NTTドコモは、2017年1月17日にスマートフォンを使った新しい電子決済サービス「d払い」を発表、4月よりサービスを開始する。スマートフォンのアプリ画面に表示したバーコードやQRコードを、POSやタブレットのカメラで読み取ることで、NTTドコモの携帯電話料金と合算した支払いを実現するというもの。その詳細をレポートしよう。
ユーザーの持つスマートフォンと店舗のPOSやタブレットを使った新たな電子決済サービスが「d払い」。導入のしやすさが特徴だ
インバウンド需要の増加などで、国内でもキャッシュレス化の動きが進んでいるが、中国では、QRコードを読み取りスマートフォンで決済が行える「支付宝(Aripay)」や「Wechat Pay」が急速に普及している。今回NTTドコモが発表した、電子決済サービス「d払い」も、これに似たサービスで、ユーザーのスマートフォンに表示させたバーコードやQRコードを店舗のPOSシステムなどで読み取ることで、利用した金額は、後日、NTTドコモから毎月の通信料とともに請求されるものだ。
「d払い」を使う場合、ユーザー側で用意するものは、専用アプリをインストールしたAndroid 5.0以降のAndroidスマートフォン、またはiOS 10.1以降のiPhone/iPadだけ。なお、NTTドコモの発行する「dアカウント」を持っていれば、他キャリア製やSIMフリーなどドコモ以外のスマートフォンでも利用可能だ。
店舗側では、既存のPOSシステムがあればそれにアプリケーションを組み込むことで利用できるが、POSシステムがない場合でも、iPadなどの市販タブレットを使い、専用アプリでQRコードを読み取ることができる。いずれの方式でも、新たに大規模なシステム投資が必要なく、最低限の設備投資で済むのが大きな特徴だ。
既存のPOSシステムにアプリケーションを組み込むことで、バーコードリーダーを使って決済が行える
この「d払い」への対応を表明しているのは、リアル店舗では、コンビニエンスストアチェーン店の「ローソン」(「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」を含む)、ドラッグストアチェーン店の「マツモトキヨシ」「サツドラ」「ウエルシア」「ツルハドラッグ」グループの各店舗、デパートの「高島屋」、レコード店の「タワーレコード」、アパレルや雑貨店として「koe」「ユナイテッドアローズ」「アーバンリサーチ」など。サービス開始時では約19,000店舗で利用可能ということだ。
この「d払い」を使った決済では、店舗では200円ごとに1ポイント、ECサイトであれば100円ごとに1ポイントの、dポイントが付与される。なお、このポイントには、高島屋、タワーレコード、アーバンリサーチで使える「dカード」や、ローソンで使える「Ponta(ポンタ)」といった既存のポイントカードと重複できる。
なお、月間の利用限度額は初期設定で5万円となっているが、設定により限度額の増減は可能。また、アプリの起動にセキュリティロックをかけることもできる。
アプリのアイコンをタッチすることで、バーコードとQRコードが現れる。これらのコードは、利用のたびにサーバーで作成され5分で失効する
利用できる店舗はアプリ上で確認できる
「d払い」のアプリはdポイントカードとしても利用できる