レビュー
デスクトップ向け第10世代Coreプロセッサーの実力は?

インテル最新CPU「Core i9 10900K」「Core i7 10700」「Core i5 10600K」速攻レビュー

インテル「Core i9 10900K」「Core i7 10700」「Core i5 10600K」ベンチマークレポート

ここからは「Core i9 10900K」「Core i7 10700」「Core i5 10600K」ベンチマークレポートをお届けする。まずはCPUの基礎体力をチェックするためにSiSoftware「Sandra 2020」を実行してみた。

グラフ1:Sandra 2020 Processor Arithmetic

グラフ1:Sandra 2020 Processor Arithmetic

グラフ2:Sandra 2020 Processor Multi-Media

グラフ2:Sandra 2020 Processor Multi-Media

グラフ3:Sandra 2020 Cryptography(High Security AES256+SHA2-256)

グラフ3:Sandra 2020 Cryptography(High Security AES256+SHA2-256)

グラフ4:Sandra 2020 Memory Bandwidth

グラフ4:Sandra 2020 Memory Bandwidth

グラフ5:Sandra 2020 Cache & Memory Latency(ns)

グラフ5:Sandra 2020 Cache & Memory Latency(ns)

グラフ6:Sandra 2020 CasheBandwidth(GB/S)

グラフ6:Sandra 2020 CasheBandwidth(GB/S)

さすがにコア数、クロック数ともに有利な「Core i9 10900K」というべきか。計算能力を測るProcessor Arithmetic、マルチメディア関連のパフォーマンスを測るProcessor Multi-Mediaは、頭一つ抜けた結果を示している。同一コア数/スレッド数の「Core i7 10700」と「Ryzen 3700X」については、「Ryzen 7 3700X」がやや有利という結果に。暗号化処理についても、「Ryzen 7 3700X」がインテルCPUを大きく上回る結果だった。以前だと、このあたりはインテルのほうが優秀というイメージがあったが、AMDのRyzenも第3世代まで進化し、だいぶよくなってきたということだろう。

メモリー帯域を測るMemory Bandwidthは、「Ryzen 7 3700X」>「Core i9 10900K」「Core i7 10700」>「Core i5 10600K」と、対応メモリーのスペック通りの並び順となった。いっぽう、キャッシュが絡むと状況は逆転し、インテルが優勢になる。特にキャッシュの帯域については、「Core i9 10900K」が「Ryzen 7 3700X」を大きく上回っている。このあたりはL3キャッシュの持ち方の違いが大きく影響しているのかもしれない。

続いて、プラットフォーム全体のパフォーマンスを図るFuturemarkの統合ベンチマーク「PCMark 10」と、マルチメディア系のベンチマークとして、CPUのレンダリング性能を測るMAXON「Cinebench R20」と、ペガシス「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使った動画エンコードの処理時間を計測してみた。

グラフ7:PCMark10

グラフ7:PCMark10

グラフ8:Cinebench R20

グラフ8:Cinebench R20

グラフ9:動画エンコード時間

グラフ9:動画エンコード時間

「PCMark 10」の統合スコアも、「Cinebench R20」のスコアも、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使った動画エンコードも、すべて「Core i9 10900K」がトップだ。まあこればっかりはCPUスペックから見ても順当な結果といえる。いっぽう、「Core i7 10700」と「Ryzen 7 3700X」は、「Ryzen 7 3700X」のほうが全般的に「Core i7 10700」を上回る結果となった。マルチコア系のスコアはそれほど落ちていないが、シングルスレットアプリの多い「PCMark 10」のEssentialsやProductivityのスコア、「Cinebench R20」のシングルコアのスコアが「Core i5 10600K」よりも低いことから、おそらくシングルスレッドのブーストクロックが思った以上に上がらなかったためと思われる。今回のテストでは、マザーボード側でCPUのPL1、PL2、Tauを厳密に設定したので、それが原因かもしれない。

次にテストしたのは、3Dパフォーマンスを測るFuturemarkのベンチマークプログラム「3DMark」だ。結果は以下の通り。

グラフ10:3DMark TimeSpy Extream

グラフ10:3DMark TimeSpy Extream

グラフ11:3DMark Time Spy

グラフ11:3DMark Time Spy

グラフ12:3DMark Fire Strike Ultra

グラフ12:3DMark Fire Strike Ultra

グラフ13:3DMark Fire Strike Extreme

グラフ13:3DMark Fire Strike Extreme

グラフ14:3DMark Fire Strike

グラフ14:3DMark Fire Strike

グラフ15:3DMark SKY DIVER

グラフ15:3DMark SKY DIVER

さすがにゲーミング向けをうたうだけあり、全般的にインテルCPUの優秀さが目立つ。インテルはメニーコア化と同じくらい動作クロックが重要な理由として、ゲームなどのアプリにおいてコアの動作クロックへの依存度が高いことを挙げているが、特にメニーコアCPUを想定して開発された「Time Spy Extream」のテスト結果なんかをみると、コア数で劣る「Core i5」も、「Ryzen 7 3700X」に対してかなり健闘しており、その理由をしっかりと裏付ける結果といえそうだ。

