特別企画
デジカメ専用機に迫るズーム機能を搭載

3倍以上の光学ズームに対応するトリプルカメラ搭載スマホを比較

昨年から今年にかけて増えてきたトリプルカメラを搭載したスマートフォン。その多くは、広角カメラと望遠カメラを搭載し、中には光学3倍以上のズーム機能を持つものも出てきた。ここではそんな高倍率ズームが行えるスマートフォンを集めて、そのカメラ機能を比較してみた。

※記事中の焦点距離は35mm換算のもので統一。なお、焦点距離の数値はカタログスペックの値を主としつつ、非公開のものについては撮影データのEXIF情報を参照している。

メーカーごとにばらばらなスマートフォンのズーム性能の表記

近頃のハイエンドスマートフォンでは、3基以上のカメラを備えたトリプルカメラを採用するものが増えている。それらは、カメラを切り替えることで、今までのスマートフォンでは難しかった光学ズーム撮影が行えるのが魅力だ。

ただ、これらのカメラのズーム性能の表記は、メーカーごとにばらばらだ。カメラ専用機の場合、35mmのフィルムカメラ換算時の焦点距離を広角(ワイド端)と望遠端(テレ端)で比較するが、スマートフォンの場合、基準を標準カメラにして、「○倍のズーム」、「0.X倍の広角」と表現する場合が多い。しかも、焦点距離を公表していないことも多いうえに、同じような焦点距離でもメーカーによって「標準カメラ」「広角カメラ」と違う呼称で呼んでいることもある。また、光学ズームではなく、ハイブリッドズームの値をズーム倍率にしている場合もある。

本記事では、そうした各社ばらばらの基準を、カメラ専用機の一般的な流儀にならって、35mm換算の焦点距離に統一。また、広角端を基準にそろえた光学ズームの倍率でそろえている。

光学ズーム約8.1倍。現状最高の望遠撮影性能を誇る
OPPO「Reno 10x zoom」(SIMフリー)

・超広角カメラ:16mm(約800万画素)
・広角カメラ:26mm(約4,800万画素)
・望遠カメラ:130mm(約1,300万画素)
・光学ズーム倍率:約8.1倍

OPPOのSIMフリースマートフォン「Reno 10x zoom」は、その名前からもわかるように強力なズーム機能が特徴だ。メインカメラは、超広角カメラが16mm、広角カメラが26mm、望遠カメラが130mmというトリプルカメラで、超広角カメラと望遠カメラの焦点距離の比率は約8.1倍。現在国内で正規販売されるスマートフォンの中では最高のズーム倍率を誇る。なお、製品名にある10倍ズームはハイブリッドズーム時のもの。デジタルズームを使えば最大60倍までのズームに対応する。

超広角カメラで撮影

超広角カメラの16mmという焦点距離は、景色を広く撮影するのにも適している

超広角カメラの16mmという焦点距離は、景色を広く撮影するのにも適している

広角カメラで撮影

超広角カメラに対して約1.62倍の光学ズームとなる。広角カメラの約4800万画素という超高画素にはデジタルズームを有利にする狙いもある

望遠カメラで撮影

超広角カメラに対して約8.1倍という高いズームが魅力。写真のような離れた被写体を大きく写すのに適している

光学ズーム約7.8倍。ズームに加えてマクロ撮影にも強い
ファーウェイ「P30 Pro HW-02L」(NTTドコモ)

・超広角カメラ:16mm(約2,000万画素)
・広角カメラ:27mm(約4,000万画素)
・望遠カメラ:125mm(約800万画素)
・光学ズーム倍率:約7.8倍

NTTドコモの2019年夏モデルとして発売された「P30 Pro」。メインカメラは、16mmの超広角カメラ、27mmの広角カメラ、125mmの望遠カメラ、TOFカメラの4基を組み合わせたクアッドカメラだ。なお、TOFカメラを除くメインカメラ3基は、ライカ監修のレンズを搭載している。

また、広角カメラのイメージセンサーは、フォトダイオードを覆うカラーフィルターを、光の三原色に由来した赤、緑、青ではなく、赤1個、黄2個、青1個という構成比の「RYYB」センサーだ。黄のカラーフィルターは、緑と赤の2色を取り込むことができ、これをファーウェイ独自の「IPS(Image Signal Processor)」が処理することで、従来よりも40%以上多くの光を取り込むことが可能という。なお、超広角カメラを基準にした望遠カメラの光学ズーム倍率は約7.8倍だが、デジタルズームを使えば50倍まで対応する。また、最大ISO409,600の高感度撮影や、被写体まで2.5cmまで寄れるマクロ撮影にも対応している。

