今秋公開予定の「iOS 17」のパブリックベータ版を使って、注目の新機能を5つ紹介します。パブリックベータ版は誰でも無料で試せますが、正式版とは違うところがある可能性が高く、使えない機能もあります。一般の人は今秋公開予定の正式版をお待ちください。なお、今回はアップルから許可を得た上で、画像を掲載しています。
今秋公開予定の「iOS 17」(画像はアップルのホームページより)
パブリックベータ版は誰でも試せますが、開発者やサービス提供者がアプリの挙動などを確認するのが主な目的です
まずは「連絡先ポスター機能」です。電話アプリの機能のひとつで、電話をかけると、相手のiPhoneの画面に自分が作成した画像が表示されるというもの。これまでは文字だけでしたが、同機能を使えば、誰からの電話かが画像で、ひと目でわかります。
何が楽しいかというと、「連絡先ポスター」を作成すること。写真、emoji、ミー文字、文字のデザインなどいろいろと調整できます。ロック画面の編集に似ているので、難しいことはありません。ぜひ自分らしい「連絡先ポスター」を作成してみてください。
写真、emoji、ミー文字などを使って作成できる「連絡先ポスター」
「メッセージ」アプリは多くの点がアップデートされます。まず、左下のプラスボタンを押すと、カメラ、写真、位置情報などよく送信する項目が表示され、上にスワイプするか、「その他」をタップすると、「iMessage」対応アプリがすべて見られます。
左下のプラスボタンをタップすると、よく使うアプリが表示されます
一番下の「到着確認」も新機能です。今回は試せてはいませんが、目的地に到着したことを、家族や友達に自動で知らせることができる機能で、途中で動きが止まると、位置情報やバッテリー残量などが共有されます。15分以上遅れると連絡がいくそうです。もちろん、情報はすべて暗号化されているので安全。子どもの見守りに便利そうな機能です。
「到着確認」は、目的地にしっかり向かっているかを確認できる機能。子どもや家族を見守るのに使えそうです
オーディオメッセージの書き起こしも便利。パブリックベータ版ではすでに日本語に対応しており、精度も高めでした。電車移動中など、音よりも文字のほうが確認しやすいシーンが多いので、オーディオメッージをリアルタイムで書き起こしてくれるのは便利そうです。
オーディオメッセージの書き起こしを日本語で試しましたが、リアルタイムでしっかり書き起こしてくれました
メッセージの一部機能ですが、「iMessage」で使える「ステッカー」の新機能にも注目です。写真の一部を切り抜いて、「メモ」アプリに貼り付けられる機能を活用したもので、切り抜いた画像を「ステッカー」にできます。
また、前後数秒を動画で記録する「Live Photos」の写真を使えば、動きのある「Liveステッカー」が作成可能。「キラキラ」「ぷくぷく」「コミック」「アウトライン」といったエフェクトでアレンジして、自分だけの「Liveステッカー」を作ってみましょう。
「Live Photos」を使った「Liveステッカー」。エフェクトを加えることもできます。自分だけのオリジナルスタンプ作りを楽しみましょう
「iOS 17」では、充電中のiPhoneを横向きに置くと、時計やカレンダーが全画面で表示されます。「スタンバイ」という新機能で、ベッドサイドの時計として使うことを想定しています。「スタンバイ」を使えば、iPhoneをスマートディスプレイのように使えます。
iPhoneを横向きで充電できるベルキンの「BOOST↑CHARGE PRO 2-in-1 Wireless Charger Stand with MagSafe」。「WWDC 2023」の基調講演で使われていた充電スタンドです。アップルストアでの価格は14,200円(税込)
表示スタイルは3つ用意されており、左右スワイプで切り替え可能。1つ目はウィジェットが左右に1つずつ並んだもので、時計とタスク、株価と温度などいろいろと組み合わせられます。ウィジェットは上下スワイプで変更可能。2つ目は写真で、時計と撮影日が上に表示されます。3つ目は全画面の時計。上下スワイプでデザインが切り替えられ、アラームも表示されます。
左右に2つのウィジェットが並んだスタイル。時計やカレンダー、音楽再生などいくつかのウィジェットが用意されています
写真はアルバムからランダムに再生されます
寝室で使うなら全画面の時計が便利そうです。周囲が暗いときは、赤の色調で表示されます(これも設定でオン・オフ可能)。「睡眠」モードのときは、画面は消えるので睡眠のじゃまはしません。近接センサーで近づくと、表示されます
そのほか、「LINE」などの通知も表示されました。「Siri」を使って天気をチェックしたり、タイマーをセットしたりもできます。使い勝手はスマートディスプレイに近いと思います。
この「スタンバイ」を使うためには、「MagSafe」対応でiPhoneを横向きにできる充電器があると便利です。秋以降はさまざまなメーカーから登場しそうです。
「BOOST↑CHARGE PRO 2-in-1 Wireless Charger Stand with MagSafe」は、iPhoneに15W充電が可能。さらに、台座部分にQi規格のワイヤレス充電器が備わっており、「AirPods」の充電もできます
「スタンバイ」は設定でオン・オフできます
iPhoneユーザーにはおなじみの共有機能「AirDrop」。「iOS 17」ではますます便利な機能になりそうです。
新機能の「NameDrop」では、iPhone同士またはApple Watchを近づけると、共有したい電話番号かEメールアドレスを選んで、前述の連絡先ポスターとともに交換できます。かなり近づけないと動作しないので、誤って知らない人と共有するということはなさそうです。共有する情報を選べるのもありがたい。
年内登場予定ですが、「AirDrop」でデータ転送中にその場を離れても、インターネット経由で転送が続けられるようになる機能も加わります。忙しいときに大容量データを共有する場合、「AirDrop」が終わるまで待たなくてもよくなるのは大きいのではないでしょうか。
「iOS 17」(パブリックベータ版)の「AirDrop」画面
今秋登場するiOS 17の注目機能を5つ紹介しました。これ以外にも、「ライブ留守番電話」(Live Voicemail)、動画メッセージが残せるようになる「FaceTime」、今年後半登場する「ジャーナル」などさまざまな新機能が搭載されます。秋には新しいiPhoneも登場する予定なので、そちらも楽しみに待ちたいです。
なお、「iOS 17」に対応するiPhoneは以下のとおり。中古iPhoneとして人気の「iPhone 8」がアップデート対象外になったのは大きいかもしれませんね。
「iOS 17」に対応するiPhone
iPhone 14
iPhone 14 Plus
iPhone 14 Pro
iPhone 14 Pro Max
iPhone 13
iPhone 13 mini
iPhone 13 Pro
iPhone 13 Pro Max
iPhone 12
iPhone 12 mini
iPhone 12 Pro
iPhone 12 Pro Max
iPhone 11
iPhone 11 Pro
iPhone 11 Pro Max
iPhone XS
iPhone XS Max
iPhone XR
iPhone SE(第2世代以降)
ガジェットとインターネットが好きでこの世界に入り、はやいもので20年。特技は言い間違いで、歯ブラシをお風呂、運動会を学芸会、スプーンを箸と言ってしまいます。お風呂とサウナが好きです!