レビュー
第6世代の「Core mプロセッサー」や高速なSSDを搭載

価格据置きでパワーアップした新型「MacBook」、新色ローズゴールドモデルを試す

昨年2015年4月に登場したアップルの超薄型・軽量ノートパソコン「MacBook」がマイナーチェンジした。美しいデザインやすぐれた携帯性を継承しつつ、CPUやストレージといったパソコンとしての基本性能を底上げしたのが主な強化点だ。新色のローズゴールドが加わったのも見どころ。第2世代となったMacBookのローズゴールドモデルをレビューしてきたい。

CPUなどを強化したMacBookの新モデル。価格は据置きで、Core m3/256GBストレージ搭載モデルが148,800円、Core m5/512GBストレージ搭載モデルが184,800円(いずれも税別、アップルストアでの価格)

新色のローズゴールドモデルは落ち着いた色味

第2世代となる新しいMacBookは、デザインは従来モデルから変わっていない。厚さ13.1mm、重量が920gという超薄型・軽量ボディで、Macのノートパソコンの中では一番薄くて軽いモデルだ。超薄型だが、アルミニウム素材を使ったボディは剛性感があり、安心して持ち歩ける。手触りもいい。新色のローズゴールドだが、実物はホームページで見るよりも落ち着いた色味で、男性が持っても違和感のない仕上がりとなっている。底面のネジまで同じ色に塗装されているのは、さすがアップルといったところ。「iPhone」も同じローズゴールドにそろえてみるのもいいだろう。

ディスプレイは12型の「Retinaディスプレイ」。解像度はフルHDよりも高解像度な2304×1440で、非常に高精細だ。Retinaディスプレイは、「MacBook Air」にはないポイントで、MacBookを選ぶ大きな決め手と言える。MacBookのディスプレイがすごいのは、光沢液晶でありながら、映り込みが少ないこと。そのため、屋外でも屋内でも見やすいのだ。また、縦横比が16:10で使い勝手のよいサイズなのも見逃せない。

ディスプレイも超薄型のMacBook。新色のローズゴールドは落ち着いた色味で、派手なピンクではない

ディスプレイも超薄型のMacBook。新色のローズゴールドは落ち着いた色味で、派手なピンクではない

底面のネジもボディと同じ色に塗装されている。ちなみに、付属するアップルのシールも同じ色だ

底面のネジもボディと同じ色に塗装されている。ちなみに、付属するアップルのシールも同じ色だ

「iPhone SE」のローズゴールドと重ねてみた。同じ名前の色だが、じっくり比べてみるとiPhone SEのほうがピンクに見える

ベンチマークのスコアは良好だが、ライトな用途であれば旧モデルでも十分

基本スペックは、CPUが第5世代から第6世代の「Core mプロセッサー」に変わり、処理性能がアップした半面、消費電力が下がっている。バッテリー駆動時間は公称で最大9時間から最大10時間に伸びた。実際に持ち歩いてみても、7〜8時間は使えているので、バッテリーの持ちに不満は感じない。グラフィックスはCPU内蔵型の「HD Graphics 515」で、従来モデルよりもパフォーマンスが25%アップしているという。このほか、SSDにもより高速なものを採用したほか、メモリーもより高速なLPDDR3-1866に変わり、基本性能は着実に底上げされている。

今回はデュアルコアのCore m3(1.1GHz、最大2.2GHz)、8GBのメモリー、256GBのSSDを搭載したモデルを試用した。ベンチマークソフトの「CINEBENCH R15」と「Disk Speed Test」のスコアは順当にアップしていた。ただし、スピードアップが体感できるのは大きなファイルをコピーした場合や、クリエイティブ系のソフトを利用した場合に限られるだろう。MacBookの想定用途である、Webページの閲覧やWebサービスの利用、文字入力といった、いわゆるライトな用途であれば、旧モデルでも不満なく使えるはずだ。動画編集やゲームといった重い処理は、新モデルのほうがいくらか快適にこなせるだろうが、過度な期待はしないほうがいいだろう。

