レビュー
半年あまりで一新されたXperiaの最新コンパクトモデル

ハイエンド機の性能を小さなボディに凝縮した「Xperia XZ2 Compact SO-05K」レビュー

2018年6月22日、NTTドコモから「Xperia XZ2 Compact SO-05K」(ソニーモバイル製)が発売された。大型化が進むスマートフォンにあって、高性能をコンパクトなボディにまとめた日本の家電製品のお家芸を感じさせる1台だ。先行して発売中の兄弟モデル「Xperia XZ2」や、2017年11月に登場した前モデル「Xperia XZ1 Compact」との違いを意識しつつ、レビューを行った。

※2018年6月28日に「フル充電で1日+αが目安。電池持ちは今期ハイエンドモデルとしては標準的だが、発熱は高め」以降のレビューを追加。

■Xperia XZ2 Compact SO-05Kのスペック
画面サイズ(解像度):約5.0インチ(1080×2160)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約65×135×12.1mm
重量:約168g
防水/防塵:○(IPX5/8)/○(IP6X)
CPU:Snapdragon 845(2.8GHz×4+1.8GHz×4)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大400GBまで対応)
OS:Android 8.0
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
ワンセグ/フルセグチューナー:搭載/非搭載
メインカメラ:約1,920万画素
フロントカメラ:約500万画素
バッテリー容量:2,760mAh
電池持ち時間:約120時間
USBポート:USB Type-C(Quick Charge3.0、USB PD対応)

Xperia XZ2と同じモチーフのデザイン。ディスプレイはHDRに対応

「Xperia XZ2 Compact」は、1080×2160のフルHD+表示に対応した約5.0インチの縦長液晶ディスプレイを搭載するスマートフォンだ。Xperiaのコンパクトモデルとしては2017年11月に発売されたXperia XZ1 Compactに続くもので、わずか半年程度でモデルチェンジされたことになる。

ボディサイズは約65(幅)×135(高さ)×12.1(最厚部)mmで、重量は約168g。約5.0インチという画面サイズからはミドルサイズに思えるが、縦長ディスプレイを採用したことで、本機の横幅は、約4.6インチのディスプレイを備えた前モデル「Xperia XZ1 Compact」と同じ約65mmにとどめられている。約165gという重量は、コンパクト機としてはかなり重い部類に入るが、その点を受け入れられれば手によくなじむ形状だ。

Xperia XZ2 Compactのデザインは、先行して発売されているXperia XZ2と同じ新コンセプト「アンビエントフロー」を採用したもので、従来のXperiaシリーズのイメージを一新する曲面ボディだ。背面の表面にはマットな質感のフロスト加工が施されており、つるつるの感触だったXperia XZ2とも、樹脂感の漂うXperia XZ1 Compactとも雰囲気は異なる。なお、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様をクリアしている点は変わっていない。

厚みのある曲面のボディデザインはXperia XZ2と同じモチーフ。ただし指紋認証センサーの位置がやや上にあるなど、サイズの違いによる手直しはなされている

背面に丸みのあるボディ、最厚部は12.1mmの厚みがある

背面に丸みのあるボディ、最厚部は12.1mmの厚みがある

側面から背面に移された指紋認証センサー。デザインも楕円形ではなく一般的な円形となった

側面から背面に移された指紋認証センサー。デザインも楕円形ではなく一般的な円形となった

SIMカードを挿した状態の重量はカタログスペック通りの168g。前モデルXperia ZX1 Compactの約143gよりも25g重くなった

本機のディスプレイは、画面解像度が従来のHD表示(720×1280)から、フルHD+(1080×2160)に高められている点も注目だ。画面解像度や縦横比が変わってもXperiaシリーズの特徴である透明感のある画質はそのままで、画面を見た瞬間に「これは間違いなくXperiaだ」と感じた。また、Xperia XZ2同様にHDR動画対応となり、HDR規格に対応したコンテンツの表示が行えるようになっている。なお、通常のSDR画質をHDR相当の画質に擬似的に変換する「HDRアップコンバート」機能もXperia XZ2と同様に搭載されている。

