みなさん、マウスは何を使っていますか?
個人的な話で恐縮ですが、筆者は自宅でも会社でも有線マウスを使っています。過去に無線マウスも使っていましたが、めぐりめぐって今は有線マウスに落ち着きました。たまたま好みのマウスが有線だったということもありますが、無線マウスはカーソルが急にブレたり、不意の電池切れを起こしたりすることもあったからです。その点、有線マウスはそうした心配がないので、安心して使えます。
しかし、作業によっては、ケーブルがからんだり引きずられたりして、わずらわしく感じることも。有線マウスでありながら無線マウスのような使い心地は実現できないのか……と悩んでいたところ、気になる製品を見つけました! その名も「マウスバンジー」です。マウスバンジーとは、マウスケーブルの取り回しが改善される周辺機器。またの名を「マウスケーブルホルダー」や「ケーブルマネジメントデバイス(コードホルダー)」とも呼ばれています。
自席の模様。スマートフォンやカメラのバッテリー充電、撮影した画像を取り込むときに使うガードリーダーなどで、机の上はケーブルが這い回っています。こんな環境だとケーブルがからまったりすることも多々あるわけでして……
これが、マウスバンジーを使うとどうなるのでしょうか。答えは以下の写真をご覧ください。
ケーブルが宙に浮くことで、からんだり引っかかったりするのを防ぎます
マウス本体から一部分のケーブルを宙に浮かべて接地させないようにすることで、追従性がアップします。また、マウスを動かしたときに急なテンションがかかりにくくなるため、断線防止にも役立ちます。
マウスバンジーはそもそも、FPSなどのゲームを楽しむユーザー向けのデバイスですが、その使用感が無線マウスに近いという声もあってか、ゲーミングユーザーに限らず、愛用している方も少なからずいるようです。今回は、そんなマウスバンジーの中でも評判のいい、COUGARの「BUNKER」を試してみました。
メーカーによってデザインや機能が多少異なるマウスバンジーですが、基本的な構造は同じ。本体は、ケーブルをはめこむ釣竿のようなアームと、アームを支える台座でできており、この台座部分に滑り止めを付け、おもりを仕込んだりすることで、動きづらくなり安定性を高めています。
本体は、釣竿のようにしなるアームと、本体を固定する台座でできたシンプルなもの。設置面積も比較的コンパクト
なかでも「BUNKER」はコンパクトなモデルで、本体サイズは110(幅)×115(高さ)mm(台座の円形部は直径70mm)で重量は85g。これだけの小型軽量を可能にしたのは、強力に固定できる、特許取得済みという独自の真空吸着パッドの採用によるもの。見た目は真っ黒い吸盤ですが、普通の吸盤とは異なり内側に強力な粘着力があるのが特徴です。これにより、平らな面はもちろん、メラニン化粧板のようなちょっとザラザラした表面でもガッチリ吸着(天然木などを使った木目は厳しいかもしれません)。一度くっつくとなかなか離しません。
粘着力の強い吸盤型の独自の真空吸着パッド。粘着力が強いこともあってか、多少ザラザラとした表面でもしっかりとくっつく
また、マウスの動きに合わせて上下左右にしなるアーム部は、ソフトな肌触りのするラバー状のやわらかい素材が採用されていますので、アームにケーブルをはめ込む作業も簡単。さらに、「BUNKER」なら、一部のマウスバンジーでは使えない太めのケーブルにも対応しています。
アーム部に設けられた切り込みにマウスケーブルをはめ込む。アーム部はやわらかい素材でできているので、簡単にはめこみ作業ができる
実際に使ってみると、ケーブルに気をとられることが少なくなりました。普段何気なくマウスを使っているときもケーブルがからんで引っ張られたりすることがありますが、そうしたことがほぼなくなったように思います。左右の動きもスムーズですが、特にマウスを持ち上げたりするときの抵抗感は圧倒的に減りました。ほぼ無線マウスを使っているのと同じ感覚です。また、「Photoshop」で修復ブラシツールや切り抜きツールを使ったりする細かな作業をするときも、ケーブルの抵抗感を感じていましたが、それも改善しています。
ただ、宙に浮かせるケーブルの長さは慎重に決めたいところ。短めにすると、アームのしなりが大きくなるためその分引っ張られます。浮かせるケーブルの長さ調整作業は、妥協してはいけません。
ちなみに、ケーブルを宙に浮かせるだけなら、100円均一ショップで売っているバナナスタンドでも同じことができます。そこで、「ザ・ダイソー」にてバナナスタンドを購入し、マウスバンジーとしての使い勝手はどうなのか、「BUNKER」と比べてみました。
ダイソーのバナナスタンドをマウスバンジー代わりに使ってみましたが、ご覧のとおり、机の上に置くには大きめです
マウスバンジーに比べて背が高いバナナスタンドでは、ケーブルをほぼ吊るすような状態になり、テンションのかかり方がさらに軽減され、無線マウスの操作感により近づきます。そのため代用はできますが、ケーブルをホールドできないので、「BUNKER」のようにテンションのかかり方を微調整できないのが難点でした。また、バナナスタンドの本体サイズが大き過ぎるのも気になるところ。マウスバンジーの効果としては同等なものが得られますが、細かい使い勝手はやはり専用品のほうが上です。
以上、COUGAR「BUNKER」を使ってみました。初めてのマウスバンジーでしたが、その使い心地は予想以上に良好です。有線なのにケーブルがないような感覚は、まさに自分が探し求めていたものでした。また、狭い机では特にうれしい、小型軽量でありながら強力に固定できる点は、真空吸着パッドを採用した「BUNKER」の大きなメリットと言えます。有線マウスを使ううえでの必需品というには大げさですが、あると便利なのは確か。PCゲームを楽しむユーザーだけでなく、有線マウスのケーブルにお悩みがあるなら、一度試してみる価値あり!