Windows 8.1 Update経由&手動アップグレード用の上級者向けツールを使用

Windows XP搭載のノートPCをWindows 10にアップグレードしてみた!

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既報の通り、日本マイクロソフトは2015年7月29日、「Windows 10」へのアップグレードを開始した。OSのアップデートの際に気になるのは、性能の劣る古いパソコンにインストールして使用できるかということ。そこで今回、手持ちの古い「Windows XP」搭載ノートPC(ThinkPad X60)を、「Windows 8」→「Windows 8.1 Update」を経由して、Windows 10にアップグレードできるのかをチェックしてみた。

注意してほしいのは、Windows XPからWindows 10には、無償かつ直接のアップグレードはできないこと。Windows 10に無償でアップグレードできるのは、「Windows 7もしくはWindows 8/8.1を搭載した端末」となる。本記事では、Windows 8のライセンス(有償)を利用してWindows 10に無償アップグレードしている。

※本記事では手動でのWindows 10のアップグレード方法を紹介しています。アップグレードを行う際は、システムやデータのバックアップを取って、エラーが発生した場合に元の状態に戻せるようにしておいてください。

※2015年8月4日追記:Windows 8のライセンス(有償)を使ってのアップグレードであることを注意点として追記しました。

結論から言うと、紆余曲折はあったがWindows XP搭載ノートPCにWindows 10をインストールできた

結論から言うと、紆余曲折はあったがWindows XP搭載ノートPCにWindows 10をインストールできた

2段階のアップデートで2006年発売のレノボ「Thinkpad X60」にインストール

今回、Windows 10へのアップグレードを試したのは、レノボ・ジャパンのノートPC「Thinkpad X60」だ。Windows XP世代のモデルで、発売は今から約9年前。Windows 10のシステム要件をかろうじてクリアしたモデルとなっている(表1参照)。2014年、Windowsの歴史の中でもっとも長く愛されていたWindows XP。そのサポート終了を機に、Windows 7/8(8.1)へアップグレードした方も多いことだろうが、今回は、Windows XPのまま使わずに保管しておいたThinkpad X60と、使わずに余っていたWindows 8のライセンス(有償)を利用してWindows 10にアップグレードしている。

冒頭でも述べているが、Windows XPはすでにサポート外になっているため、Windows XPからWindows 10には無償かつ直接のアップグレードはできない。Windows XPパソコンでWindows 10を使うには2つの方法が考えられる。(1)Windows 10を購入してクリーンインストールする(Windows 10の最小システム要件を満たしている必要がある)。(2)Windows 7/8.1 Updateにアップグレード(クリーンインストール)してからWindows 10へアップグレードする(Windows 7/8/8.1のライセンスが必要)。今回は、(2)のやり方で、Windows 8のライセンスを利用して、Windows 8→Windows 8.1 Update→Windows 10という流れでアップグレードを行った。なお、記事では、Windows 8.1 Updateまでの手順は割愛する。

Thinkpad X60の仕様とWindows 10のシステム要件の比較(表1)

直接アップグレードとメディア作成の2タイプを選べる

それでは、Windows 8.1 UpdateからWindows 10への手動アップグレードのセットアップを手順にそって見ていこう。手動でのアップグレードでは、マイクロソフトが公開しているWebページ「Windows 10のダウンロード」から、専用ツールをダウンロードする必要がある(インストールは不要)。このツールでは、「このPCを今すぐアップグレードする」と「他のPC用にインストール メディアを作る」の2種類のやり方を選べる。ちなみに、マイクロソフトは、ツールを使った手動アップグレードを上級者向けの手法として紹介している。ツールの操作画面はとてもシンプルで難しい印象はないが、エラーが出た際などにはツールは特にサポートしてくれない。エラー内容の表示もシステム的な表示で、解決策を提示してくれるわけではない。自己判断や分析が求められるため、やはり上級者向けのやり方であると思う。

ツールでは「このPCを今すぐアップグレードする」と「他のPC用にインストール メディアを作る」を選べる。前者を選択すると、Windows 10のセットアップに必要なファイルがダウンロードされる

