どもを見ている筆者にとっては大きな魅力に感じました。ただ、どちらも万全というワケではありません。この製品をすすめてくれた先輩ママによると、ベビーセンス5sはセンサーの感度がよすぎて周囲の振動を拾ってしまう懸念があり、スヌーザ・ヒーローは何かの拍子で外れる可能性があるので、併用するとより安心とのこと。とはいえ、そもそもこのようなアイテムがあることを知らなかった筆者は、これまで家事をしていても途中で手を止めて様子を見に行ったり、夜も何度か起きて確認したりと、自力でがんばってきたので、ベビーセンス5sやスヌーザ・ヒーローを借りていた2か月間、精神的に少しラクになれました。このことからも、筆者のように乳幼児突然死症候群を心配している方は、導入してみるといいかもしれません。個人的には、ベビーセンス5sは自宅の赤ちゃん用の寝具にセットしておき、スヌーザ・ヒーローは普段使うほか、夫の実家に帰省する時や旅行に行く際にも持って行きたいなぁと思っています。
なお、このレビュー中に、ベビーセンスの新モデル「ベビーセンス7」が発売されました。基本的な仕組みは今回試したベビーセンス5sと同じですが、外観が一新され、アラームの誤報が発生しないようにセンサーが改良されているそうなので、より精度の高い見守りが期待できるでしょう。また、ビデオモニタがセットになったタイプもラインアップされています。ちなみに、ベビーセンス7の価格は21,000〜35,000円ほど。正規代理店でレンタルもできますが(最新モデルがレンタルできるかは不明)、6か月で21,600円(税込)というレンタル料を考えると、長く使用するなら購入したほうがお得ではないでしょうか。
歴史旅ブログ「カツイエ.com」の運営と、ゆるめの歴史イベント「名古屋歴史ナイト」を主宰するライター。初の子育てに毎日てんてこまい。