レビュー

最強スマホならコレ! 「Galaxy S24 Ultra」レビュー

サムスンは最新スマートフォン「Galaxy S24」シリーズの3モデル「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」を2024年1月18日に発表。グローバルでは1月31日より販売開始されました。

記事執筆時点で日本での発売予定についてはアナウンスされていませんが、すでに国内向けにも製品公式サイトが設けられており、近日中にどのキャリアから、いつ発売されるのか発表されるものと思われます。今回は最上位モデル「Galaxy S24 Ultra」のグローバル版を借用したので、実機レビューをお届けいたします。

サムスン「Galaxy S24 Ultra」。グローバルでの販売価格は1299米ドルからです

サムスン「Galaxy S24 Ultra」。グローバルでの販売価格は1299米ドルからです

フラッグシップならではの差別化が図られた「Galaxy S24 Ultra」

「Galaxy S24 Ultra」は、今回発表された「S24」シリーズの中で最も大きな約6.8インチの有機ELディスプレイを搭載した最上位モデル。プロセッサー(SoC)はシリーズで共通して「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載していますが、2億画素の広角カメラを搭載し、最新規格Wi-Fi 7を採用。また、ボディにチタニウムフレームや強化ガラス「Corning Gorilla Armor」を使用するなど、ワンランク上、まさにフラッグシップならではの差別化が図られています。

基本スペックをまとめると、OSはAndroid 14をベースにした「One UI 6.1」、SoCはクロック周波数を通常版より高めに設定した「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を採用。メモリーは12GB(LPDDR5X)、ストレージは256GB/512GB/1TB(UFS 4.0)を搭載しています。

ディスプレイは、6.8インチの有機ELディスプレイ(3120×1440、最大120Hz駆動、ピーク輝度2600nit)を搭載します。

カメラは背面に1200万画素の超広角カメラ(120度、F2.2)、2億画素の広角カメラ(F1.7)、5000万画素の光学5倍ズーム対応望遠カメラ(F3.4)、1000万画素の光学3倍ズーム対応望遠カメラ(F2.4)、前面に1200万画素のカメラ(F2.2)を搭載しています。

ネットワークは5G(Sub-6/ミリ波)、nanoSIMカード×2+eSIMに対応。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.3、NFCに対応。Wi-Fi 7に対応するのは「Galaxy S24 Ultra」のみです。

ボディは前述のとおりチタニウムフレームが採用されており、カラーはチタニウムグレイ、チタニウムブラック、チタニウムバイオレット、チタニウムイエローの4色を用意。防水防塵はIP68をサポートしています。

旧モデル「Galaxy S23 Ultra」と比較すると、主に下記の点が進化しています。

OS:Android 13 → Android 14
SoC:Snapdragon 8 Gen 2 → Snapdragon 8 Gen 3
最大ピーク輝度:1750nit → 2600nit
強化ガラス:Gorilla Glass Victus 2 → Gorilla Armor
望遠カメラ:1000万画素光学10倍ズーム対応望遠カメラ → 5000万画素光学ズーム5倍対応望遠カメラ
ワイヤレス通信:Wi-Fi 6E → Wi-Fi 7
サイズ:163.4×78.1×8.9mm → 162.3×79×8.6mm
重量:234g → 233g
材質:アルミフレーム → チタニウムフレーム

また、今回のウリとして「モバイルAI」に注力。双方向音声翻訳やテキスト翻訳を利用できる「リアルタイム翻訳」、画像検索機能「かこって検索(Circle to Search)」、メモ内容を要約してタイトルも付けてくれる「ノートアシスト機能」、生成AIにより高度な画像編集を行える「ジェネレーティブ編集機能」などが利用可能です。「Galaxy S24」シリーズは、「Galaxy AI」と名付けられたAI機能が、ハードウェア以上の注目点と言えます。

強化ガラス「Corning Gorilla Armor」は、「一般的なガラス表面と比較して反射を最大75%まで低減」、「競合のアルミノシリケート製カバーガラスと比べて4倍以上の耐擦傷性」とうたわれています

強化ガラス「Corning Gorilla Armor」は、「一般的なガラス表面と比較して反射を最大75%まで低減」、「競合のアルミノシリケート製カバーガラスと比べて4倍以上の耐擦傷性」とうたわれています

「Galaxy S24 Ultra」はGalaxyシリーズで初めてチタニウムフレームを採用。耐久性と寿命が伸長したとのこと

「Galaxy S24 Ultra」はGalaxyシリーズで初めてチタニウムフレームを採用。耐久性と寿命が伸長したとのこと

本体底面(下)にはSIMカードトレイ、USB 3.2 Gen 1 Type-Cポート、Sペンスロットを配置

本体底面(下)にはSIMカードトレイ、USB 3.2 Gen 1 Type-Cポート、Sペンスロットを配置

フラットディスプレイにより、両サイドぎりぎりまで自然に筆記が可能

フラットディスプレイにより、両サイドぎりぎりまで自然に筆記が可能

試用した「Galaxy S24 Ultra」はnanoSIMカードを2枚装着可能なデュアルSIMスロットを搭載。nanoSIMカード×2、nanoSIMカード+eSIM、デュアルeSIMの3通りの運用に対応

試用した「Galaxy S24 Ultra」はnanoSIMカードを2枚装着可能なデュアルSIMスロットを搭載。nanoSIMカード×2、nanoSIMカード+eSIM、デュアルeSIMの3通りの運用に対応

