デザイン買いしても満足できる基本性能の高さを装備

京セラのタフネススマホ、「TORQUE G03」を街や海で使ってみた

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auのタフネススマートフォン「TORQUE」シリーズの最新モデル、「TORQUE G03」(京セラ製)が2017年6月30日より発売されている。同シリーズは、マリンスポーツやウインタースポーツなどアウトドアユースでスマホを使う人には定番となっているが、その最新モデルはどうか。街や海で1週間ほど使ってレビューしてみた。

塩水対応として2代目となる本格的なタフネススマホ「TORQUE G03」。2年ぶりの新製品で基本性能が強化されている

2年ぶりに登場した「TORQUE G03」は、基本性能がパワーアップ

auでは、ケータイの頃からタフネスを特長にしたモデル「G'zOne」(カシオ製)をリリースしており、カシオが携帯端末から撤退した現在は、京セラが「TORQUE」シリーズとしてそれらを引き継ぐかたちで製品を定期的に投入している。最新モデルの「TORQUE G03」は、そんなTORQUEシリーズとして2年ぶりに登場したスマートフォンだ。

ボディサイズは、約71(幅)×145(高さ)×13.6(厚さ)mmで、重量約198g。ボディは、タフネス性能を確保するためのマージンを取ってあるため厚く重い。だが、それが帰って頼もしく感じられるのが、本機の魅力になっている。大ぶりなボディだが、側面と背面に付けられた滑り止めのおかげで、グリップ性は見た目の印象よりずっと良好である。

ディスプレイには、720×1280のHD表示に対応する約4.6インチの液晶を採用する。前機種「TORQUE G02」の約4.7インチよりもわずかに小さい。また、前機種にあった物理式プッシュボタンが、ディスプレイを使ったタッチセンサー式に改められている。

SIMカードを挿した状態の端末で計った重量は約196g。かなりの重量級だが、これはタフネス機の必然と言えるだろう

前面の操作ボタンがプッシュボタン式から、一般的なタッチセンサー式に改められた

前面の操作ボタンがプッシュボタン式から、一般的なタッチセンサー式に改められた

アウトドアで使うことを想定しているためディスプレイの最大輝度は高め。真夏の昼過ぎの日差しの下でも視認性はよい

本機のタフネス性能だが、防水仕様としてIPX5/IPX8を、防塵仕様はIP6Xをそれぞれクリアしている。このほか、米国国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」のうち19項目(風雨/浸漬/雨滴/粉塵/落下/衝撃/振動/太陽光照射/湿度/高温動作/高温保管/低温動作/低温保管/温度衝撃/低圧動作/低圧保管/塩水噴霧/凍結-融解/氷・低温雨)をクリアしているが、この点はTORQUE G02から変更はない。ただ、耐衝撃性能が高められており、従来は1.5mの高さからラワン材へ落下させた衝撃に耐えていたものが、高さ1.8mからの鉄板・コンクリート板への落下でも耐えるように強化された。これは、背の高い男性の胸ポケットから硬い地面に落下しても耐えられるだけの性能である。

たっぷりとられた厚みと、側面を覆う樹脂製のバンパーで衝撃を吸収する

たっぷりとられた厚みと、側面を覆う樹脂製のバンパーで衝撃を吸収する

ディスプレイを囲む盛り上がった側面のフレーム。厚みは1mm程度だが、ディスプレイを守る効果は大きい

ディスプレイを囲む盛り上がった側面のフレーム。厚みは1mm程度だが、ディスプレイを守る効果は大きい

一般的なスマホなら背面から飛び出して配置されることの多いカメラのレンズも、本機の場合は表面からわずかに窪んだところに配置されている

インターフェイス周りにもタフネス機ならではの工夫が凝らされている。そのひとつは側面に配置されたボタンだ。ボタンは全般に大きく、しかも滑り止めがついているので、素手ではもちろんだが、厚手の手袋をしていても押しやすい。また、前面の操作ボタンがタッチ式ボタンに変更されているが、タッチパネルには自動で切り替わる「グローブタッチモード」が備わっており、グローブ装着時でも快適なタッチ操作が行えるように工夫されている。

左側面には、左からボリュームボタン、簡易ライトや着信応答や終話などの機能を割り当てられる「ダイレクトボタン」、ストラップホールが並ぶ。ボタンはいずれも大きく、クリック感もしっかりしているので、グローブをしていても操作しやすい

