レビュー

どっちがキレイ? 「Xperia 1 V」と「AQUOS R8 pro」の広角カメラを比べてみた

価格.comマガジンでは2023年6月〜7月にかけて、ソニー「Xperia 1 V」の広角カメラと、シャープ「AQUOS R8 pro」のメインカメラのレビューを掲載した。ここではそれらの番外編として、「Xperia 1 V」と「AQUOS R8 pro」の広角カメラ(※「AQUOS R8 pro」は1.0倍ズーム時)の画質を比較してみた。

左がソニー「Xperia 1 V」で、右がシャープ「AQUOS R8 pro」。いずれもフラッグシップに位置付けられるハイエンドモデルだ

左がソニー「Xperia 1 V」で、右がシャープ「AQUOS R8 pro」。いずれもフラッグシップに位置付けられるハイエンドモデルだ

「1/1.35型センサー」と「1.0型センサーのクロップ・画素補間」のどっちが有利?

まずは、「Xperia 1 V」の広角カメラと、「AQUOS R8 pro」のメインカメラのスペックをおさらいしておこう。

「Xperia 1 V」の広角カメラは従来モデルから大きく進化している。撮像素子に、集光量が大幅に向上した新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSセンサー「Exmor T for mobile」を採用するうえ、センサーサイズも1/1.7型から1/1.35型に大型化した。

有効画素数は約4800万画素で、「Xperia」シリーズとして初めて4つの画素をひとつにまとめるピクセルビニング(画素混合)を採用。レンズは35mm判換算で焦点距離24mm相当の画角で、絞り値はF1.9だ。

「Xperia 1 V」は、メインカメラに超広角、広角、光学ズーム対応の望遠という3眼構成を採用。このうち広角カメラを刷新し、新開発の「Exmor T for mobile」センサーを採用したほか、センサーサイズも1/1.35型に大型化された

「Xperia 1 V」は、メインカメラに超広角、広角、光学ズーム対応の望遠という3眼構成を採用。このうち広角カメラを刷新し、新開発の「Exmor T for mobile」センサーを採用したほか、センサーサイズも1/1.35型に大型化された

「AQUOS R8 pro」のメインカメラは、撮像素子にスマートフォンとして最大の大きさである1インチ(1.0型)のCMOSセンサーを採用するシングルカメラ。レンズは、焦点距離19mm相当(35mm判換算)/絞り値F1.9の超広角レンズ「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」だ。

有効画素数は約4720万画素で、ピクセルビニングにも対応。より正確なオートホワイトバランスを実現する「14chスペクトルセンサー」を新たに搭載し、屋内の照明下や夕景など色再現が難しいシーンにおいて、より自然な色合いで撮影できるようになった。

今回の比較を行ううえで押さえておきたいのは、メインカメラのユニット自体はひとつで、クロップと画素補間を活用してズームを行うということ。レンズのスペックそのままの焦点距離19mm相当(35mm判換算)を「0.7倍」の超広角、クロップと画素補間を行う焦点距離24mm相当(35mm判換算)を「1.0倍」の広角として扱う仕様だ。撮像素子の大きさを生かし、クロップ・画素補間を行う「1.0倍ズーム」でも高画質に撮れることをウリにしている。

「AQUOS R8 pro」は、1インチ(1.0型)の大型センサーによるメインカメラを採用。焦点距離19mm相当(35mm判換算)の超広角レンズの右側に「14chスペクトルセンサー」を、左側にポートレートモード専用の測距用センサー(有効約190万画素)が備わっている

「AQUOS R8 pro」は、1インチ(1.0型)の大型センサーによるメインカメラを採用。焦点距離19mm相当(35mm判換算)の超広角レンズの右側に「14chスペクトルセンサー」を、左側にポートレートモード専用の測距用センサー(有効約190万画素)が備わっている

ここで気になるのが、「Xperia 1 V」の広角カメラと、「Xperia 1 V」のメインカメラ(1.0倍ズーム時)の画質だ。いずれも画角は35mm判換算で焦点距離24mm相当だが、1/1.35型センサーと、1インチ(1.0型)センサーのクロップ・画素補間でどのくらい画質に違いで出るのだろうか?

