「ボーナスだ。さぁ、何を買おうかな!」。冬ボーナスの季節です。今年の冬ボーナスは報道によるとやや控えめともいわれていますが、あなたの会社はどうでしょうか。ボーナスは、まとまったお金が毎月の給与とは別にもらえるうれしい収入源の1つです。
そして、まとまったお金が入るボーナスの時期は物欲と戦う、ある意味楽しいシーズンでもあります。いまの私はボーナスをもらう立場ではなくなりましたが、会社員時代はこのときこそと買いたくて買えなかった高額消費にボーナスをつぎ込んでいました。あのときのワクワク感は、いまでも忘れられません。
しかし無計画なボーナス出費はおすすめできません。かつての私も、気がつけばあっという間にボーナスを使い切って、何度もがく然としていました。
前回は「いまより少しだけ年収を上げる方法とは?」という話をしました。今回はマネーリテラシーの観点から(でもボーナスを使う楽しみは大事にしつつ)、ボーナスの使い方を考えてみたいと思います。それは3分でできる「簡単仕分け」でボーナスの配分を考えるというものです。
もし、あなたが無計画にボーナスを使ってしまい、いつも後から反省しているのであれば、これから紹介する「簡単仕分け」をやるだけで、ボーナスの使い方はずいぶん合理的になります。
それは「来年の夏ボーナスまでの臨時出費分」を取り分けておく、というものです。たとえば、以下のような「次のボーナスまでにかかりそうなお金」をざっくり見積もり、その金額だけボーナスを残しておきます。
・毎月の家計の不足分
・冠婚葬祭の費用(特に若い人は友人の結婚式)
・親戚へのお年玉や4月の入学祝い
・白物家電の故障や買い換えに備えた予算
・家賃の更新料(更新時期が来る場合)
仮に月2万円相当なら「2万円×7か月=14万円(次のボーナスが7月の場合)」だけを給与の振込口座から別の銀行口座に移しておくだけで、向こう半年のやりくりがぐっと楽になります。
ボーナスの役割は買い物だけではありません。将来に向けた「資産形成」のエンジンでもあります。できれば毎月少しずつでも貯金や投資をしてほしいのですが、ボーナスから追加をすれば、ペースアップできます。
月1万円を貯金している人がボーナスごとに6万円を入金できれば、1万円×6+6万円=12万円で貯金のペースは月2万円相当(6か月で)になりますし、毎月の貯金はまったくできていない人も、ボーナスから10万円を残しておければ年20万円貯金できます。年収400万円の人なら5%相当の貯金をボーナスだけで実現できることになります。
一見すると、いま使える買い物の予算枠が減ってしまうわけですが、そのお金はいつかの買い物に回すことができます。「将来大きな買い物をするためのキープ」だと考えてみてください。
6万円や10万円というのは、できれば最低限残しておきたいボーナスの枠です。「もっと多く残しておいたほうがいいのでは」という人は、遠慮なくお金をたくさん残しておいてください。
今回はシンプルな2つのルールでボーナスを仕分けしてみました。「半年分の臨時出費予算」と、「将来の買い物のための貯金予算」は、給与振込口座とは別の銀行口座に入れるのが理想的です。給与の振込口座から分けておかないと、ずるずると使ってしまうためです。銀行口座がもう1つあれば、すぐそこに移しておきましょう。
ボーナスの「仕分け」をすることは、予算管理が効率的になるだけではありません。先々必要なお金をキープできていることで、残りを堂々と好き勝手に使えるようになり、気持ちよく散財ができるのもメリットです。
なんとなく使っているうちに、もらってたった1〜2か月しか経ってない年末に、もうボーナス分が空っぽになっている、というのは賢い使い方ではありません。しかし、この2つのステップを踏まえるだけで、残りのボーナス額は「消費枠」ということになり、自由に使っていいお金になります。
残ったお金でどう満足度を高めて使うかは、一生懸命考えてみてください。せっかく高額消費をするのですから、ワクワク感を楽しみ、後悔のない買い物にしたいものです。
年末に向けて、気持ちよくボーナス出費をしてみてください!