なお、旧モデルのベンチマーク結果は「今回はやりすぎ? USB-Cポートだけのアップル「MacBook」レビュー」を参照してもらいたい。

CINEBENCH R15の結果

CINEBENCH R15の結果

Disk Speed Testの結果。リード、ライトともにスコアは伸びている

Disk Speed Testの結果。リード、ライトともにスコアは伸びている

キーボードは意見が分かれるところ

キーボードは、ボディを薄くするためにキーストロークがほとんどない「バタフライ構造」と呼ばれるキーボードを搭載する。人によって意見が分かれるところだが、見た目だけで判断はしてほしくない。数人に試してみてもらったが、「意外と打てる」「思った以上に普通」という意見があり、実際に試してみることを強くおすすめしたい。個人的にはモバイル用途であれば、不満なく使えると感じている。これだけストロークがないのに、きちんとタイプできるのは驚きだ。

「感圧タッチトラックパッド」もよくできている。広いタッチパッドのどこを押してもクリックできて、カーソルを思い通りに動かせる。タッチパッドを押し続けることで、単語の意味を調べられたり、ファイルをプレビューしたりできる「強めのクリック」や、QuickTimeムービーの再生速度を変えられる「加速操作」といった、感圧タッチトラックパッドならではの操作は、まだまだ対応アプリが少なく、今のところ活躍してくれる場面は少ない。便利な機能なので、対応アプリが増えるのに期待したいところだ。

「バタフライ構造」と呼ばれる超薄型のキーボード。見た目よりもストロークがあるように感じられるが、強めにタイプすると底に当る感じはある。人によって意見が分かれるところだが、見た目だけで判断せずに、一度試してみることをおすすめしたい

感圧タッチトラックパッドは、どこを押してもクリックできて、押し下げた感覚をフィードバックしてくれる。実は押し下げても水平に動いているだけで、電源を切るとフィードバックがない驚きの構造なのだ

感圧タッチトラックパッドは、初期設定ではタップでクリックできないようになっているので、タップでクリックしたい場合は有効にしておくといいだろう。「サイレントクリック」を有効にすると、クリック音が小さくなる。図書館や飛行機など、静かな場所で使う場合は有効にしておきたい

MacBookは、外部インターフェイスがUSB Type-Cとヘッドホン出力だけということも話題となった。充電も外部機器との接続もUSB Type-Cでまかなうという意欲的な取り組みだが、充電しながらだと何も接続できないなど、正直不便なことのほうが多い。それでも、最近は何もかもワイヤレスで接続できるようになっているので、使い方によっては、さほど困ることもないだろう。たとえば、iPhoneで撮影した写真は、アップルのクラウドサービス「iCloud」を経由して簡単に取り込める。

もちろん、発売から1年が経過し、対応する機器は増えつつある。act2が扱っている「USB Type-C 5 in 1 Hub」など面白そうな機器もあるので、周辺機器でカバーできるようになってきている。

外部インターフェイスはUSB Type-Cとヘッドホン出力だけという潔い割り切り。ワイヤレスで何でも接続できるようになってきているので、使い方によっては困らないが、変換アダプターなど、対応の周辺機器を1つ用意しておくといいだろう

MacBookをきっかけに快適なワイヤレスの世界へ

MacBookは、アップルらしいすぐれたデザイン性と高い携帯性が魅力のモバイルノートだ。新モデルは、価格を変えずに、パソコンとしての基本性能が底上げされており、さらに完成度が高まったと言える。外部インターフェイスがUSB Type-Cとヘッドホン出力のみということは注意点として覚えておきたいが、そこまで割り切ることで、これだけ薄くてスマートなモデルに仕上がっていることも忘れてはいけない。

悩ましいのはMacBook Airの13インチモデルも価格据え置きで、8GBメモリーを標準搭載したこと。また、別売の純正カバー兼キーボードを使えばノートパソコンのように使える「iPad Pro」もある。持ち運んで作業できるデバイスがこれだけあると、当然どれを選んでいいのか迷うところだ。正直、誰かにどれがいいか相談されても、即答するのは難しい。ありきたりだが、タッチ操作やペン入力がしたければiPad Proを選べばいいし、伝統的なノートパソコンが欲しいならMacBookかMacBook Airを選べばいい。MacBookの性能や拡張性に不安があるなら、MacBook Airを選んだ方が幸せになられるはずだ。MacBook Airのほうが価格も安いので、お財布にもやさしい。それに対して、MacBookは万人向けでも入門用のモデルでもないが、アップルが提案するワイヤレスの世界を先取りできるモデルであり、MacBook AirにはないRetinaディスプレイも搭載している。MacBookを快適に使うには、周辺機器のワイヤレス化とクラウドサービスの利用が必須だが、一度ワイヤレス化してしまえば、煩わしいケーブルがなくなり、快適なパソコン環境が手に入るはずだ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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