任天堂のスマホ向けARゲーム「Pokemon GO」の日本国内での配信がついに開始された。配信開始から1か月経たずにダウンロード数が全世界で3000万回を突破するなど、爆発的なブームを巻き起こしている。国内でも、海外のPokemon GOブームを紹介するさまざまなニュースが報道され、政府が「Pokemon GOに関するおねがい」を配布するなど、配信前から大きな話題を呼んでいる本アプリ。本稿では、その特徴や実際にプレイしてみて気になったところなどをまとめてみた。
まずは「Pokemon GO」についての基本的なおさらいから。「Pokemon GO」は、ポケモンシリーズを題材にしたスマートフォン向けARゲームだ。Android版とiOS版がリリースされており、基本プレイは無料となっている。ただし、プレイするにはGoogleアカウントか「ポケモントレーナークラブアカウント」が必要となる。13歳未満の人はGoogleアカウントが取得できないため、13歳未満の人は、ポケモントレーナークラブアカウントの登録が必要となる。
Pokemon GOは基本プレイ無料で遊べるが、プレイするにはGoogleアカウントかポケモントレーナークラブアカウントのどちらかが必要となる
スマートフォン向けARゲームと書いたが、これまでコンシューマーゲーム機向けに発売されてきたポケモンシリーズと大きく異なるのが、現実世界そのものが舞台となっていること。現実世界を実際に歩き回りながら移動することで、アプリ内のマップが連動する仕組みになっており、マップ上に現れた野生ポケモンをゲットしていくというのがゲームの基本的な遊び方となる。
マップ上に現れた野生ポケモンをゲットするには、野生ポケモンが現れたポイントまで実際に近づき、アイコンをタップ。スマートフォンのカメラ映像に野生ポケモンが写し出されるので、野生ポケモンめがけてモンスターボールを投げて捕まえるといった流れになる。AR技術を用いて実現した、まるで目の前にポケモンがいるような感覚は、子供だけでなく大人でもかなり新鮮に感じられるはずだ。
現実世界を実際に歩き回りながら移動することで、アプリ内のマップが連動する仕組み。アプリ内のマップは実際の地図と同じように道や建物が描かれている。マップ上のポケモンをタップすると、ポケモンを捕獲するAR画面に移り、モンスターボールをポケモンめがけて投げてポケモンを捕獲する
なお、ポケモンを捕まえるのに必要なモンスターボールなどのアイテムについては、アプリ内課金などで手に入るゲーム内通貨を使ってショップで購入することができるほか、「ポケストップ」と呼ばれるスポットが各地に用意されており、その近くまで実際に足を運ぶことで手に入れることができる。
青いアイコンで描かれているのがポケストップ。近づいてタップすると、スポットに関する情報が表示され、それらを指でなぞると、冒険に必要なアイテムが手に入る
マップのモンスターボールをタップするとメニュー画面に遷移する。「ポケコイン」と呼ばれるゲーム内通貨を使ってショップからアイテムを購入することも可能だ
このほか、捕まえたポケモンは、アイテムを使って強化や進化が可能。所有しているポケモンを使い、マップ上にある「ポケモンジム」で配置されているポケモンと対戦してポケモンジムを奪い合う陣取りゲーム要素も用意されている。本アプリの開発を手掛けたのは、Nianticは、位置情報を使ったAR陣取りゲーム「Ingress」を手掛けていることもあり、このあたりは非常に似ている。
手に入れたポケモンは、アイテムを使って強化や進化ができる
マップ上にある「ポケモンジム」。ジムの上に配置されているポケモンと対戦し、ポケモンジムを奪い合う。ちなみに、レベルが5になるまで入れない
さっそくアプリをダウンロードしていろいろとプレイしてみたが、2つほど気になったとことがあった。
まずひとつめが、野生ポケモンやポケストップなどをタップするとき。アイコンに近づくと、アイコンをタップしただけで画面が切り替わるため、タップする際は周りに危険がないかをしっかりと確認してから行ったほうがいいだろう。特に野生ポケモンを捕まえるときは、スマートフォンをかざしながら操作するため、スマートフォンの画面に集中しすぎて思わぬ事故につながる危険性がある。国内に先駆けて配信された欧米でも、ゲームに集中し過ぎるあまり、周囲が見えずに事故に会うなどのトラブルが相次いで起き、社会問題になりつつあるので、必ず周りを見てからタップするというクセを付けよう。
ゲームロード画面にも表示されるが、必ず周りをみてからプレイしよう
政府の内閣サイバーセキュリティセンターから「Pokemon GOに関するお願い」も公開されている。プレイする前に一読しておこう
もうひとつが、バッテリー消費だ。ダウンロードしたデフォルト設定で遊んでみたのだが、1時間で30%ほどバッテリーを消費していた。ゲームに夢中になりすぎて、バッテリーが切れ、スマートフォンとして機能しないというのは本末転倒なので、外で長時間プレイする予定なら、モバイルバッテリーを一緒に持って出かけたほうがいいだろう。
ちなみに、アプリ自体にバッテリーセーバー機能が用意されている。こちらはデフォルトだとOFFになっているようなので、ダウンロードしたらONに設定してあげたほうがいいだろう。また、「Pokemon GO Plus」というリストバンド型のウェアラブルデバイスも今後発売予定となっている。Pokemon GO PlusとスマートフォンをBluetoothで接続しておけば、ポケモンが近づくと振動とLEDで知らせてくれるほか、ボタンを押すとモンスターボールを投げてポケモンを捕まえることもできるということなので、バッテリー消費が気になる人はこちらのデバイスの導入を検討してもいいだろう。
Pokemon GO Plusは、Pokemon GO用に開発されたリストバンド型ウェアラブルデバイスだ