デルの「Alienware(エイリアンウェア)」は今年で誕生25年を迎えるゲーミングPCの老舗ブランド。今回は、そんなAlienwareの最新デスクトップである「Alienware Aurora R13」をレビューしていきたい。「これぞゲーミングPC」という、ド派手な見た目と巨大なボディに最新の高性能パーツが搭載されている。
インテルの第12世代Coreプロセッサーを搭載するAlienware Aurora R13(ルナライトモデル)。ディスプレイは同じくデルの「AW2521HFL」、キーボードは「AW510K」、マウスは「AW610M」
まずは新しいきょう体をチェックしよう。新しくなってはいるが、ひと目でAlienwareとわかる丸みを帯びた未来的な形状。SF映画に登場する脱出ポットのようで、今にも飛びそうな雰囲気だ。左側面は中身が見えるクリアパネルで、内部パーツや組み込まれたLEDが見える、ゲーミングPCらしいデザインだ。
今にも飛び立ちそうな勢いのある本体のフォルム。ルナライトモデルは真っ白いボディで前面と背面がブラックというカラーリング
右側面。本体はゲーミングデスクトップらしく、かなり大きめ
左側面はクリアパネルで内部が見える
本体サイズは約225(幅)×529(奥行)×510(高さ)mm、重量は12.3kg(最小重量)。従来モデルよりもサイズは一回り大きくなっている。前面はハニカムパターンで光るこだわりの作り。電源ボタンはグレイタイプの宇宙人の顔だ。
前面はクリアなパーツでハニカムパターンのLEDが埋め込まれている。電源ボタンはグレイタイプの宇宙人の顔
「Alienware Command Center」の「ALIENFX」にて照明の色や光り方をカスタマイズできる。最大1680万色のフルRGBをサポート。キーボードやマウスも合わせてカスタマイズできる
紫色に変更した様子。オフにもできる
内部パーツは専用品ということで、ケーブルの長さやレイアウトがきちんと計算されている。自作パソコンでここまできれいにするのはむずかしいかもしれない。内部へのアクセスはドライバー1本でOK。各種ドライブもツールレスで交換、増設できる。マザーボードはエアフローを考慮して設計された独自の形状のもの。今回試したモデルはオプションで選べる「Cryo-Tech水冷システム」を搭載。すぐれた冷却性能に加えて、独自の照明機能により、かっこよく光る。
背面のレバーのロックをドライバーで外すと再度パネルが取り外せる
サイドパネルを外した状態
Cryo-Tech水冷システムはファンも光る仕様
続いて今回試した「Alienware Aurora R13 スタンダードモデル」のスペックを確認しよう。CPUに12コア/20スレッドの第12世代Coreプロセッサーである「Core i7-12700KF」を、GPUに「GeForce RTX 3060 Ti」を搭載する。メモリーは16GB、ストレージは1TBのSSDと2TBのHDDという構成だ。
Alder Lakeこと第12世代Coreプロセッサーは、内部構造を刷新し、大幅に性能向上を果たした注目の最新CPU。最近はAMDに性能面で差を付けられていたインテルだが、本CPUは高性能コアと高効率コアを組み合わせ、高いパフォーマンスを実現している。
Alienware Aurora R13のラインアップは、GPUが「GeForce GTX 1660 Ti」から選べる「フルカスタマイズ」、「GeForce RTX 3060」から選べる「スタンダード」、「GeForce RTX 3070」から選べる「プレミアム」、「GeForce RTX 3080」から選べる「プラチナ」、「GeForce RTX 3090」を搭載する「スプレマシー」の5タイプ。どれだけグレードが下のGPUを選べるかでラインアップは分かれている。
メモリーはDDR5で容量は16GB/32GB/64GB/128GB、ストレージは512GB NVMe M.2 PCIe SSDから2TB NVMe M.2 PCIe SSD (ブート) + 2TB 7200RPM SATA 6Gb/s (ストレージ)まで5つのラインアップが用意されている。BTOの豊富さと最大構成の高さは、さすがAlienwareのフラッグシップモデルといったところだ。
外部インターフェイスは前面と背面に搭載されている。前面にはUSB Type-Cポート、USB Type-Aポート×3、ヘッドホン出力を備える。背面には各種音声出力と入力、USB Type-A、USB Type-C、 Killer E3100ギガビット イーサネットなど多くのポートが搭載されている
続いて各種ベンチマークプログラムの結果を見ていこう。
CPU性能を測定するベンチマークプログラム「CINEBENCH R20」の結果は、CPUが8560、シングルコアが721。シングルコアが700超え、そしてCPUは8000超えとなかなか見たことのないような高いスコアだった。「CINEBENCH R23」はCPUが22275、シングルコアが1883。第12世代Coreプロセッサーは期待通りのパフォーマンスを発揮してくれた。
CINEBENCH R20の結果。CPUが8000オーバーと非常に高いスコアを記録
CINEBENCH R23の結果。こちらも結果はハイスコア
パソコンの総合性能を測定する「PCMark 10」の結果。総合性能は7730。ゲームだけでなく、仕事や趣味も快適にこなせる
「3D Mark Professional」の結果は以下の通り。GeForce RTX 3060 Tiのパワーはなかなかあなどれない。フルHDなら多くのゲームを高フレームレートで楽しめるだろう。「フォートナイト」ではフルHD環境では120fps前後は余裕で出る。WQXGAでも100fps前後だったので、普通に楽しむ分には問題なしだ。
動作音は、ゲーム起動時やベンチマークの立ち上がり時に何度かブーンと大きな音が鳴るが、水冷ということもありすぐに静かになる。
「Time Spy」の結果
「Time Spy Extreme」の結果
「Port Royal」の結果
「Fire Strike」の結果
「Fire Strike Extreme」の結果
「Fire Strike Ultra」の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果。フルHD・最高画質でも評価は「非常に快適」
Alienware Aurora R13は見た目にも性能にもこだわりたいコアゲーマー向けのゲーミングPCだ。ド派手ながら使い勝手のいいボディ、予算やニーズに合わせてカスタマイズできるスペックで幅広いユーザーの要望に応えてくれるはずだ。259,523円からと値は張るが、これ1台あればPCゲームを快適にプレイできるだろう。
ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!