レビュー
発売早々に人気沸騰の個性派スマホ

1億画素カメラや倍速ディスプレイ搭載で3万円台を実現。シャオミ「Redmi Note 10 Pro」レビュー

シャオミから、2021年4月14日に発売されたSIMフリースマートフォン「Redmi Note 10 Pro」は、価格は34,800円(税込)ながら、1億800万画素の高画素カメラや、120Hz駆動の倍速ディスプレイなど、ハイエンド級の機能を備える高機能モデル。決してハイエンドモデルというわけではないが、そのとがった機能性と高コスパで、価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキングでも発売早々に1位を獲得するなど(2021年4月23日時点)、高い人気を得ている注目モデルだ。

3万円台モデルとしては異例の倍速有機ELディスプレイを搭載。ボディの質感も上級モデル並み

シャオミのスマートフォンのラインアップは、主流の「Xiaomi(シャオミ)」シリーズと、コストパフォーマンスを重視した「Redmi(レッドミ)」という2種類のブランドからなっている。「Redmi Note 10 Pro」は、下位のRedmiシリーズの高機能・高性能モデルで、販売価格は34,800円(税込)。価格面ではシャープの人気モデル「AQUOS sense4」とほぼ同等となる。

「Redmi Note 10 Pro」のボディサイズは、約76.5(幅)×164(厚さ)×8.1(厚さ)mmで、重量は約193g。2,400×1,080のフルHD+表示に対応する6.67インチの有機ELディスプレイを搭載する。このディスプレイは、HDR 10対応かつ、120Hzの倍速駆動と、240Hzの4倍速のタッチサンプリングレートに対応しているという高性能なものだ。3万円台で倍速駆動に対応する製品は国内では例がない。現在発売されている製品の中では、4万円台で1.5倍速駆動対応のシャープ「AQUOS sense4 plus」が唯一近いくらいだ。

デザインもなかなか凝っており、3万円台の製品とは思えない質感だ。ボディ背面は、フロスト加工が施された3Dガラスで、表面のディスプレイの保護ガラスは「Corning Gorilla Glass 5」が使われる。ディスプレイ上部に備わるカメラ用のパンチホールもハイエンドモデル並みに小さく目立たない。なおカラーバリエーションは、オニキスグレー、グレイシャーブルー、グラディエントブロンズという3色のラインアップとなる。

搭載される有機ELディスプレイは、120Hz駆動、240Hzタッチ、HDR 10対応など、ハイエンドモデル並みのスペックだ

搭載される有機ELディスプレイは、120Hz駆動、240Hzタッチ、HDR 10対応など、ハイエンドモデル並みのスペックだ

今回の検証機はグラディエントブロンズ。グラデーション塗装とフロストガラスの組み合わせで、指紋汚れが目立ちにくい。曲面ガラスでおおわれたエッジ部分の処理も、上級モデルを思わせるもの

今回の検証機はグラディエントブロンズ。グラデーション塗装とフロストガラスの組み合わせで、指紋汚れが目立ちにくい。曲面ガラスでおおわれたエッジ部分の処理も、上級モデルを思わせるもの

メインカメラ部は2段に分けて盛り上がっており、強い存在感を発している

メインカメラ部は2段に分けて盛り上がっており、強い存在感を発している

ディスプレイ上部に設けられた極小のパンチホールも、低価格モデルでは珍しいもの

ディスプレイ上部に設けられた極小のパンチホールも、低価格モデルでは珍しいもの

機能面では、ヘッドホン端子のほかに、ステレオスピーカーを備えており、ボディ単体でステレオ再生が行える。指紋認証センサーはボディ側面の電源ボタン上に搭載されている。なお、防水・防塵には非対応で、おサイフケータイで使用するFeliCaポートも非搭載となる点は注意が必要だ。

ボディ上面にヘッドホン端子が配置される

ボディ上面にヘッドホン端子が配置される

ボディ下面にUSB Type-Cポートが配置される

ボディ下面にUSB Type-Cポートが配置される

指紋認証センサーは右側面の電源ボタンとの一体型。1週間ほど使ったが、認証ミスは1回も起こらなかった

指紋認証センサーは右側面の電源ボタンとの一体型。1週間ほど使ったが、認証ミスは1回も起こらなかった

処理性能・グラフィック性能はほどほど。5Gには非対応

基本スペックを見てみよう。SoCは、ミドルクラスの「Snapdragon 732G」で、6GBのLPDDR4Xメモリーと、128GBのUFS 2.2ストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 11をベースにした「MIUI 12」だ。