同じ被写体を撮影して比較

では、同じ被写体を撮影した比較作例を用いて、「Xperia 1 V」の広角カメラと、「AQUOS R8 pro」のメインカメラ(1.0倍ズーム時)の画質の違いをレポートしよう。

以下に掲載する作例を見比べると、色の傾向に違いはあるものの、どちらも高画質な撮影が可能なことがわかる。両モデルでそれほど極端な差はないように思えるが、解像感については、全体的に「Xperia 1 V」のほうがすぐれる結果となった。「Xperia 1 V」はノイズリダクションと解像感のバランスがよく、特に高感度の画質クオリティーが高い。

比較作例1 人物(DRO:オフ、オートHDR:オフ)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO160、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オフ撮影写真(4000×3000、2.9MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO160、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オフ
撮影写真(4000×3000、2.9MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO334、シャッタースピード:1/100秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オフ撮影写真(3968×2976、2.5MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO334、シャッタースピード:1/100秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オフ
撮影写真(3968×2976、2.5MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

窓からの自然光と、色温度の異なる複数の照明がある屋内で人物を撮影した作例。明るさ・階調を自動で補正する機能(「Xperia 1 V」の「Dレンジオプティマイザー(DRO)」、「AQUOS R8 pro」の「オートHDR」)はオフにしている。

注目したいのは色再現性で、「Xperia 1 V」はよりすっきりとした肌色に仕上がっている。「AQUOS R8 pro」は少しアンバー気味だ。どちらがすぐれているというわけではないが、見比べると「AQUOS R8 pro」は少し色が誇張されているように感じる。

解像感については、「Xperia 1 V」のほうがディテールの再現性が高いように見える。

比較作例2 人物(DRO:オン、オートHDR:オン)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO200、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン撮影写真(4000×3000、2.9MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO200、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン
撮影写真(4000×3000、2.9MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO292、シャッタースピード:1/100秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン撮影写真(3968×2976、2.3MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO292、シャッタースピード:1/100秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン
撮影写真(3968×2976、2.3MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

比較作例1と同じ状況で、明るさ・階調を自動で補正する機能(「Xperia 1 V」の「Dレンジオプティマイザー(DRO)」、「AQUOS R8 pro」の「オートHDR」)をオンにして撮影。色の傾向は比較作例1と似ていて、「Xperia 1 V」はすっきりとした感じで、「AQUOS R8 pro」はややアンバーが強い。明るさ・階調補正の処理についてはどちらも優秀で自然な仕上がりだ。

比較作例3 建物(DRO:オン、オートHDR:オン)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO25、シャッタースピード:1/200秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン撮影写真(4000×3000、4.1MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO25、シャッタースピード:1/200秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン
撮影写真(4000×3000、4.1MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO50、シャッタースピード:1/490秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン撮影写真(3968×2976、3.6MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO50、シャッタースピード:1/490秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン
撮影写真(3968×2976、3.6MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

この作例では細かいところの解像感を見てほしい。スマートフォンのディスプレイではそれほど違いがないように見えるもしれないが、画像としては「Xperia 1 V」のほうが全体的にシャープだ。輪郭が極端に太い感じがなく、適度にエッジの立った描写が得られている。比べると「AQUOS R8 pro」は少し精細感に欠ける印象。

比較作例4 屋内(DRO:オフ、オートHDR:オフ)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO160、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オフ撮影写真(4000×3000、3.5MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO160、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オフ
撮影写真(4000×3000、3.5MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO64、シャッタースピード:1/27秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オフ撮影写真(3968×2976、3.4MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO64、シャッタースピード:1/27秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オフ
撮影写真(3968×2976、3.4MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

色温度の低い照明があって、窓から外光が入る室内で撮影した作例。「Xperia 1 V」の「Dレンジオプティマイザー(DRO)」と、「AQUOS R8 pro」の「オートHDR」はオフにしている。

この作成では色に大きな違いが出た。「Xperia 1 V」は若干ブルー寄りのホワイトバランスで、少し薄暗いその場の雰囲気をうまく再現している。対する「AQUOS R8 pro」は若干アンバー気味で、より華やかな印象の写真に仕上がっている。

「Xperia 1 V」は記録色寄り、「AQUOS R8 pro」は記憶色寄りの再現と言えばよいだろうか。どちらがよいというわけではなく、好みの分かれるところだ。

比較作例5 屋内(DRO:オン、オートHDR:オン)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO160、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST 、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン撮影写真(4000×3000、3.5MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO160、シャッタースピード:1/50秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST 、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン
撮影写真(4000×3000、3.5MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO196、シャッタースピード:1/100秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン撮影写真(3968×2976、3.2MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO196、シャッタースピード:1/100秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン
撮影写真(3968×2976、3.2MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

