レビュー

コンパクトなボディに十分な性能! 「Surface Laptop Go 3」が人気の理由とは?

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マイクロソフトのPC・タブレット「Surface」シリーズは、持ち運びやすく、またキーボードに加えてタッチ操作にも対応するモデルです。

その中でも、小型でノートPCとしての利用に特化した「Surface Laptop Go 3」は、価格.com内の「ノートパソコン 人気売れ筋ランキング」で上位(9位 2024年7月2日時点)をキープし続けています。コンパクトな製品は得てして力不足なこともありますが、はたしてどうなのか。人気の理由と合わせて探ってみました!

「Surface Laptop Go 3 XJB-00004 [プラチナ]」、価格.com最安価格:84,495円(2024年7月2日時点)

「Surface Laptop Go 3 XJB-00004 [プラチナ]」、価格.com最安価格:84,495円(2024年7月2日時点)

「Surface Laptop Go 3」はどんなパソコン?

・Microsoft Office搭載でビジネス用途にピッタリ
携帯性が高い小柄なボディ
・ゲームなどを遊ぶにはスペック不足

持ち歩きやすさを重視した12.4型のノートPC

Windowsの開発元として有名なマイクロソフトは、ビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって1975年に創業された米国のPCメーカー。元々はソフトウェア開発・販売が主軸でしたが、2012年にWindows 8搭載タブレットとして「Surface」を発売。以降、さまざまな需要に対応するため、シリーズのラインアップが拡充されました。

メーカーが「普段使いに最適」とするように「Surface Laptop Go 3」はノートPCタイプのSurfaceシリーズ中でスタンダードな機種です

メーカーが"普段使いに最適"とするように「Surface Laptop Go 3」はノートPCタイプのSurfaceシリーズ中でスタンダードな機種です

メーカー公式サイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/surface)では「Surface」シリーズのノートパソコンは大きく「ノートPC」と「2 in 1 PC」に分かれています。ノートPCタイプはキーボード一体型で、その名のとおりノートPCとしての利便性をより高めています。

いっぽう、「2 in 1 PC」に該当する製品は脱着式のキーボードにより、タブレットとしてもノートPCとしても利用可能です。

今回、紹介する「Surface Laptop Go」は、ノートPCシリーズの中で"普段使いに最適"とされています。現状「Surface Laptop」は「Copilot+ PC」認定のハイエンドモデル、「Surface Laptop Studio」はクリエイティブ用途にも対応できるモデル、となっているため、ノートPCタイプで一般的な用途に使うなら、今回レビューする「Surface Laptop Go」シリーズが妥当でしょう。

第12世代Core i5搭載でMicrosoft Officeが付属

CPUは第12世代の「Core i5 1235U」が搭載されている

CPUは第12世代の「Core i5 1235U」が搭載されている

「Surface Laptop Go 3」にはバリエーションがありますが、どのモデルも同じ第12世代インテル「Core i5 1235U」を搭載しており、ターボ・ブースト利用時の最大周波数は4.40GHzです。なお、すべてのモデルに「Microsoft Office Home and Business 2021」が付属しています。

どんな用途に向いている?

「Surface Laptop Go 3 XJB-00004」 筆者による評価チャート

価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート

価格.com「ノートパソコン」でのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けたレーダーチャート

評価チャートについて
・実際に製品を使用して、価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けました。
評価項目:満足度、デザイン、処理速度、グラフィック性能、拡張性、使いやすさ、持ち運びやすさ、バッテリー、画面、コストパフォーマンス
点数:5点満点(標準点は3点)
・本記事を執筆した筆者による個人的な評価です。評価は個人によって変わりますので、あくまでも参考程度にとどめてください。

「Surface Laptop Go 3 XJB-00004 [プラチナ]」のユーザーレビュー一覧

「Surface Laptop Go 3」は、外出先でちょっとした作業を行う分には十分な性能と言えます。ただし、別シリーズや他社の最新モデルと比べるとやはりスペックに物足りなさを感じます。

いっぽうで、重量が1.13kg、ディスプレイが12.4型と、軽量かつコンパクトであるため、持ち運びが苦にならず、場所を選ばずに作業できる点はかなり便利です。さらに、「Microsoft Office Home and Business 2021」が搭載されているため、「Word」「Excel」「PowerPoint」などのOfficeソフトが利用できるのはメリットで、かつ高コスパです。

