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マルチウインドウ対応でタブレットや大画面スマホの使い勝手が大きく変わる!

「Android 7.0」を「Nexus 6P」にインストールして1か月使ってわかったこと

2016年8月下旬に、GoogleのAndroidタブレット「Nexus」シリーズなどに、最新OS「Android 7.0」が配布された。さっそく「Nexus 6P」にインストールして1か月ほど使ってみたが、そこでわかった新しいOSの便利な新機能や特徴についてレポートしよう。

「Android N」として知られていた最新バージョンのOSが、「Android 7.0」(愛称:Nougat、ヌガー)として登場。Nexusシリーズの一部で配布が始まっている

国内でバージョンアップの対象となるのは比較的新しいNexusシリーズ

2016年9月下旬時点で、Android 7.0に対応している製品は、グローバルでは「Nexus 6」、「Nexus 5X」、「Nexus 6P」、「Nexus 9」、「Nexus Player」、「Pixel C」、「Android One」の各機種。国内でもこれらの機種で、配布が始まっているようだ。また、Xperiaシリーズのグローバルモデルでも、バージョンアップ対象となる製品が発表されており、過去の状況から見て、おそらく2017年の春ごろに登場する製品から、Android 7.0が標準搭載されるものと思われる。

なお、今回の検証で使ったのは、SIMフリーのGoogle版「Nexus 6P」で、Android Beta Programを使ってひと足早くバージョンアップを行った。OSのビルド番号は「NRD90M」および「NRD90T」で、いずれもβ版ではなく正式版となる。

バージョンアップの準備が整うと、通知メニューに表示される。1GB強のファイルをダウンロードするのでWi-Fi環境は必須だ

Android 7.0は、メジャーバージョンアップらしく、強化された機能が多いが、最大の目玉となるのは、2画面のマルチウインドウへの対応だろう。マルチウインドウは、タブレットや大画面スマホでは待ち望まれていた機能だけに、こうした画面端末においては、特に恩恵が大きい。

マルチウインドウは、Android 6.0にも隠し機能として搭載されていたし、Xperiaシリーズや、GALAXYシリーズにもメーカー独自の仕様として搭載されていた。だが、Android 7.0では、OSレベルでの正式なサポートとなるので、対応するアプリが大幅に増えるはずだ。利用も簡単で、タスクボタンを長押しするだけでよい。なお、マルチウインドウにはアプリ側の対応が必要となっており、利用できないアプリもある。ただ、検証期間中だけでも、対応するアプリが着実に増えており、国内でもAndroid 7.0の普及が進むころには、さらに状況が改善されていることだろう。

左に「ポケモンGO」、右に「Twitter」の2画面表示を行ってみた。縦画面と横画面の両方で利用できる

左に「ポケモンGO」、右に「Twitter」の2画面表示を行ってみた。縦画面と横画面の両方で利用できる

アプリの実行環境としては、Android 5.0から採用されていたバーチャルマシン「ART VM」に改良が加えられている。ART VMは、事前コンパイル方式を採用することで、実行速度の向上や消費電力の削減を実現したが、インストール時にコンパイル(プログラムをハードウェアに最適化させる作業)を行うためインストールに時間がかかってしまうのが欠点。さらに、メモリーやストレージの消費も増えるため、ハードウェアの性能が高くない場合は不利になりやすかった。そこで、Android 7.0では、事前コンパイル方式をメインとしつつも、それを補完する形でJITコンパイル(Just In Timeコンパイル)も併用されるようになった。インストールされた直後のアプリは、JITコンパイルで実行され、コンパイルを待たずに利用可能になる。そして、深夜や休止中など影響の少ない時間になると自動的にコンパイルされるという仕組みだ。また、アプリやハードウェアなどの条件によってJITコンパイルと事前コンパイルの使い分けも可能になっているので、ハードウェア性能が低めの低価格スマートフォンはJITコンパイルを使うことで、アプリを快適に動作させることができるようになる。

なお、バーチャルマシンの仕様変更は、アプリの互換性に大きな影響を与えることが少なくない。しかし、筆者がゲームやユーティリティなどを含む100本ほどのアプリを試したところ、バッテリー管理アプリの一部機能がうまく動かなかったり、定番の掲示板専用ブラウザー「2chMate」でアニメーションGIFが動作しない、「LINE」で画像のサムネイルがうまく表示されないといった不具合があったものの、互換性に決定的な問題を感じさせるほどではなかった。もちろんこうした不具合もAndroid 7.0の普及が進めば徐々に解消されるだろう。

