近年、さまざま冷感グッズが登場していますが、そのなかでも手軽に使えて支持を集めているのがミストを使ったもの。そのミスト機能を保冷効果のあるステンレスボトルにドッキングさせたアイテムが今、注目を浴びています。ボトル内に冷たい飲み物を入れておけば、ミスト用の水も一緒に冷やされるため、冷たいミストが噴霧できるスグレモノです。
ということで、本記事ではそんな冷却ミスト機能付きの真空断熱ドリンクボトル「ドリンクミスト SS」についてレビュー。実際の使用感を紹介しつつ、ほかのミスト系グッズと比較してみました!
今回フィーチャーするDAISAKU「ドリンクミストSS」の特徴は、水分補給ができる保冷ボトルでありながら、冷却ミストを噴射できる機能にあります。ありそうであまりなかった一石二鳥な製品ですが、どんな仕組みなのかを詳しく見ていきましょう。
一見シンプルなボトルですが、工夫が満載!
まず、容量は580mLで、500mLのペットボトルよりもかなり大きい印象です。 ただし、握る部分が凹んでいるため、サイズ感の割には持ちやすいと感じました。
トップ部分のキャップを開けると、中の飲み物が飲めます。キャップはワンタッチに近い感覚で開閉でき、キャップを開ければすぐに飲めるため、片手でも簡単に操作可能。また、キャップが本体から離れない作りなので、落ちる心配がなく安心です。
飲み口のキャップを開けるとすぐに飲める仕様で、使い勝手は抜群
そして、飲み口と反対の背面側にあるレバーを押すと、ミストが噴射されます。ボトルのくぼみはこのときにも効果を発揮し、片手で持っていてもレバーが押せて便利です。
背面側にあるのがミストレバー
ミストが超微細なのもポイント。水の粒が細かいほどすぐに蒸発するため、その際に生まれる気化熱効果(水が気体になる際に周囲から熱を吸収する効果)も高くなるのが特徴です。なお、画像だとミストが持続的に連続噴出されているように見えるかもしれませんが、レバーを押すごとにワンショットのみが噴霧される仕組みです。それでも効果が高いのは、超微細ミストだからこそ!
レバーを押すとミストが噴出されます
さらに、ここまでの説明だと、飲み水とミストで同じ水が使われているようにも思えるかもしれませんが、実は収容部はしっかり分かれています。ボトル本体の間口が広く、そこに細長いミスト専用タンクを差し込む仕様です。タンクが1つのほうが便利なようにも思えますが、飲料用とミスト用でスペースが分かれているからこそ、飲料はお茶、ミストは水、といった具合に分別できます。もちろん、ジュース、スムージー、アイスコーヒー、アイスティーなど、好きな飲み物が自由にチョイス可能です。
飲み物とミストは入れる場所が分かれている作り
実際にボトルとして使ってみたところ、一気にゴクゴクと飲める印象で、満足感のある飲み心地。ステンレスボトルならではの重さは感じますが、持ちやすいフォルムなので使いにくい印象はほとんどありません。
ステンレスボトルとしての使い勝手も申し分なし
次にミスト機能も使ってみました。ミストが超微細なので気化が早く、顔から距離を置いて使うとミストがふんわりやさしく感じられ、心地よい冷感に。公園や施設などで見かけるミストシャワーに近い気持ちよさです。ちなみに、ミスト用タンクの容量は約15mLで、メーカー公式サイトによるとミスト約100回分とのことですが、筆者が試したところ200回ほどミストを噴射できました。レバーを押す強さやタイミングによって回数は変動するのかもしれません。
水を飲むついでにミストで顔を冷やせて、まさに一石二鳥!