また、バッテリーの持ちは公称値ほどではないものの、1日の業務は十分こなせる印象です。このため、フリーアドレス制オフィスでの利用や、サブマシンとして打ち合わせに持ち歩くなど、ビジネス用途には最適。また、大学生が使うノートパソコンとしてもいいと思います。

いっぽう、画面が小さめなので、写真編集やグラフィック作業にはやや不向きです。また、グラフィック機能は比較的上位の「Intel Iris Xe Graphics」ですが、こちらはCPU内蔵の機能です。動画の視聴などでは問題ありませんが、処理が重いゲームには向いていません

小さいディスプレイでも狭さを感じない画面比率

「Surface Laptop Go 3」は12.4型の 「PixelSense」 ディスプレイを採用しており、解像度は1536×1024。3:2という画面比率のおかげで、一般的なフルHDディスプレイの16:9よりも、横幅に対して縦幅があります。そのため、WebサイトやOfficeドキュメントが見やすく感じられます。数値的にはフルHDより若干狭いのですが、作業エリアは十分快適なレベルで確保できます。

なお、「Surface」全モデル共通の仕様ですが、ディスプレイは10ポイントのマルチタッチに対応しており、タッチ操作が可能です。ただし、残念ながら「Surfaceペン」には非対応です。

画面比率が3:2と縦に広いのが特徴。ディスプレイの表示は標準で100%と拡大なしの設定になっています。このため、画面上の文字はやや小さいものの、解像度の数値で見るほど作業エリアの狭さは感じられません

画面比率が3:2と縦に広いのが特徴。ディスプレイの表示は標準で100%と拡大なしの設定になっています。このため、画面上の文字はやや小さいものの、解像度の数値で見るほど作業エリアの狭さは感じられません

A4よりも小さい本体は確かに持ち運びしやすい

「Surface Laptop Go 3」の特徴は「Surface Laptop」シリーズの中で最もコンパクトなこと。本体サイズは278(幅)×206(奥行)×15.7(厚さ)mmで、いわゆるA4サイズよりやや小さめです。重量は1.13kgで、これも「Surface Laptop」シリーズで最軽量です。

1kgを切る他社製モバイルノートのように、持った瞬間に「軽っ!」と驚くほどではありませんが、非常に軽量な部類に入ります。実際に持ってみても重量感はなく、むしろ持ち運びやすい印象です。

A4サイズのコピー用紙と並べてみると、そのコンパクトさがよくわかります。アルミニウムや、ポリカーボネート樹脂からなる本体は、いわゆる超軽量ノートのような筐体のペコペコさはありません。これなら、毎日カバンに入れて持ち歩いたとしても安心です

A4サイズのコピー用紙と並べてみると、そのコンパクトさがよくわかります。アルミニウムや、ポリカーボネート樹脂からなる本体は、いわゆる超軽量ノートのような筐体のペコペコさはありません。これなら、毎日カバンに入れて持ち歩いたとしても安心です

電源アダプターのケーブルは本体右側面にある「Surface Connect」に接続。ケーブルはどちら向きでも接続可能です。マグネット方式なのでうっかりケーブルを引っ掛けてしまっても、本体まで引きずられて落下する心配がありません

電源アダプターのケーブルは本体右側面にある「Surface Connect」に接続。ケーブルはどちら向きでも接続可能です。マグネット方式なのでうっかりケーブルを引っ掛けてしまっても、本体まで引きずられて落下する心配がありません

ちなみに、電源は小型ですが2ユニットタイプなので持ち歩きはやや面倒です。充電可能なUSB Type-Cポートを搭載しているため、持ち歩き用として、小型のPD充電器とUSB Type-Cケーブルを用意するのもアリかもしれません

ちなみに、電源は小型ですが2ユニットタイプなので持ち歩きはやや面倒です。充電可能なUSB Type-Cポートを搭載しているため、持ち歩き用として、小型のPD充電器とUSB Type-Cケーブルを用意するのもアリかもしれません

操作性は良好だがポート数は少なめ

それでは実際に「Surface Laptop Go 3」を使ってみて、操作性や使い勝手をレビューしていきましょう。なお、今回レビューに使用したモデルは、16GBメモリー+256GB SSDの構成です。

キーボード&タッチパッド

キーボードは日本語配列のファンクションキー付きで、キーピッチ(間隔)は約19mm。「Enter」キーがやや小さいものの、十分な間隔があるので打ちづらさは感じません。キーストローク(沈み込み)もほどほどに確保されており、見た目よりもソフトな打ち心地なので長時間でも指先が痛くなるようなことはないでしょう。

