今秋発売のキャリア製スマホからSIMロックが一部緩和

MVNO向けSIMロック解除。その影響を通信キャリア別に解説

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総務省の指導に基づき、2017年8月1日以降に、通信キャリアが発売するスマートフォンにかけられていたMVNO向けSIMロックが撤廃されることになった。しかし、その影響は主要3キャリアごとにまったく異なっている。各キャリア別に、何がどう変わるのか、変わらないのかを解説しよう。

今秋以降に発売される通信キャリア製スマートフォンでは、MVNO向けのSIMロックが撤廃される。その影響を解説しよう

MVNO向けSIMロックとは?

MVNO各社が販売している格安SIMカードは、使用する回線の種類によっておおまかに、大多数の業者が利用しているNTTドコモ系、ケイ・オプティコムや、UQコミュニケーションズ、IIJ、BIGLOBEなど、少しずつ増えているがまだ少数派のau系、日本通信とU-NEXTの2社のみで取り扱いのあるソフトバンク系という3種類に分けることができる。通信キャリアの端末で格安SIMカードを使う場合、それまでと同じ通信キャリアの格安SIMカードを選ぶほうが、通話エリアや速度の点で問題が生じにくいため、一般にはこちらが推奨される。しかし、実はそう簡単には行かない。通信キャリア製の端末の中には、自社の回線を使ったMVNOのSIMカードにも、他社のSIMカードと同様にロックがかけられている場合があるのだ。

こうした状況を受けて、総務省が指導を行い、このMVNO向けのSIMロックは、2017年8月1日以降に発売される端末については撤廃されている。そして、9月22日に発売された「iPhone 8」や、10月26日に発売された「Galaxy Note8」では、MVNO向けのSIMロックが解除された状態で発売されている。

ただ、このMVNO向けのSIMロックというのは少々ややこしいうえに、今回の緩和の影響は、通信キャリアによって大きく異なる。以下、通信キャリア別にその影響を解説しよう。

「iPhone 8」シリーズや「iPhone X」、サムスンの「Galaxy Note8」など、今秋以降発売される通信キャリア製スマートフォンでは、MVNO向けのSIMロックが解除されている

auの場合、SIMロック解除不要でau回線を使った格安SIMが使えるようになる

今回の改正の影響を大きく受けるのはauだ。「HTV31」のように型番の3文字目がVになっているものや、「iPhone 6」から「iPhone 7」までのau版iPhoneなど、auで現在主流のVoLTE対応端末には、MVNO向けSIMロックがかけられている。そのため、これらの端末でau系の格安SIMカードを使うには、事前にSIMロックの解除が必要だ。しかし、「iPhone 8」シリーズおよび「iPhone X」、「Galaxy Note8」など、2017年8月1日以降に発売される秋モデルではこのロックが撤廃されているので、SIMロックの解除なしにau系MVNOのSIMカードを利用できる。(ただし、iPhoneでは、従来同様にAPNの設定に構成プロファイルのインストールが必要となる)

なお、au端末の格安SIMカードの対応状況は少し複雑だ。auの3G時代の端末については、SIMロックの解除も行えないし、それに対応する格安SIMカードもない。いっぽう、2012年〜2015年冬頃にかけて発売されていた「HTL21」など型番の3文字目がLになっているAndroidスマートフォンや、「iPhone 5」などLTEには対応しているがVoLTEには非対応のLTE対応端末については、原則的にMVNO向けのSIMロックがかかっていないため、au系MVNOのSIMカードを今でもそのまま使うことができる。

NTTドコモの場合、今回の改正の大きな影響はない

NTTドコモの端末には、MVNOのSIMカード向けのSIMロックが最初からかけられていない。そのため、今回の改正で大きな影響はないものと見られる。

ソフトバンクの場合、そもそも格安SIMカードの選択肢が少ない

ソフトバンクの端末については、SIMロックとは別の理由で、あまり大きな変化は起こらない。

ソフトバンクの発行するSIMカードは、iPhone用とAndroid用でそれぞれ別々になっている。さらに、Android用のSIMカードの中でも端末の種類などによって現状では9種類が存在する。

いっぽう、ソフトバンクのネットワークを使った格安SIMカードは、日本通信とU-NEXTの2社が、iPhoneおよびiPad専用のSIMカードを提供しているだけ。これらのSIMカードは、SIMロックの解除は不要で使うことができるが、AndroidについてはそもそもMVNOのSIMカードの選択肢が、CATVの「飛騨高山ケーブルネットワーク」がサービス中の地域限定「Hitスマホ」を運営しているくらいで、全国規模で見れば事実上ないに等しい状況にある。

なお、ソフトバンクグループの「ワイモバイル」は、ソフトバンク系の格安SIMカードを販売しているが、厳密にはMVNOではない。そのため今回の緩和の対象外となっているので、ソフトバンクを含む他社の端末でワイモバイルのSIMカードを組み合わせる場合は、今まで同様にSIMロックを解除する必要がある。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.11.17 更新
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