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ソニー「Xperia PRO」をミラーレスカメラの外付けディスプレイにしてみた

Android端末であり、同時に外付けディスプレイや画像や映像の転送装置でもある、という尖ったスマホ「Xperia PRO」をソニーが2021年2月に発売しました。新たに5Gのミリ波帯に対応しましたが、スマートフォンとしての基本的な機能やスペック、カメラは、2020年5月に発売された「Xperia 1 II」と同等です。大きな特徴は、カメラの外付けディスプレイとして利用できる、映像制作のプロフェッショナル向けの新機能を搭載していることでしょう。そこで、今回はあえて外付けディスプレイとしての「Xperia PRO」にフォーカスして、その詳細をチェックしました。

「Xperia PRO」の外部ディスプレイとしての性能をレビュー

「Xperia PRO」の外部ディスプレイとしての性能をレビュー

「Xperia PRO」を「α7S III」と接続

「Xperia PRO」はスマートフォンとしてはめずらしくHDMIマイクロ端子(タイプD)の入力ポートを備えており、HDMI出力を持つデバイスと接続すればディスプレイとして使用できます。とは言え、画面サイズは6.5インチと小さめなので、ノートPCなどに接続してサブディスプレイにする用途には向かず、また「PlayStation」などのゲームとは接続できないようなので、カメラ用の外付けディスプレイとして使うのが妥当です。

というわけで、実際にミラーレスカメラとHDMIケーブルで接続してみました。

今回はカメラをジンバルに載せ、ジンバルに装着したアームの上にスマホホルダーと「Xperia PRO」を取り付け、HDMIケーブルで接続する、というセットアップです。アプリは「外部モニター」というそのままズバリな名前の、ソニー純正のプリインストール製品を使用しています

今回はカメラをジンバルに載せ、ジンバルに装着したアームの上にスマホホルダーと「Xperia PRO」を取り付け、HDMIケーブルで接続する、というセットアップです。アプリは「外部モニター」というそのままズバリな名前の、ソニー純正のプリインストール製品を使用しています

スマートフォン側にもカメラの各種設定を表示できますが。画面をフルで使用する場合はカメラ側で「HDMI情報表示」を「なし」とすることで、映像のプレビューのみを表示できます

スマートフォン側にもカメラの各種設定を表示できますが。画面をフルで使用する場合はカメラ側で「HDMI情報表示」を「なし」とすることで、映像のプレビューのみを表示できます

ディスプレイは「α7S III」が対角3インチ、「Xperia PRO」が対角6.5インチと3倍以上の面積です。しかし、「Xperia PRO」の画面アスペクト比は21:9で長細いため、実際の表示は16:9や4:3のディスプレイほど広くはなりません

ディスプレイは「α7S III」が対角3インチ、「Xperia PRO」が対角6.5インチと3倍以上の面積です。しかし、「Xperia PRO」の画面アスペクト比は21:9で長細いため、実際の表示は16:9や4:3のディスプレイほど広くはなりません

「Xperia PRO」のディスプレイをピンチイン/アウトすることで、プレビューの表示をズームイン/アウトできます。スマートフォンとしてタッチ操作を前提につくられた端末であることを考えれば当然ですが、ラグを感じることはなくスムーズに拡大縮小できます

「Xperia PRO」のディスプレイをピンチイン/アウトすることで、プレビューの表示をズームイン/アウトできます。スマートフォンとしてタッチ操作を前提につくられた端末であることを考えれば当然ですが、ラグを感じることはなくスムーズに拡大縮小できます

日中、屋外の日が当たる場所に持ち出してみたところ(写真では画面が暗く映り過ぎていますが)肉眼ではカメラのモニターより明るく見え、使いやすく感じられました

日中、屋外の日が当たる場所に持ち出してみたところ(写真では画面が暗く映り過ぎていますが)肉眼ではカメラのモニターより明るく見え、使いやすく感じられました

「Xperia PRO」は有機ELディスプレイを使用しており、BT.2020の色域、10bit入力に対応したHDR表示ができるため、同様の規格に対応したカメラから出力された映像を表示した場合、とても鮮やかに表示されます

「Xperia PRO」は有機ELディスプレイを使用しており、BT.2020の色域、10bit入力に対応したHDR表示ができるため、同様の規格に対応したカメラから出力された映像を表示した場合、とても鮮やかに表示されます

ちなみに、同じ映像を色域が狭くHDR非対応のPCディスプレイで表示すると、ずいぶんと色あせたように感じられます。そういった意味でも「Xperia PRO」はプロモデルなのであり、HDR(HLG)対応のカメラや編集用ディスプレイ、そして視聴環境がある場合に真価を発揮できる製品なのです。

また、ディスプレイとしての用途のほかに、「Xperia PRO」をUSB Type-Cケーブルでカメラと接続することで「YouTube」ライブで生配信をする、撮影時自動転送を使って撮影した画像をすぐに転送する、といった機能も利用可能。こういった機能は、幅広い映像制作の現場で活躍しそうです。

「Xperia PRO」を使用した感想とまとめ

画面の見え方は明るさと発色が良く、特に黒がきれいに見えるという印象でした。また、バッテリー駆動時間も十分に長く、実際の使用で電池残量に不安を感じることはありませんでした。最短30分で約50%の急速充電ができる4000mAhのバッテリーを内蔵している点は、スマホとしては珍しくなくなりつつあるもの、ディスプレイとして考えた場合にはユニークなアドバンテージです。

いっぽうで、画面サイズが小ぶりであることは弱点です。外部モニターとしてカメラケージやジンバルに装着して使用するディスプレイは7インチ以上であることが多く、対して「Xperia PRO」は6.5インチかつ変則的な21:9のアスペクト比を採用していることから、16:9や4:3で撮影をする場合には手狭に思えました。

価格に関しては本機のベースとなる「Xperia 1 II」をはじめ、そのライバル機である「iPhone」や「Galaxy」の最上位モデルが13万円前後で販売されていることを踏まえると、「Xperia PRO」の約25万円という価格は非常に高価です。また、カメラ用の小型外付けディスプレイでも2〜4万円程度の製品があることをみれば、ディスプレイとしても極めて高価な製品であると言えるでしょう。

ただし、有機ELディスプレイ、4K、HDRというスペックを並べてみると、このスペックを備えた外付けディスプレイで、民生用の小型のものはまだ販売されていません。まして、5G通信機能を備えた製品となればなおさらです。

そう言った意味で“一般的”なスマホやディスプレイの価格と「Xperia PRO」を比べることにあまり意味はありません。「Xperia PRO」は唯一無二を目指して、尖りに尖ったスペックを備えた外付けディスプレイ兼スマートフォンであり、そのスペックが刺さる人だけをターゲットに作られた孤高の製品なのです。

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50か国以上を旅したバックパッカー。週刊アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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