右側面には、左から指紋センサー付き電源ボタン、オプションのハードホルダー装着用のホール、そして滑り止めの付いたシャッターボタンが並ぶ

頑丈なキャップで覆われるUSB Type-Cポートを搭載。なお、急速充電の規格「Quick Charge 3.0」および、USBメモリーなどを接続できる「USB OTG(USB On-The-Go)」に対応している

ヘッドホン端子もキャップで覆われている

ヘッドホン端子もキャップで覆われている

ネジでロックされた裏ブタをはずすと、さらに電池を保護する防水用シールドが現れる

ネジでロックされた裏ブタをはずすと、さらに電池を保護する防水用シールドが現れる

パック式のバッテリーは容量2,940mAh。容量の割にかなりコンパクト

パック式のバッテリーは容量2,940mAh。容量の割にかなりコンパクト

TORQUE G03の基本スペックは、Qualcomm社のミドルハイ向けオクタコアCPU「Snapdragon 625 MSM8953(2.0GHz×8)」に、3GBのRAM、32GBのストレージ、256GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 7.1.1。
前機種のTORQUE G02は、ミドルレンジ向けCPU「Snapdragon 400 MSM8928(1.4GHz×8)」に、2GBのRAMという組み合わせだったので、処理性能が全般的に向上している。

定番のベンチマークテストアプリ「Antutuベンチマーク」を使い、実際の処理速度を計測してみたところ、総合スコアは56,589だった(内訳、3D:11,049、UX:19,964、CPU:20,463、RAM:5,113)。同じCPUを備え、RAM容量が4GBのモトローラ「Moto G5 Plus」の総合スコアである63,833(価格.comマガジン調べ)だったのでいくらか低めのスコアとなったが、これはメモリー容量の差だろう。なお、TORQUE G02の総合スコアは大体20,000前後だったので、基本性能は大幅にアップしていると言っていい。

Antutuベンチマークの総合スコアは55699。同じCPUを持つモトローラ「Moto G5 Plus」と比べるとやや低めのスコアだった

内部を密閉したボディを持つタフネススマホは、廃熱処理が難しくなるので、高性能のCPUを搭載しにくい。だが、本機の処理性能はミドルクラスのスマートフォン並みなので、「デレステ」や「艦これ」など重いゲームアプリも、軽快とは言わないまでも、おおむね不満のないスピードで動作する。

このほか、FeliCaポート、NFCポート、ワイヤレス充電の「qi(チー)」ポートなどを搭載する。いっぽうTORQUE G02には搭載されていたワンセグチューナーは非搭載となった。また、最近のスマートフォンでは一般的になりつつあるハイレゾ音源の再生機能も省略されている。

センサー類では、上記の指紋認証センサーに加えて、ジャイロセンサーや、気圧センサーなどを搭載する。測位衛星については、定番のGPS、GLONASS、Beiduに加えて、国産の準天頂衛星「みちびき」にも対応している。「みちびき」は、衛星がほぼ天頂に位置しているため山や樹木などに電波がじゃまされにくく、アウトドアでの測位精度向上に資するだろう。

バッテリーは容量2,940mAhで、連続通話時間は約1,420分、連続待ち受け時間は約540時間(4G LTE)/540時間(WiMAX2+)だ。電池持ち時間は約100時間で、同時期に発売されたauのミドルレンジ機「Xperia XZs」や「Qua phone QX」の約95時間よりも少し長め。今回の検証は、Wi-Fi運用がメインだったが、フル充電の状態から、1日4~5時間程度使った場合で大体、1日~1日半くらいでバッテリーがなくなった。特筆するほどのバッテリー持ちではないが、同時期に発売されるミドルレンジ機種と比較しても同等レベルと言える。

ほかのスマホではない安心感と、存在感の強いデザインは得がたい魅力

TORQUE G03を1週間ほど街や海で使ってみた。使って感じたのは、他のスマートフォンにはない安心感だ。雨に当たってももちろんいいし、うっかり水没させても問題ないし、落下衝撃にも強い、多少の汚れであれば真水で洗い流せる。最近流行のガラス製ボディのスマートフォンでは、なかなかこうした安心感は得られないだろう。また、がっしりした骨太なデザインは明らかにほかのスマートフォンにはないもので、個性も十分だ。

