レビュー
出荷時期が未定になるほど大人気

レノボの2画面2in1「Yoga Book C930」レビュー! 気になるE-Inkキーボードの使い勝手は?


ちょっと変わったPCが欲しい、未来感のあるPCが欲しい――。そんな人に注目してほしいのがレノボ・ジャパンの「Yoga Book C930」だ。2年前の2016年に発売された「YOGA BOOK」の後継モデルで、物理キーボードではなく、スクリーンキーボードを備えたデュアルディスプレイの2in1タブレットである。新モデルはスクリーンキーボードがE-Inkディスプレイに表示されるようになり、使い方の幅が広がっている。

ただし、Yoga Book C930は、11月上旬だった出荷開始を延期することが先日アナウンスされた。直販サイトを見ると予約受付中で、お届け日未定となっている(2018年11月7日時点)。「全世界におきまして弊社の予測を大幅に上回るご注文をいただいており、現在供給が追いつかない状況」(リリースより)というのが、その理由だ。YOGA BOOKも2度販売中止になるほど注目度が高かったが、新モデルも同じ状況となっている。

超スリムボディに高精細なディスプレイを搭載

Yoga Book C930は、10.8型(2560×1600)のIPS液晶ディスプレイを搭載する2in1タブレット。通常、物理キーボードを備える面にE-Inkディスプレイがあり、そこにキーボードが表示される仕組みだ。注目のキーボードについては後述する。

ディスプレイ部分が360°回転する“ヨガ”スタイル。ノートパソコンスタイル、タブレットスタイル、テントスタイルなど、多彩なスタイルで利用できる

上が10.8型IPS液晶ディスプレイ、下が10.8型E-Inkディスプレイ。E-Inkディスプレイ側の右上には指紋センサーを備える

本体サイズは約260.4(幅)×179.44(奥行)×9.9(厚さ)mm、重量は約775g。スリムで軽量なボディは、持ち運ぶのに最適だ。タブレットとして手に持って使う場合も、それほど重さは気にならない。ボディが薄すぎて、ディスプレイを開けにくいという点を解消するために、天板を2度ノックすると自動で開く機構が備わっている(下動画では3度ノックしているが、2度ノックで開くことも確認済み)。

ほかのYOGAシリーズと同様、ディスプレイ部分が360°回転して、タブレットスタイルで利用できる。10.8型のメインディスプレイは高精細な表示で、動画や写真を見るのに向いている。E-Inkディスプレイばかり注目されるが、メインのディスプレイは、映り込みもよく抑えられており、表示品質は非常に高いと感じた。外部インターフェイスはUSB 3.1 Type-Cを左右に1基ずつ搭載するほか、microSDメモリーカードスロットも備える。USB 3.1 Type-Cは充電にも利用するので、2基あるのはありがたい。

ラインアップはCore m3-7Y30/4GBメモリー/128GB PCIe SSDとCore i5-7Y54/4GBメモリー/256GB PCIe SSDの2モデルをラインアップ。今回は上位モデルのCore i5-7Y54を搭載するモデルを試したが、2in1タブレットとしては不満なく使える性能だった。メモリーが4GBなので、複数のアプリを同時に利用したりするのには不向きだが、日常使いで困ることはそれほどないだろう。

価格はCore m3モデルが122,653円、Core i5モデルが147,223円(レノボの直販サイト価格、2018年11月7日時点)。それぞれLTEモデルもラインアップされており、Wi-Fiモデルよりも15,000円ほど高い。

重量約775gの軽量ボディ。片手でも楽に持てる。LTEモデルは約799gとわずかに重い(カタログスペック)

重量約775gの軽量ボディ。片手でも楽に持てる。LTEモデルは約799gとわずかに重い(カタログスペック)

厚さ約9.9mmのスリムボディ。外部インターフェイスは左右にUSB 3.1 Type-Cポートを1基ずつ備える。USB PD対応で充電にも利用する。ヘッドホン出力を備えない点は注意したい

ヒンジはメカメカしい作り

メカメカしい作りのヒンジ

キーボードは前モデルよりは使いやすくなったが……

続いて、注目のスクリーンキーボードをチェックしていきたい。YOGA BOOKは「Haloキーボード」という固定表示のスクリーンキーボードを搭載していた。使えば使うほど、ユーザーのタイピングの癖を学習して入力精度が高まるというのがウリだったが、実用的かと言えばそうではなかった。メールなどの短い文章を打つのはこなせたが、長文を打つのは正直、難しかった。スクリーンキーボードでも、固定表示で日本語キーと英語キーを切り替えられないというのも不便だった。

