レビュー
ソフトバンク最安の5Gスマホ

MNPなら1円! FeliCa搭載の激安5Gスマホ「Redmi Note 9T」レビュー

2021年2月26日に発売されたソフトバンクのスマートフォン「Redmi Note 9T」(シャオミ製)は、近ごろ急増している5G対応の低価格モデルのひとつ。端末価格は21,600円(税込)で、MNPなら1円で購入できる激安モデルだ。その実力を検証した。

※本記事中の価格は税込で統一している。

5Gスマホでは現状最安! 「トクするサポート+」で10,800円、MNPなら1円で買える

これまでハイエンドモデルを中心に展開されてきた5G対応スマートフォンだが、近ごろは、低価格で購入できるエントリーモデルが相次いで発売されて注目されている。ソフトバンクから発売される「Redmi Note 9T」もそうした製品のひとつで、端末価格は21,600円(税込)と、国内で販売される5Gスマホでは現状最安となるモデルだ。2年後に返却することを条件にした端末購入サポート「トクするサポート+」の対象機でもあり、その場合、ユーザーの負担額は2年で10,800円となる。さらに、MNP契約の場合、1円で購入可能(ワイモバイルなどグループ内からの番号移行は除く)となり、5Gスマホでなくとも、激安という言葉がぴったりくる製品だ。

ボディサイズは、約77(幅)×162(高さ)×9.1(厚さ)mm、重量は約200gで、2,340×1,080のフルHD+表示に対応する約6.53インチの液晶ディスプレイを搭載する。樹脂製のボディ背面には細かな表面加工が施されており、指紋汚れが目立ちにくい。なお、このボディは、撥水加工が施されているものの、防水、防塵には非対応となっている。

背面は樹脂製で、価格相応の質感。円の中に配置されたメインカメラ周りのデザインが特徴的だ

背面は樹脂製で、価格相応の質感。円の中に配置されたメインカメラ周りのデザインが特徴的だ

背面は、汚れが付きにくいように表面に細かなドットがプリントされている

背面は、汚れが付きにくいように表面に細かなドットがプリントされている

製品パッケージには樹脂製のカバーが同梱。また、充電器も同梱される

製品パッケージには樹脂製のカバーが同梱。また、充電器も同梱される

本機はFeliCaポートを搭載しており、おサイフケータイに対応する。しかも、モバイルSuicaとモバイルPASMOの併用も可能だ。生体認証は、顔認証と指紋認証の両方に対応。指紋認証センサーは電源ボタンと一体化されたもので、側面に配置されている。このほか、USB Type-Cポートとヘッドホン端子がボディ下面に配置される。

右側面に、指紋認証一体の電源ボタンとボリュームボタンを配置。指紋認証センサーの精度は良好だった

右側面に、指紋認証一体の電源ボタンとボリュームボタンを配置。指紋認証センサーの精度は良好だった

ボディ下面には、USB Type-Cポートとヘッドホン端子が配置される

ボディ下面には、USB Type-Cポートとヘッドホン端子が配置される

FeliCaポートを搭載。マークは背面左にはっきりとプリントされている

FeliCaポートを搭載。マークは背面左にはっきりとプリントされている

搭載されるディスプレイは有機ELではなく液晶となるが、黒も締まっており、視野角も狭くない。強いて言えば、最大輝度にした場合に、コントラストが少し低下する印象があるが、総じて良好な画質だと言えるだろう。サウンド面では、デュアルスピーカーを搭載しており、ステレオの音声出力に対応しているので、映像や音声コンテンツも十分に楽しめる。

搭載されるのは、約6.53インチの液晶ディスプレイだが、コントラストが高く視野角も広いなど、画質は良好だ

搭載されるのは、約6.53インチの液晶ディスプレイだが、コントラストが高く視野角も広いなど、画質は良好だ

2,340×1,080のフルHD+表示に対応するディスプレイは、文字が大きめに表示されるため、電子書籍に振られたルビもはっきり表示されるなど、実用的だ

2,340×1,080のフルHD+表示に対応するディスプレイは、文字が大きめに表示されるため、電子書籍に振られたルビもはっきり表示されるなど、実用的だ

処理性能は価格以上の実力。ただし、ゲームなどのグラフィックでは動作が不安定なものも

本機の処理性能について見てみよう。本機に搭載されるSoCは、台湾・MediaTek社製のミドルレンジSoC「Dimensity 800」で、これに、4GBのメモリー、64GBのストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 10をベースに独自のユーザーインターフェイスをかぶせたMIUI 12だ。なお、MediaTek社のSoCは、価格性能比の高さもあり、サムスン「Galaxy A32」や「Galaxy A41」など、国内でも採用モデルが増えている。

