レビュー
パワフルな「Ryzen 9 5900HX」搭載

美麗な有機EL! 外付けGPUなしの高性能ノートPC「Zenbook Pro 15 OLED」

ASUS JAPANの「Zenbook Pro 15 OLED」は、最近では希少な外付けGPUを搭載しない高性能なノートパソコン。ゲームはしないが、高性能なノートパソコンを探している人にピッタリのモデルだ。どんなモデルなのか詳しくレビューしていきたい。

15.6型有機ELディスプレイを搭載するZenbook Pro 15 OLED。今回試した「Ryzen 9 5900HX」を搭載した上位モデルの価格.com最安価格は216,500円

15.6型有機ELディスプレイを搭載するZenbook Pro 15 OLED。今回試した「Ryzen 9 5900HX」を搭載した上位モデルの価格.com最安価格は216,500円

タッチスクリーン対応の有機ELを搭載

ASUS JAPANは昨年11月に新型ノートパソコン9製品27モデルを一挙に発表した。そのすべてのモデルに有機ELディスプレイを搭載し、業界では少し話題となった。有機ELはスマートフォンでは採用モデルが増えているが、パソコンはまだまだこれからという状況。その中で、一気に有機ELを採用することで、競合他社との違いを強く打ち出してきたと言える。

今回取り上げるZenbook Pro 15 OLEDもその中の1モデルで、15.6型の有機ELディスプレイを搭載するのが特徴だ。ディスプレイは1920×180のフルHDで、表示は明るく鮮やか。色域はDCI-P3を100%カバー、コントラスト比は100万:1、応答速度は0.2ms、HDRにも対応する。解像度こそ標準だが、表示品質が非常に高いディスプレイを搭載している。一度、有機ELを体験すると、液晶だと鮮やかさが足りないと感じてしまうほどだ。

タッチスクリーンに対応しているのもポイントだ。キーボードとマウス/タッチパッドに慣れていない、子どもや若い人はタッチのほうが操作しやすい。アプリケーションやシーンによってはタッチ操作できるほうが便利なことも多い。ただし、タッチすると画面に指の脂が付くので、その点は注意しつつ、こまめに掃除したいところだ。

15.6型有機ELディスプレイを搭載。有機ELの鮮やかさを表現する壁紙が印象的。鮮やかといっても、塗り絵のようなべったりした感じではなく、各色が混ざることなくクッキリと再現されているイメージだ

15.6型有機ELディスプレイを搭載。有機ELの鮮やかさを表現する壁紙が印象的。鮮やかといっても、塗り絵のようなべったりした感じではなく、各色が混ざることなくクッキリと再現されているイメージだ

クラムシェル型ではタッチスクリーンは不要という意見もあるが、家族みんなで使うマシンであれば、小さな子どもはタッチのほうが操作しやすいはずだ

クラムシェル型ではタッチスクリーンは不要という意見もあるが、家族みんなで使うマシンであれば、小さな子どもはタッチのほうが操作しやすいはずだ

有機ELの鮮やかさは動画や写真を視聴するときに絶大な効果を発揮する。特に黒色が多い映画などと相性がよい

有機ELの鮮やかさは動画や写真を視聴するときに絶大な効果を発揮する。特に黒色が多い映画などと相性がよい

ほかの有機ELディスプレイ搭載モデルと同様、有機ELの焼き付きを防止する機能が盛り込まれている

ほかの有機ELディスプレイ搭載モデルと同様、有機ELの焼き付きを防止する機能が盛り込まれている

ノートPC向けの最上位APU「Ryzen 9 5900HX」搭載

Zenbook Pro 15 OLEDが面白いのは、外付けGPUを搭載しない高性能ノートパソコンであること。最近は20万円を超えるようなハイスペックマシンは、外付けGPUを搭載しているモデルが多い。同社もこのクラスでは外付けGPUを搭載するモデルが多いが、本モデルは外付けGPUを搭載しない珍しいモデルだ。落ち着いて考えると、ゲームをしないのであれば、CPU内蔵のGPUで事足りるケースが意外と多い。ゲームはしないが、仕事や趣味を快適にこなすために高性能なマシンが欲しいという人にピッタリのモデルなのだ。

ラインアップはAPU(AMDの呼び方で、CPUのこと)に「Ryzen 9 5900HX」、ストレージに1TBのSSDを搭載した「UM535QA-KY212WS」と、「Ryzen 7 5800H」と512GBのSSDを搭載した「UM535QA-KY213WS」の2機種。どちらもメモリーは16GBで、Office Home and Business 2021が付属する。価格.com最安価格は上位モデルが216,500円、下位モデルが179,820円。

今回試した上位モデルはAMDのノートPC向け最上位APUであるRyzen 9 5900HXを搭載。最新の「Zen 3アーキテクチャー」を採用し、Ryzenシリーズ最上位を意味する「9」のナンバーを冠するAPUだ。8コア/16スレッドでベースクロックが3.3GHz、最大ブーストクロックが4.6GHzという、デスクトップ向けCPUと比較しても引けを取らないスペックだ。

CPU性能を測定するベンチマークプログラム「CINEBENCH R20」の結果は、CPUが4541、シングルコアが576。動作モードは「パフォーマンスモード」にて測定した結果だ。以前レビューした第10世代のCore i7-10700KFを搭載したデスクトップの結果はCPUが4629、シングルコアが474だったので、2、3年のデスクトップよりも高いCPU性能を記録した。