新モデルはE-Inkディスプレイにキーボードが表示されるようになり、日本語キー、英語キーを含む、多彩な言語のキーボードに対応し、設定で切り替えられるようになった。タッチパッドを常に表示しておく「クラシック」と、使うときだけ表示する「モダン」の2パターンが用意され、さらにブラックとホワイトの2色から選べるので、合計4種類のデザインパターンから好みのものが選べる。このバリエーションも、E-Inkディスプレイならではの点で、前モデルにはなかった特徴だ。

左がタッチパッドを常に表示しておく「クラシック」、右が○をタッチするとタッチパッドが表示される「モダン」。「モダン」はタッチパッドがない分、キーが大きく表示される。上がブラック、下がホワイトだ

Yoga Book C930のスクリーンキーボードは、音とバイブレーション、さらにアニメーションにより、物理キーボードに近い操作性を再現している。ただし、これだけで物理キーボードのようなタイピングが可能かと言うと、そうでもない。やはり、長文を打とうとすると、誤入力が多く、なかなかスムーズにタイピングできなかった。前モデルと同様、学習機能を備えているので、使い込むほどに精度は高まると思われるが、短時間の試用ではその効果を残念ながら体感できなかった。

アニメーションの例。ブラックの場合、タッチすると白の影がなくなり、視覚的にタイプしているように見せている。ホワイトの場合はタッチしたキーが黒くなる

手書きは意外と実用的

E-Inkディスプレイには、スクリーンキーボード以外にも使い道がある。まずは、付属の「Lenovo Precision Pen」を使った手書き入力。Webページを見ながらメモを取ったり、アイデアをスケッチしたり、さまざまな使い方が可能だ。

E-Inkディスプレイ側は、スクリーンキーボードのほか、ペン入力とPDFのビューワーとして利用できる

E-Inkディスプレイ側は、スクリーンキーボードのほか、ペン入力とPDFのビューワーとして利用できる

Lenovo Precision Penは、E-Inkディスプレイだけでなく、通常の液晶ディスプレイ上でも使える。筆圧4096段階、傾き検知に対応。E-Inkディスプレイなので、画面の切り替えに時間がかかったり、消した線が残ったりといった不満はあるものの、書き味自体は悪くない。ただ、液晶ディスプレイ上だと、ペン先が少し滑りやすく、E-Inkディスプレイよりも描きにくかった。

メインのディスプレイでもE-Inkディスプレイでも使えるLenovo Precision Pen

メインのディスプレイでもE-Inkディスプレイでも使えるLenovo Precision Pen。本体に磁石で固定できる

おもしろいのは、書いた文字をテキストとしてコピーして、メモ帳などに貼り付けられること。キーボードのタイピングよりも、こちらのほうが使い勝手がいいと思うほど、高精度にテキスト化してくれた。

もう1つが「スクリーンショット」。メインのディスプレイに表示している画面をキャプチャし、E-Inkディスプレイ上に取り込んで、そこにメモなどを書き込めるという機能だ。メモを書き込んだ画像をWindowsに取り込んで、ペイントなどで、さらにメモを書き足すといったこともできる。E-Inkディスプレイのペンの色は黒だけなので、色を付けたといった場合は、この方法を試してみるといいだろう。

メモをした内容を「テキストとしてコピー」すると、Windowsのメモ帳などに貼り付けられる。スクリーンキーボードを使うよりも便利かもと思うほど、その精度は非常に高かった

スクリーンショットは、メインのデスクトップに表示している画面をキャプチャして取り込み、そこに手書きで文字などを書き込める

手書きを加えたものは画像として、Windowsに取り込み、ペイントなどで、さらにメモを書き足せる

手書きを加えたものは画像として、Windowsに取り込み、ペイントなどで、さらにメモを書き足せる

PDFを表示する機能もあり、電子書籍としても利用できる。ただ、PDFファイルしかサポートしておらず、Kindleストアなどから購入した電子書籍を表示するといったことができないのが残念。

ドキュメントフォルダなどにPDFを入れると、E-Inkディスプレイ上で表示できる

ドキュメントフォルダなどにPDFを入れると、E-Inkディスプレイ上で表示できる

まとめ

Yoga Book C930は、液晶とE-Inkのデュアルディスプレイという、ほかにはない挑戦的な2in1タブレットだ。通常のモバイルノートとして選ぶのはおすすめできないが、積極的に手書き入力をしたい人や、新しいもの好きの人にとっては魅力的なはずだ。

前モデルは5万円前後という購入しやすい価格も人気の理由だったが、Yoga Book C930は性能アップにともない、価格も10万円以上にアップしてしまった。気軽に購入しにくくなったのは残念だが、PCの新しいカタチに挑戦する同社のチャレンジ精神を存分に感じられるモデルに仕上がっている。モデルチェンジやアップデートを繰り返して、デュアルディスプレイの可能性を今後も追求していってほしい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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