レビュー
さらなるタフネスの追求に加え、基本性能やカメラ機能が改善

auのタフネススマホ「TORQUE G04」発売前レビュー

2019年8月30日にauからタフネスススマートフォンの新モデル「TORQUE G04 KYV46」(京セラ製。以下、G04)が発売される。製品版に近い試作機を使い、本格的なタフネスモデルとしての本機の魅力を中心に、前モデル「G03」との違いに注目してレビューを行った。

2年ぶりの新モデル。タフネス性能に加えて基本性能も向上

auは、ケータイの時代からタフネス性能にこだわった端末をラインアップにそろえてきた。原点となるのは、2000年に登場したカシオのG-SHOCKケータイ「G'zOne C303CA」で、スマートフォンの時代になってからは、「G'zOne IS11CA」(2011年発売)や2012年の「G'zOne TYPE-L CAL21」(2012年発売)を発売。カシオが携帯端末から撤退してからは、京セラがそのコンセプトを受け継ぐ「TORQUE(トルク)」シリーズを1〜2年に1回のペースで発売している。「TORQUE G04」はその最新モデルである。

ボディから見てみよう。1920×1080のフルHD表示に対応する約5.0インチの液晶ディスプレイを採用し、ボディサイズは、約73(幅)×150(高さ)×13.4(厚さ)mm、重量は約200gだ。前モデル「G03」と比較すると、画面サイズが0.4インチ拡大され、画面解像度も1280×720のHDから高精細化しており、時代に即した表示性能となった。なお、画面の大型化の影響で、ボディは横幅が約2mm拡大され、重量も2gほど重くなっているが、さほどの違いは感じられない。

ディスプレイの縦横比は16:9。近頃主流の超縦長ディスプレイではない

ディスプレイの縦横比は16:9。近頃主流の超縦長ディスプレイではない

鋭角的なデザインの背面は力強さが感じられる

鋭角的なデザインの背面は力強さが感じられる

厚みのあるボディの側面に樹脂製のバンパーという基本的なデザインは変わっていない

厚みのあるボディの側面に樹脂製のバンパーという基本的なデザインは変わっていない

手元のデジタルスケールで計測した重量は197gで、カタログスペックよりも3gほど軽かった

手元のデジタルスケールで計測した重量は197gで、カタログスペックよりも3gほど軽かった

注目のタフネス性能を詳しく見てみよう。IPX5/8の防水等級と、IP6X等級の防塵使用に対応しているのはもちろんだが、米国国防総省の調達基準MIL-STD-810Gの22項目(2条件の風雨、浸漬、雨滴、粉塵、落下、衝撃、振動、太陽光照射、湿度、高温動作、2条件の高温保管、低温動作、低温保管、温度衝撃、低圧動作、低圧保管、塩水噴霧、凍結-融解、氷・低温雨)をクリアしている。なお、落下についてはMIL-STD-810G基準を上回り、2メートルの高さから鉄板とコンクリートの床に落下した際の衝撃に耐えられる。また、ディスプレイ表面に約100gの鋼球を落下させる試験や、100kgfまでの耐荷重(ボディ全体にかかる荷重)テストもクリアしている。

「G03」の特徴だった耐海水性能も強化された。「G03」は、水深1.5mで約30分間の水没に耐えることができたが、「G04」では、2.0mの水深で約60分間の水没に耐えることができる。また、新たなタフネス性能として、耐温水(43℃までの温水にかかっても故障しない)対応が加わり、シャワーや蛇口の温水でボディを洗えるようにもなっている。

USBポートには防水用のキャップが付いている。なお、このキャップは分解することで簡単に交換できる

USBポートには防水用のキャップが付いている。なお、このキャップは分解することで簡単に交換できる

左側面には上下2か所のストラップホールとカスタマイズ可能なファンクションキー、ボリュームボタンが配置されている

右側面には、別売りのハードホルダーを取り付けるための孔が上下2か所にあるほか、水中撮影で便利なシャッターボタン、指紋認証センサーを兼ねた電源ボタンが配置されている

ディスプレイを保護するため、盛り上がったフレームが囲んでいる。ディスプレイ自体もAGCの強化ガラス「Dragontrail(ドラゴントレール)」とアクリルスクリーンを貼り合わせて耐久性を高めた、独自の「ハイブリッドシールド」構造だ