CINEBENCH R20の結果

CINEBENCH R20の結果

パソコンの総合性能を測定する「PCMark 10 Professional Edition」の結果は6397(Essentialが10243、Productivityが9869、Digital Content Creationが7030)。Essential が1万を超えており、Productivityも1万に迫るスコアだった。ビジネス用には高いパフォーマンスを発揮してくれるだろう。16GBとメモリーにも余裕があり、マルチタスクも快適にこなせそうだ。

PCMark 10 Professional Editionの結果

PCMark 10 Professional Editionの結果

内蔵GPUは8コアの「Radeon Graphics」で、内蔵GPUながら軽めの3Dゲームであれば楽しめるだけの性能を備える。グラフィック性能を測定する「3DMark Professional」の結果は、Direct X12用のTime Spyが1423だった。外付けGPUと比べるとスコアは低いが、画質を調整すれば3Dゲームも楽しめるだろう。動画のデコード/エンコードをサポートする機能も備えており、動画編集も楽しめそうだ。

3DMark Professionaの結果

3DMark Professionaの結果

テレワークや趣味に便利な充実装備

最後に使い勝手の面をチェックしていきたい。キーボードは同社のノートパソコンではおなじみの「エルゴリフトヒンジ」により、ディスプレイを開くとキーボード面が傾斜する仕様。打鍵感はソフトだが、しっかりしたクリック感があり心地よくタイピングできる。テンキーも備わっており事務作業がしやすそうだ。Enterキーが少しだけ細いのが気になるが、それ以外は満足度の高いキーボードだ。タッチパッドは本体サイズの割には小さめなので、お気に入りのマウスを使うといいだろう。

ディスプレイを開くと、キーボード面が傾斜する「エルゴリフトヒンジ」。VAIOなど他社も同様の仕組みを採用している

ディスプレイを開くと、キーボード面が傾斜する「エルゴリフトヒンジ」。VAIOなど他社も同様の仕組みを採用している

キーボードはテンキー付き。キーピッチは実測で19mmと標準的。Enterキーが少しだけ細長いので使い始めは間違って数字の7や4を押してしまうが、慣れれば問題ないレベルだ

キーボードはテンキー付き。キーピッチは実測で19mmと標準的。Enterキーが少しだけ細長いので使い始めは間違って数字の7や4を押してしまうが、慣れれば問題ないレベルだ

生体認証は顔認証を搭載。重量1.86kgの据え置きマシンなので、家で使うことを考えると、指紋認証ではなく顔認証でも問題ないだろう。米国軍用規格準拠、いわゆるMIL規格のテストを複数項目クリアした堅ろう性も備えているので、家の中で安心して持ち運べるのがうれしい。

実際に試して便利だったのが、ノイズキャンセリング機能。オンライン会議や電話会議が当然になりつつあり、ノイズ対策はみんなの課題。ヘッドセットが苦手な人や、気軽に話したいときにノイズキャンセリング機能は大事だ。本モデルは「AIノイズキャンセリングマイク」機能を搭載しており、背景の音をきれいに消してくれる。

AIノイズキャンセリングマイク機能は、「ベーシック受信最適化」のほか、ひとりでしゃべるとき用の「シングルプレゼンター電話会議」、複数人でしゃべるとき用の「マルチプレゼンター電話会議」が用意されている

AIノイズキャンセリングマイク機能は、「ベーシック受信最適化」のほか、ひとりでしゃべるとき用の「シングルプレゼンター電話会議」、複数人でしゃべるとき用の「マルチプレゼンター電話会議」が用意されている

外部インターフェイスにSDメモリーカードスロットがあるのもうれしい。仕事柄、カメラから写真や動画のデータを取り込む機会が多く、アダプターなしで取り込めるのは地味に助かる。ただ、USB 3.2 Type-A、USB 3.2 Type-Cが1ポートずつしかなく、本体サイズを考えるともう1ポートは欲しかったところ。

SDメモリーカードスロットがあるのはうれしいが、USBポートがType-AとType-Cで1ポートずつしかないのが残念

SDメモリーカードスロットがあるのはうれしいが、USBポートがType-AとType-Cで1ポートずつしかないのが残念

ボディは「パイングレー」という黒色で光りを当てるとグレーに見える、落ち着いたカラーリング。天板にはZenbookの特徴であるスピン加工が施されている

ボディは「パイングレー」という黒色で光りを当てるとグレーに見える、落ち着いたカラーリング。天板にはZenbookの特徴であるスピン加工が施されている

150WのACアダプターは大きめ。持ち運びには向かない

150WのACアダプターは大きめ。持ち運びには向かない

まとめ 高画質で仕事や趣味をこなしたい人へ

Zenbook Pro 15 OLEDは、美麗な有機ELディスプレイを搭載した高性能なノートパソコン。高画質なディスプレイで仕事や趣味をこなせるだろう。また、外付けGPUを搭載しないのもポイントで、国内メーカー製のスタンダードノートでは性能が足りないと感じている人に注目してほしいモデルだ。ゲームはしないが、それでも高性能なモデルが欲しいという需要はあるはず。Ryzen 9 5900HXという高性能なAPUと有機ELの組み合わせは、そんなハイスペック志向のユーザーにピッタリではないだろうか。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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