レビュー
USB-PD対応モバイルバッテリーで動く

恵安の15.6型モバイル4Kディスプレイ「KIPD4K156」をMacBook Proのサブディスプレイとして使ってみた

「Type-C」の波はディスプレイにも

4K/HDR対応のモバイルディスプレイ「KIPD4K156」

4K/HDR対応のモバイルディスプレイ「KIPD4K156」

PCにとって、ディスプレイは最重要パーツのひとつ。CPUやGPUのパフォーマンス、筐体デザインやキーボードの使いやすさも重要だが、ディスプレイサイズは仮想作業台ともいえるデスクトップの面積に比例するため特に影響が大きい。とはいえ、貝殻のように本体/キーボード部と対をなす構造のノートPCではディスプレイだけサイズアップするわけにいかず、作業効率を向上させたいPCユーザにとって悩ましい問題だ。

外部ディスプレイにデスクトップやアプリの画面を映す「マルチモニター環境」は、その解決策のひとつ。13型のディスプレイひとつでは作業領域として十分ではないが、もうひとつ13型のディスプレイがあれば作業領域は倍になる。複数のチャートを画面に並べておきたい株・為替トレーダー御用達の利用法だが、フォトレタッチやビデオエディターにも高い効果を発揮する。必要なときだけ接続して普段は普通のノートPCとして使えるのだから、外出先へも持ち出せるし、レイアウトの自由度も確保できる。

今回取り上げる「KIPD4K156」は、そんなマルチモニター環境に好適なモバイルディスプレイだ。4K解像度(3,840×2,160ピクセル)の15.6型ADS液晶パネルが搭載され、HDRおよびFreeSync/G-Syncに対応。外形寸法は367.8(幅)×232.8(高さ)×10.5(奥行)mmの重量960g、映像入力用にMini HDMI 2.0×1基とUSB 3.1 Type-C×1基、Micro USB 2.0×2(Type-C接続要)と給電用のType-C×1基が用意されている。

本体サイズはMacBook Pro(13inch)よりひと回り大きい程度

本体サイズはMacBook Pro(13inch)よりひと回り大きい程度

厚さはMacBook Pro(13inch)とほぼ同じだ

厚さはMacBook Pro(13inch)とほぼ同じだ

レザー調のカバーも付属する。開けばスタンドに変わり、約60度/65度(折り畳み部分を台座に使用した場合)で固定できる。最大38W(19V/2A)対応のUSB PD対応ACアダプターに加え、HDMIやType-Cケーブルも付属するため、アクセサリーの追加購入を心配する必要もない。

保護ケースはスタンドとして利用できる

保護ケースはスタンドとして利用できる

USB PD対応ACアダプターと2本のType-Cケーブルが付属する

USB PD対応ACアダプターと2本のType-Cケーブルが付属する

USB-PD対応モバイルバッテリーで動く

KIPD4K156のボディ側面/裏面にはアルマイト加工が施され、一見した限りでは大柄なタブレットのよう。スリムベゼルが流行りの昨今としては、ベゼル幅が約9〜12mmと聞くと野暮ったく感じられるかもしれないが、実際スタンドに立てかけてみるとiMac風の佇まいで意外にしっくりくる。

まずは、MacBook Pro(13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 ports)との接続を試みる。KIPD4K156の左側面にはType-Cポートが2基あり、上が映像入力用で下が給電用。2本のType-Cケーブルのうち1本は上のポートとMacのType-Cポートを、もう1本は下のポートとUSB PD対応ACアダプターをつなぐ、というわけだ。

なお、KIPD4K156にはバッテリーが内蔵されていないため、電源供給は必須。Type-Cケーブル1本(左側面上側のポートに接続)ではMacの給電能力が追いつかず、画面がパカパカと点滅してしまう。だから、モバイルで使う場合には電源の確保が必須だ。

付属のUSB PD対応ACアダプターもいいが、USB PD対応のモバイルバッテリーを持ち歩くという手もある。試しに、RAVPower「RP-PB059」を利用したところ、2時間以上連続利用できた(無音状態でテスト)。なお、このRP-PB059は20100mAhと大容量、出力もUSB-PD/最大30Wとパワフルなため、KIPD4K156を駆動するだけでなくMacの充電も緩やかながら同時に行うことができた。

なお、KIPD4K156にはminiHDMIポートも装備されている。今回はMacBook Proとの接続について検証したが、HDMIポートを備えるPCやタブレットでも同様に使えるはずだ。

電源にはUSB-PD対応モバイルバッテリーを利用できる(写真はRAVPower RP-PB059)

電源にはUSB-PD対応モバイルバッテリーを利用できる(写真はRAVPower RP-PB059)

PCのサブディスプレイにも映画鑑賞にも

KIPD4K156に写真や動画を映してみると、光沢仕上げ/4K解像度だけあって鮮やかで精細感が高い印象。最大輝度が250cd/平米、コントラストが1,000:1、中間応答速度が19ms(高速応答設定時9ms)とスペックはこの価格帯のディスプレイとして標準的だが、4K/HDR映像を60fpsで入力できるところがいい。

工場出荷時点の設定は赤味が強く、OSDメニューで色温度調整やHDRの有効化を行ったり、MacのColorSyncユーティリティを使いホワイトポイントを上げたりなどのコンフィグレーションを余儀なくされたが、設定を追い込めば印象はだいぶよくなる。60fpsに対応するから動きの速いアクション映画でも動画ボケは気にならず、内蔵ステレオスピーカーから音を出せばプライベートシアターも楽しめる。ただし、スピーカーの最大出力は1W+1Wのため大迫力とまではいかず、もう少し音量が欲しいところだ。

KIPD4K156のOSDメニュー

KIPD4K156のOSDメニュー

macOSのシステムレポートはこんな感じだ

macOSのシステムレポートはこんな感じだ

Macのサブディスプレイとしての使い勝手は上々。カタログスペックでは上下/左右170度というだけあって、視野角は十分広い印象。ADSパネルは液晶分子が水平方向に駆動するため、見る角度でバックライト透過量が大きく変わらないからだ。基本的に斜め方向から見続けるサブディスプレイの場合、この特長はありがたい。ただし、耳を澄ますとキーンという高周波音(コイル鳴き)が聴こえるため、音に敏感な向きは留意してほしい。

このKIPD4K156、PCのカラープロファイルとOSDメニューでの色調整は必須だが、設定が落ち着けばなかなか満足度は高い。PCとの接続はUSB Type-Cケーブル1本、USB PD対応のモバイルバッテリーを用意すればコンセントのない場所でも利用できる。折り曲げればスタンドに早変わりする保護ケースの質感もよく、スタイリッシュに使いこなせるはずだ。

海上 忍

海上 忍

IT/AVコラムニスト、AV機器アワード「VGP」審査員。macOSやLinuxなどUNIX系OSに精通し、執筆やアプリ開発で四半世紀以上の経験を持つ。最近はAI/IoT/クラウド方面にも興味津々。

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