生体認証は、ディスプレイ内蔵指紋認証と顔認証をサポート

生体認証は、ディスプレイ内蔵指紋認証と顔認証をサポート

「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは207万超え

まずは、実機でのベンチマークを見てみましょう。今回定番ベンチマーク4本を実施したところ、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは2075120、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは7272、Single-Core Scoreは2307、「3DMark」のWild Life Extremeは5110、「Geekbench ML」のTensorFlow Lite NNAPI Scoreは709となりました。

前モデル「Galaxy S23 Ultra」の「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは1566825、「Geekbench 6」はMulti-Core Scoreが5091、Single-Core Scoreは1958、「3DMark」のWild Life Extremeは3845でした。つまり、「Galaxy S24 Ultra」は「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアで132%相当、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreで143%相当、Single-Core Scoreで118%相当、「3DMark」のWild Life Extremeで133%相当のスコアを記録したことになります。

ちなみに、記事執筆時点の「AnTuTu Benchmark V10」のランキングでは「Galaxy S24 Ultra」は9位。特別版の「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載していますが、安定性や低消費電力を重視したセッティングにしているのかもしれません。

なお、ベンチマークテストは「Game Booster設定」のゲームの最適化を「パフォーマンス」に設定して実施しています。

各種ベンチマークのテスト結果

各種ベンチマークのテスト結果

記事執筆時点の「AnTuTu Benchmark V10」のランキング1位は「一加手机12(OnePlus 12)」で総合スコアは2188135。「Galaxy S24 Ultra」はその約95%相当のスコアです

記事執筆時点の「AnTuTu Benchmark V10」のランキング1位は「一加手机12(OnePlus 12)」で総合スコアは2188135。「Galaxy S24 Ultra」はその約95%相当のスコアです

「ジェネレーティブ編集機能」の仕上がりは被写体や背景によって左右される

今回は試用期間が限られていたため、「Galaxy AI」については、生成AIにより高度な画像編集を行なえる「ジェネレーティブ編集機能」のみを試しました。ギャラリーから画像を開き、写真から任意の被写体を大まかに選択すると、被写体のみが正確に選択されます。その対象を長押しすれば任意の位置に配置すると、生成処置を経て情報を保管された画像が完成します。

肝心の仕上がりについては、切り抜き自体はキレイに行えていますが、影がそのまま残っているので違和感はあります。背後の人工物(マウスやコントローラー)については、形状を正確に再現できていません。とはいえ、被写体や背景によっては、もっと自然な仕上がりになる可能性は十分あります。

画像のように、写真中央のスプレーを左下に移動させてみました

画像のように、写真中央のスプレーを左下に移動させてみました

左が生成前、右が生成後の画像です。スプレーの背後に置いてあるマウスが微妙な感じに。形状が複雑なものほど、細かなディテールまで再現するのは難しいようです

左が生成前、右が生成後の画像です。スプレーの背後に置いてあるマウスが微妙な感じに。形状が複雑なものほど、細かなディテールまで再現するのは難しいようです

「Galaxy AI」により100倍ズームで細かいディテールを再現

最後にカメラを見てみましょう。「Galaxy」シリーズは従来からカメラに定評があり、今回テストした限りでは0.6倍から10倍までの領域では、40インチ強のディスプレイに全画面表示しても鑑賞に堪える画質を備えています。

驚いたのは100倍ズームです。「Galaxy AI」が効果を発揮しているのか、かなり離れた時計の細かい文字まで克明に再現されました。

また2000万画素広角カメラの50Mモード、200Mモードでは、12Mモードを大きく超える解像感を確認できました。とはいえ、100倍ズームのほうが細かく解像しているので、望遠端では50MP光学5倍望遠カメラを積極的に活用することをおすすめします。50Mモード、200Mモードはトリミングの自由度が高いモードととらえたほうがよさそうです。

「ナイトモード」も従来の「Galaxy」シリーズの高画質を継承しており、強い光源の白飛びを強力に抑えつつ、暗部のノイズもほとんど気になりません。暗部ノイズの低減については「Galaxy AI」の恩恵が大きいと思われます。

広角カメラ

1倍(12Mモード)

1倍(12Mモード)

1倍(50Mモード)

1倍(50Mモード)

1倍(200Mモード)

1倍(200Mモード)

左から12Mモード(ファイルサイズ4.9MB)、50Mモード(17.2MB)、200Mモード(34.3MB)。高解像度モードではファイルサイズが大きくなりますが、そのぶんトリミングの自由度が高くなります

左から12Mモード(ファイルサイズ4.9MB)、50Mモード(17.2MB)、200Mモード(34.3MB)。高解像度モードではファイルサイズが大きくなりますが、そのぶんトリミングの自由度が高くなります

望遠カメラ

光学ズーム3倍

光学ズーム3倍

光学ズーム5倍

光学ズーム5倍

デジタルズーム10倍で撮影

デジタルズーム10倍で撮影

デジタルズーム100倍

デジタルズーム100倍

ナイトモード

低照度でもノイズが非常に少ないです

低照度でもノイズが非常に少ないです

シリーズ最上位モデルとして最注目の1台

「Galaxy S24 Ultra」は最新SoCを採用することで処理性能が大幅アップ。また、「Galaxy AI」によるAI機能は、使い勝手を着実に向上させています。特に「リアルタイム翻訳」機能については、コミュニケーションのハードルを大きく下げてくれそうです。現時点では国内キャリアでどのくらいの価格で販売されるかわかりませんが、「Sペン」を内蔵できる「Galaxy S24 Ultra」はシリーズ最上位モデルとして最注目の1台であることは間違いありません。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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