レビュー
キーボードの改良は大歓迎!

「MacBook Pro」16インチモデルをレビュー、15インチモデルからどう変わった?

アップルから「MacBook Pro」の16インチモデルが登場した。15インチモデルは現行のラインアップからなくなり、16インチモデルに置き換わる。映像や写真、音楽、CGなどを扱うクリエイター向けモデルで、パフォーマンスとモビリティをさらに高めたのが特徴だ。15インチモデルからどう変わったのか詳しく見ていきたい。

MacBook Proの16インチモデル。15インチモデルと見た目はほぼ同じだが、キーボードをはじめ、いろいろな部分が変わっている

15.4インチから16インチへの大画面化の影響は?

MacBook Proの16インチモデルは、15インチモデルのデザインやコンセプトを継承している。ぱっと見はほぼ同じに見えるが、並べてみるとやはり大画面化にともないフットプリント(設置面積)が大きくなっている。厚さも1.55cmから1.62cmへのわずかに厚くなり、重量も1.83kgから2.0kgに増えている。大画面化にともない、サイズ感はアップしているものの狭額縁化によって大型化の影響を最小限にとどめており、見た目も今風だ。重量の増加は画面サイズのアップよりもバッテリーが83.6Whから100Whに増えたのが大きいかもしれない。この大容量バッテリーを搭載することで、バッテリー駆動時間(カタログスペックのワイヤレスインターネット閲覧)は10時間から11時間へ1時間ほど延びている。

フットプリントは16インチモデルが35.79(幅)×24.59(奥行)cm、15インチモデルが34.93(幅)×24.07(奥行)cm。幅、奥行ともにわずかにサイズアップしている

左が16インチモデルで厚さは1.62cm、右が15インチモデルで厚さは1.55cm。16インチモデルのほうが厚くはなっているが、その差はわずかだ

画面サイズは15.4インチから16インチに変わったので、0.6インチ分大きくなっている。それにともなって、解像度は2880×1800/220ppiから3072×1920/226ppiにアップ。緑や赤の表現に強い広色域のP3のサポート、輝度が500ニットというスペックは15インチモデルから変わっていない。

デスクトップの広さは単体で使っている分には違いがわかりにくいが、比べると広くなっているのがすぐにわかる。iPhoneアプリの開発をしているユーザーなどは、アプリをプレビューしながらコードをいじるなど、デスクトップが広くなった恩恵を受けられるのではないだろうか。

左が16インチモデル、右が15インチモデル。並べてみると大きな差がないように見えるが、実際に複数のアプリを開いて作業してみると16インチモデルのほうが間違いなくデスクトップは広い

新たに画面のリフレッシュレートが選べるようになった。ビデオ編集などプロ向けの機能だ

新たに画面のリフレッシュレートが選べるようになった。ビデオ編集などプロ向けの機能だ

シザー構造の新キーボードは打鍵音が静かになった

16インチモデルはキーボードが一新されている。同社の単品のキーボードとして販売しているキーボードと同じ名称の「Magic Keyboard」だ。MacBook Proのキーボードといえば、バタフライ構造でキーストロークが浅く、ある程度慣れが必要だった。また、特定のモデルだが、キーボード修理プログラムが実施されるなど、話題になることが多かった。

16インチモデルのMagic Keyboardはシザー構造となり、ストロークが0.55mmから1mmへ少しだけ深くなっている。比べても、深さの差に気がつく人は少ないかもしれないが、打鍵音と打鍵感は断然よくなっている。15インチモデルのキーボードを打つと少し高めの音がしていたが、16インチモデルはかなり静かになっている。強くタイピングしても底につく感じが少なく、気持ちのいい打鍵感となっている。

また、ソースを書く場合によく利用する「escキー」が「Touch Bar」から独立したのは、プログラマーには歓迎されるはずだ。「MacBook Air」のように「Touch ID」もTouch Barから独立している。シザー構造への変更など、キーボードの改良はユーザーの要望を反映したいい改良と言えるだろう。