特徴的なのがスペーキーの左右に「無変換」や「変換」「カタカナ ひらがな ローマ字」キーがないことです。代わりに「A」「あ」と記載されたキーがあり、これで日本語・英語を切り替えます。なお、キーボードにはLEDバックライトがないので、暗い場所でのキー判別は困難です。

スペースキーの左にある「A」キーで英語入力、スペースキーの右にある「あ」キーで日本語入力に切り替えられます。ちなみに、カーソルキーの左にあるリストのようなアイコンのキーでは、コンテキスト(右クリック)メニューを開けます

スペースキーの左にある「A」キーで英語入力、スペースキーの右にある「あ」キーで日本語入力に切り替えられます。ちなみに、カーソルキーの左にあるリストのようなアイコンのキーでは、コンテキスト(右クリック)メニューを開けます

電源キーは「Del」キーの左にあるため、誤操作で電源を切ってしまう心配はありません。また、電源キーは軽く押した程度では沈み込まないようになっているので、うっかり触ってしまっても安心です。なお、電源キーには指紋センサーが内蔵されており、指紋認証が利用できます

電源キーは「Del」キーの左にあるため、誤操作で電源を切ってしまう心配はありません。また、電源キーは軽く押した程度では沈み込まないようになっているので、うっかり触ってしまっても安心です。なお、電源キーには指紋センサーが内蔵されており、指紋認証が利用できます

タッチパッドは特別広くはありませんが、狭すぎることもないため、指3本でもしっかりジェスチャー操作できます。タッチ感度は悪くありませんが、標準設定ではカーソルの動きはやや重く感じました

タッチパッドは特別広くはありませんが、狭すぎることもないため、指3本でもしっかりジェスチャー操作できます。タッチ感度は悪くありませんが、標準設定ではカーソルの動きはやや重く感じました

ディスプレイ

タッチ操作対応のディスプレイもレスポンスは良好です。Webページのスクロールや電子書籍のページめくりなども快適に行えます。ただし、画面が小さいため、タスクバーのアイコンを選択するなどの細かな部分は、タッチ操作だと思いどおりにいかないこともあります。

画質に関しては、フルHDを下回るものの、ディスプレイサイズが小さいためか、それなりにキレイ。ネット動画なども十分楽しめます。暗い部分や明るい部分の表現はやや弱い印象がありますが、十分満足できるでしょう。ただし、画面が光沢タイプなので、指紋や映り込みは若干気になります。

元々の解像度は高くないものの、粗さはさほど感じません。底面のステレオスピーカーからの音質は、若干ざらざら感がありますが、音の広がりも十分感じられるので許容範囲です

元々の解像度は高くないものの、粗さはさほど感じません。底面のステレオスピーカーからの音質は、若干ざらざら感がありますが、音の広がりも十分感じられるので許容範囲です

ディスプレイ上部には720pのカメラが内蔵されており、ビデオ会議などに利用できます。ただし、カメラ画質は結構粗く、暗い部分も潰れがちなので、「Microsoft Teams」などのWeb会議ツールを使う場合は、明るさやフォーカスを調整するとよいでしょう。内蔵マイクの音質もややこもりがちなので、ヘッドセットの利用がおすすめです。なお、カメラはプライバシーシャッターがなく、顔認証にも対応していません。

Webカメラの画質は若干粗めですが、オンライン授業やWeb会議レベルであれば十分対応できるでしょう

Webカメラの画質は若干粗めですが、オンライン授業やWeb会議レベルであれば十分対応できるでしょう

外部インターフェイス

外部インターフェイスに関しては、左側面にUSB3.2 Type-C×1、USB3.1×1、ヘッドホン端子×1の構成で数は少なめ。なお、USB-C端子はPD充電や映像出力にも対応しています。SDカードスロットがないのは残念です。

左側面にUSB3.1とUSB3.2 Type-C、ヘッドホン端子があるだけなので、拡張性は低め。USB3.2 Type-Cが給電だけではなく映像出力に対応しているのはグッド。外出先や自宅でモニターに映像出力する際にも対応できます

左側面にUSB3.1とUSB3.2 Type-C、ヘッドホン端子があるだけなので、拡張性は低め。USB3.2 Type-Cが給電だけではなく映像出力に対応しているのはグッド。外出先や自宅でモニターに映像出力する際にも対応できます

