レビュー
ファンレス、高解像度13型液晶、指紋センサーなど見どころ多数

初のノートPCとは思えない完成度の高さ! ファーウェイ「MateBook X」を試す

SIMフリースマートフォン(スマホ)市場で強いブランド力を持つファーウェイが、クラムシェル型のノートパソコン「MateBook X」を2017年7月7日に発売した。2in1タブレットの「MateBook」を昨年投入しているのでWindowsパソコンを発売するのは初めてではないが、クラムシェル型のノートパソコンは今回が初となる。スマホで培った技術を生かして作られたMateBook Xをレビューしていきたい。

ファーウェイ初のノートパソコン「MateBook X」。今回試したCore i5モデルの価格.com最安価格は140,742円(2017年7月27日時点)。Office搭載モデルは167,958円(同)

コンパクトでスタイリッシュな金属ボディ

最近は「Surface Laptop」「dynabook UX53/D」「ZenBook 3」など、クラムシェル型のノートパソコンが増えている。2in1の反動か、タブレットやスマホとの住み分けか、いろいろな理由はあるだろうが、クラムシェル型に力を入れているメーカーは着実に増えている。いずれもスリムで高級感のある金属ボディに13型前後のディスプレイを搭載し、重量を1.2〜1.3kg前後に抑えているモデルが多い。

そんな中でMateBook Xは、厚さ12.5mmのスリムボディに13型のIPS液晶を搭載する。重量は約1.05kg。今回はCore i5モデルのスペースグレーを試用したが、シンプルで落ち着いたカラーで、ビジネスでもプライベートでも使えそうだ。デザインは、アップルの「MacBook」に似ており、素直にカッコいいと感じた。ディスプレイ面は、1枚のガラスで覆われており、エッジ部分にはダイヤモンドカット処理が施されている。金属ボディの質感も高く、表面は同社の人気スマホ「P10」や「P10 Plus」と同じサンドブラスト処理が施されており、サラッとした触り心地だ。底面も丸いゴム足が4つあるだけで、同社のスマホと同じか、それ以上に細部までこだわって作られているのがよくわかる。

落ち着いた色味のスペースグレーモデル。エッジ部分はダイヤモンドカット処理が施されており、高級感のある仕上がり。金属ボディはサラッとした触り心地で、手に持って使うスマホと同様、手にしたときのフィーリングを大切にしている印象を受ける

厚さ12.5mmのスリムボディ。写真はディスプレイを一番奥まで開いた状態

厚さ12.5mmのスリムボディ。写真はディスプレイを一番奥まで開いた状態

本体背面には4つの丸いゴム足がある。ネジが3つあるが、スリットなどはなく、すっきりとした底面だ

本体背面には4つの丸いゴム足がある。ネジが3つあるが、スリットなどはなく、すっきりとした底面だ

両端のベゼル幅が4.4mmの狭額縁設計となっており、13型のディスプレイを搭載しつつ、本体がコンパクトなのも特徴だ。本体サイズは286(幅)×211(奥行)×12.5(厚さ)mm。フットプリント(設置面積)はA4用紙(297×210mm)よりも小さいので、カバンにすっきりと収まる。バッテリー駆動時間はカタログ値で約10時間で、1日充電なしで利用可能だ。ACアダプターも小型で、携帯性は非常に高い。

カラーはCore i5モデルがローズゴールドとスペースグレーの2色、Core i7モデルがプレステージゴールドの1色。高性能なCore i7モデルにも、落ち着いたカラーのスペースグレーがあってもよかったかもしれない。

両端のベゼル幅は4.4mm。今風の狭額縁設計だ

両端のベゼル幅は4.4mm。今風の狭額縁設計だ

重量はカタログ値で約1.05kg。実測は1067gだった

重量はカタログ値で約1.05kg。実測は1067gだった

ACアダプター込みの重量は実測で1203g

ACアダプター込みの重量は実測で1203g

3:2のディスプレイや指紋センサーなどを搭載

ディスプレイは13型という少し珍しいサイズだが、使い勝手や見やすさはこのクラスの主流である13.3型とほとんど変わらない。アスペクト比はSurface Laptopと同じ3:2だが、Surface Laptopは画面サイズが13.5型で、本体がやや大ぶりなのに対して、画面サイズが13型で狭額縁設計のMateBook Xは、コンパクトにまとまっている。解像度はフルHDを超える2160×1440。sRGBカバー率100%の広色域と1000:1の高コントラストを実現しており、画質に関しても文句なしだ。スマホのように目にやさしいブルーライトカット機能も用意する。狭額縁設計だが、Webカメラが上部に備わっているのもありがたい。

2160×1440の高解像度な13型IPS液晶ディスプレイ。広色域と高コントラストで写真や動画を高画質で楽しめる

2160×1440の高解像度な13型IPS液晶ディスプレイ。広色域と高コントラストで写真や動画を高画質で楽しめる

サウンド面では、パソコンで初めて「ドルビーアトモスサウンドシステム」を搭載。ドルビーとファーウェイが共同開発したという自慢のサウンドだ。ドルビーアトモスとは、音声オブジェクトをベースにした業界初のオーディオフォーマットで、臨場感のある音楽が楽しめるというもの。少々わかりにくいが、ドルビーアトモスのWebサイトに用意されたデモ音声を聴くと、言わんとしていることがすぐにわかる。雨やジャングルなど自然の音なのだが、その場にいるような感覚が味わえるのだ。ボリュームを上げても、音が割れたり、本体が振動したりしないのも見逃せない。内蔵スピーカーだけでなく、ヘッドホンでもドルビーアトモスサウンドは楽しめる。スリムなボディだが、サウンド面はかなり力が入っている。