「Dimensity 800」は、処理性能追求型コア「Coretex-A76」2個(2.4GHz)と、バランス型コア「Coretex-A55」6個(2.0GHz)を組み合わせた、ミドルレンジ向けSoCだ。なおGPUには「Mali-G57」が使われる。その処理性能を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver.8.X)」を使って計測したところ、総合スコアは279,893(内訳、CPU:95,271、GPU:76,827、MEM:52,623、UX:55,176)となった。このスコアは、「Snapdragon」シリーズでは、「AQUOS sense4」シリーズなどに搭載される「Snadragon 720」や「Snadragon 690 5G」とほぼ同レベルとなる。

AnTuTuベンチマークの結果。処理性能を示す “CPU”が10万点弱、グラフィック性能を示す “GPU”も7万点台と、2万円前半で買える低価格スマホとしてはかなり高い処理能力を持つことがわかる

AnTuTuベンチマークの結果。処理性能を示す “CPU”が10万点弱、グラフィック性能を示す “GPU”も7万点台と、2万円前半で買える低価格スマホとしてはかなり高い処理能力を持つことがわかる

体感速度も概して速く、動作は全体的に快適だ。ただし、まだ少数派のSoCなので、アプリのグラフィック最適化などが行われていないものもある点には注意。特に国内開発されたゲームでは最適化が後回しにされることがあり、たとえば人気ゲームの「アイドルマスター シンデレラガール スターライトステージ(デレステ)」では、Snapdragonシリーズを搭載したスマホでは見られないようなジャギーが強めに現れる。また、ベンチマークアプリの「GeekBench 5」と「3DMark」については動作すらしなかった。通常のアプリは問題なく動作するのの、グラフィック性能が重要となるゲームではやや不利になりやすい。

このほか、ホームアプリとして採用される「MIUI 12」は、アプリのクローン作成、アイコンサイズの調節など、自分好みにカスタマイズできる幅が広い。いっぽう、「AQUOS」シリーズなどに搭載されるシンプルモードは搭載されていない。インターフェイスの面から見ると、ある程度スマートフォンを使い慣れた人向けと言えるだろう。

「デレステ」のミュージックビデオのワンシーン。窓枠部分にジャギーが現われている

「デレステ」のミュージックビデオのワンシーン。窓枠部分にジャギーが現われている

5GはSub-6と4Gからの転用周波数帯に対応。他社キャリアのプラチナバンドも利用可能

本機の5G対応バンドはSub-5のみで、ミリ波には対応していない。5Gの対応バンド(wsub-6)はn77のみ。だが、4月以降のアップデートで、700MHz帯、1.7GHz帯、3.4GHz帯の3つの4Gからの転用周波数帯に対応するようになる。特に700MHz帯はいわゆるプラチナバンドで、コンクリートの建物の中や物陰などでも電波をキャッチしやすいため、対応しているのはうれしい。なお、今回の検証機は5G対応のSIMカードが用意できなかったため、5Gの実際の通信性能については割愛させていただく。

また、本機の隠れた魅力として、キャリアモデルとしては珍しく、4Gの対応バンドが豊富という点がある。対応バンドは、B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28/38/40/41/42。NTTドコモのB19やKDDIのB18・B26といった他キャリアのプラチナバンドにも対応している。

標準カメラ+マクロカメラという組み合わせ。標準カメラは手軽できれいに撮れる

本機のメインカメラは、約4,800万画素の標準カメラと、約200万画素のマクロカメラ、約200万画素の深度センサーという組み合わせのトリプルカメラだ。手ブレ補正機能なども搭載されている。フロントカメラは約1,300万画素だ。

メインカメラ周辺のデザインは本機のアイコンとなる個性的なデザインだ

メインカメラ周辺のデザインは本機のアイコンとなる個性的なデザインだ

以下に本機のメインカメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。いずれもAIモードをオンにしたうえ、カメラ任せで撮影を行っている。

標準カメラで撮影

カラーサンプルの代わりに色鉛筆を、ライティングされたスタジオで撮影。なお、グレーの背景は、肉眼ではもう少し青みがかっており、本機のカメラは色味としてはやや暖色系。 周辺部分の解像感の低下は少なめで、2万円台のカメラとしては十分以上だろう

カラーサンプルの代わりに色鉛筆を、ライティングされたスタジオで撮影。なお、グレーの背景は、肉眼ではもう少し青みがかっており、本機のカメラは色味としてはやや暖色系。 周辺部分の解像感の低下は少なめで、2万円台のカメラとしては十分以上だろう