前モデルに引き続き海水(塩水)に対応している。防水スマホは少なくないが塩水対応をうたうモデルは少ない

前モデルに引き続き海水(塩水)に対応している。防水スマホは少なくないが塩水対応をうたうモデルは少ない

水道水に加えて、シャワーや蛇口の温水でボディを洗うこともできる

水道水に加えて、シャワーや蛇口の温水でボディを洗うこともできる

ボディのメンテナンスにも配慮されており、ボディパネルの一部を取り外して入り込んだ汚れを洗い流すことができる

処理性能は、同時期発売のエントリー機「P30 lite」とほぼ同じ

機能面を見てみよう。搭載されるSoCは2017年登場のミドルレンジ向け「Snapdragon 660」で、4GBのRAMと64GBのストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSはAndroid 9だ。前モデルの「G03」は、2016年登場のSnapdragon 625で、3GBのRAM、32GBのストレージ、256GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットという組み合わせで、2018年12月にようやくAndroid 8.1へのバージョンアップが行われた。2年前と言うこともあるが、これと比較すると、本機の基本性能の向上はかなり大きいと言えよう。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使い、実際の処理性能を計測したところ、総合スコアは129,908(CPU:54,789、GPU:30,810、UX:38,011、MEM:6,298)となった。なお、このスコアは、人気の高いエントリーモデル、ファーウェイ「P30 lite」とほぼ同レベル。なお、「G03」の総合スコアは大体75,000点程度なので、2倍近い性能アップとなる。

左が本機のAnTuTuベンチマークのスコア、右側に比較対象として「P30 lite」のスコアを掲載する。いずれも総合スコアが12万点台で、CPUのスコアが55,000点前後、GPUのスコアが3万点前後と、よく似ている

実際の体感速度だが、「Galaxy S10」などの最新のハイエンドモデルと比較すると、アプリの起動や画面スクロールなど、操作全般なめらかさでは及ばないが、SNSやWeb、グラフィック性能をさほど求められないゲームなら、処理性能の不足はさほど気にならない。高いグラフィック性能を要求されるゲームも、画質を調整すれば問題なく動作する。ただ、熱処理に制約があるためか、高い負荷が続くと処理落ちが早めに現れる傾向があるようだ。

付加的な機能だが、FeliCaおよびNFCポート、ワイヤレス充電のQiに引き続き対応している。また、Bluetoothは前モデルのバージョン4.1から5.0にアップデートされているほか、LTEの上限速度も225Mbpsから400Mbpsに強化された(いずれも下りの最大速度)。なお、「G03」では搭載されていたヘッドホン端子は非搭載となった。

交換可能なパック式バッテリーを採用。2日は持つバッテリー性能

バッテリー周辺を見てみよう。本機は容量2,940mAhの交換可能なバッテリーパックを採用する。バッテリー持ちの指標を見ると「電池持ち時間」が約95時間となっており、「G03」の約100時間より少し短くなった。今回の検証で、SNSやカメラ撮影主体で2時間程度断続的に使ったところ、24時間経った時点でのバッテリーの残量は58%だった。このペースなら2日プラスαは充電なしで持ちこたえられそうだ。(2019年8月26日:バッテリーパックは「G03」と同じ型番と記載しましたが、異なります。訂正しお詫びいたします)

充電機能を見ると、USB PD対応の有線の急速充電と、ワイヤレス充電に対応している。ワイヤレス充電は、USBポートの保護キャップの着脱が不要なので、本機のタフネス性能を維持するのにも効果的だ。

バッテリーの交換は、ねじで裏ぶたを外す必要がある。なお「G03」にあった内ぶたは廃止された

バッテリーの交換は、ねじで裏ぶたを外す必要がある。なお「G03」にあった内ぶたは廃止された

充電を85%までに抑えて、バッテリーの劣化を抑える「バッテリーケアモード」も備えている

充電を85%までに抑えて、バッテリーの劣化を抑える「バッテリーケアモード」も備えている

独自のオーバーレイ機能は健在。基本スペックが向上したカメラ機能

カメラを見てみよう。リアのメインカメラは約2,400万画素の標準カメラと約800万画素の超広角カメラという組み合わせのデュアルカメラだ。「G03」も約1,300万画素の標準カメラに超広角カメラを搭載していたが、こちらは画素数が約200万画素と低く、最低限の性能と言ったところだった。だが、本機では夜景モードを新たに備えるなど、ハードウェアとソフトウェアの両面で進化している。なお、フロントカメラは約800万画素で、こちらも「G03」の約500万画素から性能アップしている。