比較作例4と同じ状況で、「Xperia 1 V」の「Dレンジオプティマイザー(DRO)」と、「AQUOS R8 pro」の「オートHDR」をオンにして撮影。「Xperia 1 V」「AQUOS R8 pro」ともにハイライトのトーンを抑えた写真に仕上がっている。色の傾向は比較作成4と同じだ。

比較作例6 夕景(DRO:オン、オートHDR:オン)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO64、シャッタースピード:1/320秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン撮影写真(4000×3000、3.2MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO64、シャッタースピード:1/320秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン
撮影写真(4000×3000、3.2MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO50、シャッタースピード:1/205秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン撮影写真(3968×2976、2.8MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO50、シャッタースピード:1/205秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR:オン
撮影写真(3968×2976、2.8MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

色の再現が難しい夕景で比較してみた。「Xperia 1 V」は若干コントラストが強く、メリハリのある写真に仕上がりに。「AQUOS R8 pro」は、夕陽のオレンジを強調しつつ、日没間際の少しくすんだ空の色が表現できている。

どちらもきれいな写真ではあるが、その場の雰囲気をうまく再現できているのは「AQUOS R8 pro」のほうではないだろうか。

比較作例7 夜景(ISO800、DRO:オン、オートHDR:オン)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO800、シャッタースピード:1/40秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン撮影写真(4000×3000、3.5MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO800、シャッタースピード:1/40秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、クリエイティブルック:ST、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン
撮影写真(4000×3000、3.5MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO800、シャッタースピード:1/63秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR撮影写真(3968×2976、3.4MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO800、シャッタースピード:1/63秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR
撮影写真(3968×2976、3.4MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

ISO800の高感度で撮影した夜景作例。両モデルで露出値が少し異なるのと、「AQUOS R8 pro」はHDR処理が強いため、「AQUOS R8 pro」のほうが明るい仕上がりになった。

注目したいのは、高感度ノイズと解像感。ノイズはどちらもよく抑えられている。解像感はわずかに「Xperia 1 V」のほうが高く、細かいところの再現性にすぐれる印象。

比較作例8 夜景(ISO1600、DRO:オン、オートHDR:オン)

Xperia 1 V

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO1600、シャッタースピード:1/20秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン、クリエイティブルック:ST撮影写真(4000×3000、4.3MB)

Xperia 1 V、広角カメラ(24mm)、感度:ISO1600、シャッタースピード:1/20秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、Dレンジオプティマイザー(DRO):オン、クリエイティブルック:ST
撮影写真(4000×3000、4.3MB)

AQUOS R8 pro

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO1600、シャッタースピード:1/38秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR撮影写真(3968×2976、3.6MB)

AQUOS R8 pro、ズーム:1.0倍/24mm、感度:ISO1600、シャッタースピード:1/38秒、絞り値:F1.9、ホワイトバランス:オート、オートHDR
撮影写真(3968×2976、3.6MB)

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

切り出し画像(等倍50%)

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

左が「Xperia 1 V」で、右が「AQUOS R8 pro」

ISO1600では両モデルの高感度処理に違いが出た。「Xperia 1 V」は、ノイズの量が少し多いものの、解像感が高いのがポイント。「AQUOS R8 pro」は、ノイズが少なくクリーンな画像ではあるが、ノイズリダクションが強くディテールが潰れている印象。写真の仕上がりとしては「Xperia 1 V」のほうがクオリティーの高い結果となった。

色については、「Xperia 1 V」はやや青味がかった仕上がり。「AQUOS R8 pro」は少し黄色がのっている。

メインカメラの操作性/アプリにも違いがある

「Xperia 1 V」と「AQUOS R8 pro」のメインカメラは、操作性やアプリの使い勝手に違いがある。簡単にレポートしておこう。

「Xperia 1 V」
独立したシャッターボタンを用意。仕上がり設定「クリエイティブルック」も搭載

「Xperia 1 V」の操作性では、本体の右側面に、独立したシャッターボタンを備えているのが大きな特徴。一般的なデジタルカメラのように、シャッターボタンを半押しすることでAFを動作させ、全押しすることでシャッターを切ることが可能だ。

右側面下部に、独立したシャッターボタンを搭載。半押し操作が可能だ

右側面下部に、独立したシャッターボタンを搭載。半押し操作が可能だ

標準搭載のカメラアプリは、多機能な「Photography Pro」。ソニー製デジタルカメラのユーザーインターフェイス(UI)を取り入れており、カメラを使うような感覚で操作できるのが特徴のアプリだ。「BASIC」モード、「AUTO」モード、マニュアル露出モード(P/S/M)といった撮影モードが用意されている。