マクロカメラで撮影

マクロカメラに切り替えて撮影。かなりの接写になるのでスマートフォンが影を作ってしまったが、ディテールはしっかり写せている

マクロカメラに切り替えて撮影。かなりの接写になるのでスマートフォンが影を作ってしまったが、ディテールはしっかり写せている

標準カメラで撮影

晴天のビル街を撮影。肉眼の印象よりも青空の青がやや強調された色になっているものの、不自然に感じるレベルではない。総じて素直な絵作りと言える

晴天のビル街を撮影。肉眼の印象よりも青空の青がやや強調された色になっているものの、不自然に感じるレベルではない。総じて素直な絵作りと言える

標準カメラで撮影

ビル街の夜景を撮影。こちらはHDRを手動でオンに切り替えて手持ち撮影している。手ブレ補正機能が効いているためか、目立ったブレもなく、ハイライト部分から暗所まで階調の破綻も見られない。2万円前後のスマホのカメラとは思えない良好な写りだ

ビル街の夜景を撮影。こちらはHDRを手動でオンに切り替えて手持ち撮影している。手ブレ補正機能が効いているためか、目立ったブレもなく、ハイライト部分から暗所まで階調の破綻も見られない。2万円前後のスマホのカメラとは思えない良好な写りだ

本機のメインカメラは、超広角カメラは非搭載で、標準カメラとマクロカメラのみという、比較的シンプルな構成だ。しかし、メインで使う標準カメラは、明るい日中から夜景まで、手持ち撮影でも大きな失敗は起こりにくい。マクロカメラも200万画素ながら、ノイズの少ないきれいな写真が手軽に撮影できる。

気になった点として、シャオミ製スマートフォンに広く見られる傾向ではあるが、メニューの設定項目が散らばっており、操作には多少慣れがいることがあげられる。

1日1回の充電で4年は使える新型バッテリー。フル充電で3日は持続するロングスタミナ

本機は、容量5,000mAhのバッテリーを搭載しており、カタログスペックで連続通話時間は約2,200分(LTE)、連続待ち受け時間は約450時間(LTE)/430時間(AXGP)となっている。なお、ソフトバンクで取り扱いのある5Gスマートフォン「AQUOS sense5G」(シャープ)は、バッテリー容量が4570mAhで、連続通話時間が約2,810分、連続待ち受け時間が約880時間(LTE)/約880時間(AXGP)となっており、電池持ちの点では本機のほうが見劣りする。ただ、今回、4Gエリアでの検証ではあったが、フル充電で1日に3時間程度(1時間のゲームを含む)のペースで利用したところ、3日(72時間)+αは充電なしで利用できた。実用上は十分過ぎるバッテリ−スタミナと言えるだろう。

本機は、劣化の起こりにくいリチウムイオンバッテリーを搭載している点も注目だ。このバッテリーは、メーカーによると従来よりも半分程度の劣化速度で、1日1回フル充電の利用ペースでも、ユーザーが明らかな劣化を感じるまで4年程度かかるという。バッテリーの劣化を理由にスマホを買い換える心配は少なく、長期間利用できるのは、本機の隠れた長所のひとつと言えそうだ。

安価だが高機能。5Gを手軽に初めてみたいという人にはぴったりの1台

以上、ソフトバンクの5G対応スマホ「Redmi Note 9T」をレビューしてきた。本機のライバルはなんと言っても、コンセプトが同様の低価格モデル、シャープ「AQUOS sense5G」だろう。この両機は基本性能ではほぼ横並びだが、価格面では、本機がほぼ半額。その分、「AQUOS sense5G」は、防水・防塵ボディ、電池持ちのよさ、超広角カメラの搭載、タフネスボディ、ゲームなどに強いSoC「Snapdragon」搭載という優位点があるが、価格勝負なら間違いなく本機に軍配が上がるだろう。

さらに、MNPなら1円で購入できるので、他キャリアのユーザーにも本機は魅力的だ。また、回線契約なしの端末のみの購入を、一括払いまたはクレジットカード払いにして、その場でSIMロックを解除してもらい、SIMフリースマートフォンとして使うという手もある。そのうえで、ソフトバンクの5G対応新料金「LINEMO」や、ワイモバイルの新料金「シンプル」シリーズ、格安SIMなどと組み合わせるのもよさそうだ。

ゲームプレイをよくするようなユーザーは注意が必要だが、それ以外の一般的利用であれば、特にこれと言った欠点もなく、2万円程度で買える製品とは思えない完成度を持った「Redmi Note 9T」。この春購入する5G入門機としては、なかなか有力な候補となるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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