レビュー

アイリスオーヤマの10インチタブレット比較! エントリーとミドルはどっちがいい?

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アイリスオーヤマの最新10インチタブレット2機種、エントリー機「TE104M4V1-B」(以下、「TE104」)と、上位モデルとなるミドルレンジ機「TM103M4V1-B」(以下、「TM103」)を比較した。価格.comにおける価格差は約6,000円の絶妙な価格差だ(2024年6月中旬時点における価格)が、実際に使ったことでわかった両機の特徴を解説しよう。

アイリスオーヤマの10インチタブレット2機種を比較

アイリスオーヤマの10インチタブレット2機種を比較

■ボディを比較
サイズはほぼ同じだが「TM103」は薄くて持ちやすい

まず両機のサイズを比較しよう。

両機ともサイズはほとんど変わらないが、1mm薄い「TM103」のほうが持ちやすく多少の高級感も感じた。いっぽう「TE104」のボディは樹脂の質感そのままでコストを重視した印象が強い。なお、両機種ともに防水・防塵に対応していないので、水がかかりやすい場所で使う場合は注意がいる。

両機ともサイズに大きな違いはないが、上位機種の「TM103」は厚さを9mm以下に抑えている

両機ともサイズに大きな違いはないが、上位機種の「TM103」は厚さを9mm以下に抑えている

■バッテリーやインターフェイスを比較
両機種ともGPS対応

次に、バッテリーや外部接続インターフェイスやセンサーを見てみよう。

「TE104」は容量6000mAh、「TM103」は7100mAhのバッテリーを搭載している。ただ、両機のバッテリー持ちは体感上大きな違いは感じられなかった。わかりやすい違いは充電時間で、「TM103」は出力18WのUSB PD充電器を使えば2時間半程度でフル充電が可能。いっぽう「TE104」は、10Wの充電対応なのでフル充電に4時間以上かかった。なお、両機とも充電器は同梱されておらず、別途用意する必要がある。

センサー類を見ると両機に大きな違いはない。いずれも、安価なWi-Fiタブレットでは省略されやすいGPSを搭載している。さらに、地磁気センサー、加速度センサーも備えているので、スマホのテザリングやモバイルWi-Fiルーターを組み合わせればカーナビや歩行ナビ、位置ゲーム用途にも使える。いっぽう、NFCは両機種とも搭載していないため、家電製品との連携は別の方法が必要になる。

■サウンド性能を比較
「TM103」はステレオ対応

両機ともヘッドホン端子を搭載している。「TE104」はモノラルスピーカー、「TM103」は、4基のスピーカーを使ったステレオ再生が行える。なお、「Dolby Atmos」のようなサウンドエンハンサーは両機種とも対応していない。映像の視聴を考えるとやはりステレオスピーカーは欲しい。映像視聴を目的とするなら「TE103」がベターだろう。

■ディスプレイを比較
「TM103」のほうが断然高画質・高性能

両機種のディスプレイを比較しよう。

両機のディスプレイのサイズは同じだが、解像度が異なる。10.1インチのサイズに対して1280×800の解像度はやや不足で、「TE104」では少し粗い印象を受ける。いっぽう、1920×1200の表示が可能な「TM103」は十分に緻密な表示が行える。

左が「TM103」、右は「TE104」。明るさや発色の良好さで「TM103」が有利

左が「TM103」、右は「TE104」。明るさや発色の良好さで「TM103」が有利

アイコンの画像で解像感を比較した。左が「TE104」で右が「TM103」。ドットの滑らかさが異なる

アイコンの画像で解像感を比較した。左が「TE104」で右が「TM103」。ドットの滑らかさが異なる

解像度以外に注目しても「TM103」のほうが画質は有利だ。これは、「TM103」のディスプレイは、液晶パネル本体に保護ガラスを直接貼り付けた現在主流のタイプなのに対して、「TE104」は液晶パネル本体と保護ガラスの間にすき間がある旧式の液晶を使っていることが影響している。

