特別企画
アップルの製品を上手く連携させるカギは「iCloud」

iPadとMacの融合は当分なさそう!? 「複数のデバイスをいかに上手に活用できるかを考えている」(OS iOS担当者インタビュー)

「我々は1つのデバイスで、すべてをできるようにしようとは思っていない。それぞれのデバイスはユニークな特徴を持っており、複数のデバイスを一緒に活用することを考えている」。米アップルのVice President Product Marketing OS iOSのブライアン・クロール氏が日本国内でのMacの取り組みについて語ってくれた。

米アップルのブライアン・クロール氏。役職はVice President Product Marketing OS iOSで、「OS X」と「iOS」を担当する

1つにするのではなく、それぞれを最高のものに

上記のクロール氏の発言は、タッチとキーボードの融合を目指しているWindows陣営に対してのものだと思われる。「iPhoneやiPadは、画面をタッチして操作するのに最適化されている。それに対して、Macの操作はキーボードが主体だ。2つの世界は目的が異なる。我々はそれぞれを最高の体験に向けて最適化している」(同氏)。iPad Proのように、キーボードを装着すればノートパソコンのように使えるものもあるが、iPad Proはタッチ操作に最適化された「iOS」を搭載しており、アプローチはあくまでタブレット端末を主としている。「OS X」を搭載したタブレット端末の登場を期待している人もいるようだが、現時点で2in1のようなモデルがアップルから登場する可能性は極めて低いようだ。

iPhoneとMacなど、複数のデバイスを使う際に、重要になるのが連携だ。その連携のカギとなるのが「iCloud」であり、iPhoneユーザーがMacを選ぶメリットでもある。

たとえば、「iCloudフォトライブラリ」を使えば、iPhoneで撮影した写真が自動でMacに読み込まれる。その際、ケーブルでiPhoneとMacを接続したり、コピーしたりといった操作は一切不要で、iPhoneで撮影した写真が、知らぬ間にMacに取り込まれる。Webブラウザー「Safari」のお気に入り、パスワード、履歴などもデバイス間で同期される。メールやメッセージ、メモ、「Pages」や「Keynote」といった文書ファイルも自動で同期されるので、切れ目なく作業を続けられる。さらに、地図アプリ「マップ」の場合、Macで道順を調べて、その情報をiPhoneに送り、腕時計型デバイス「Apple Watch」で確認しながら目的地まで行くといったことも可能だ。アップルの機器間の連携に切れ目はない。

「デバイス間の連携は、ハードウエア、ソフトウエア(OS)、サービスを自社で手がけるアップルならではの強みであり、どうすれば上手く連携して活用できるかを考えている」(クロール氏)。

写真の連携はアップルが得意とするものだ。iPhoneで撮影した写真はMacでもiPadでもすぐに見られる。裏側ではiCloudフォトライブラリが働いているのだが、ユーザーは特別な操作をする必要はない

iPhoneからMacへの流れを加速

米アップルが2016年1月26日(現地時間)に発表した2016会計年度第1四半期(2015年10〜12月)の決算によると、売上高と純利益とも過去最高を記録した。ただし、Macの出荷台数は前年同期比4%減の531万台だった。それでもクロール氏は、「ほかのパソコンより2倍の成長を続けている。ここ5年間でカフェや空港、飛行機のなかでMacを使う人をよく見るようになったのではないだろうか。昔はMacといえばクリエイティブな人たちのツールだったが、今はメインストリームで、学生やビジネスパーソンなど幅広い人たちが毎日使っている」とMacが着実に成長を続けているとした。

Macのラインアップは充実しており、予算や目的に応じて選べるようになっている。コストパフォーマンスが高く、携帯性にすぐれた「MacBook Air」はMacの入門機として根強い人気だ。12型のRetinaディスプレイを搭載する「MacBook」は、Macノートの中で一番軽いのが特徴で、その重量は1kgを切る。ハイスペックな「MacBook Pro」はカメラマンやクリエイターの御用達だ。「iMac」の5Kモデルは4Kビデオを画素ベースで見られる唯一無二のデスクトップである。このほかにも、「Mac mini」や「Mac Pro」といったモデルもあり、過去に類を見ないほどバラエティに富んだ選択肢が用意されている。

高精細な12型の「Retinaディスプレイ」や圧力の強さを感知するタッチパッドを搭載するMacBook。「Core Mプロセッサー」の採用とファンレス構造により、厚さ3.5〜13.1mmのスリムボディを実現。重量は920g。

同じ第1四半期で7477万台(前年同期比微増)の販売台数を記録したiPhoneに比べると、Macの販売台数は1/10以下だが、同社にとってMacは重要な製品であり、ハードウエアもソフトウエアも着実にアップデートし続けている。iPhoneをきっかけにして、Macを使い始める人も多いという。同社としては、この流れを加速させるためにMacに磨きをかけるとともに、iPhoneとの連携に引き続き力を入れていくはずだ。使ってみないと分かりにくい部分ではあるが、一度でも使えば、MacはiPhoneの最高のパートナーであることがわかるはずだ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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