強い存在感を放つボディは独特の魅力があり、街中で使ってももちろん様になる

強い存在感を放つボディは独特の魅力があり、街中で使ってももちろん様になる

海にも持ち込んでみた。普通のスマホでは海水はタブーだが、本機は海に入れてももちろん壊れることはない。ただ、海中ではタッチ操作が行えないので、側面のボタンを使って水中カメラとして使うことになる。なお、砂浜ではボディのあちこちに細かい砂が入り込んでしまうが、本機はボディ前面のスピーカー部分をレンチで取り外し可能となっていて、徹底的な掃除が行える。なお、海水対応しているとはいえ、水深1.5mまでの深さまでしか対応していないうえ、仮に海底に沈んだら回収は困難になるので、海や川で使う機会が多いなら、オプションで用意されているフロートをつけたほうがよいだろう。

普通のスマートフォンでタブーの海水だが、本機ならもちろん壊れることはない

普通のスマートフォンでタブーの海水だが、本機ならもちろん壊れることはない

ディスプレイに水滴が付いている状態でもタッチ操作はそのまま行える

ディスプレイに水滴が付いている状態でもタッチ操作はそのまま行える

海や川で使う機会が多いのであれば、オプションのフロートを取り付けたほうがよさそうだ

海や川で使う機会が多いのであれば、オプションのフロートを取り付けたほうがよさそうだ

広角と標準の2個のレンズを切り替えられるメインカメラ

本機はカメラ性能にもかなり注力されている。背面のメインカメラは2個のカメラを組み合わせたデュアルカメラ仕様で、約1,300万画素のイメージセンサーに標準レンズを組み合わせたメインカメラと、約200万画素のイメージセンサーに画角135度の広角レンズを組み合わせたスーパーワイドアクションカメラとで構成されている。この2つは自在に切り替えて使えるほか、フルHDでのムービー撮影にも対応。また、動画撮影時に、カメラの動きや速度、移動距離、高度、経過時間などの情報をオーバーレイ表示させる「アクションオーバーレイ」機能も備えている。なお、フロントのインカメラは約500万画素だ。

メインカメラで風景を撮影。解像感も高くなかなか美しい仕上がりだ

メインカメラで風景を撮影。解像感も高くなかなか美しい仕上がりだ

上と同じ構図で、スーパーワイドアクションを使用したもの。より広い範囲を写し取っているが、画素数が少ないので細部は粗い。周辺の歪みが独特のスケール感や迫力をもたらしている

メインカメラで、中央の紫の花にピントを合わせて接写。標準レンズの特性で手前と背景が少しボケるので、構図の意図がわかりやすい

こちらもメインカメラを使用。黄色とオレンジのマリーゴールドのうち、飽和しやすい黄色のハイライト部分の階調もギリギリ残っている

メインカメラで夜景を撮影。夜景モードで撮影したが、全般にちょっと暗い。高感度撮影はちょっと苦手のようだ

同じ構図でこちらはスーパーワイドアクションカメラを使っている、こちらも夜景モードだ。ISO感度は1000になっており、相当の高感度撮影となった。そのためノイズがかなり乗っている

スマホのセンサーが感知した情報を動画上にオーバーレイ表示させることができる

スマホのセンサーが感知した情報を動画上にオーバーレイ表示させることができる

本機の標準と広角を切り替えられるカメラは、構図にバリエーションが加えられるので、アウトドアシーンで使う場合、特に楽しい機能だろう。なお、高感度撮影については、近ごろのスマートフォンとしてはあまり得意な部類ではないようで、夜景や暗い場所の撮影にはあまり向かないように感じた。

定番のタフネス性能に加え、十分な性能とカメラを搭載した個性的な1台

以上、TORQUE G03をレビューしてきた。本機は本格的なタフネスモデルだが、従来機からのタフネス性能に磨きをかけつつ、スマートフォンとしての基本性能が高められている点は注目に値するだろう。

今までのタフネススマホは、基本性能に少々難があり、ゲームやアプリなどを快適に扱えないものもあった。しかし、本機はミドルクラス並みの処理性能は備わっているし、OSもAndroid 7.1.1なので、こうした問題は起こりにくい。大き目のボディや重い重量、ワンセグやハイレゾ再生機能の搭載が気にならないのであれば、デザイン買いしても問題はほとんどない。タフネス一本槍にとどまらない多面的な魅力を備えた1台と言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.12.11 更新
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