「Pavilion Aero 13 Ryzen 5・16GBメモリ・512GB SSD・マウス付 価格.com限定モデル」(以下、「Pavilion Aero 13 Ryzen 5」)は、コストパフォーマンスの高さで定評がある軽量のモバイルノートパソコン。2025年8月22日時点での価格.com最安価格は10万円台で、価格.com「モバイルノート」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで上位をキープする人気製品です。その実力をチェックしました。
コスパの高さで人気の「Pavilion Aero 13 Ryzen 5」。ボディカラーはナチュラルシルバーです
「Pavilion Aero 13 Ryzen 5」の特徴としてまず押さえておきたいのは、ボディの軽さです。堅牢性の高いリサイクルマグネシウム合金を採用し、重量は1kg切る約990gに抑えられています。
本体重量は約990g。1kgを切っているとかなり軽く感じます
いざ持ってみると、その軽さを実感できます。パソコンを持ち歩く機会が多い人にとって、この軽さは、うれしいポイント。持ち運ぶストレスや負担を大いに軽減してくれることでしょう。携帯性では、本体の厚さが約17.4mm(最厚部)に抑えられているのもポイントで、ショルダーバッグなどにもすっと入って収納できます。
本体の厚さは約17.4mm(最厚部)。軽くて薄いボディに仕上がっています
本機の液晶ディスプレイは13.3インチで、画面解像度はWUXGA(1920×1200ドット)。非光沢仕様のIPSディスプレイです。なお、タッチ操作には対応していません。
13.3インチ/ WUXGAの液晶ディスプレイを採用。両サイドのベゼルは比較的狭く設計されています
外部インターフェイスは、USB Type-C×2、USB Type-A×2、HDMI、ヘッドホン端子という構成。USB Type-Cの伝送速度は10Gbpsで、本体の充電や外部ディスプレイへの接続をサポートします。
USB Type-C×2、USB Type-A×2、HDMIなど、モバイルノートとしてひと通りの外部インターフェイスを搭載しています
充電アダプター(出力65W)のほかにワイヤレスマウスも同梱します
キーボードの打鍵感は良好。マウスも持ち心地がよいです
ここからは、ベンチマークソフトによるスコアを見ていきましょう。
本機のスペックは、CPUが「Ryzen 5 8640U」、メモリーが16GB、ストレージが512GB SSD。これらのスペックだけを見ると、あまり高性能とは言えない印象ですが、実際のベンチマーク結果はどうでしょうか。
「Ryzen 5シリーズ」搭載を示すバッジ
まずは、定番のベンチマークソフト「PCMark 10」を使って検証してみました。「PCMark 10」では、性能を以下の3項目に分けて評価します。
・Essentials 簡単な作業を行うための一般的なPC向けの指標
・Productivity 一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作向けの指標
・Digital Content Creation 写真、動画、そのほかのデジタルコンテンツ編集向けの指標
「PCMark 10」の結果
・Essentials:目安4100以上推奨に対して9165
・Productivity:目安4500以上推奨に対して8747
・Digital Content Creation:目安3450以上推奨に対して7164
上記のような結果となりました。いずれの項目でも目安スコアを上回っています。
筆者は以前、本機よりも上位グレードのCPU「Ryzen 7 8840U」を搭載する上位機「Pavilion Aero 13 Ryzen 7」をレビューしています。こちらのモデルの価格.com最安価格は11万円台(2025年8月22日時点)。約1万円の価格差がありますが、「PCMark 10」のスコアはどのくらい変わるのでしょうか? 結果は以下のようになっています。
・Essentials
上位機(Ryzen 7 8840U搭載):9215
本機(Ryzen 5 8640U搭載):9165
・Productivity
上位機(Ryzen 7 8840U搭載):9147
本機(Ryzen 5 8640U搭載):8747
・Digital Content Creation
上位機(Ryzen 7 8840U搭載):8074
本機(Ryzen 5 8640U搭載):7164
このように、思ったほど大きな差は見られませんが、「Digital Contents Creation」では、1割以上のスコア差があります。本機が搭載する「Ryzen 5」よりも「Ryzen 7」のほうがわずかに高性能な内蔵GPUを搭載しているので、その差もあるのでしょう。
次は、パソコンの総合的な性能を評価するベンチマークソフト「Geekbench 6」の結果を見ていきましょう。
「Geekbench 6」の結果
シングルスコアが2145、マルチスコアが9172、GPUスコアが17884という結果に。こちらも「Ryzen 7 8840U」搭載の「Pavilion Aero 13 Ryzen 7」とスコアを比べてみましょう。
シングルスコア
上位機(Ryzen 7 8840U搭載):2159
本機(Ryzen 5 8640U搭載):2145
マルチスコア
上位機(Ryzen 7 8840U搭載):10453
本機(Ryzen 5 8640U搭載):9172
GPUスコア
上位機(Ryzen 7 8840U搭載):24557
本機(Ryzen 5 8640U搭載):17884
それぞれのスコア差は、CPUグレードどおりといった印象。グラフィック性能は、かなり差が開いていますね。動画編集などに手を出す可能性がある人は、「Ryzen 7」搭載の上位機を選んだほうが安心でしょう。
「Cinebench R23」の結果
総合的な性能を評価できる「Cinebench R23」でのベンチマーク結果は、シングルコアが1461pt、マルチコアが9830ptという結果に。10万円台のノートパソコンとしては、上位の性能と言えるのではないでしょうか。
「DaVinci Resolve」で動画編集をテスト
最後は、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」を使って、4K動画を編集してみました。プレビューするとかなりの頻度でカクつきますが、短い動画のカットなら、なんとかなりそうなレベル。フルHDまで解像度を下げて、確認しながらのカット編集であれば、現実的に対応できそうです。エフェクトやLUT(ルックアップテーブル)まで当ててしまうと、かなり厳しいかもしれません。
本機の魅力は、重量約990gの軽量ボディに十分な性能を搭載しながら、10万円台(2025年8月22日時点の価格.com最安価格)で手に入れられるコスパの高さです。今回使ってみて、ブラウジングや文書作成といった軽い作業であれば、上位機との性能差は感じられませんでした。
なお、HPの「Pavilionシリーズ」は現在では名称を変えており、後継機として「HP OmniBook 7 Aero 13-bg」が発売されています。こちらの最新モデルは、AI対応の最新CPUを搭載しており、より快適に作業をこなしたいという人に適しています。価格は約13万円〜となっています。
性能だけを考えれば、上位機や、後継機の「HP OmniBook 7 Aero 13-bg」を選びたいところですが、少しでも安く使い勝手のよいモバイルノートを求めるのなら、10万円台で購入できる本機のコストパフォーマンスの高さはやはり魅力的。映像編集やゲームなどで高いグラフィック性能を必要としないのであれば、本機で十分に満足できるはずです。