「TM103」のディスプレイは透明感がありコントラストも高い。いっぽう、「TE104」はくすんだ画質だ。また、最大輝度についても、「TM103」が300ニトを確保しているが、「TE104」は250ニトで暗め。両機のわかりやすい違いはディスプレイになるだろう。

ディスプレイでもうひとつ異なるのは「WideVineセキュリティレベル」だ。「TE104」はレベル3(L3)なのに対して、「TM103」はレベル1(L1)。「WideVineセキュリティレベル」は、動画のサブスクリプションサービスで表示できる解像度の上限に影響する。レベル1(L1)であれば制約はないが、レベル3(L3)の場合、SD画質にとどまる。先に触れたステレオスピーカーの有無に加えてディスプレイの性能でも「TM103」は映像視聴に適している。

■処理性能を比較
3Dゲームも一応楽しめる「TM103」

両機の基本性能に関するスペックをまとめた。

両機種とも4GBのメモリーを搭載しており、日常の用途なら不満を感じることは少ないはずだ。なお、128GBのストレージを備える「TM103」なら、アプリを追加しても多少余裕がある。いっぽう64GBのストレージとなる「TE104」では、ストレージ容量の節約を意識する必要がありそうだ。両機種とも512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備えている点も評価できる。

OSのバージョンアップは、メーカーとしてはっきりとした方針を打ち出していないので判断がしにくい。ただ、過去に発売された製品はセキュリティアップデートを複数回実施している実績がある。

ベンチマークテストの結果を比較しよう。「AnTuTuベンチマーク(バージョン10.X)」の総合スコアは「TE104」が228213、「TM103」が395649となった。「TE104」のスコアはエントリー機相応だが、「TM103」は2万円台後半の製品としては意外と健闘している。また、サブスコアを見ると主に3Dを使ったゲームの描画に大きく影響する「GPU」のスコアで大きな差があり、「TM103」なら負荷レベルを調整すればそうしたゲームもぎりぎり動作可能だ。いっぽう「TE104」で、3Dを使ったゲームは厳しい。

「AnTuTuベンチマーク(バージョン10.X)」の結果。総合スコアでかなりの差がある。特に「GPU」の値が3倍以上の大差となっていることに注目したい

「AnTuTuベンチマーク(バージョン10.X)」の結果。総合スコアでかなりの差がある。特に「GPU」の値が3倍以上の大差となっていることに注目したい

「TM103」なら3Dを使ったゲームも画質レベルを調整次第でコマ落ちは抑えられる

「TM103」なら3Dを使ったゲームも画質レベルを調整次第でコマ落ちは抑えられる

「TE104」でも2Dを使ったゲームなら十分快適に動作する

「TE104」でも2Dを使ったゲームなら十分快適に動作する

■まとめ
現状6,000円程度の価格差なら「TM103」は相当の高コスパ

以上、アイリスオーヤマの10インチタブレット最新2機種を比較した。両機種とも、使い勝手に大きく影響するGPSや、4GBのメモリーを搭載するなど、かなりまじめに作られている。安価な製品だが、譲れない点をしっかり守っているのはメーカーの見識と良心だろう。

動画や映像を楽しみたいのであれば「TM103」が適する。いっぽう、「TE104」は子どもに一時的に持たせるなど、用途や予算が限られている場合に選ぶのがよいだろう。ただ、価格.comにおける最安価格は「TE104」が20,790円、「TM103」が26,800円(いずれも2024年6月中旬時点における値)。価格差はわずか6,000円しかないなら、「TM103」のほうが断然満足できる買い物になるだろう。

田中 巧(編集部)
Writer / Editor
田中 巧(編集部)
通信を中心にしたIT系を主に担当。Androidを中心にしたスマートデバイスおよび、モバイルバッテリーを含む周辺機器には特に注力している。
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