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侮れない通信スペックを備えたSIMフリースマホ、日本エイサー「Liquid Z530」

国内ではPCメーカーとしておなじみの日本エイサーが、SIMロックフリーのAndroidスマートフォン「Liquid Z530」を2015年11月13日に発売する。SIMフリースマホ市場はさまざまな製品が続々と登場して混戦模様だが、Liquid Z530はどんな特徴を備えているのだろうか。

激戦のSIMロックフリースマホに本格参入する日本エイサー。第1弾モデルのLiquid Z530は、多くのMVNOが採用するNTTドコモのネットワークとの親和性が高いのが特徴だ

NTTドコモのネットワークとの親和性が高いSIMフリースマホ

日本エイサーは今年の1月から、新古書店のブックオフとの協業で4インチのSIMフリースマホ「Liquid Z200」を国内展開していたが、今回、スマホ市場に単独で本格参入することになり、その第1弾モデルとしてLiquid Z530を国内投入する。

まず、Liquid Z530のハードウェアをチェックしたい。720×1280のHD表示に対応した約5.0インチのIPS液晶を備えたボディに、MediaTekのクアッドコアプロセッサー「MT6735(1.3GHz)」と、2GBのRAM、16GBのストレージを搭載。最大32GBまで対応するmicroSDHCメモリーカードスロットも備える。OSは「Android 5.1」。スペックを見る限り、平凡なエントリーモデルという印象は否めない。

そのいっぽうで注目したいのが通信性能。対応バンドを見ると、LTEの2.1GHz帯(バンド1)、1.7GHz帯(バンド3)、800MHz帯(バンド19)、1.5GHz帯(バンド21)、700MHz帯(バンド28)に対応。3GもW-CDMAの2.1GHz帯(バンド1)、1.7GHz帯(バンド9)、800MHz帯(バンド19とバンド6)に対応している。

こうしたLiquid Z530の通信スペックを見ると、NTTドコモが2015年10月現在でサービス中の「Xi」と「FOMA」のバンドにフル対応していることがわかる。そのため、NTTドコモや、NTTドコモの回線を使用するMVNOのSIMカードとの相性はかなり期待できる。ただし、複数の異なる周波数帯の電波を束ねて高速化を実現する「キャリアアグリゲーション」には対応しないのでピーク速度では少々ハンデがあることと、LTEを使った音声通話サービス「VoLTE」にも対応していないため、音声通話の音質は従来と変わらない点は注意したい。

バッテリーは、容量2420mAhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、連続待ち受け時間は約630時間、連続通話時間約12時間というカタログスペックだ。このクラスのスマートフォンでは、突出したものではないが、良好な部類と言っていいだろう。

なお、販売網や価格などは後日発表される。

HD表示に対応する約5.0インチのIPS液晶を装備する

HD表示に対応する約5.0インチのIPS液晶を装備する

IPS液晶のため視野角はなかなか広い

IPS液晶のため視野角はなかなか広い

カラーバリエーションは「ブラック」と「ホワイト」の2色。写真はブラックモデルで、背面カバーはヘアライン処理が施されている

日本専用カラーのホワイト

日本専用カラーのホワイト

裏ブタを外した状態。バッテリーパックおよび、microSIMカードスロット、microSDメモリーカードスロットなどを搭載する

底面にmicroUSBポートを備える。本機は防水・防塵仕様ではない

底面にmicroUSBポートを備える。本機は防水・防塵仕様ではない

PCとの連携やハイレゾ対応などが特徴

本機ならではの付加機能では、PCとの連携機能「Acer EXTEND」がユニーク。これはWi-Fiを経由してLiquid Z530の画面や音声をPC上に映し出すもので、PCのキーボードを使った文字入力や、ファイル操作などが行える。2015年10月21日に開催された発表会では、アクションゲームをPCに投影したり、PCの画面からLiquid Z530のカメラを操作するデモンストレーションが行われた。

画面表示のタイムラグが気になるところだが、壇上で行われたアクションゲームの実演では、大きな遅延は見られなかった。ただし、タッチ&トライでは、アクションゲームを遊ぶには少々厳しい遅延が発生していたので、Acer EXTEND を存分に使うには、快適なWi-Fi環境の整備が必要になりそうだ。

もうひとつの特徴はハイレゾ音源の再生に対応したサウンド機能だ。カタログには、対応ヘッドホンとDACが別途必要という記載があるが、一応本体だけでも再生は行える。ただ、ハイレゾらしい高いクオリティを求めるならDACを使ったほうがベターで、メーカーとしてはこちらを推奨している。このほか、「DTS Studio Sound」を備え、擬似サラウンド再生や台詞(せりふ)やボーカルの明瞭度を向上させることができる。

カメラ機能は、インカメラに約800万画素のセンサーと86度という広い画角のレンズを組み合わせており、背景までしっかりと写った自撮り撮影が行える。また、搭載のカメラは音声操作に対応しており、「セルフィー」と話しかけることでインカメラに切り替わり、そのまま撮影が行える。

PCにスマホの画面を映し、ファイル操作や文字入力、写真撮影などが行えるAcer EXTEND

PCにスマホの画面を映し、ファイル操作や文字入力、写真撮影などが行えるAcer EXTEND

背面にスピーカーを備える。DTS Studio Soundを使えば擬似サラウンドなどが利用できる

背面にスピーカーを備える。DTS Studio Soundを使えば擬似サラウンドなどが利用できる

メインカメラは800万画素

メインカメラは800万画素

インカメラも800万画素。画角が86度の広角レンズを備える

インカメラも800万画素。画角が86度の広角レンズを備える

参考展示されたゲーミングスマホ&タブレット「Predator」

今回の発表会では、Liquid Z530と合わせて、先月開催されたIFA 2015で展示されたゲーム用スマートデバイス「Predator」シリーズのタブレットとスマートフォン2機種が参考展示され、国内での発売が示唆された。

タブレットは8インチ、スマートフォンは6インチディスプレイをそれぞれ搭載している。いずれも4スピーカーを備え迫力あるサウンド再生が可能。海外発表の情報によれば10コアプロセッサーを搭載するなど処理性能も高い。

処理性能もさることながら、突き抜けたデザインが印象的だ。機能を重視するあまり没個性的になりがちなスマートフォンやタブレットとは一線を画しており、まるで、SFやファンタジーなどに登場する小道具のようである。

Acer Inc.のS.T.Liew氏がゲーミングタブレット、Predator 8を披露する

Acer Inc.のS.T.Liew氏がゲーミングタブレット、Predator 8を披露する

個性的なデザインと高い処理性能が特徴のPredatorシリーズ。左が8インチのタブレット、右が6インチのスマートフォン

スマートフォン、タブレットともに、上下のそれぞれに2か所、合計4個のスピーカーを備える

スマートフォン、タブレットともに、上下のそれぞれに2か所、合計4個のスピーカーを備える

田中 巧(編集部)
Writer / Editor
田中 巧(編集部)
通信を中心にしたIT系を主に担当。Androidを中心にしたスマートデバイスおよび、モバイルバッテリーを含む周辺機器には特に注力している。
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