「Photography Pro」は、ソニー製デジタルカメラと同じ機能名やアイコン表示を採用している。「αシリーズ」や「サイバーショット」シリーズのカメラを持っている人なら、使い始めから操作に悩むことはないだろう

「Photography Pro」は、ソニー製デジタルカメラと同じ機能名やアイコン表示を採用している。「αシリーズ」や「サイバーショット」シリーズのカメラを持っている人なら、使い始めから操作に悩むことはないだろう

「Xperia 1 V」の「Photography Pro」では、一眼カメラ「αシリーズ」に採用されている仕上がり設定「クリエイティブルック」を「Xperia」シリーズとして初めて搭載するのも見逃せない。標準的な設定の「ST」、彩度・コントラストが高めの「VV」、彩度・コントラストを抑えつつ適度にメリハリをつける「IN」など6種類を選択できる。

計6種類のプリセットを選択できる仕上がり設定「クリエイティブルック」を搭載

計6種類のプリセットを選択できる仕上がり設定「クリエイティブルック」を搭載

「AQUOS R8 pro」
必要十分な機能を持つカメラアプリ。「ポートレート」や「ナイト」といった専用モードを用意

「AQUOS R8 pro」に標準で搭載されるカメラアプリは十分な機能性を備えている。撮影画面では、タップしてフォーカスポイントを指定したり、AEマークをドラッグして露出決定のポイントを変更したりできる。画面上のアイコンをタッチすることで「オートHDR」などの機能をオン/オフできるのが便利だ。

さらに、「ポートレート」や「ナイト」といった被写体別の専用モードが用意されているのも特徴。「マニュアル写真」モードでは、シャッタースピード、感度、AF/MF、ホワイトバランスなどを調整して撮ることができる。彩度やコントラストなども調整可能だが、「Xperia 1 V」の「クリエイティブルック」のような、仕上がり設定のプリセットは用意されていない。

「AQUOS R8 pro」のカメラアプリの撮影画面。「マニュアル写真」モードでは、シャッタースピードや感度、ホワイトバランスなどを調整できる

「AQUOS R8 pro」のカメラアプリの撮影画面。「マニュアル写真」モードでは、シャッタースピードや感度、ホワイトバランスなどを調整できる

なお、「AQUOS R8 pro」は、「Xperia 1 V」とは異なり、本体に独立したシャッターボタンを搭載していない。音量キーの長押しで連写撮影は可能だが、基本的に、カメラアプリ上でシャッター操作を行う仕様だ。

まとめ 「Xperia 1 V」の広角カメラが優秀。「AQUOS R8 pro」は色再現性に特徴

「Xperia 1 V」の広角カメラと、「AQUOS R8 pro」のメインカメラ(1.0倍ズーム時)の画質を比べてみたが、いかがだっただろうか?

同じ画角(35mm判換算で焦点距離24mm相当)での比較ということで違いがわかりやすかったと思うが、全体的には、「Xperia 1 V」の広角カメラが思った以上に高画質だったのが印象に残った。1/1.35型の「Exmor T for mobile」センサーとピクセルビニングの組み合わせは優秀で、低感度でも高感度での高い解像感が得られるのがよい。期待を裏切らない画質と言っていいだろう。

「AQUOS R8 pro」のメインカメラ(1.0倍ズーム時)については、若干シャープさに欠ける感じがあるものの、「14chスペクトルセンサー」の搭載によって色再現性が向上しているのがポイント。やや記憶色寄りで、夕景など色の再現が難しいシーンでも雰囲気のよい写真に仕上げてくれる。

なお、「AQUOS R8 pro」のメインカメラを、レンズのスペックそのままの「0.7倍」の超広角(35mm判換算で焦点距離19mm相当の画角)で使用すると、1インチ(1.0型)センサーをフルに生かした、ナチュラルな解像感が得られることは付け加えておきたい。「1.0倍ズーム」では、クロップと画素補間による画像処理が影響して解像感が少し落ちてしまうようだ。

どちらもハイレベルなメインカメラを搭載しているが、「Xperia 1 V」は、操作性を含めて多機能なのが特徴で、より本格的な撮影に向いているモデル。「AQUOS R8 pro」は、1インチ(1.0型)センサーのポテンシャルを生かした画質に魅力を感じるモデルと言えそうだ。

真柄利行(編集部)

真柄利行(編集部)

フィルム一眼レフから始まったカメラ歴は、はや約30年。価格.comのスタッフとして300製品以上のカメラ・レンズをレビューしてきたカメラ専門家で、特にデジタル一眼カメラに深い造詣を持つ。フォトグラファーとしても活動中。

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