このSoCは、シャオミ「Mi Note 10」やGoogle「Pixel 4a」に搭載されていた「Snadpragon 730G」の後継として、2020年9月に発表された最新世代のものだ。ただ、「Snapdragon 730G」と比較すると、CPUのラージコアの動作クロックが2.2GHzから2.3GHzに高められただけで、グラフィック処理に使うGPUは「Adreno 618」のままだ。8nmのプロセスルールで製造される点も変わっておらず、基本的にマイナーチェンジ版と言える。

CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「GeekBench 5」の計測結果は、シングルコアが561、マルチコアが1,742となった。このスコアは、価格帯の近いシャープ「AQUOS sense4」のシングルコア571、マルチコア1,785より若干低いが、ほぼ同等の処理性能と言ってよさそうだ。

「GeekBench 5」でのベンチマークスコア。左が本機、右が「AQUOS sense4」。本機が搭載するSoC「Snapdragon 732G」は最新のものだが、全体としての処理性能は「Snapdragon 720G」を採用する「AQUOS sense4」と同レベルだ

「GeekBench 5」でのベンチマークスコア。左が本機、右が「AQUOS sense4」。本機が搭載するSoC「Snapdragon 732G」は最新のものだが、全体としての処理性能は「Snapdragon 720G」を採用する「AQUOS sense4」と同レベルだ

グラフィック性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」の結果は、VulkanAPIを使った項目「Wild Life」が1,112、OpenGL ES 3.1を使った項目「Sling Shot Extreme」が2,746となった。「AQUOS sense4」の「Wild Life」のスコアは781、「Sling Shot Extreme」のスコアは2,524だったので、本機のほうが「Wild Life」では4割ほど、「Sling Shot Extreme」では1割ほど高い。3Dグラフィックを使ったゲームプレイなどでは「AQUOS sense4」と比較して多少のアドバンテージがありそうだ。

新しいゲームで採用が進んでいるVulkanAPIを使った「Wild Life」の「3DMark」ベンチマークテスト結果。左が本機、右が「AQUOS sense4」のもの。本機のほうが4割ほど高い結果となった。なお、Android 11でVulkanAPIの最適化が行われ3割ほど速度が向上している

新しいゲームで採用が進んでいるVulkanAPIを使った「Wild Life」の「3DMark」ベンチマークテスト結果。左が本機、右が「AQUOS sense4」のもの。本機のほうが4割ほど高い結果となった。なお、Android 11でVulkanAPIの最適化が行われ3割ほど速度が向上している

多くのゲームアプリが採用するOpenGLを使った「Sling Shot Extreme」の結果。本機のほうが1割ほど高いスコアとなった

多くのゲームアプリが採用するOpenGLを使った「Sling Shot Extreme」の結果。本機のほうが1割ほど高いスコアとなった

体感速度だが、重いアプリやゲームの動作や起動時間などでは、ハイエンドモデルとの差を感じるものの、6GBという比較的多めのメモリー容量もあって、タスクの切り替えなどは比較的スムーズだ。3万円台の製品としては十分な性能と言える。倍速駆動、高速タッチディスプレイといった、本機の特徴は、体感速度の向上にも効果がある。ゲーム以外でも、画面のスクロールなどで指に吸い付くような追従性があり操作性は良好だ。