まずは、「このPCを今すぐアップグレードする」を選択してのセットアップを試みた。このやり方であれば、USBメモリーやDVDメディアを用意することなくアップグレードが行える。結果としては、「Modern Setup Hostは動作を停止しました」というエラーが発生し、セットアップが中断。何度かチャレンジしたが、同じエラーが続いたため、あえなく断念した。エラーの内容を30〜40分くらい調べた限り、クリーンブートであればエラーが出ないという情報もあったが、とにかくアップグレードできるかを確認したかったため、もうひとつの「他のPC用にインストール メディアを作る」を試すことにした。

「このPCを今すぐアップグレードする」の「Windows 10のメディアを作成しています」という段階(進行状況100%)で、「Moder Setup Hostは動作を停止しました」というエラーが発生。プログラムも終了してダウンロードからやり直すはめになった

「他のPC用にインストール メディアを作る」方法では、クリーンインストールとアップグレードの両方に対応したインストールメディアが作られる。先の「このPCを今すぐアップグレードする」の場合は、ファイルダウンロード後にインストールが実行されるが、インストール時にトラブルが発生した場合、ファイルダウンロードからやり直さなければならない。インストールファイルの容量はおよそ3GBなので、ダウンロードにかかる時間はかなり長い。その点、「他のPC用にインストール メディアを作る」であれば、インストール用のディスクイメージ(ISOファイル)または、インストール用のUSBメモリーを作っておけるので、インストール時に失敗があったとしても、ファイルダウンロードをやり直す必要はない。また、複数のWindows端末のアップグレードするときにも、都度ダウンロードする手間もなくなる。Windows 8.1 Updateのときは、ストアからの直接アップグレードしか用意されてなかったので、今回、インストール用メディアを作成する選択肢があるのは親切だと思う。

「他のPC用にインストール メディアを作る」でのアップグレードでは、何も問題が起こらずすんなりと進んだ。なお、今回は、ISOファイル形式でダウンロードを行い、それをもとにブートできるUSBメモリーを作成している。

「他のPC用にインストール メディアを作る」を選択すると、まず、ダウンロードするOSの言語、エディション(HomeまたはPro)、アーキテクチャー(32bit、64bit、両方)を指定する

インストールメディアの作成には、USBメモリーを使用したタイプ「USBフラッシュドライブ」と、DVDタイプのディスクイメージ形式の「ISOファイル」(ファイルの書き出しのみで、ライティングは行わない)の2タイプから選べるようになっている

タイプを選んだらダウンロードが始まる

タイプを選んだらダウンロードが始まる

ダウンロードが終わるとメディアの作成に移る

ダウンロードが終わるとメディアの作成に移る

こちらは、ISOファイルで保存したときに発生したエラー。「問題が発生しました」とだけ出て、解決策などは提示されない。ちなみに、この問題が発生した原因は、ISOファイルの保存先の空き容量が足りなかったこと。一般的にはダウンロードの前に保存領域のチェックをしてくれると思うが、このツールではそういったことはない。保存先を選ぶときには空き容量を事前にチェックしておきたい

インストール

インストールメディアの作成が完成したら、そこに保存されているsetup.exeを実行することで、アップグレードがスタートする。OSを再起動する必要はない。逆に再起動してアップグレードしようとすると、OSを通常起動してからsetup.exeを実効してくださいとうながされる。インストールディスクを作成したら、すぐにアップグレードが始められるようになっているのだ。

Setup.exe実行後には、「重要な更新プログラムのインストール」の画面が表示される。更新プログラムのインストールでは、重要な修正プログラムだけでなく、更新されたデバイスドライバーも含めることができるため、実行することが推奨されている

ライセンス条項の画面

ライセンス条項の画面

もろもろの準備が終わると、Windows 10のインストールが始まる

もろもろの準備が終わると、Windows 10のインストールが始まる

Windows 10インストール画面。10分ほどこの画面が続いた

Windows 10インストール画面。10分ほどこの画面が続いた

インストール画面の次は、Windowsのアップグレード画面。画面の下にある「ファイルのコピー」「機能とドライバーをインストール」「設定を構成しています」3つの項目順に進んでいく。約40分程、この画面が続いた

