キヤノンは2015年7月13日、最長3時間のバッテリー駆動に対応した、持ち歩いて使えるモバイルプロジェクター「ミニプロジェクター C-5」(以下、C-5)を8月上旬に発売すると発表した。価格はオープンで、予想実売価格は29,800円(税抜)。製品写真を交えつつ、その特徴を紹介していこう。
キヤノンのミニプロジェクター C-5
胸ポケットに収まるミニプロジェクター C-5
最近のプロジェクター市場は、接続機器の高解像度化にともない、フルHDを超える高解像度製品や、室内が多少明るくとも鮮明な映像を投写できる高輝度製品など、大型常設タイプが人気を集めている。いっぽうで、性能を抑えることで本体を小型化、軽量化したプロジェクター、いわゆる、モバイルプロジェクターも注目を集めつつある。
キヤノンのプロジェクターC-5は、そんな持ち歩けるサイズのモバイルプロジェクターだ。本体サイズは124(幅)×71(奥行)×20(高さ)mmで重量は169g。フットプリント(設置面積)はアップルの「iPhone 6 Plus」の158.1(幅)×77.8(奥行)×7.1(高さ)mmより一回り小さく、重量も3g軽い。胸ポケットにも収まるほどのサイズだ。大きめの名刺ケースと同じ程度とも言えるだろう。
また、コンパクトでありながらも、本体にバッテリーを内蔵し、外部電源不要で最長3時間バッテリー駆動できる。ビジネスパーソンなら出先での営業ツールとして、教育現場ではグループワークの学習用途として使えるほか、家族や友達と出かけた旅先での思い出を撮影したスマートフォンとつなげて、その場で上映会といった使い方もできる。さらに、自宅に置いてACアダプターで電源供給をすれば、大画面で「YouTube」のお気に入り動画をリピート再生することも可能だ。ビジネス向けプロジェクターだが、いろいろな使い方ができるモデルとなっている。
本体は手のひらサイズ。外付けポータブルHDDのような外観だ
三脚に固定してiPhoneの映像をミラーリング。別売のApple純正HDMI変換ケーブルを使用している
小型・軽量になった分、性能や機能は絞りこまれている。映像素子はDLP(1枚)、解像度がVGA(640×480ドット)、明るさが50ルーメン、コントラスト比が800:1、光源がLEDで寿命は10,000時間。投写距離は0.3〜3mで、投写可能サイズは10〜93インチ。実際に写してみたところ、少し明るい室内でも映像をみることができたが、十分な画質を得るなら真っ暗な環境が望ましいと言える。
また、操作系もシンプルで、調整メニューは、本体側面に搭載されたフォーカス調整のダイヤルのみ。ズームや台形補正などの映像調整機能は省かれているが、逆にセッティングすれば誰でもすぐに使える手軽さが魅力だ。
映像入力端子にはMHL対応miniHDMIを備え、対応するスマートフォンやタブレットと接続可能。付属のHDMI- miniHDMI変換ケーブルを用いれば、HDMI搭載機器ともつなげられる。
そのほか、1Wのモノラルスピーカーを内蔵するほか、音声出力としてステレオミニ×1も搭載。充電は付属のACアダプターで行なう。主な付属品は、ミニ三脚、HDMI-miniHDMIケーブル、microHDMI-miniHDMIケーブル、ACアダプター。
背面には映像入力端子/音声出力端子/給電用ジャックを備える
本体側面には、ボリューム調整のほか、フォーカス調整ダイヤルと電源ボタンを搭載
付属品は、ミニ三脚、HDMI-miniHDMIケーブル、microHDMI-miniHDMIケーブル、ACアダプター