超広角カメラで撮影

超広角では周辺部のゆがみは避けられないが、ゆがみを生かして迫力を演出することもできる

超広角では周辺部のゆがみは避けられないが、ゆがみを生かして迫力を演出することもできる

広角カメラで撮影

超広角カメラに対して約1.7倍の光学ズームとなる。画素数が高いため、かなり精細な仕上がりだ

超広角カメラに対して約1.7倍の光学ズームとなる。画素数が高いため、かなり精細な仕上がりだ

望遠カメラで撮影

超広角カメラに対して7.8倍の光学ズーム。構図の中央にある遠方のビルがここまで拡大され、スマートフォン離れした撮影が行える

光学ズーム約5倍。ズーム可能なトリプルカメラ機の先駆け
ファーウェイ「Mate 20 Pro」(ソフトバンク/SIMフリー)

・超広角カメラ:16mm(約2,000万画素)
・広角カメラ:27mm(約4,000万画素)
・望遠カメラ:81mm(約800万画素)
・光学ズーム倍率:約5倍

ソフトバンク版のほか、SIMフリー版も発売されている。メインカメラは、16mmの超広角カメラ、27mmの広角カメラ、81mmの望遠カメラという組み合わせのトリプルカメラで、超広角カメラを基準にした場合で約5倍の光学ズームが可能。デジタルズームは270mmまで対応しており、倍率にすると約17倍となる。なお、メインカメラに備わるレンズはいずれもライカ監修のものとなっている。

超広角カメラで撮影

空間の広がりが際立つ。超広角なので仕方ないが、周辺のゆがみはそれなりに目立つ

空間の広がりが際立つ。超広角なので仕方ないが、周辺のゆがみはそれなりに目立つ

広角カメラで撮影

上記の超広角カメラに対して約1.7倍の光学ズームとなる

上記の超広角カメラに対して約1.7倍の光学ズームとなる

望遠カメラは超広角カメラに対して約5倍の光学ズームとなる。駅舎のレリーフなど細部がよくわかる

望遠カメラは超広角カメラに対して約5倍の光学ズームとなる。駅舎のレリーフなど細部がよくわかる

光学ズーム約4.7倍。RYYBセンサー採用、最大ISO204,800の高感度撮影を実現
ファーウェイ「P30」(SIMフリー)

・超広角カメラ:17mm(約1,600万画素)
・広角カメラ:27mm(約4,000万画素)
・望遠カメラ:80mm(約800万画素)
・光学ズーム倍率:約4.7倍

ファーウェイ「P30」シリーズの中堅モデル、ただし処理性能はハイエンドレベルだ。国内の通信キャリアの取り扱いはなく、SIMフリーモデルのみの販売となっている。メインカメラは、17mmの超広角カメラ、27mmの広角カメラ、80mmの望遠カメラという組み合わせのトリプルカメラで、上位モデル「P30 Pro」と比較すると、望遠側のズーム倍率が低めな点と、ToFカメラが搭載されていないという点が大きく異なる。

超広角カメラを基準にした光学ズームの倍率は約4.7倍で、同社の「Mate 20 Pro」に近いなお、メインカメラの3基のカメラはいずれもライカ監修のレンズを搭載する。また、広角カメラのイメージセンサーはP30 Proと同じRYYB配列のものが使われており、従来比で光を取り込む能力が40%以上向上している。ただし、感度の上限はP30 ProがISO409,600なのに対し、こちらはISO204,800となっており、超高感度撮影性能には差がある。

超広角カメラ

隅田川にかかる吾妻橋から、東京スカイツリーを望む景色を撮影

隅田川にかかる吾妻橋から、東京スカイツリーを望む景色を撮影

広角カメラで撮影

超広角カメラに対して約1.58倍のズームとなる

超広角カメラに対して約1.58倍のズームとなる

望遠カメラで撮影

超広角カメラに対して約4.7倍のズームとなる

超広角カメラに対して約4.7倍のズームとなる

光学ズーム4倍。13mmの超広角撮影に対応
アップル「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro MAX」(NTTドコモ/au/ソフトバンク/SIMフリー)

超広角カメラ: 13mm(約1,200万画素)
広角カメラ:26mm(約1,200万画素)
望遠カメラ:52mm(約1,200万画素)
光学ズーム倍率:4倍

2019年9月に登場したiPhoneの最新モデル。その上位モデルである「iPhone 11 Pro」と「iPhone 11 Pro Max」のメインカメラは、13mmの超広角カメラ、26mmの広角カメラ、52mmの望遠カメラという組み合わせのトリプルカメラとなる。超広角カメラを基準にした場合、4倍の光学ズーム撮影が可能だ。なお、超広角カメラの13mmという焦点距離は、サムスン「Galaxy S10」シリーズなどと並ぶ、スマートフォン屈指の超広角となる。