アップグレードが終わると、「ようこそ、こんにちは」の画面が表示される。ここから終わりそうでなかなか終わらない……

設定のカスタマイズが行える。通常は「簡単設定を使う」をクリック。また、ここで設定した内容は後で変更することもできる

Webページを閲覧するときや音楽を聴くときの既定のアプリを選択できる。ここでは何も変えずに「次へ」をクリック

さあログイン、と思ってみると……

さあログイン、と思ってみると……

まだまだセットアップは続く。しばらくお待ちください→最後の処理をしています→あと少しです→さあ始めましょう(掲載画像)の画面に移るという流れ

「さあ始めましょう」の画面でセットアップが終わり、Windows 10にログインできる

「さあ始めましょう」の画面でセットアップが終わり、Windows 10にログインできる

Windows 10にアップグレードした直後のデバイスマネージャーをチェックしてみよう。左がWindows 10、右がWindows 8.1 Updateとなる。Windows 10のデバイスマネージャーでは、赤外線デバイス(IBM ThinkPad Fast Infrared Port)が認識して対応するドライバーも適用されるが、機能はしていなかった

アップグレード後1か月間なら直前の環境に戻せる

最後に、アップグレード後に不具合が発生してときのために、アップグレード直前の環境に戻す方法を紹介しよう。その方法は、スタートメニューの[設定]―[更新とセキュリティ]―[回復]内の「Windows 8.1に戻す」という項目だ。ただし、直前に戻せるのはアップグレードしてから最大1か月。またアップグレード後に「新しいユーザー アカウントの追加」「リセットの実行」「windows.old(以前の Windows イメージ ファイル)の破損、削除」をすると復元機能が使用できなくなるので注意しよう。

[更新とセキュリティ]の[回復]を選択すると表示される、「Windows 8.1に戻す」。その下にある「開始する」ボタンを選択すると、アップグレード直前の環境に戻すことができる

Intel NUCベアボーンでもテスト。アプリ設定は引き継がれるか?

さらに、ThinkPad X60とは別に、Intelのベアボーンを用いてもWindows 10へのアップグレードを検証した。使用したのは、IvyBridgeベースのIntelのモバイル向けCPU「Core i3-3217U」(2コア/1.80GHz)を搭載したNUC「BOXDC33217IYE」。このマシンには、アップグレード前(Windows 8.1 Update)に、セキュリティーソフトの「ウイルスバスター月額版」、リッピングソフトの「Exact Audio Copy」、ハイレゾ対応の音楽再生ソフト「foobar2000」をインストールして、環境を引き継げるのか確認してみた。結果は、基本的にはどのソフトも使用できる状態だった。

ただし、ウイルスバスターに関してはWindows 10のアップグレード前に、ウイルスバスター本体を最新版にバージョンアップさせておくが必要がある(関連情報)。これを省くと、Windows 10へのアップグレード後に、インストールされているウイルスバスター(クラウド/月額版)がアンインストールされるとのこと。なお、シマンテックのセキュリティーソフト「ノートン」では、別の方法がアナウンスされている。

アップグレード後でも、以前と同じように使えることができた

アップグレード後でも、以前と同じように使えることができた

まとめ

以上、Windows XPノートをWindows 10にアップグレードしてみた結果をレポートしたが、大きな問題もなくセットアップが完了し、Windows 10をインストールすることができた。最新のノートPCに比べると、Windows XP世代の端末の性能は非力で、多少もたつくこともあるが、大きなストレスを感じるレベルではない。むしろ、完全復活したスタートメニューなど、インターフェイスについては、古いノートPCでも扱いやすくなっていると感じた。

今回の裏話をすると、使用していないWindows 8のライセンスが残っていたうえで、ThinkPad X60については、サポートが切れたWindows XP搭載ということで長らく使用しておらず、余っている端末であった。ThinkPad X60をWindows 8→Windows 8.1 Updateにして使用することもできたが、タッチパネルモニターというわけでもないし、アップデートをちゅうちょしていた。Windows 8.1については、タッチパネルモニターを接続したデスクトップPCで使っており、正直なところ、古いノートPCに入れる必要性を感じていなかったのだが、インターフェイスが変わったWindows 10であれば、従来のノートPCでもアップデートして使いやすくなっていると思う。

なお、Windows 10に無料でアップグレードできる期間は1年。チャンスは今のうちだが、今回紹介した方法では、アップデート中に問題が発生したり、アップグレード後にもデバイスが使用できないということが起こりうる。元のバージョンに戻さないといけないケースになることも想定されるので、試すのであれば、システムやデータのバックアップを取って、万全な準備をしてから行っていただきたい。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.7.18 更新
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