Xperia XZ2同様に、ディスプレイはHDRコンテンツの表示に対応した。陰影差のあるコンテンツをより肉眼に近い印象で表示できる

ディスプレイが縦長になったことで表示面積の情報量が約2割増えた。画面解像度も向上したので、電子書籍に振られたルビのような細かな文字もつぶれずに表示できる

接続インターフェイスはUSB Type-Cポートで、Xperia XZ1 Compactと共通だが、USB 3.1 Gen1対応に強化されている

サウンド機能では、ヘッドホン端子がなくなったため、あわせてノイズキャンセリング機能も非搭載となった。このほか、Xperia XZ2に搭載される注目機能、サウンドに合わせて振動する「ダイナミックバイブレーションシステム」が非搭載な点には注意が必要だ。だが、そのほかの機能はXperia XZ2と共通で、従来機種と比較して20%の音量アップを果たしたフロントスピーカーを採用するほか、圧縮音源をハイレゾ音源相当までアップスケーリングする「DSEE HX」や、再生する曲に合わせて自動で音質を最適化する「ClearAudio+」、イヤホン・ヘッドホンの音質最適化機能などは搭載されている。そのほかの機能では、ワンセグチューナー(フルセグチューナーは非搭載)、FeliCaポート、NFCポートなど、キャリアモデルに求められる機能はひと通り搭載されている。

ヘッドホン端子が搭載されていないので、ワイヤードのイヤホン・ヘッドホンを使う場合、同梱の変換アダプターをUSB Type-Cポートに取り付けて使う

ボディ下部のフレームにはスピーカー用の細いスリットが設けられている

ボディ下部のフレームにはスピーカー用の細いスリットが設けられている

今期モデルの最上位クラスとなる、従来機3割アップの処理性能

本機は、Xperia XZ2と同じハイエンド向けオクタコアSoC「Snapdragon 845(2.8GHz×4+1.8GHz×4)を採用している。4GBのRAMと64GBのストレージを組み合わせるが、こちらもXperia XZ2と同じで、OSもAndroid 8.0で同じだ。こうした基本性能を見る限り、本機はまさに小さなハイエンドモデルと言っていい。

実際の処理性能を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver.7.09)」を使って計測してみた。総合スコアは265,396(CPU:94,476、GPU:106,478、UX:54,890、MEM:9,552)で、価格.comマガジンが計測したXperia XZ2のスコア「254,331」よりも1万点ほど高い結果となった。画面解像度やSoC、RAM容量などの基本スペックが共通なのにこれだけ差が付いたのは少々不思議だが、サブスコアのさらに内訳を見てみると「CPUマルチコアスコア」で1万点ほどの差があることが響いている。時間を少しおいて数回計測したが、この傾向は変わらない。なお、前モデルXperia XZ1 Compactの総合スコアは大体20万点なので、単純に3割程度、処理性能が向上していることになる。

AnTuTuベンチマークの総合スコアは265,396(左)となった。同等のスペックを持つ右側のXperia XZ2のスコア、254,331(右)よりもなぜか1万点ほど高い

nanoSIMカードスロットと一体のmicroSDXCメモリーカードスロット(容量400GBまで対応)を備える

nanoSIMカードスロットと一体のmicroSDXCメモリーカードスロット(容量400GBまで対応)を備える

フル充電で1日+αが目安。電池持ちは今期ハイエンドモデルとしては標準的だが、発熱は高め

続いて、電池持ちを調べてみよう。本機は容量2,760mAhのバッテリーを内蔵し、実際の利用パターンに近い条件で計測したスマートフォンの電池持ちを示す「電池持ち時間」は、約120時間となっている。この値は、「Xperia XZ2」の約125時間とはほぼ同等だが、「Xperia XZ1 Compact」の約140時間よりも20時間短い。
今回の検証は7日間だったが、その間に充電は5回行った。充電サイクルは、最初のセットアップやカメラ撮影などでかなり利用頻度が高かった場合で、90%から残量5%までを18時間で使い切り、待ち受け主体でおよそ40時間バッテリーが持続した。電車で1時間移動中にSNSを主体で利用し続けたときには、バッテリーをちょうど20%消費した。このバッテリーの消費ペースは、先日レビューした「Xperia XZ2」とよく似た傾向だ。筆者の利用ペースでは1日1回の充電で済み、モバイルバッテリーや充電器を持ち歩く必要は薄いように思われた。

むしろ電池持ちよりも気になったのは、ボディが発する熱だ。高負荷状態が続くと、表面温度が体温以上の40℃を超えることが多く、持っていて少々不快に感じることがあった。Xperia XZ2 やAQUOS R2、Galaxy S9およびGalaxy S9+など、Snapdragon 845搭載機はいずれも発熱傾向は高めだが、本機の場合、熱源が集中しやすいコンパクト設計のためか、ボディ表面に現れる熱がこれらのライバル機より高く感じられた。