なお、本機は5G通信には対応していない。エリア展開や通信料金の値下げなど好条件が揃い、これからが普及のタイミングである5Gに対応していないのは少々残念だ。ただし、microSDメモリーカードとは別の2基のnanoSIMカードスロットを備えたDSDV対応で、国内4キャリアすべてのVoLTEが利用できるなど、4Gの通信性能は高く、国内で流通するSIMカードの多くが適合する。なお、同シリーズの5G対応モデルとしては、2月よりソフトバンクから発売された「Redmi Note 9T」が用意されている。

nanoSIMカードスロットとmicroSDメモリーカードスロットが独立したトリプルスロット使用。DSDV対応で国内4キャリアのVoLTEを利用できる

nanoSIMカードスロットとmicroSDメモリーカードスロットが独立したトリプルスロット使用。DSDV対応で国内4キャリアのVoLTEを利用できる

1億画素カメラとマクロカメラを搭載。長時間露光機能がユニーク

本機のメインカメラは、約1億800万画素の標準カメラ(25mm)、約800万画素の超広角カメラ(16mm)、約500万画素の望遠接写カメラ(24mm)、約200万画素の被写界深度センサーという組み合わせのクアッドカメラだ。なお、フロントカメラは約1,600万画素となる。本機のカメラの見どころはなんと言っても1億800万画素という超高画素の標準カメラだろう。また、長時間露光機能やビデオクローンといった特殊撮影機能を備えているのも魅力だ。

標準カメラは1億800万画素という超高画素。長時間露光やビデオクローンなどの特殊撮影機能も備える

標準カメラは1億800万画素という超高画素。長時間露光やビデオクローンなどの特殊撮影機能も備える

以下に、本機のメインカメラで撮影した静止画および動画の作例を掲載する。初期設定のまま、カメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

標準カメラで撮影

カラーサンプルの代わりに色鉛筆を撮影。ホワイトバランスがやや暖色に偏り気味だが、収差も少なくケラレやノイズも少ないクセの少ない仕上がりだ

カラーサンプルの代わりに色鉛筆を撮影。ホワイトバランスがやや暖色に偏り気味だが、収差も少なくケラレやノイズも少ないクセの少ない仕上がりだ

超広角カメラで撮影

上と同じ構図を超広角カメラで撮影。ホワイトバランスは標準カメラよりも肉眼の印象に近い。ただし、超広角なのでパースが強調される。周辺部のノイズは少ないが減光が見られる

上と同じ構図を超広角カメラで撮影。ホワイトバランスは標準カメラよりも肉眼の印象に近い。ただし、超広角なのでパースが強調される。周辺部のノイズは少ないが減光が見られる

標準カメラで撮影

明暗差の大きい窓際を撮影。高画素カメラで心配なノイズはかなり抑え込まれている。HDRはさほど強力ではないようで、暗部はそれなりに暗い

明暗差の大きい窓際を撮影。高画素カメラで心配なノイズはかなり抑え込まれている。HDRはさほど強力ではないようで、暗部はそれなりに暗い

超広角カメラで撮影

上と同じ場所で超広角カメラに切り替えて撮影。こちらもHDRの効きはほどほどで、カメラを切り替えても全般的な色調に大きなずれはない。安価な超広角カメラにありがちな周辺部の画質低下が少ないのも美点だ

上と同じ場所で超広角カメラに切り替えて撮影。こちらもHDRの効きはほどほどで、カメラを切り替えても全般的な色調に大きなずれはない。安価な超広角カメラにありがちな周辺部の画質低下が少ないのも美点だ

標準カメラで撮影

夜景を撮影。ナイトモードではないが肉眼よりも明るく鮮明な仕上がりだ。シャッタースピードも確保されており、広場を歩く人も被写体ブレを起こさずに写っている

夜景を撮影。ナイトモードではないが肉眼よりも明るく鮮明な仕上がりだ。シャッタースピードも確保されており、広場を歩く人も被写体ブレを起こさずに写っている

超広角カメラで撮影

上と同じ場所を超広角カメラに切り替えて撮影。全般的な印象は標準カメラに近く、肉眼以上に鮮明な夜景が撮れる。ノイズが抑えられおり、安価なスマホでありがちな粗さが見られない

上と同じ場所を超広角カメラに切り替えて撮影。全般的な印象は標準カメラに近く、肉眼以上に鮮明な夜景が撮れる。ノイズが抑えられおり、安価なスマホでありがちな粗さが見られない

1億800万画素モードで撮影

上の写真を等倍でトリミング

1億800万画素モードでライオン像を撮影。ピントを合わせた瞳部分を解像度900×600の等倍でトリミングした。データ圧縮によるノイズも見られるがディテールの再現性はやはり高い

