携帯電話料金の値上げが進むいっぽう、ユーザーが利用する通信量も拡大傾向にある。そこで今回は、携帯3社が提供する中容量プランについて、現状とその内容を改めてまとめてみたい。
2025年にスマートフォンだけでなく、ついに携帯電話料金も値上げが進むこととなったが、2026年もその傾向は大きく変わらないと考えられる。ただいっぽうで、ユーザーが利用する通信量、いわゆる「ギガ」も、動画視聴ニーズの増加などによって毎年拡大傾向にある。
それゆえ携帯料金を安くしたいからといって、5GB前後の小容量プランに乗り換えるのは現実的ではない人も多いだろう。そうした人に向けては、データ通信が使い放題で3000円台という楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」という選択肢もあるが、「できれば携帯電話会社を変えたくない」と思っている人も少なくないはずだ。
楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」はデータ通信使い放題でも月額3000円台と非常にお得だが、同社のネットワーク品質を気にする人も多い
そうした人たちにとって有効な選択肢となるのが、通信量30GB前後の中容量プランだ。自宅にWi-Fiが利用できる環境が整備されており、なおかつ外出先でひんぱんに動画を見るのでなければ、30GB程度の通信量でも事足りることが多い。また中容量プランのなかには、使わなかった通信量を翌月に繰り越す仕組みを備えているものもあり、うまく活用すればデータ通信の多い月も繰り越し分でカバーできます。
それゆえ毎月30GBを超えたデータ通信をしていないという大容量プラン契約者ならば、中容量プランに移行するだけで料金の節約が可能だ。しかも中容量プランは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が直接提供しており、ワイモバイルやUQモバイルといったサブブランドなどへの移行が必要なケースはあるものの、ネットワークは同じなので日常的な使い勝手が大きく変わらないのがメリットだ。
そこで今回は、携帯3社が提供する中容量プランについて、現状とその内容を改めてまとめてみたいと思う。携帯3社の中容量プランは一部の例外を除いて、大きく分けるとサブブランドを中心にショップで契約できるプランと、Webサイトなどで直接契約するオンライン専用プランの2つが存在する。
前者は携帯各社のショップでのサポートなどが受けられるものの、料金を安くするには指定の固定ブロードバンド回線やクレジットカードを利用することで適用される割引が必要になる。後者は割引不要で安く利用できるが、基本的にショップでの契約やサポートはできず、Webやチャットなどオンラインのサービスで自己解決する必要がある。
まずはNTTドコモの中容量プランだが、ショップでも契約できるプランとしては「ドコモポイ活20」、オンライン専用のプランとしては「ahamo」が用意されている。
「ドコモポイ活20」は、月当たりの通信量が20GBまでの場合月額7,898円、20GB以上であれば9,570円で使い放題になる段階制のプランで、基本料金だけを見れば中容量プランのなかでは非常に高額だ。ただ「ポイ活」という名前が付いているとおり、各種割引に加え「d払い」「dカード」での支払時に得られるポイント還元が優遇され、それを加味することで実質的な料金が大幅に安くなる仕組みが備わっている。
「ドコモポイ活20」の仕組み。基本料金はかなり高いが、割引と“ポイ活”を合わせると実質的な料金が大幅に抑えられる仕組みだ
内容がやや複雑なのだが、「ドコモポイ活20」には「みんなドコモ割」(最大で月額1,210円引き)と「dカードお支払い割」(最大で月額550円引き)、「ドコモでんきセット割」(月額110円引き)「ドコモ光セット割」または「home 5Gセット割」(月額1,210円引き)という4つの割引が用意されている。これらを最大限適用すると月額料金は20GBまでで4,818円、20GB超で6,490円となる。
「ドコモポイ活20」の割引は全部で4つ。「みんなドコモ割」は契約する家族の数、「dカードお支払い割」は「dカード」の種類によって割引額が変化する
