挿し間違えとはオサラバ!! 充電能力も大幅アップ!

2016年夏登場Androidスマホの注目技術、「USB Type-C」のメリットは?

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昨年2015年春に登場したアップルのノートパソコン「MacBook」に採用され、注目を集めたUSB Type-Cポート。Googleの「Nexus」シリーズに搭載され、この夏登場予定のAndroidスマートフォンで採用が進む可能性もある。そのメリットや注意点などを解説しよう。

記事訂正:初出時に「Galaxy S7シリーズにUSB Type-Cポートが搭載される」という記載がありましたが、こちらは誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。(2016年3月28日)

この夏に発売される最新スマートフォンで採用が進むと見られるUSB Type-Cポート

この夏に発売される最新スマートフォンで採用が進むと見られるUSB Type-Cポート

裏表どちらでも挿せるUSB Type-Cポート

パソコンはもちろん、スマートフォン、デジカメ、テレビやオーディオなどのAV機器などに広く使われるUSBポート。近ごろでは、さらに通信速度を高め10Gbpsの実効速度を実現したUSB 3.1に対応した機器が登場するなど、さらに機能強化が進んでいる。

今回取り上げるUSB Type-Cポートは、USB 3.1規格によって新しく追加されたコネクターの種類(規格)。すでに、アップルのMacBookに採用されているし、最新のマザーボードやWindowsのノートPCにも採用したものが登場しているので、ひょっとしたら手持ちの機器に搭載されているものがあるかもしれない。

スマートフォンについても、GoogleのAndroidスマートフォン「Nexus 6P」や「Nexus 5X」に搭載され、この春以降に登場する最新のAndroidスマートフォンでも採用するものが登場すると見られている。

MacBookに搭載されるUSB Type-Cポートはデータ転送に加えてACアダプターの接続にも利用される

MacBookに搭載されるUSB Type-Cポートはデータ転送に加えてACアダプターの接続にも利用される

USB Type-CのサイズはMicroUSBポートのように小さい。しかも、裏表のどちら向きにも差し込める。また、端子自体の機械的な耐久性が飛躍的に高められている点も見逃せない。従来のMicroUSBでは、設計上、大体3000回程度の着脱が想定されていたが、USB Type-Cでは10000回の着脱に対応するように改められている。これは、充電の機会が多いスマートデバイスにおいて、製品の寿命を延ばすものとして歓迎するべきものだ。

なお、中を通る電気信号は、USBポートと互換性が保たれている。そのため、変換アダプターやケーブルを使えば、従来のUSBポートと接続も維持できる。

USB Type-Cと従来のType-Aに変換するコネクターを使えば、既存の機器も接続できる

USB Type-Cと従来のType-Aに変換するコネクターを使えば、既存の機器も接続できる

電力のキャパシティが大幅に向上。スマホやタブレット端末の充電時間短縮が見込める

USB Type-Cのメリットは、こうした形状面だけではない。まず大きいのは、給電能力の大幅な向上だ。現在主流のUSB 2.0ポートは、5V/500mAの電力2.5Wにしか対応していない(ただし、充電用のACアダプターや急速充電用の拡張があり、実際はそれよりもかなり高い電力が使われている)。

いっぽう、USB Type-Cでは、最大5V/3Aの15Wという大電力に対応し、大容量のバッテリーを今まで以上のスピードで充電できるようになる。実際に、USB Type-Cを搭載するNexus 6Pでは3450mAhという大容量バッテリーをわずか約105分でフル充電することが可能で、従来の急速充電と比較してものスピードアップを実現している。

ただし、この給電能力には1つ条件がある。端子の両極がUSB Type-Cポートである必要があり、変換アダプターやケーブルを使って既存のUSBポートに接続した場合は、従来のUSBポートから出力される電力のままになってしまう。

USBポート一般に適用される電力の拡張規格「USB Power Delivery」(以下USB PD)にも触れておきたい。これは、通常のUSBポートで最大5V/20Aの100Wの電力を供給できるようにするというもの。USB Type-CもUSB PDに対応可能となっていて、周辺機器用の電源タップのように使うこともできる。なお、すべての USB Type-CポートがUSB PDに対応しているわけではないので注意だ。

USB 3.1 Gen2対応なら、10Gbpsの転送速度に対応。さまざまなケーブルの一本化も視野に

次に、USB Type-Cのデータ転送速度について解説しよう。そもそもUSB Type-Cはコネクターの形状を規定するもので、転送速度を定める転送形式とは、いったん分けて考える必要がある。

ただ、USB Type-Cは、最新規格であるUSB 3.1のGen2にも対応可能となっていて、最高10Gbpsのデータ転送が行える。逆に、従来のUSB 2.0のポートとして使われることもありえるので、その場合は最高480Mbpsの転送速度になる。

もう1つ、ユニークな注目点として、「オルタネートモード」を解説しよう。これは、USB Type-Cポートに、「MHL」や「Thunderbolt 3」といった、別規格の映像出力端子などを兼用させることができるというもの。これを使えば、今まで別々だった各種のケーブルをUSB Type-Cケーブル1本にまとめることもできる。このオルタネートモードは、すでにMacBookシリーズでも利用されており、DisplayPort 1.2や、アダプターを解してVGAやHDMIの映像出力も行える。AndroidスマートフォンでもMHL対応microUSBポートのような使い方がUSB Type-Cポートでも引き続き行えるだろう。

待望の技術だが、懸念点はやはりコストアップか

USB Type-Cは、今までのUSBポートの欠点を解消できる、とても魅力的な規格だ。ユーザーの多くにとって歓迎するべきものになるだろう。

注意するべき点といえば、やはりコスト的な部分になりそうだ。まずは、充電器や変換アダプターなどを新たに用意する必要がある。これに加えて、USB Type-Cは、耐久性が高いうえに、大電力にも耐えられる、しっかりとしたケーブルや接点部分の設計が欠かせない。これらは言うまでもなく、コストアップの要因になる。全般に高価格の通信キャリア製スマートフォンやタブレット端末ならコストも吸収もしやすいし、むしろ差異化要素として積極的に採用することもありえる。だが、格安スマホの多くは、かなりシビアなコスト管理の下に作られているので、もう少し普及には時間がかかるかもしれない。

お詫びと訂正:Quick Charge 2.0は、9V1.8Aの16.2Wという電力に対応しており、USB Type-Cより高い電力となっています。 関連する記述を削除し、お詫び申し上げます。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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2017.8.17 更新
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