続いて、実際のゲームアプリを使ったベンチマーク結果をレポートしたいと思う。今回は、「Farcry 5」「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」「DIVISION 2」「Shadow of the Tomb Raideromb Raider」の計6タイトルのベンチマークを実施した。ゲームタイトルは、それぞれ設定できる最高のグラフィック設定で、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3つの解像度でテストを行っている。

グラフ16:Farcry 5

グラフ16:Farcry 5

グラフ17:Tom Clancy's Rainbow Six Siege

グラフ17:Tom Clancy's Rainbow Six Siege

グラフ18:FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION

グラフ18:FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION

グラフ19:ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ

グラフ19:ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ

グラフ20:DIVISION 2

グラフ20:DIVISION 2

グラフ21:Shadow of the Tomb Raideromb Raider

グラフ21:Shadow of the Tomb Raideromb Raider

こちらも「3DMark」同様に、インテルCPUの強さが目立つ。特にフルHD解像度は顕著で、「Core i5 10600K」でも「Ryzen 7 3700X」を確実に上回るスコアをたたき出している。4K解像度についても、クロック数を求められる一部タイトルではRyzenを上回る結果を出しているあたりはさすがといったところ。フレームレートの差が勝敗を決定付けることがあるゲームにおいて、1フレームでも多く稼げるというのは大きなアドバンテージだ。ことゲームに関しては、インテルががぜん優勢というのは間違いなさそうだ。

最後は、消費電力を計測できるラトックシステムの「Bluetoothワットチェッカー REX-BTWATTCH1」を使って、システム全体の消費電力を計測してみた。今回は、PC起動10分後のアイドル時のほか、「CineBench R20」のSingle Core実行時とAll Core実行時、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」ベンチマーク実行時の最大消費電力を値として採用している。

グラフ21:消費電力

グラフ21:消費電力

製造プロセスルールが14nm++のままであること、高クロック化機能をもりもりに積み込んだことからもある程度想像できていたが、やはりというか、インテルCPUの消費電力はかなり高めだった。「Ryzen 7 3700X」は、組み合わせたX570チップセットが元々消費電力高めなので、アイドル時がインテルCPUよりも高めなのは想定内だったが、それを差し引いても、インテルCPUの消費電力は高い。いくらCPUの製造プロセスルールの差を埋めるために高クロック化に舵を切ったとはいえ、特にCPUコアがフルに稼働する「CineBench R20」All Core実行時の「Core i9 10900K」の値が「Ryzen 7 3700X」の2倍以上というのはかなり気になる。アイドル時の消費電力とピーク時の消費電力の激しい落差を見ると、マザーボードメーカーが電源回りに気を付けていることもうなずける。

ゲーム特化のCPUとしてはアリ。狙い目は「Core i5 10600K」か

今回、インテルの最新CPUを3種類テストしたが、同じコア数/スレッド数でゲーム用途を除く用途にも使うといった場合に限れば、依然としてAMD Ryzenのバランスのよさが光るが、ゲーム用途なら動作クロックの高さがとにかく有効で、インテルCPUを選べば間違いないということは改めて確認することができた。

最上位モデルの「Core i9 10900K」は、そのゲーミングに特化した圧倒的な高クロックがゆえに、消費電力もすさまじく、性能をうまく引き出すには組み合わせるマザーボードや電源ユニット、冷却システムもハイエンドのものを用意する必要がありそう。プラットフォーム刷新のイニシャルコストだけじゃなく、それを稼働させるランニングコストもそれなりにかかることを覚悟しないといけないし、正直人を選ぶCPUではあるが、最強のゲーミングPCの構築を狙うなら間違いなく選択肢に入るはずだ。

「Core i7 10700」は、今回の検証でマザーボード側の自動調整機能のほとんどをOFFにしたこともあり、ゲーミング以外の部分で「Ryzen 7 3700X」の後塵を拝すことが多かったが、ゲーミング特化すぎる「Core i9 10900K」よりもバランスはいいので、マザーボードの自動調整機能ONで化けるようであれば注目されそうではある。

そして、今回テストしたCPUの中で最も売れそうなのが「Core i5 10600K」だ。正直、マルチCPUとしての絶対的な性能とコストを考えるとRyzenシリーズにはかなわないが、ゲーミング用途に限れば「Ryzen 7 3700X」や「Core i7 10700」を下克上するほどの性能を備えている。すでにRyzenプラットフォームを使っているという人だと、「Core i9 10900K」のように乗り換えるほどのインパクトは少ないが、新たにゲーミングPCを組む人なら、大いにアリだろう。第10世代“Comet Lake-S”の中でも高コスパなゲーミング向けCPUとして人気が出そうだ。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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