レビュー

“最強”のタフネススマホ「TORQUE G02」実力レポート

2015年7月中旬の発売が予定されている、auのタフネススマートフォン「TORQUE G02」(京セラ製)。“最強”の呼び声が高いその耐久性の実力を記者向けに紹介する説明・実演会が開催された。その様子からTORQUE G02の特徴に迫ってみよう。

踏まれても平気!? 驚きのタフネス性能を備えたTORQUE G02の実力に迫ってみよう(写真は、強化ガラス越しに実際に踏んで撮影したものです)

ボディが大きくなり、耐久性はさらに向上!

auの最新スマートフォンであるTORQUE G02は、以前より北米市場で「TORQUE」シリーズを発売していた京セラのテクノロジーが集結した強力なタフネススマホだ。

本機は、解像度は従来どおりのHD表示だが、従来モデルの「TORQUE G01」の約4.5インチよりもひと回り大画面化した約4.7インチのIGZO液晶を備える。サイズは約72(幅)×147(高さ)×14.2(厚さ)mmで、最厚部17mm、重量約203gとなっており、かなり大きくなった。搭載されるCPUは、Snapdragon 400 MSM8928(1.4GHz)で、2GBのRAM、16GBのストレージを採用している。密閉性の高い大き目のボディに、排熱を考慮した控えめのハードウェアを組み合わせるのがタフネススマートフォンの定石だが、本機もその例に漏れないオーソドックスな成り立ちといえるだろう。

もちろん、ロースペック機というわけではない。OSに最新のAndroid 5.1(Lollipop)を採用するほか、通信機能についてもVoLTE、ダウンロード時最大150Mbpsのキャリアアグリゲーション(CA)を使ったFDD-LTEの通信と、120MbpsのWiMAX2+に対応するなど、スマホの根幹部分については、最新世代の製品として申し分ないものだ。付加機能についてもワンセグチューナー、FeliCaとNFCポート、Miracastに対応しており、価値を高めている。

バッテリー周辺の機能も高い。低消費電力のIGZO液晶や、容量2910mAhという大容量バッテリーを組み合わせ、連続通話時間は約1320分、連続待ち受け時間は約690時間というスタミナを実現している。この数値は、オクタコアCPUを搭載する今期のハイスペック機と比べると、待ち受け時間の長さが際立つ。なお、本機のバッテリーは、ユーザーで手軽に交換可能なバッテリーパック式だ。

従来モデルのTORQUE G01(写真右)と並べてみると、ボディがかなり大型化していることがわかる

従来モデルのTORQUE G01(写真右)と並べてみると、ボディがかなり大型化していることがわかる

メインカメラは約1300万画素。ボディ表面からくぼんだ場所に配置されており、レンズ部分に傷が付きにくい設計だ

TORQUE G01は内蔵式だったバッテリーが、着脱可能なバッテリーパックに変更された。裏ブタをはずし、その内側の電池カバーを取り外す二重カバーで覆われている

ディスプレイを囲むフレームも大きめに出っ張っている。これもキズの付きにくさへの配慮だ

ディスプレイを囲むフレームも大きめに出っ張っている。これもキズの付きにくさへの配慮だ

固めの押し心地が特徴のプッシュ式ボタンは、水深1.5mの水圧下でも操作可能

固めの押し心地が特徴のプッシュ式ボタンは、水深1.5mの水圧下でも操作可能

本機の特徴は、言うまでもなく、そのタフネス性能にある。IPX5/8等級の防水仕様と、IP6Xの防塵仕様をクリアするのを皮切りに、アメリカ国防総省の調達基準「MIL-STD-810G Method 516.7:Shock-Procedure IV」では、新たに耐氷結を加えた19項目をクリアしている。さらに、京セラ独自基準による耐海水、耐荷重性能まで対応となった。(詳細はメーカーページを参照)

本機の耐久性能では、耐海水が注目点となるだろう。海水は、乾いてできる塩分の結晶が通気口をふさいだり、金属部を腐食させるほか、砂がボタンの動きを妨げることがある。だが、TORQUE G02なら、水洗いすれば砂や塩分を簡単に洗い流すことができるし、通常めっき処理されるネジが焼き付け塗装になっているので、金属部の腐食も防止しているのだ。