1億800万画素モードでライオン像を撮影。ピントを合わせた瞳部分を解像度900×600の等倍でトリミングした。データ圧縮によるノイズも見られるがディテールの再現性はやはり高い

上と同じ構図を標準カメラで撮影

上の写真を等倍でトリミング

上と同じ被写体を、通常モードに切り替えて、解像度900×600の等倍でトリミングしている

上と同じ被写体を、通常モードに切り替えて、解像度900×600の等倍でトリミングしている

望遠接写カメラを使ったスーパーマクロモードで撮影

手持ちで花の中心部分を撮影。手ぶれも抑えられ、花粉のディテールもしっかりとらえられた

手持ちで花の中心部分を撮影。手ぶれも抑えられ、花粉のディテールもしっかりとらえられた

長時間露光モードで撮影

長時間露光モードのひとつ「ネオントレイル」で走る車を撮影。光の帯のような自動車のヘッドライトが幻想的だ

長時間露光モードのひとつ「ネオントレイル」で走る車を撮影。光の帯のような自動車のヘッドライトが幻想的だ

本機のカメラは、超広角カメラや望遠接写カメラを使ったスーパーマクロモードの扱いやすさが印象的だった。超広角カメラは、ミドルレンジスマホのものとは思えないほど荒れが抑えられている。また望遠接写カメラを使ったスーパーマクロモードも、500万画素というマクロカメラとしては高めの画素数もあって、ディテールの解像感にすぐれる。最大の特徴である1億800万画素の標準カメラは、高画素と低ノイズを両立しているが、1億800万画素モードで撮影するとファイルサイズが大きく、解像度もスマートフォンで使うには高すぎるため、トリミングを活用してズーム撮影の代用として使うのが適当だろう。また、長時間露光モードもユニークな写真が撮影できて楽しかった。

総合的に見て本機のカメラは、手軽にキレイな写真が撮れるというスマートフォンのカメラに求められる機能を、かなり高いレベルで達成していると言える。同価格帯の競合モデルよりもカメラ機能の満足度は高い。

33Wの急速充電に対応する5,020mAhバッテリーを搭載。待ち受け主体で3日の電池持ちを実現

本機は5,020mAhの大容量バッテリーを搭載しており、メーカーの公表値では、通常の使用なら50時間以上、読書なら27時間以上、動画視聴なら23時間以上、ゲームなら12時間以上の動作が可能となっている。また、同梱の充電器は33Wの急速充電に対応しており、残量ゼロから59%までの充電をわずか30分で行える。

今回の検証は1週間行ったが、1日2時間程度の利用ペースで3日以上バッテリーが持続した。なお、ディスプレイを倍速駆動にするとバッテリーの消費ペースが多少速まる点は注意したい。できれば自動でリフレッシュレートを調節してくれる機能が欲しいところだ。

同梱の充電器は33Wの急速充電に対応。残量ゼロから59%までの充電をわずか30分で行える

同梱の充電器は33Wの急速充電に対応。残量ゼロから59%までの充電をわずか30分で行える

ライバルがいそうでいない、「あえて選ぶ」理由にあふれた、個性的な高コスパモデル

本機の属する4万円前後の低価格スマートフォンはかなりの激戦区で、バッテリー持ちにすぐれ、全体的にバランスのとれたシャープ「AQUOS sense4」をはじめ、5G対応の「AQUOS sense5G」、カメラ性能にすぐれるOPPO「Reno3 A」などの実力派が顔をそろえる。その中で本機は、倍速駆動ディスプレイや、ステレオスピーカー、1億800万画素カメラ、高い充電性能など、ハイエンドモデルにも搭載されているような機能を備えている点が魅力。いっぽう、最新モデルながら基本性能は既存機種とほぼ同レベルで、防水・防塵、FeliCaポート、5G通信機能は非搭載といった点がややマイナス要素になるだろう。ただ、この価格帯の製品で、本機と似たような製品は見当たらない。それくらいとがった機能性を持った魅力を本機は備えている。本機が価格.comでも大きな人気となっているのは、製品の特徴を理解して「あえて選ぶ」、そういうユーザーのニーズに合致しているからだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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