加えて「ドコモポイ活20」には、d払いまたはdカードの支払いで最大5%還元が受けられる特典が用意されており、「dカード GOLD」以上であればおよそ5万円の支払いで上限の2500ポイントを獲得できる。このポイントが消費税抜きで2,500円相当となるため、これを消費税抜きの月額料金から差し引いたうえで消費税を加えると、実質料金は20GBまでで月額2,068円、20GB超で3,740円と、大幅に安く利用できるわけだ。
ポイント還元特典の獲得上限は、「dカード」「d払い」共通で2500ポイント。還元率は決済手段を問わず、dカードの種類によって変化するが、執筆時点では一律5%還元のキャンペーン中である
この内容だけを見ると、割引やポイント還元を得る環境を整えるハードルは非常に高いと感じてしまうかもしれない。だが「ドコモMAX」などNTTドコモの大容量プランで、すでに複数の割引を適用している人が乗り換えるのであれば、ハードルはそこまで高いわけではないし、再び大容量プランに戻しやすいことから有力な選択肢となるだろう。
いっぽうの「ahamo」は、提供当初からシンプルさを大きな特徴としているだけあって、複雑な割引は一切なく、通信量30GBで1回当たり5分間の国内無料通話が付いて、月額料金は2970円と非常にシンプルだ。
「ahamo」はドコモポイ活20とは大きく異なり、複雑な割引は一切なく月額2,970円で30GBのデータ通信と1回5分の国内無料通話が利用できるプランだ
ただ現在では、「ahamo」にもいくつかオプションが用意されている。具体的には、80GBの通信量を追加できる「大盛りオプション」(月額1,980円)と、d払いやdカードで3%のポイント還元が受けられる特典が付く「ポイ活オプション」など。複雑な割引は嫌だが大容量通信を使いたいという人は、これらオプションを有効活用するのがよいだろう。
さらに、ahamoは契約やサポートがオンラインのみという制約があることも特徴だが、最近はその仕様にも変化が出てきている。実際、有料の「ahamo Webお申込みサポート」「ahamo Webお手続きサポート」(1回当たり3300円)を利用すれば、ドコモショップでスタッフが契約や各種手続きをサポートしてくれる。
また2025年11月からは、量販店や一部の販売店などで「ahamo乗り換え・新規契約フェア」を実施しており、量販店やドコモショップのサテライト店舗、出張店舗など、ドコモショップ以外であればリアル店舗でも「ahamo」の新規契約ができるようになっている。このフェアは終了日未定のため、将来的にドコモショップに広がる可能性もあるかもしれない。
NTTドコモは量販店やドコモショップのサテライト店舗などで「ahamo乗り換え・新規契約フェア」を実施。「ahamo」をオフラインで契約可能だ
なお、「ドコモポイ活20」や「ahamo」は、いずれもサブブランドではなくNTTドコモの料金プランのひとつという位置付けなので、「ファミリー割引」のグループに入ることが可能。ほかの家族がNTTドコモを契約していても、「みんなドコモ割」などの割引人数が減らないというメリットがある。後述するKDDIやソフトバンクのサブブランドやオンライン専用ブランドは、異なるブランド間で家族割引施策が適用できないだけに、この点はNTTドコモだけのメリットと言えるだろう。
続いてKDDIだが、同社のオンライン専用プラン「povo 2.0」は位置付けがやや特殊なこともあり、中容量はすべてサブブランドの「UQ mobile」がカバーしている。それゆえどのプランも店舗での契約やサポートが利用できるほか、あまった通信量を翌月に繰り越す仕組みも整えられている。
「UQ mobile」の「トクトクプラン2」は、通信量5GBまでで月額2,948円、30GBまでで月額4,048円での利用が可能な段階制プラン。「自宅セット割」(月額1,100円引き)と「au PAYカードお支払い割」(月額220円引き)を適用することで、月額料金をそれぞれ1,628円、2,728円に引き下げられる。
「UQ mobile」の「トクトクプラン2」は、通信量5GBまでと5〜30GBまでの2段階で料金が変化する
