ベビーカーは赤ちゃんとママの日常生活に欠かせないアイテム。赤ちゃんの安全性や快適さはもちろん、押し心地や持ち運びやすさ、使い勝手もしっかりとチェックしたうえで選びたいものです。そこで、ここでは最新ベビーカーの選び方を解説。人気のおすすめ12製品もあわせて紹介します。
ベビーカーは、製品安全協会が定める「SG基準」により、赤ちゃんが新生児期を過ぎた生後1か月頃、または首が座る4か月頃から使える「A型」と、ひとり座りができる生後7か月頃から使える「B型」に区分されており、いずれも生後36か月または48か月まで使用が可能。A型のリクライニングは、生後1か月からのもので150°以上、生後4か月からのもので130°以上倒れ、赤ちゃんを寝かせて移動できるようになっています。また、A型の中には、ハンドルを前後に回転させて赤ちゃんと対面したり、赤ちゃんを進行方向に向けたりしながら移動できる両対面式の製品も多くあります。
A型は月齢の低い赤ちゃんの移動も想定しているため、多機能で重量が重く、価格も高い製品が多め。これに対してB型は、リクライニングの角度が浅く、機能がシンプルな分、重量が軽く、価格は安い製品が多くなります。最近では、高機能なA型と、コンパクトで軽いB型のメリットを兼ね備えた「AB型」と呼ばれる製品が主流となっています。「AB型」は製品安全協会が定める区分ではありませんが、メーカーや店舗では一般的な呼び方として用いられています。
初めてのベビーカー購入でまず悩むのが、どれくらいの予算をかけるかでしょう。4万円以上あればA型の高機能な製品が購入できるので、赤ちゃんから3歳頃になるまでずっと使い続けられます。ただ、出産前や出産後は何かと物入りになってくるので、ベビーカーにあまり予算をかけられない人も多いはず。でもご安心を。2万円台でもしっかりとしたA型ベビーカーは購入できます。
予算が決まったら、次はライフスタイルを考えましょう。集合住宅の2階以上にお住まいの場合、自宅の玄関までに階段があるか、赤ちゃんとの移動に公共交通機関をよく利用するかなどを確認してください。階段や公共交通機関の利用が多い場合、ベビーカーの本体重量が重いと持ち運びの負担が大きくなるので、将来的に軽量なB型ベビーカーに買い替えるのがおすすめです。その場合、A型ベビーカーの利用は半年程度と割り切って、手ごろな価格の製品を購入したり、レンタルで済ましたりすることも視野に入れるといいでしょう。
ベビーカー選びで最も重視したいのは、赤ちゃんの安全性です。安全性については、製品安全協会の認定基準に適合した「SGマーク」が付いているかがひとつの目安。SGマークを取得したベビーカーは、衝撃や振動への対策のほかにも、赤ちゃんが指を挟みにくかったり、タイヤが列車のドアに挟まれにくかったり、足乗せ用のステップが付いていたりと、日本の生活環境に合わせた設計上の工夫が施されています。ただ、ベビーカーの安全性には国際基準があり、海外メーカー製品も各国の厳しい基準に適合しているので、どちらかに適合していれば問題はないでしょう。
赤ちゃんの快適性に関しては、まず注目したいのがシートです。シートはなるべく地面から高さのあるものが理想的です。夏場は日差しによって地面付近の温度が高くなるので、ベビーカーに座る赤ちゃんは、大人より2〜3℃高い気温で過ごすことになります。しかも、赤ちゃんは大人より平均体温が高く、体温調整もうまくできないので、なるべく地面より高い位置に座らせることが重要です。座面が高いと地面から舞い上がるホコリや花粉を吸うリスクも軽減でき、赤ちゃんの上げ下ろしもラクになります。そのため、最近は座面高50cm以上のものが増えています。