2つのUSBポートはお互いに干渉することはありません

2つのUSBポートはお互いに干渉することはありません

バッテリー性能

バッテリー容量は41Whで、公称の駆動時間は最大15時間。駆動時間は使い方や設定で変わりますが、タッチ対応ディスプレイを搭載している分、一般的なディスプレイより消費電力は大きいのか? と個人的に感じました。

ちなみに、YouTube動画を流しっぱなしの状態では、駆動時間は約7時間15分でした。

ディスプレイ輝度と音量を50%に設定して、電源モードは「最適なパフォーマンス」を選択。Wi-Fi 6でインターネットに接続してYouTube動画を流しっぱなしにしたところ、連続駆動時間は約7時間15分でした

ディスプレイ輝度と音量を50%に設定して、電源モードは「最適なパフォーマンス」を選択。Wi-Fi 6でインターネットに接続してYouTube動画を流しっぱなしにしたところ、連続駆動時間は約7時間15分でした

これならフル充電しておけばアダプターなしで外出しても大丈夫でしょう。

ビジネス用途では快適ないっぽう、動画編集やゲームは×

最後に、各種ベンチマークの結果をまとめておきます。

今回使用した「Surface Laptop Go 3」のスペックは以下のとおりです。

CPU:第12世代 インテル Core i5 1235U(10コア・最大4.40GHz)
メモリー:16GB(LPDDR5)
ストレージ:256GB SSD(取り外し可能)
ディスプレイ:12.4型 PixelSense ディスプレイ(1536×1024)
グラフィック:Intel Iris Xe グラフィックス

なお、ベンチマーク測定は電源を接続した状態で行い、電源モードは「高パフォーマンス」を選択しています。このため、バッテリー駆動時に「最適なパフォーマンス」で使用する場合は、ここでのスコアよりさらに低下します。

「CineBench R23」のスコア

シングルコア:1435
マルチコア:5491

悪くはありませんが、あえて最新の高級機と比べるとスコアは約半分程度。若干物足りなさは感じます。ただ、ビジネス用途で困ることはありません

「3DMark」のスコア

Fire strike:3676
Time spy:1155
Steel Nomad Light:960
Steel Nomad:132
Speed Way:測定不可

CPU内蔵グラフィックなのでグラフィックのスコアは高くありません。このスコアだとフルHDクラスの動画編集は可能ですが、それ以上になると快適な作業は望めません。もちろん、ゲームはフルHDでも快適なプレイは厳しいでしょう。3DMarkの結果からもそれは明らかです。

「3DMark」の各種テスト結果

「3DMark」の各種テスト結果

まとめ 学生用、あるいは仕事用サブマシンには高コスパで最適

ひと言で表すと、「Surface Laptop Go 3」は学生用、あるいは仕事用サブマシンに最適な1台です。

持ち歩き重視の「Laptop Go」シリーズなので、やはりメリットは持ち運びのしやすさです。
そのうえで、比較的重いドキュメントを開くのなら確実に16GBモデルですが、Webブラウジングやメール、Officeソフトを使った作業程度であれば、割り切って8GBモデルを選ぶのもいいでしょう。上でも少し触れましたが、サブスク版ではない正規のパッケージ版「Microsoft Office Home and Business 2021」付きで実売約85,000円は圧倒的な高コスパです。

さらに付け加えると、実は「Surface Laptop Go 3」が属する「11型(インチ)〜13型(インチ)未満」というカテゴリーは、競合が意外なくらいに少ないのです。同カテゴリーにはパナソニックの「Let’s note」シリーズがありますが、こちらはちょっと高額。それ以外の製品はCPUの性能が低めのものが大半です。

携帯性と作業効率をギリギリ両立する画面サイズ。一般的な作業を十分こなすCPU性能。そして前述の高コスパ。これらをうまくまとめたマイクロソフトの企画力こそが人気の理由といえるかもしれません。

功刀友如
Writer
功刀友如
ゲーム会社のCGデザイナーから、社内デザイナーがいると勘違いして出版社に転職。以降、雑誌編集者としてPC・スマホを中心とした雑誌やムックを担当。現在はフリーランスとして、デジタルガジェットやホビー系グッズ関連の誌面やWeb記事を担当しています。趣味はバイクとコンシューマーゲームで、嫌いな夏休みの宿題は「読書感想文」です。
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柴田崇志(編集部)
Editor
柴田崇志(編集部)
モノ雑誌で10年弱編集を経験した後、カカクコムに入社。前職ではAV家電やカメラを中心に幅広い製品を担当。スペックからわかりづらい製品の違いをわかりやすく説明したいです。
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