もうひとつの「コミコミプランバリュー」は、月額3,828円で通信量35GB、なおかつ1回当たり10分間の無料通話が利用できるプランだ。割引の仕組みがないことから他社のオンライン専用プランに近い位置付けとなるが、競合プランと比べると料金がやや高めだ。
もうひとつのプラン「コミコミプランバリュー」は、通信量35GBで1回10分までの国内無料通話が付いて月額3,828円と、他社のオンライン専用プランに近い位置付けだ
その理由のひとつは店舗での契約やサポートが利用できること、そしてもうひとつは「Pontaパス」(月額548円)がセットになっていることにある。KDDIは2024年よりコンビニエンスストア「ローソン」の経営に参画しており、ローソンでお得に利用できるクーポンなどを提供しているPontaパスをセットにすることで、送客につなげる狙いがあるのだろう。
コミコミプランバリューには通常月額548円の「Pontaパス」がセットになっており、「ローソン」でお得になる特典などが得られるが、その分料金はやや高めだ
それゆえ自宅セット割の対象となる固定ブロードバンドサービスを契約しているなら「トクトクプラン2」を、それらを契約していない人や、音声通話をよく使う人、ローソンに行く機会が多い人などは、「コミコミプランバリュー」を選ぶといいだろう。
最後にソフトバンクだが、中容量プランとしてはサブブランドのワイモバイルで提供されている「シンプル3」、そしてオンライン専用プランLINEMOの「LINEMOベストプランV」がそれに相当する。
ワイモバイルの「シンプル3」はS/M/Lプランの3つが用意されているが、通信量はSプランが5GBであるのに対し、Mプランは30GB、Lプランは35GBであることから、中容量プランとしてはMまたはLプランを選ぶことになる。月額料金はMプランが4.158円、Lプランが5,258円なのでMプランがお得に見えるが、Lプランには国内通話1回当たり10分間の無料通話が付いているので、通話重視の人はLプランのほうがお得になる。
「ワイモバイル」の料金プラン「シンプル3」はS・M・Lの3つだが、中容量に属するのはこのうちM・Lの2プラン
そして「シンプル3」は「PayPayカード割」(月額最大550円引き)と「おうち割光セット(A)」(月額1,650円引き)を適用することで最も大きな割引が受けられ、Mプランであれば月額1,958円、Lプランであれば月額3,058円で利用できる。両プランともにあまった通信量の繰り越しや、「LYPプレミアム(月額508円でLINEアプリやYahoo!ショッピングなどのオプションが付く)」が無料で付属するなどの特典が用意されているので、それらを有効利用すればよりお得に利用できるはずだ。
いっぽうの「LINEMOベストプランV」は、月額2,970円で30GBの通信量と1回当たり5分間の国内無料通話が利用できるプラン。以前のLINEMOのプランにはなかった国内無料通話が付いたことで、現在はよりahamoに近いプランとなっている。
オンライン専用LINEMOの中容量プラン「LINEMOベストプランV」は、通信量30GBで1回5分の無料通話が付いて月額2,970円と、ahamoにかなり近い内容
なおLINEMO独自のサービスとして、LINEアプリでのトークや通話の通信量が加算されない特典が付いているが、それに加えてLINEMOベストプランVは、「LINEスタンプ プレミアム(ベーシックコース)」が無料で利用できる特典、「LINEスタンプ プレミアム for LINEMO」の対象となっている。LINEを多く利用する人にとってはかなりお得と言えるだろう。
「LINEMOベストプランV」は2025年12月より「LINEスタンプ プレミアム for LINEMO」に対応、対象のLINEスタンプが追加料金なしで使い放題となる
3社の中容量プランは基本的に、
(1)店頭サポートはあるが安く使うには割引が必須
(2)割引不要で安いがオンラインサポートのみ
のいずれかのプランを選ぶことになるので、自分の使い方に応じた料金プランを選んでほしい。
なお、格安SIMの詳細以下のリンクから確認しよう。