また、シートは赤ちゃんの頭部への衝撃や振動をしっかりと軽減し、通気性が高く、なるべく取り外して洗えるものを選びましょう。赤ちゃんは直射日光や紫外線にも弱いので、日除け用の幌は多段階に角度調整ができ、通気用の小窓が付いたものがおすすめです。
赤ちゃんを快適に移動させることとともに、ベビーカーを押す親の負担を軽減することも重要です。ベビーカーは、タイヤの直径や本数によって押し心地が変わります。ベビーカーのタイヤは、直径が大きくなるほど段差を乗り越えやすく、衝撃も吸収しやすくなります。直径は15cm程度が標準的で、直径18cmや20cmの大径タイプになると、段差の乗り越えがかなりラクになります。
また、タイヤの本数は、ひとつの車軸に1本のタイヤが付くシングルタイヤと2本のタイヤが付くダブルタイヤに分けられます。シングルタイヤのほうが押し心地は軽いですが溝にはまりやすくなります。ダブルタイヤは安定感があり溝にもはまりにくくなりますが、重量が重くなります。なお、両対面式の4輪ベビーカーを選ぶ際は、ハンドルを回転させてベビーカーの前後を切り替えたときに、前輪タイヤが自動で曲がる「オート4輪」機能を備えているかも確認しておいてください。
また、3輪ベビーカーは前輪の向きを変えやすいので小回りが利き、4輪ベビーカーより押し心地のスムーズなものが多いです。本体重量が重めなので、公共交通機関や階段での持ち運びには不向きですが、安定感もしっかりとしています。普段よく使う交通手段や、よく通る道の凹凸などをイメージしながら、もっとも条件に合うものを選びましょう。
ベビーカーの本体サイズが大きいと、公共交通機関を使う場合や階段を昇降する場合だけでなく、玄関に置く場合やクルマの荷室に積む場合など、ストレスを感じることもあります。そこで、ベビーカーの折り畳み方法や折り畳んだ時の寸法もしっかりとチェック。折り畳み方法については、ワンタッチで開閉ができ、コンパクトに折り畳めるものがおすすめ。折り畳んだ時の寸法については、玄関など自宅の設置スペースやクルマの荷室寸法などを把握し、ある程度の条件を決めておくといいでしょう。また、折り畳んだときにベビーカーが自立するかどうかも重要です。
さらに、日常生活でベビーカーを便利に活用するうえで、シート下のバスケットで買い物の荷物を運んだり、フレームやハンドルなどに便利グッズを装着することもあります。シート下のカゴの容量は20L程度が標準的。30Lもあれば、スーパーでの買い物などで困ることは少ないでしょう。ただし、授乳グッズやオムツ、おもちゃのほか、レインカバーなども運ぶことを考えると、バスケットは少しでも大きいほうが便利です。夏場は暑さ対策としてミニ扇風機や保冷シート(冷却シート)を、冬場は寒さ対策としてフットマフやブランケットを運びたくなることもあるからです。
アップリカやコンビ、ピジョンといった国内大手メーカーから海外メーカーの人気製品まで、おすすめのベビーカーをピックアップ。A型、B型、3輪タイプに分類して紹介します。
A型両対面式ベビーカー「ラクーナ」シリーズの上位モデル。従来モデルからの高強度な溶接フレームと、4輪サスペンションを備えた安定感の高いダブルタイヤはそのままに、シート部にはソファのようなスプリングの「オメガクッション」をはじめ、頭と首を衝撃と左右の揺れから守る「ショックレスマモール」、頭部に伝わる衝撃を吸収する衝撃吸収材「Gブロック」を採用。徹底的にクッション性を高めています。7枚幌で赤ちゃんの頭上をすっぽり覆いながらも、2つの窓から赤ちゃんの様子を確認することが可能。バスケットは約27.2Lと大容量で、赤ちゃんグッズや買い物もたっぷりと収納できます。
タイプ:A型両対面式(SG基準適合、生後1か月〜36か月/15kg以下)