従来機種の1.22mよりも高い1.5mの高さからの落下に耐えられる耐衝撃性能を実現している

従来機種の1.22mよりも高い1.5mの高さからの落下に耐えられる耐衝撃性能を実現している

水深1.5mに30分間浸しても機能は維持される

水深1.5mに30分間浸しても機能は維持される

耐海水だが、淡水と同じく水深1.5mに30分浸けてもOK

耐海水だが、淡水と同じく水深1.5mに30分浸けてもOK

海水に大量に混じる砂対策も重要。TORQUE G02は、水洗いすることで細部に入り込んだ砂を洗い流すことができる

裏ブタを取り外すことで現れる円形の防水通気膜を水洗い可能な構造にすることで、塩分や異物の付着を防止する

腐食に弱い金属ネジだが、一般的なメッキ処理ではなく焼き付け塗装にすることで、高い耐久性を実現した

腐食に弱い金属ネジだが、一般的なメッキ処理ではなく焼き付け塗装にすることで、高い耐久性を実現した

水に浸けると、カメラが水中撮影モードに切り替わる。水中撮影モードでは色調や画面のゆがみが補正される

水に浸けると、カメラが水中撮影モードに切り替わる。水中撮影モードでは色調や画面のゆがみが補正される

新たな耐久指標のひとつが耐荷重。100kgfの面荷重に耐える

新たな耐久指標のひとつが耐荷重。100kgfの面荷重に耐える

動作環境マイナス21〜プラス50度、保管環境マイナス30〜プラス60度に対応。実験ではバナナで釘が打てるマイナス20度の環境に保管した端末が、問題なく動作していた

厚手のグローブでもタッチパネルが反応する「グローブタッチ」も引き続き搭載される

厚手のグローブでもタッチパネルが反応する「グローブタッチ」も引き続き搭載される

ディスプレイの保護ガラスはAGCのDragontrail Xは柔軟性があり、アクリル板のようにたわむ

ディスプレイの保護ガラスはAGCのDragontrail Xは柔軟性があり、アクリル板のようにたわむ

microUSBポート自体は防水・防塵対応だが、余裕を持たせることや塩水対策のためキャップが装着されている

microUSBポート自体は防水・防塵対応だが、余裕を持たせることや塩水対策のためキャップが装着されている

ヘッドホン端子も、microUSBポートと同じく防水・防塵対応だが、塩水対策や性能マージンを持たせるためあえてキャップが取り付けられた

タフネスというボディの特徴を生かしたカバー類もTORQUE G02の特徴で、auオリジナルのカバーが2種類用意される。ひとつは大きなストラップを備えた「ハードホルダー」で、防寒着などの服に吊り下げることを想定したものだ。もうひとつの「フローティングストラップ」は、浮き袋付きで、海や川の中に落としてしまっても、容易に回収が可能というもの。いずれも、アウトドアシーンでの利用を強く想定した機能性の高いカバーとなっている。

大きなフックの付いた吊り下げ式の「ハードホルダー」

大きなフックの付いた吊り下げ式の「ハードホルダー」

浮き袋の付いた「フローティングストラップ」

浮き袋の付いた「フローティングストラップ」

さらにアクティブに使えるスマホに進化!

頑丈なボディが魅力のTORQUEシリーズは、アウトドアユーザーにとって、貴重な選択肢だ。最新モデルのTORQUE G02は、海水にも耐性ができたことで、タフネススマホとして、さらに高い耐久性を持つモデルに進化した。従来以上にアクティブに使いこなすことができるスマートフォンで、これから夏から秋にかけて訪れる本格的なアウトドアのシーズンにぴったりの製品といえよう。また、登山用アプリ「YAMAP」をプリインストールするなど、山での使用が想定されているのも押さえておきたい点だ。また、寒冷地や高温地帯はもちろん湿度、日射、低圧にも耐えるので、現場作業の多いビジネスパーソン向けとしても重宝する製品といえるだろう。

田中 巧(編集部)
Writer / Editor
田中 巧(編集部)
通信を中心にしたIT系を主に担当。Androidを中心にしたスマートデバイスおよび、モバイルバッテリーを含む周辺機器には特に注力している。
記事一覧へ
記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る
×