ドルビーのWebサイトではドルビーアトモスを体験できるコンテンツが用意されている。臨場感のあるサウンドで映画などを楽しめそうだ

キーボードはアイソレーションタイプ。薄型ボディのためキーストロークが1.2mmしかないが、しっかりとした打鍵感があって、心地よくタイピングできる。キーピッチは19.2mmでスタンダードノート並み。キーレイアウトも標準的で、「半角/全角 漢字」キー以外に極端に小さなキーは見当たらい。キーボードバックライトも備えるほか、防滴仕様なので、水をこぼしても安心だ。タッチパッドは大きくて使いやすいが、ボタン一体型なのでドラッグ操作がしにくい。これはほかのモデルでも同様なので、MateBook Xだけが劣っている点ではない。

設定がシンプルでわかりやすいのも評価したい。「マイMateBook」という専用メニューが用意されており、ストレージ容量のほか、「ドライバー管理」「システム設定」(基本情報、指紋、ファンクションキー)、「バックアップと復元」「アフターサービス」という4つの項目をすぐに確認できる。ユーザーインターフェイスやアイコンのデザインもスマホのようにシンプルでわかりやすい。この辺りもスマホの経験が生かされているのかもしれない。

キーピッチ19.2mm、キーストローク1.2mmのキーボード。日本語配列で、キーレイアウトも標準的。1.2mmのストロークは賛否両論あるので、ぜひ店頭などで試してもらいたい。個人的には、許容できる人が多いのではないかと思っている

「マイMateBook」では、ドライバーやセキュリティの状態をひと目で確認できる

「マイMateBook」では、ドライバーやセキュリティの状態をひと目で確認できる

キーボードの右上にある電源ボタンは、「Windows Hello」対応の指紋センサーと一体化している。指紋センサー自体はパソコンでは珍しくないが、通常、電源を入れて、指紋センサーに触ってログインする。それに対してMateBook Xは、電源オンからログインまでワンタッチでできる。認証の精度も高く、簡単に電源オンからログインが可能だ。スリープからの復帰・ログインにも使える。

電源ボタン兼指紋センサー。電源オンからログインまでワンタッチできる

電源ボタン兼指紋センサー。電源オンからログインまでワンタッチできる

Uプロセッサーを搭載しつつファンレス仕様

最後にスペック面をチェックしていきたい。今回試したCore i5モデルは、CPUに第7世代の「Core i5-7200U」(2.50GHz、最大3.10GHz)を搭載する。メモリーは8GB、ストレージは256GBのSSDだ。最近は安いデスクトップパソコンよりもパフォーマンスの高いモバイルノートが増えており、本モデルもモバイルノートとしては高性能な部類に入る。ベンチマークソフトの「PCMark 8」のHome acceleratedの結果は「3196」、「CINEBENCH R15」は「318」、シングルコアが「120」となった。

特筆すべきは、CPUにTDP(熱設計電力)が4.5WのYプロセッサーではなく、15WのUプロセッサーを備えつつ、冷却ファンのないファンレス仕様であること。独自の「スペース・クーリング・テクノロジー」と、航空宇宙産業でも使われているという放熱素材を活用することで実現したという。ファンレス仕様のメリットは、動作音がほとんどなく、静かな場所でも気兼ねなく利用できること。ただ、ベンチマークテストを繰り返し行っていると底面がかなり熱くなり、パームレストやキーボードにもその熱が伝わってくる。高負荷な作業を長時間行うようなマシンではないが、発熱によるパフォーマンスの低下が少しだけ心配になった。

パソコンの総合性能を測定するFuturemarkのPCMark 08の結果。Core i5-7200Uを搭載するモデルとしては標準的なスコアだ

ストレージの読み書き速度を測定する「CrystalDiskMark 5.2.1 x64」(ひよひよ氏作)の結果

ストレージの読み書き速度を測定する「CrystalDiskMark 5.2.1 x64」(ひよひよ氏作)の結果

外部インターフェイスはUSB Type-Cを左右側面に1基ずつ備える。映像出力、データのやりとり、電源に使えるが、ACアダプターを挿せるのは左側だけ。右側に接続すると、「左側のポートを使用してコンピュータを充電」というアラートが表示される。ACアダプターは小型で持ち歩きやすい上に、スマートフォンやタブレットの充電にも使えるのがうれしい。USB Type-Cを採用した機種を持っていれば、荷物を1つ減らせる。

外部インターフェイスはUSB Type-C×2とヘッドホン出力を備える。USBケーブル(CtoA)が付属する

外部インターフェイスはUSB Type-C×2とヘッドホン出力を備える。USBケーブル(CtoA)が付属する

左右に2基あるUSB Type-Cのうち、充電に利用できるのは左側だけ。右側にACアダプターを接続すると「左側のポートを使用してコンピュータを充電」というアラートが表示される。これにより、うっかり右側に接続して充電されていないということは防げる

まとめ ファーウェイらしいコスパの高さにも期待したい

MateBook Xは、同社にとって初のクラムシェル型のノートパソコンだが、完成度は非常に高いと感じた。トレンドを抑えたスタイリッシュなデザインで、使いやすさと性能にこだわるというアプローチは、同社のスマホと同じだ。Uプロセッサーを搭載しつつ、ファンレス仕様を実現するなど、高い技術力も見せている。

昨年発売したMateBookには、Officeを搭載したモデルの用意はなかったが、Office搭載が当たり前の日本市場に合わせて、Office搭載モデルを用意するなど、パソコン市場参入2年目ならではの改善も見られる。

気になる点を挙げるとすれば価格だ。今回試したCore i5モデルの価格.com最安価格は140,742円、Office搭載モデルは167,958円(2017年7月27日時点)。スペックを考えれば妥当だが、同社の人気スマホ「P10 lite」のような魅力的な価格設定にも期待したい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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