「ドリンクミストSS」は、真空2重断熱構造を採用したステンレスボトルがベースです。そのため、保冷機能にすぐれています。ミスト専用タンクに保冷機能はありませんが、保冷機能のあるボトル本体の中にミスト用タンクを入れる仕様なので、飲み物もミスト用の水も保冷機能の恩恵が受けられるようになっています。
保冷効力の数値は「8度以下(6時間)」。これは、室温20±2度の状況下で水温4±1度の水を入れて満たし、フタをして放置した6時間後の水の温度を表しています。
氷をたくさん入れて、実際の保冷機能を検証しました
スペックとして保冷機能が高いことはわかりましたが、それだけでは効果が実感できないため検証を行いました。筆者がいつもしているように、ボトルの中が氷で埋まるようにしてから水を注入。フタをした状態でそのまま6時間放置してから水温を測ってみたところ、0.6度という結果に。キンキンに冷えた状態をしっかりキープできていました。
「ドリンクミストSS」に氷を詰めてフタをしたところ、6時間後の水温は0.6度
比較のために、保冷機能のないボトルでも同じ条件下で6時間後の水温を測ってみましたが、こちらの結果は25度。室温とほぼ同じ水温になっていました。
ということで、「ドリンクミストSS」の保冷機能が非常にすぐれているとわかりました。これなら、氷を何個か入れておけば、外出先でいつでも冷たい飲み物&ミストにありつけそうです。
保冷機能がないボトルの場合、6時間後には室温とほぼ同じ25度に
続いて、ミスト機能についても検証! 「ドリンクミストSS」に近いミスト機能に近いグッズとして、霧吹き、そしてミストスプレーボトルと比較してみました。
まずは一般的な霧吹き。本来は対人用ではありませんが、これで顔に水を掛けてみました。ミストの粒が粗く、ミストというより“細かな水滴”を浴びている感覚。勢いよく直線的に噴射されることもあって、使えば使うほど顔や服が濡れてしまいました。1回噴霧するくらいなら問題はなさそうですが、連続して霧吹きを浴びると濡れた感覚がどんどん強まって不快感が募ります。ミストが常温のうえに粒が繊細でないためか、気化熱効果が乏しく、ヒンヤリした感覚も得られませんでした。
まずは一般的な霧吹きで検証
勢いよく直線的に噴射。繊細なミスト状にはならず、水滴の集まりという印象
次に、ミストスプレーボトルを検証してみました。ミストスプレーボトルの特徴は、レバーを押している限り連続で噴出される点。ただしこちらも霧吹き同様、ミスト用の水を冷やす冷却効果はありません。
顔にミストを吹き掛けると、ほんのり冷却効果があるように感じました。ミストが微細なためやさしい触感で、公園や商業施設などに設置されているミストシャワーのような心地よさ。ただ、ミストが常温だからか、そこまで強い清涼感は得られなかった、というのが筆者の感想です。また、連続で噴出できる点はとても便利で、霧吹きのようにビショ濡れになる不快感もほとんどありませんでしたが、ついつい使いすぎてしまってすぐにボトルの水がなくなってしまうのはデメリットと言えるでしょう。
続いてミストスプレーボトル
微細なミストを勢いよく遠くまで、しかも連続的に噴出でき、最もパワフル
そして最後に、「ドリンクミストSS」です。保冷機能検証の際と同じようにボトルに氷を入れ、ミストタンクを少し冷やした状態で使ってみました。顔にミストを当てると、すぐに肌の表面温度が下がったのがわかりました。ミストがヒンヤリとしていて、体感としてはかなり快適。やはり、ミスト用のタンクを冷やせるのが大きなメリットのようです。
なお、ミストの粒の細かさについては、ミストスプレーボトルと比べても遜色ありません。いずれも微細なミストで、しっかり気化熱効果を発揮してくれそうです。ただ、ミストスプレーボトルのミストが勢いよく遠くまで噴射される印象なのに対し、「ドリンクミスト SS」のミストは広く拡散するように噴霧されるようなイメージ。パワフルさでは前者に軍配が上がりますが、後者のほうが冷却効果の恩恵を受けられる面積が増えるため、プラスの影響を生むと言えそうです。
「ドリンクミスト SS」に氷を何個か入れ、ミスト機能を検証
すぐに拡散して霧状になるため、顔の近く噴霧しても心地よく、しっかり冷たさが感じられます
「ドリンクミストSS」の機能について検証したところ、保冷機能のある真空断熱ステンレスボトルとしての機能は申し分ありませんでした。また、ミスト機能に関しても優秀だと感じました。ミスト用のタンクも保冷できるのが大きなポイント。冷たい水を超微細ミストにしているからこそ、ワンショットでも効果が実感できます。連続的にミストは噴射できませんが、だからこそ水を使いすぎる心配もないので、水を効果的に使う仕様だとポジティブにとらえれば、外出用としては最適なアイテムと言えます。
デザイン面にも工夫があり、たとえミスト機能を使わなくてもボトルとしての違和感がなく、デメリットは特に感じません。価格面も一般的なステンレスボトルとそう変わらないので、これから買うなら選んでおいて決して損はないと思えます。保冷ボトルと冷水ミストが1本でまかなえるので、酷暑の夏に活用しない手はない便利グッズだと筆者は認定しました!
保冷機能のあるボトルを買うなら、ミスト機能付きの「ドリンクミストSS」は有力な選択肢でしょう