16インチモデルのキーボード。escキーとTouch IDがTouch Barから独立し、使い勝手がよくなっている

16インチモデルのキーボード。escキーとTouch IDがTouch Barから独立し、使い勝手がよくなっている

15インチモデルのキーボード(USキー)。上の16インチモデルのキーボードはカーソルキーが逆T字型となっている

シザー構造のキーボードのキーストロークは1mm。ストローク自体は浅いが、そこにつく感じがなく、心地よい打鍵感となっている。打鍵音も静かだ

SSDは最大8TB! パフォーマンスもアップ

パフォーマンス面ではCPUに「第9世代のCoreプロセッサー」を搭載。基本モデルは6コアのCore i7(2.6GHz、最大4.5GHz)または8コアのCore i9(2.3GHz、最大4.8GHz)を備える。オプションで8コアのCore i9(2.4GHz、最大5.0GHz)に変更できる。

メモリーは基本モデルが16GBで、オプションで32GBまたは64GBに変更可能。ストレージは基本モデルでも大容量の512GB SSD。オプションには、「iMac Pro」よりも大容量な8TB SSDが用意されている。基本モデルのグラフィックはAMDの「Radeon Pro 5300M(4GB)」と「Radeon Pro 5500M(4GB)」。オプションで「Radeon Pro 5500M(8GB)」が選べる。

スペック面では熱設計を見直し、エアフローが28%アップ、ヒートシンクも35%大きくなっている。これにより、CPUのパフォーマンスを長く維持できるようになっているのだ。より高性能な第10世代プロセッサーの搭載も見越してのパワーアップと考えられる。

このパフォーマンスをチェックするべく、15インチモデル(2018年モデル、Core i9 2.9GHz、16GBメモリー、Radeon 560X 4GB、512GB SSD)と16インチモデル(Core i9 2.3GHz、16GB、Radeon 5500M 4GB、1TB)の2台を使って、アドビの動画編集アプリ「Premiere Pro CC」で10分の4K動画(3680×2760、59.94fps)をMOV形式からMP4(H.264)形式に書き出す時間を比べてみた。結果は15インチモデルが22分43秒、16インチモデルが20分21秒。その差は2分20秒だった。もっと長い素材であればその差はさらに広がるはずで、間違いなく作業効率やエンコードの待ち時間は短くなるはずだ。

このほか、2台のMacBook Proで動画編集をしたときに、サウンドの差も感じた。16インチモデルは6つのスピーカーを搭載しており、ノートパソコンにありがちな1枚布で覆われたようなぼやけたサウンドではなく、クリアで広がりのあるサウンドになっている。かなり大きな音も出るので、小さな外付けスピーカーは不要なレベルだ。

6つのスピーカーを搭載しており、サウンドはノートPCとは思えない高いクオリティを実現している

6つのスピーカーを搭載しており、サウンドはノートPCとは思えない高いクオリティを実現している

まとめ

MacBook Proの15インチモデルといえば、映像や写真、音楽などを扱うクリエイター向けという印象が強いが、最近はWindowsノートのほうがスペックが高く、MacからWindowsに乗り換えるという人もいると聞く。そんな「Windowsにしようかな」と考えているクリエイターに向けたモデルが今回の16インチモデルだ。大画面とモビリティのバランスをとりつつ、クリエイターのニーズに応えられるモデルに仕上がっている。オプションも充実しており、スペックにお金をかけたいクリエイターの要望にもしっかりと応えられる。

クリエイター以外のユーザーにとっても、キーボードの改良やサウンドの強化などうれしいアップデートがいくつも施されている。15インチモデルから価格が少しだけ下がっているのも見逃せない。16インチモデルの価格.com最安価格はCore i7モデルが257,829円、Core i9モデルが294,485円(2019年11月29日時点)。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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