検証期間中のバッテリー消費を示すグラフ、途中、継ぎ足し充電を行ったが、7日間で充電は5回、最短で18時間、最長で40時間バッテリーが持続した

バッテリーの発する熱の推移。ゲームを続けてプレイした際に43.2℃を記録。Snapdragon 845搭載モデルに共通する傾向だが、高負荷が続くとボディがかなり熱くなる

Xperia XZ2と共通のカメラ機能。シングルレンズだが扱いやすい

カメラ機能について見てみよう。メインカメラは、約1,920万画素のMotion Eyeカメラ、フロントカメラは約500万画素という組み合わせで、ハードウェア・ソフトウェアの両方ともXperia XZ2と同じものだ。なお、前モデル「Xperia XZ1 Compact」は、フロントカメラに約120°の超広角レンズを搭載していたが、本機は一般的な画角に戻されている。

スーパースロー撮影機能が、従来のHDからフルHDに解像度がアップした点や、4K HDRの動画撮影機能を備えているなど、主にソフトウェアの面が強化されているものの、今夏モデルで採用が進むデュアルカメラではなく、あまり代わり映えはしない。しかし、正確なホワイトバランスを測定するRGBC-IRセンサーや、起動が速く、タイムラグの少ないシャッターなど、良点は多く、扱いやすさは今でも一級品と言っていいだろう。

リアにあるメインカメラは前モデル「Xperia XZ1 Compact」や兄弟モデルである「Xperia XZ2」と共通している

リアにあるメインカメラは前モデル「Xperia XZ1 Compact」や兄弟モデルである「Xperia XZ2」と共通している

以下にメインカメラを使った作例をいくつか掲載する。(いずれもカメラ任せのオートモードで撮影)

東京タワーから南方面を望む構図。晴れた昼間という撮影に適した条件なので、仕上がりも良好だ。広角レンズを備えるスマートフォンはこうした景色の撮影に向いている

丸の内の夜景を手持ち撮影。ISO1250というかなりの高感度だが、暗部のノイズや手ぶれも抑えられている。ただ、サムスン「Galaxy S9」のように、肉眼以上に明るい画像というわけではない

公園の日よけの裏側に焦点を合わせて、明暗差の大きな構図を作ってみた。HDR撮影が功を奏し、背景のビルの白飛びも最小限に抑えられている

公園に生えていたキノコ(おそらくテングタケ)を接写。画質は申し分ないが、かなりの接写を行ったものの、広角レンズの宿命で背景が広く写ってしまう。撮影意図を明白にするには撮影後にトリミングをしたほうがベターだろう

HDとフルHDのスーパースロー動画撮影を比較

新機能であるフルHD対応のスーパースロー動画撮影を試した。フルHDに解像度がアップしたとで構図が広がったものの、1回の撮影時間が、HDの場合の約半分となる3秒程度になってしまう。HDとフルHDは構図や撮影目的によって切り替えて使いたい。

Xperia XZ2の性能をコンパクトなボディに詰め込んだ、高コスパなハイエンド機

国内で正規発売されているSIMフリー機まで対象を広げても、本機のように、ハイエンド向けSoCを搭載したコンパクトなスマートフォンというのはレアな存在だ。そんなレアなジャンルにもかかわらず、「Xperia XZ1 Compact」の発売からわずか半年あまりというタイミングで投入された「Xperia XZ2 Compact」は、ソニーモバイルのコンパクト機に対するこだわりが現れた製品と言えるだろう。

ボディデザインは「Xperia XZ2」をひと回り小さくしたものだが、コンパクトになったことと表面加工の違いによって、携帯性はかなりよい。いっぽう、機能面を見ると、SoCや、カメラ、ディスプレイの解像度といった基本性能は「Xperia XZ2」とほぼ同じなので、性能面での不足感はない。両機の目立った相違は、ダイナミックバイブレーションシステムとフルセグチューナーが非搭載である点と、LTEのダウンロード速度の上限が644Mbpsに抑えられている点くらいだ(Xperia XZ2は988Mbps)。Xperia XZ2の購入を検討しているのであれば、本製品の実機に触れて、持ちやすさなどを比べたうえで好みのほうを選べばよいだろう。

なお、本機の端末価格は、NTTドコモの直販サイト「ドコモオンラインストア」における「月々サポート」適用時の実質負担金では32,400円に抑えられており、Xperia XZ2の47,952円と比べても15,000円以上も安い。この価格は、NTTドコモ以外の通信キャリア各社が発売するSnapdragon 845搭載機の中でも最安である(機種変更の場合)。コンパクトであることに加えて、価格性能比の高いハイエンドモデルとしても魅力的な存在と言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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