また、画面デザインのカスタマイズ可能な部分もかなり広がった。たとえば通知メニューにある設定切り替えのショートカットは順番の入れ替えや追加が可能だ。また、通知がアプリごとにまとめられているので、大量のメールを受信した場合に、通知がメールだけで埋まってしまうこともなくなった。

通知メニューにあるクイック設定の項目はカスタマイズ機能が標準で搭載された。APIが公開されているので項目の追加にも対応している

加えて、テキストのサイズを4段階、表示サイズを5段階でそれぞれ拡大・縮小できるようになった。こうした機能は以前から個々のアプリ別に用意されていたが、いちいち設定をしなおさないといけないのでなかなか手間だった。だが、Android 7.0では、アプリとホーム画面の設定を一括して変更できるので非常に便利だ。

テキストのサイズは4段階で調整可能

テキストのサイズは4段階で調整可能

テキストは別に表示サイズを5段階で調節でき、アプリなどの表示画面にも設定が適用される

テキストは別に表示サイズを5段階で調節でき、アプリなどの表示画面にも設定が適用される

アプリの一覧画面も表示サイズ調節の対象。一画面に表示させるアイコンの数もカスタマイズできる

アプリの一覧画面も表示サイズ調節の対象。一画面に表示させるアイコンの数もカスタマイズできる

このほかにも、新しい3D描画のためのAPI「Vulkan(ヴァルカン)」のサポートや、セキュリティを高めた「Android for Work」、注目のバーチャルリアリティ用に描画の遅延を抑えた描画モード、大量に追加された新しい絵文字など、ビジネスやエンターテインメントなど各方面に向けた機能強化がなされている。

絵文字機能も強化された。「Google日本語入力」を使えばすぐに利用可能だ

絵文字機能も強化された。「Google日本語入力」を使えばすぐに利用可能だ

利用シーンの広がった節電機能。新たにデータ通信節約機能が搭載される

Android 6.0から搭載されていた、ディープスリープモードの「Doze」にも改良が加えられている。従来は、端末が机に置かれているときしかこのモードが使えなかったが、Android 7.0では、かばんやポケットに入れた状態でもDozeが動作する。

また、モバイルデータ通信のデータ量を削減する「データセーバー」という機能も追加された。データセーバーは、WebページやSNS、ストリーミングといったユーザーの意思で行うフォアグラウンドの通信と、アプリが背後で自動的に行うバックグラウンドの両方の通信を制限する。フォアグラウンドでは、ストリーミングのビットレートや静止画の画質を落とす、Webブラウザーなどのデータ先読み機能を制限するなどの措置がとられる。

いっぽう、バックグラウンド通信を制限すると、たとえばメールの受信確認やSNSメッセージの受信など、使い勝手に大きな影響が出やすい。そこで、データセーバーには動作の例外となるアプリを指定するホワイトリスト機能があり、使い勝手を損ねずに通信のデータ容量を削減できる。

データ通信を節約するデータセーバーは、設定をオンにすることで動作する

データ通信を節約するデータセーバーは、設定をオンにすることで動作する

データセーバーの例外となるアプリをホワイトリスト設定できる

データセーバーの例外となるアプリをホワイトリスト設定できる

各メーカーのOSカスタマイズを集大成したようなバージョンアップ

Andoid 7.0の注目機能を見てみたが、マルチウインドウや、節電機能、通知画面のカスタマイズなど、すでに各社のスマートフォンに搭載されているものも多く、新味がないと感じる人もいるかもしれない。

だが、Androidスマートフォンは、全体の方向として、メーカーごとにばらばらだったユーザーインターフェイスをなるべく統一させる流れにあり、このAndroid 7.0もその一環にあるといえるだろう。

OSのバージョンは、しばらく時間がたってから大きな影響が出る。特に、今回サポートされた「Vulcan」は、ゲーム方面で大きな影響が現れる可能性がある。Androidスマートフォンやタブレットの購入を予定しているなら、Android 7.0の動向に注意しておいたほうがよいだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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