本体サイズ:展開時 約45.6(幅)×100.1(高さ)×83.6(奥行)cm/折り畳み時 約45.6(幅)×99.5(高さ)×32.8(奥行)cm
重量:約5.2kg
リクライニング:約121〜164度
シート:高さ約53cm、洗濯可
タイヤ:4輪ダブルタイヤ、オート4輪対応
カラー:グレー/ネイビー/ベージュ
約3.9kgと軽量で、脇に抱えて持ち運べるグリップも装備。足下にステップを備えており、小径タイヤながら段差を楽に乗り越えられます。高さ約53cmのハイシートに独自の衝撃吸収素材「エッグショック」を用いたほか、大型の幌を用いており、地面からの熱や埃、直射日光や紫外線から赤ちゃんをしっかりとガード。容量約27Lの大容量バスケットは、荷物を入れたまま折り畳めます。
タイプ:A型両対面式(SG基準適合、生後1か月〜36か月/15kg以下)
本体サイズ :展開時 約48.3(幅)×99.5〜104(高さ)×74〜88(奥行)cm/折り畳み時 約48.3(幅)×97.5(高さ)×36.5(奥行)cm
重量:約3.9kg
リクライニング:対応
シート:高さ約53cm、洗濯可
タイヤ:4輪ダブルタイヤ、オート4輪対応
カラー:メッシュネイビー/メッシュグレー
「スゴカル」シリーズのプレミアムモデル。赤ちゃんの頭からお尻まで4層のエッグクッションで包み込む構造となっており、高いクッション性能を実現。走行時の路面の凹凸や段差から起こる不規則な振動によるストレスから赤ちゃんを守ります。また、直径18cmの大型ダブルタイヤが赤ちゃんの頭部に伝わる横揺れを抑え、タイヤ部分のサスペンションで足元から振動を吸収します。さらに、日差しや紫外線から赤ちゃんを守る大きな幌は、花粉汚れ(付着防止)試験済みです。
タイプ:A型両対面式(SG基準適合、生後1か月〜36か月/15kg以下)
本体サイズ :展開時 約49.5(幅)××101〜106.5(高さ)×81〜91(奥行)cm/折り畳み時 約49.5(幅)×93〜99(高さ)×36(奥行)
重量:約5.7kg
シート:ハイシート、洗濯可
タイヤ:2輪ダブルタイヤ+2輪シングルタイヤ、オート4輪対応
カラー:アッシュグレー/ネイビーブルー/グレイッシュピンク
赤ちゃんの家を意味する「ベビーメゾン」というコンセプトのもとに開発されたピジョンのフラッグシップモデル。180度フルフラットになるシートと、赤ちゃんの頭から足先までを守るハイウォール、大型の幌により、移動中も赤ちゃんが安心して眠れるように設計されています。さまざまなモードに変形するのも特徴。赤ちゃんと対面になってベビーカーを押す「コットモード」と、赤ちゃんが背面になる「チェアモード」を、片手によるハンドル操作で楽に切り替えらます。さらに、コンパクトに折りたためるので、コンパクトカーの荷室などに収納しやすいのも魅力。ピジョンならでは大径シングルタイヤと、シャフト部に内蔵された「超精密ボールベアリング」、スイング式サスペンションの組み合わせにより、軽い力で押せて段差もスイスイ越えられます。
タイプ:A型両対面式(SG基準適合、生後1か月〜36か月)
本体サイズ :展開時 背面位 約50(幅)×82.5(幅)×100(高さ)cm/対面位 約53×97(幅)×100(高さ)cm/折りたたみ時 約50(幅)×32.5(奥行)×80(高さ)cm(収納時)
重量:約6.9kg
リクライニング:約100〜180度
シート:ハイシート
タイヤ:4輪シングルタイヤ、オート4輪対応