なお、「G03」にも搭載されていたユニークなカメラ機能「アクションオーバーレイ機能」は引き続き搭載する。これは、動画や静止画に、速度や移動距離、経路情報、標高などを重ねて表示(オーバーレイ)させるというもの。また、側面に配置されたシャッターボタンを使えば、水中でのカメラ撮影も簡単に行えるのも、ほかにはない機能と言えよう。

メインカメラは、前モデル同様、標準カメラと超広角カメラを組み合わせたダブルカメラ。いずれもハードウェアを全面的に見直し、ネックだった画質を向上させている

ルートや気圧、天気などの情報を写真に重ねるアクションオーバーレイ機能。トレッキングやウォーキングなどに活用できる

被写体の魚の種類や大きさを計測する機能も新たに搭載されている

被写体の魚の種類や大きさを計測する機能も新たに搭載されている

以下に、本機のメインカメラで撮影した写真の作例を掲載する。撮影モードはデフォルト設定のまま、カメラ任せで撮影を行っている。なお、今回使用した検証機と製品版では画質チューニングが異なる場合があるのでご了承いただきたい。

薄曇りの屋外でヒマワリを撮影。柱頭部分の解像感はなかなか良好

薄曇りの屋外でヒマワリを撮影。柱頭部分の解像感はなかなか良好

同じ構図を広角カメラで撮影。少しフレアが現れ、もやがかかったような仕上がりだが、「G03」で目立ったノイズが抑えられており、画質はかなり向上している

野外ステージの屋根裏を撮影。明暗差の大きな構図を作ってHDRの効果を試した。屋根裏はノイズも少なく鮮明だが、曇天のはずの空はディテールが飛んでしまった

上と同じ構図を超広角カメラで撮影。雲の陰影は肉眼の印象に近いが、影になる屋根裏はノイズが多め。超広角カメラは固定焦点で露出も調節できない

丸の内の夜景。シーン認識により夜景モードに切り替わっていた。光量が少なく全般に薄暗いが、ビルの谷間に映る雲の陰影はよく残っており、暗部ノイズは全般に少なめである。逆に明るい部分を拡大すると黒い線のようなノイズが見られた

上と同じ構図を超広角カメラで撮影。全般的にノイズが多く、高感度撮影には強くない。ただし、高感度撮影時でも周辺部の荒れは抑えられている

本機のカメラは、高画素のイメージセンサーや新開発のレンズの採用で、ネックだった高感度撮影の強化が図られ、使いやすいものに進化している。ただ、最近のスマートフォンはどれもカメラ性能の進化が早く、その中ではようやく標準レベルに追いついたという感じだ。

タフネススマホとしてはほかにライバルのいない唯一の選択肢

以上、「G04」のレビューをお届けした。本機と競合しそうなタフネススマートフォンには、キャタピラー「CAT S41」や、京セラ「DURA FORCE PRO」といったSIMフリースマホも存在するが、これらは工事現場などで使われることを念頭に置いた法人向け製品である。アウトドアレジャーやスポーツを想定したものとしては「TORQUE」シリーズが唯一の存在だ。2年ぶりの登場で、画面サイズや解像度が向上したほか、処理性能も強化され、時代に即した正常進化をとげている。

気になる点としては、8万円前後の価格帯のスマートフォンとしては処理性能がさほど高くないので、性能の陳腐化が早く訪れることが考えられることがある。価格.comのユーザーレビューに寄せられたTORQUEの過去モデル「G02」や「G03」の評価を見ても、発売から時間が経つにつれて処理性能の不足を感じる意見が増えてくる傾向があった。また、「TORQUE」シリーズは、独自のアプリも多いため、OSのバージョンアップには比較的時間がかかる場合がある。

タフネス性能重視であれば、本製品は間違いなく最強のスマートフォンと言えるし、デザインで選ぶというのもおおいにアリだろう。ただし、上記のようなタフネス機の代償は皆無ではないので、その点は少し注意したほうがよさそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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