超広角カメラで撮影

スマートフォンのカメラとしては屈指の超広角だ

スマートフォンのカメラとしては屈指の超広角だ

広角カメラで撮影

超広角カメラに対してちょうど2倍のズームとなる

超広角カメラに対してちょうど2倍のズームとなる

望遠カメラで撮影

超広角カメラに対して4倍のズームとなる。光学5倍以上のものと比べるとややズーム性能に物足りなさを感じる

超広角カメラに対して4倍のズームとなる。光学5倍以上のものと比べるとややズーム性能に物足りなさを感じる

光学ズーム4倍。13mmの超広角撮影に対応
サムスン「Galaxy S10」「Galaxy S10+」「Galaxy Fold」「Galaxy Note10+」(NTTドコモ/au/SIMフリー)

超広角カメラ:13mm(約1,600万画素)
広角カメラ:26mm(約1,200万画素)
望遠カメラ:52mm(約1,200万画素)
光学ズーム倍率:4倍

サムスンの「Galaxy S10」「Galaxy S10+」「Galaxy Fold」「Galaxy Note10+」はすべてメインカメラが、13mmの超広角カメラ、26mmの広角カメラ、52mmの望遠カメラという、トリプルカメラ仕様。「Galaxy Note 10+」だけは、これに加えてTOFカメラが搭載されているが、今回は便宜的に、これらのモデルをまとめて取り上げる。

サムスンでは、ズームの基準を広角カメラに置いており、2倍の光学ズームに対応しているとしている。ただ、超広角カメラを基準にした場合、望遠カメラでは光学4倍のズームとなる。ズーム倍率自体は突出したスペックではないが、超広角レンズの焦点距離は13mmとなっており、「iPhone 11 Pro」シリーズと並ぶ超広角だ。広角レンズは1mmの違いが大きいので、望遠ではなく広角を重視したAndroidスマホとしては最有力の候補となるだろう。

超広角カメラで撮影

「Galaxy S10」シリーズなどGalaxyの高性能モデルの超広角カメラは、上記「iPhone 11 Pro」と並ぶ焦点距離13mmの超広角だ

広角カメラで撮影

超広角カメラに対して2倍のズームとなる

超広角カメラに対して2倍のズームとなる

望遠カメラで撮影

超広角カメラに対して4倍のズームとなる。ズームを期待するには少し物足りない

超広角カメラに対して4倍のズームとなる。ズームを期待するには少し物足りない

光学ズーム3.25倍。瞳AFなどソニーのカメラ技術を搭載
ソニー「Xperia 1」「Xperia 5」(NTTドコモ/au/ソフトバンク)

超広角カメラ:16mm(約1,220万画素)
広角カメラ:26mm(約1,220万画素)
望遠カメラ:52mm(約1,220万画素)
光学ズーム倍率:3.25倍

NTTドコモ、au、ソフトバンクの各社から2019年夏モデルとして登場した「Xperia 1」と、秋モデルとして登場した「Xperia 5」。いずれも、メインカメラは、超広角カメラが16mm、広角カメラが26mm、望遠カメラが52mmという構成のトリプルカメラ。超広角カメラを基準にした光学ズーム倍率は3.25倍となる。なお、超広角カメラ〜広角カメラの中間となる16〜26mmの区間はデジタルズームが効かない。特徴として、スマートフォンのカメラとしては初となる「瞳AF」や、オートフォーカスと露出が追従したうえでの毎秒10枚の連続撮影対応など、デジタルカメラ「α」で培ったソニーらしい機能が備わる。なお、「Xperia 1」と「Xperia 5」は、動画のスーパースロー撮影機能に違いがあり、「Xperia 1」が最大960fps対応なのに対し「Xperia 1」は120fpsとなる。また、被写体ブレやカメラに指がかかっているといった警告機能が「Xperia 5」には備わるが、「Xperia 1」も今後のアップデートで対応する予定だ。

超広角カメラで撮影

16mmという焦点距離は、スマートフォンの超広角カメラとしては標準的なものではあるが、十分に広角な構図で撮影できる

広角カメラで撮影

超広角カメラに対して約1.62倍の光学ズームとなる

超広角カメラに対して約1.62倍の光学ズームとなる

望遠カメラで撮影

超広角カメラに対して3.25倍の光学ズームとなる。今回取り上げたものとしてはもっともズーム倍率が低いが、52mmという焦点距離自体は「iPhone 11 Pro」や「Galaxy S10」と同レベル

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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