タイヤの回転軸に「超精密ボールベアリング」を搭載しており、摩擦を小さくすることで、小回り性能を高めています。コイルとゴムの2つのサスペンションが振動や衝撃を吸収し、でこぼこ道もスイスイ走行。フレームの結合部分が溶接止めされているため、振動を抑えて押しやすくなっています。また、肩ベルトはスライドで調節ができ、ベルトを付け替える手間が不要です。
タイプ:A型両対面式(SG基準適合、生後1か月〜36か月)
本体サイズ :展開時 背面位 約51.6(幅)×84.2(幅)×100(高さ)cm/対面位 約52.5×101(幅0×100(高さ)cm/折りたたみ時 約51.6(幅)×38(奥行)×103(高さ)cm
重量:約5.7kg
リクライニング:約100〜175度
シート:ハイシート、洗濯可
タイヤ:4輪シングルタイヤ、オート4輪対応
カラー:キャメル/ノルディック/トラッドデニム(ベビーザらス限定カラー)/マルトブルー(ベビーザらス限定カラー)
カーボン素材を用いることで、約5.8kgの軽さを実現。耐久性の高さと取り回しのしやすさを両立させています。ストレートフレーム構造を採用し、赤ちゃんの体重が増えても軽快な押し心地を維持。前輪に衝撃・振動吸収エラストマーを、リアホイールにサスペンションを採用し、衝撃や振動の吸収性も高めています。また、ハンドルではなく、シートを切り替えることで対面と背面を素早く変更することが可能。片手で瞬時にハーネス調節ができる「ワンプルハーネス」や「超衝撃吸収ヘッドクッション」など、装備も充実しています。
タイプ:A型両対面式(生後1か月頃〜36か月頃/15kgまで)
本体サイズ :展開時 約49(幅)×96.5〜107(高さ)×82〜91(奥行)cm/折りたたみ時 約49(幅)×69(高さ)×29(奥行)cm
重量:約5.9kg
リクライニング:約107/123/139/166度
シート:ハイシート
タイヤ:4輪シングルタイヤ
カラー:マジックブラック/キャンバスホワイト/フォググレー/アーモンドベージュ/ストーミーブルー/ダークブルー
ハンドルレバーを握るだけで4輪すべてがフリーになり、真横にも移動できるため、狭いエレベーター内などで便利です。マグネットの力で素早く装着できる「イージーベルト」を採用しており、急いでいるときや赤ちゃんの機嫌が悪いときに重宝します。つなぎ目を溶接した高剛性フレームと、前後左右4か所のサスペンションの働きにより、走行時の赤ちゃんへの振動を軽減。約3.9kgと軽量で、折りたたみ時はフロントガードを持てるので、持ち運びも簡単です。
タイプ:B型背面式(SG基準適合、生後7か月〜36か月/15kg以下)
本体サイズ:展開時 約45.6(幅)×79(奥行)×103.3(高さ)cm/折りたたみ時 約45.6(幅)×31.5(奥行)×94.8(高さ)cm
重量:約3.9kg
リクライニング:約126〜148度
シート:ハイシート、洗濯可
タイヤ:4輪ダブルタイヤ、オート4輪対応
カラー:ベージュ/ブラック
約3.9kgの小型・軽量な溶接フレームのボディに、スイング式サスペンションとシングルタイヤを備え、持ち運びやすさと軽快な押し心地を両立。持ち運び時の折りたたみは片手のワンアクションで行えます。使用月齢範囲は48か月までで、肩ベルト調整が楽な「"パッ"とベルト」により、赤ちゃんの姿勢や大きさが変わっても、正しく座れるようになっています。
タイプ:B型背面式(SG基準適合、生後7か月〜48か月)
本体サイズ :展開時約50(幅)×104(高さ)×87(奥行)cm/折り畳み時 約50(幅)×92.5(高さ)×33.5(奥行)cm
重量:約3.9kg
リクライニング:約110〜135度
シート:ハイシート
タイヤ:4輪シングルタイヤ、オート4輪対応
カラー:ヘイブルー/ソーホーブラック/カフェベージュ/グレージュ/チャコールグレー/マリモ